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男色ディーノのゲイムヒヒョー ゼロ:第734回「伝わらないと面白いと思ってもらえない」
ここで私が言いたいのは,自分が面白いと思っているコンテンツと,世間が面白いと思うコンテンツは必ずしも一致しないってこと。自分の感じる面白さが,世の中にとっても面白いかどうかは別。これ,実は複雑な話なんですよ。
自分の人生で,一番重視すべきは自分の喜怒哀楽じゃないですか。自分にとって楽しければそれでいい。だって自分の人生なんだから。ただ,それって自分以外の人には通用しない話なんですね。他の人には,他の人の人生があるわけだから。
例えば,「ドラクエが面白い」で共感する人は多いけど,いくら自分が好きでも有名でない作品の面白さは共感する人が少なくなる。この場合,「ドラクエがすごい」は成り立つんだけど,「自分が好きなマイナー作品はすごくない」とはならないんですよね。
あ,ビジネスの側面は入れてないです。この話は,自分にとっての作品の在り方なので。ビジネスの要素を入れてしまうと,数字で優劣がつけられますからね。それはもう,ビジネスなんでしょうがない。細かく言うとビジネスの視点からでも,売上本数が多いのがいいのか,利益率が高いのがいいのか,シリーズとして見るのか等,どこを重要視するかで評価も変わってくるんだけども。
話を戻しましょう。世の中には面白いコンテンツがいっぱいあって,でも面白いことが伝わっていないジャンルや作品は数多くあるよねってことです。そしてもう一歩踏み込むならば,作品の規模を根拠に第三者がマウントを取るのはダセーと私は思っています。
プロレスに例えましょうか。日本の業界最大手の新日本プロレスはすごいです。ここは揺るぎません。ただ,だからといって他のプロレス団体がすごくないわけでは決してない。でも,世の中には「それぐらいじゃ,新日本では通用しない」「ある程度の期間,新日本で修業したらいい」的なことを言うファンがいたりするわけです。その意見を持つことに対しては尊重しますよ。ただ,口に出したり,文字にしたりするべきようなことなんだろうか。
私はもう直接言われることはないんだけど,これを言われる立場からすると,そもそもなんで自分の主戦場以外で通用しなきゃいけないの? 修行って何? 違う環境に身を置くって意味なら新日本である必要ないんじゃないの? って思ってしまうんですよね。
繰り返しますが,新日本プロレスはすごいです。わざわざ言わないけど,何がすごいかも分かっているつもり。ただ,それはおそらくファンが思っているすごさとは,別の種類のものなんですね。これ,プロレス業界だけじゃなくて,他の業界でも言えることなんじゃないでしょうか。規模が作品の良し悪しを決めるものではない。
というわけで,今週は「Age of Wonders 4」(PC / PS5 / Xbox Series X|S)について。先週でも紹介しているストラテジーゲイムですな。
これ,めちゃめちゃ面白いんです。「シヴィライゼーション」シリーズが好きな人ならプレイしたほうがいい。探検や開発,戦闘のシンプルさ,プレイヤーの判断など,シミュレーションゲイムやストラテジーゲイムに必要な面白さが全部詰まってます。私もね,このゲイムには売れてほしいと思っている。
だがしかし! もったいない。本当にもったいない。面白いのに,面白くなるまでのナビゲイトが足りなさすぎる! これは日本語訳の時点でそうなっているのか,そもそもナビゲイトに力を入れてないのか。すごく面白いのに,それが伝わりにくいという煮え切らなさよ。
いや,マジで面白いんです。キャンペーンモード,いわゆる他のゲイムで言うストーリーモードですね。まあ,ストーリーはないんだけども。これはゲイムが指示することをこなしていけばいいよっていうモードなんだけど,言われたことをこなしていくだけなので,なぜそうなるのか,何のためにその選択をしなきゃいけないのか,メリットは何なのかがあまり明瞭じゃない。簡単に言えば,頭に入ってこない。
だから指示されているうちはいいんだけど,指示がなくなると何もできないんですよね。正解か不正解かが分からないいし,自分が今,何をしているのかも分からない。ただ,それでもなんだか面白いのが,このゲイムのすごさな気もするけど。ともかく,面白いのにもったいない,というのが率直な感想ですね。私の理解力が足りてない説もあるんだけど,それでも伝わりにくさは気になりました。面白いのに。
まとめますね。どのゲイムも面白いんですよ。世の中に面白いコンテンツがあふれているように。ただ,伝わらないと面白いと思ってもらえない。人間,自分が一番面白いと思っているジャンルやコンテンツを,世の中でも一番面白いと思ってしまうものなんです。でも,実際にそんなことはない。だから伝えることを続けなきゃいけないんだな,最低限の分かりやすさ,もしくは分かりやすくする工夫は必要なんだなと思った次第でございます。
「Age of Wonders 4」,ホントに面白いですよ。ちょっとした覚悟は必要だけど。そんなわけで今週はこんなところで。また来週。
今週のハマりゲイム
PlayStation 5:「Age of Wonders 4」「eFootball 2023」
Nintendo Switch:「溶鉄のマルフーシャ」「Winning Post 10」
iOS:「ロードモバイル」
iOS:「ウイニングイレブン カードコレクション」
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(C)2023 developed by Triumph Studios and published by Paradox Interactive AB. AGE OF WONDERS 4, TRIUMPH STUDIOS and PARADOX INTERACTIVE are trademarks and/or registered trademarks of Paradox Interactive AB in Europe, the U.S. and other countries
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