連載
インディーズゲームの小部屋:Room#503「RUINER」
街中でカボチャの装飾を見かけるたびに,HELLOWEENの歴代メンバーが集結し,PUMPKINS UNITEDとして行っているワールドツアーに思いを馳せてしまう筆者がお届けする「インディーズゲームの小部屋」の第503回は,Reikon Gamesが開発した「RUINER」を紹介する。本作は,何者かにさらわれてしまった兄を救うため,弟がたった一人で死闘を繰り広げるというアクションシューティングだ。アンディももちろん好きだけど,カイとキスクはやっぱり特別なんだよなあ……。
舞台となるのは,西暦2091年の巨大サイバー都市「レンゴクシティ」。多額の投資を行っている巨大企業ヘヴン社が実質的に支配し,暴力のみがモノを言う,腐敗しきった街だ。主人公はここで何者かに兄をさらわれ,自身も脳をハッキングされて危うく命を落としかけていたところを,謎の女ハッカーに救われる。そして彼女の力を借り,兄を取り戻すための戦いに身を投じることに……。
本作は,バイオレンスなハイスピードバトルをこれでもかと満喫できる,見下ろし型のアクションシューティングだ。プレイヤーは主人公である弟を操作し,兄の行方の手がかりを求めてギャングのアジトやヘヴン社の息がかかった工場などに乗り込み,激闘を繰り広げていく。主人公にはとくに名前はないが,ジャケットの背中に漢字でデカデカと「弟」と書かれているので,誰がどう見ても弟であることは間違いない。
主人公はゲーム開始時に「ルイナー」という銃と「鉄パイプ」を装備しており,任意に切り替えが可能。基本的には銃のほうが有利だが,敵との相性によっては鉄パイプに持ち替えて,接近戦で殴り倒してしまうほうが効果的な場合もある。
武器は,倒した敵が落としたものを拾って使うこともでき,相手を凍らせる「サブゼロ」や小型のレーザー砲「XAAR」といったハイテク銃から,鉄パイプよりも強力な「火炎パイプ」や「アーマーブレイカー」などの近接武器まで,数多く用意されている。これらの武器は強力なぶん,弾数や使用回数が限られているが,敵を倒すとじゃんじゃん手に入るので,ケチらずにどんどん使い捨てていこう。
そしてもう一つ,主人公の力強い味方となってくれるのが多彩なアビリティだ。アビリティの効果は,敵の銃撃を防ぐ「エネルギーシールド」や,一定時間,自分の能力を強化する「オーバーロード」,周囲の時間の流れを遅くする「リフレクスブースター」など,バラエティに富んでおり,スキルポイントを割り振って任意のものを習得/強化していく仕組みだ。
ここで覚えておきたいのが,一度割り振ったスキルポイントはいつでも払い戻し可能で,それを使って別のアビリティを習得できるという点。普段はよく使うアビリティをバランスよく取っておき,攻撃力が高いボス戦のときのみ,エネルギーシールドを一点集中で強化するといった具合に,臨機応変に対応していける。また主人公は,ゲーム中,さまざまな方法で入手できる「カルマ」を収集してカルマレベルを上げることで,新しいアビリティがアンロックされる。
銃と近接武器を使い分けつつ,状況に応じてアビリティを発動させなければならないため,操作はかなり忙しく,敵の攻撃が激しいこともあって,全体的な難度は高め。とは言え,敵に倒されても素早くリスタートできるので苦にならず,止めどきを見つけるのが難しい中毒性の高いゲームに仕上がっている。アクションシューティングとしての完成度の高さはもちろん,濃厚なサイバーパンクな世界観と丁寧なローカライズも没入感を高める要因となっており,この手の作品が好きな人に文句なしにオススメしたい。そんな本作のPC版は,Steamにて1980円で発売中だ。
■「RUINER」公式サイト
http://ruinergame.com/キーワード
(C)REIKON GAMES 2017.
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