連載
男色ディーノのゲイムヒヒョー ゼロ:第759回「作法を気にしてたら生まれない魅力」
私,男色ディーノはプロレスラーです。ただ,いわゆるメジャーではなく,インディーと呼ばれるカテゴリにいるプロレス団体に所属しています。
自分で言うのもなんだけど,プロレスラーの中では比較的名前が知られている存在なのかなとは思います。まあ,世間一般には全然知られてないと思ってるんで,今ひとつ偉そうに振る舞えないんだけども。メジャーと呼ばれる団体の一部の選手よりも,名前だけは知られてるのかなーなんて思ってはいます。
それでも,やはり私はインディーなんです。何が違うんだろう。いや,別に私はインディーであることが悪いなんて思ってないし,むしろメジャーになりたいなんて思ったことは二度くらいしかない。逆にインディーであることに誇りすら持ってるよね。
ただ,メジャーとインディーの根本的な定義が分からんまま,キャリア20年を超えてしまったので,最近では実際のところ両者の違いはなんなんだろうと思うようになりました。今ココ。
知名度ではないとしたら,なんなんだろうか。ま,結局答えは出てないんですけどね。
で,ここからがゲイムの話になるんだけれども,ゲイム業界にも普通のパブリッシャとインディーというカテゴリがあります。この違いも,イマイチ分かりません。
ただ,1つのタイトルに対してかけられるお金や時間,人数の違いだったりするのかなぁとも思うのですが,じゃあ「これだけの数字をかけたらインディーじゃなくなる」っていうラインが定められているわけでもなく。「メジャーとインディーの違いは?」に対して,ケツ論だけで言うと「分からん」って答えになります。
たぶんだけど,自称の世界。言葉の意味だけで言うと「インディー」という言葉は独立という意味なので,独立してゲイム作っているのがインディーっていうことなんですかね。どの大手も独立はしてるだろ,と思わなくもないけど。
答えが分からんにもかかわらず,今回なぜそんなにメジャーとインディーについて述べ始めたのか。それは,インディーならではの作品をプレイしたからです。その名も「デイヴ・ザ・ダイバー」(Nintendo Switch / PC)。PC版がSteamで大人気のゲイムですが,このたびNintendo Switchでも遊べるようになったわけですよ。
このゲイム,昼はダイバーとして海に潜って魚を獲って,夜は寿司屋の店員として働くっていう作品なんですね。評判どおり,やはり面白い。そして,面白さがインディーゲイムの面白さなんですよ。
早くも今回の記事のケツ論になるんだけど,「ゲイム性はメジャーとインディーでは違うよね」って話。これ,どういうことかというと,メジャーの作品って目的やコンセプトに向かって作られてる傾向があると思うんです。「これを味わってもらいたいから,こうする」っていう。
一方でインディーは「面白そうなもんは全部ブチ込む」っていう作品が多い。もちろん,全部が全部そうだとは言わないけれど。傾向の話だからね。
で,実際に「デイヴ・ザ・ダイバー」も要素がてんこ盛りなんです。アクションゲイムとしての漁,経営シミュレーションゲイムとしての寿司屋。あとはお金で性能がアップしていくRPG的な要素もあるし,ストーリーを進めていく要素もある。
もちろん,メジャータイトルにもいろんな要素を楽しめる作品は多いけど,それってたぶんそれぞれの要素をチーム単位で開発していると思うんですよ。その上で要素と要素を上手く融合させる役職もいる。
その点,「デイヴ・ザ・ダイバー」は違うんですよ。けっこう強引に別々の要素をつなぎ合わせた印象。だけど,それがまた味になっていて面白い。まとめると,各要素はバラバラなのにそれぞれ面白くてまとまってない。けどそれが,また面白いという。そんな作品です。
プロレスもそうなんだけど,メジャーにはいわゆるメジャー特有の作法があるんですよ。でも,インディーにはそれがない。だって,自分のノリと雰囲気でヤってるから。私は「面白いならいいんじゃね?」って思うほうなんで,作法はあまり気にしない。……うん,やっぱ私インディーだわ。
で,「デイヴ・ザ・ダイバー」は自由でしっかり面白くて,親近感も湧くよね。たぶん作法を気にしてたら生まれない魅力が,このゲイムにはあるんだと思う。おススメできますね。ぜひ。
というわけで,定期的にやってくる「メジャーとインディーの違いってなんだ?」という私の中の疑問の答えがちょっとだけ言語化できた。それは「デイブ・ザ・ダイバー」のおかげだったという今週でございました。
まだまだ歳を重ねて,その時にたどり着く答えもあるんでしょうけど。一生答えが出ない問いだと分かってるのに,自分なりの答えの途中経過が確認できる瞬間って勝手に誇らしいよね。やっぱゲイムは人生のいろいろを教えてくれるなあって実感しつつ,また来週。
今週のハマりゲイム
PlayStation 5:「eFootball 2024」
PlayStation 5:「EA Sports UFC 5」
Nintendo Switch:「Vampire Survivors」
Nintendo Switch:「ピクミン4」
Nintendo Switch:「デイヴ・ザ・ダイバー」
iOS:「ロードモバイル」
iOS:「ウイニングイレブン カードコレクション」
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