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インディーズゲームの小部屋:Room#334「Transistor」
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印刷2014/06/04 10:00

連載

インディーズゲームの小部屋:Room#334「Transistor」



 すっかり夏めいてきて,早くも夏バテの予感がする筆者がお届けする「インディーズゲームの小部屋」の第334回は,Supergiant Gamesの「Transistor」を紹介する。本作は,The Transistorという名の不思議な剣を手に入れた赤毛の女性主人公Redとなり,未来都市Cloudbankでロボット軍団Processと戦うSFアクションRPGだ。冬の間は暖かくなってきたら本気を出そうと思ってたけど,やっぱり涼しくなってきてからにします……。

画像集#001のサムネイル/インディーズゲームの小部屋:Room#334「Transistor」

 ゲーム開始直後,Redは一人の男性の胸に突き刺さった大剣,The Transistorを手に入れる。男性が何者かは分からないが,Redとは親しい間柄にあったようだ。RedがThe Transistorを手にすると,何か不思議な力で男性の意識はその剣に吸収され,それ以降は剣から聞こえてくる声のみの存在となってRedを導いてくれる。そう,The Transistorには,人の意識や記憶といったものを吸収する能力があるのだ。

画像集#002のサムネイル/インディーズゲームの小部屋:Room#334「Transistor」

 The Transistorは,“トレースデータ”と呼ばれる,その人の意識や記憶を取り込むことで新たなファンクションを獲得できる。ファンクションとは,簡単に言ってしまえば攻撃スキルのことで,最大4つのファンクションを自由に選んで任意のスロットにセットし,これを駆使してProcessと戦っていくのだ。どうやらRedは,Processを陰で操るCamerataというグループに狙われており,The Transistorで殺されそうになっていたところを,上述した男性に救われたらしい。

Camerataの皆さん
画像集#005のサムネイル/インディーズゲームの小部屋:Room#334「Transistor」

 個々のファンクションは,それ単体で使用できるだけでなく,ほかのファンクションのアップグレードスロットに組み込んだり,パッシブスロットにセットしたりも可能で,それによってさまざまな効果を得ることができる。カスタマイズの幅はかなり広いので,あれこれ試して自分好みの組み合わせを見つけよう。
 さらに,Redのレベルが上がると入手できるリミッターを装着することで,敵を強化して獲得経験値をアップさせるといった要素もある。ぶっちゃけ,このあたりの仕組みはちょっとややこしい。

画像集#003のサムネイル/インディーズゲームの小部屋:Room#334「Transistor」

 本作の戦闘において最も特徴的なのは,リアルタイムのアクションと,時間を止めて行動を予約し,停止を解除すると同時に高速でそれを実行する“Turn()”と呼ばれるモードが融合している点。Turn()は画面上部にあるアクションゲージが満タンになると使用でき,この間は,移動したり,ファンクションを使用(というか予約)したりするたびに少しずつゲージが減少していく。

画像集#004のサムネイル/インディーズゲームの小部屋:Room#334「Transistor」

 そして,Turn()を解除すると同時にRedと敵が動きだし,前もって予約しておいた一連のアクションが高速で実行されるのだ。これによって,敵の動きを読んで背後に回り込み,連続技を叩き込むといった,華麗な攻撃が繰り出せるのが面白い。Turn()を起動している間のコマンド入力には時間制限がなく,行動予約や取り消しを何度でも行えるので,じっくり考えてストラテジーゲームのような戦略的な戦いができるというわけだ。

画像集#006のサムネイル/インディーズゲームの小部屋:Room#334「Transistor」

 ただし,一度実行すると,再びゲージが溜まるまでTurn()を使えなくなるので要注意。ゲージが回復するまでは一切攻撃できないため,ひたすら回避に専念しよう。また,一度にすべてのゲージを使いきる必要はないので,状況に応じた戦い方を心がけたいところだ。慣れないうちはどうやって動けばいいか分かりにくいが,とにかくTurn()を起動してしまえばあとはじっくり時間を使えるので,慌てずに操作しよう。


 「Bastion」で高い評価を受けたアーティスティックなグラフィックスと,思わずため息がこぼれそうな音楽は本作でも健在で,大きな魅力になっている。一方で,システム周りはその複雑さに対してやや説明が不足しており,理解するまでに時間がかかる。
 また,プレイ中はほぼ全編を通じて,The Transistorと一体となった男性による英語のナレーションが流れており,本作の雰囲気づくりに一役買っているのだが,ストーリーを十分に堪能するためにはそれなりの英語力が必要になりそうだ。

 テキスト量も多く,英語が苦手な人にはなかなかお勧めしづらいが,本作ならではの世界観を持った完成度の高い作品なので,興味を持った人はチャレンジしてみてほしい。そんな本作は,Steamにて19.99ドルで発売中だ。

■Supergiant Games公式サイト
http://supergiantgames.com/

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