連載
インディーズゲームの小部屋:Room#531「Solo」
たまにはのんびり京都観光をしたい筆者がお届けする「インディーズゲームの小部屋」の第531回は,Team Gothamの「Solo」を紹介する。本作はパズルを解きながらカラフルな島を探索しつつ,行く先々で投げかけられる“愛とは何か”という問いに答えていくアドベンチャーゲームだ。仕事を忘れて新緑の京都を満喫したい!
本作は愛や人間関係をテーマにした作品だ。プレイヤーはゲームを通じて,愛についてさまざまな思索を巡らせることになる。ゲームを開始したら,まずは自分の性別や外見,男性と女性のどちらを愛するかといったことを設定する。そして一人の船乗りとなり,海に浮かんだ小さな島々を探検していく。
どこまでも広がる青い海は主人公の心を表しており,そこに浮かぶ小島は心の中の風景のようだ。島にある小さな灯台を起動すると,それに対応するトーテムが目を覚まし,このトーテムに触れると,愛や人間関係にまつわる質問が投げかけられる。この問いに答えることで,海の中から新しい小島が出現し,世界が広がっていく仕組みだ。
船乗りはジャンプができないため,段差の上にある灯台やトーテムには,そのままでは到達できない。そこで登場するのが,足場を作り出すためのパズル要素。段差の周囲には必ず箱が置かれているので,これを持ち運んで足場を作るというわけだ。ゲームを進めると,風が吹き出したり,吸盤で壁に張りつけられたりする特殊な性質の箱が現われ,パズルがだんだんややこしくなっていく。
そんな船乗りの助けとなってくれるのが,パラシュートと魔法の杖という2種類のアイテム。高い段差に登ってパラシュートを使えば,ゆっくり下降しながら反対側の段差に着地できるし,魔法の杖を使えば,離れた場所にある箱をその場にいながら移動できる。どちらも重要なアイテムなので,うまく使いこなして小島を探検していこう。
本作には敵は登場しないが,小島には可愛らしい小動物がいて,頭をなでて可愛がったり,エサをあげたり,ギターを弾いて聞かせてあげたり,一緒に自撮り写真を撮ったりできる。また,パートナーと離れ離れになって寂しがっていたり,植物が枯れて悲しんでいたりする動物もいるので,彼らの手助けをしてあげてもいいだろう。
動物達を助けなくてもゲームをクリアすることはできるが,ローポリゴンのカラフルで可愛らしいグラフィックスと静かな音楽に浸りながら,トーテムから問いかけられる“愛とは何か”について考えていると,自然と優しい(あるいは切ない)気持ちになり,動物達を助けてあげたくなってくる。うまく言葉で表すことはできないが,非常に内省的な作品だ。
心の海に浮かび上がる小島を巡る4〜5時間の旅の果てに,どんな結末が待っているのか。本作の製品版はSteamにて1520円にて発売中なので,魅力的なグラフィックスやテーマに引かれた人は,ぜひどうぞ。
■「Solo」公式サイト
http://www.solo-adventure.com/- この記事のURL:
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