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[CJ 2008#12]海外展開は? 「誅仙」は? 完美時空ショートインタビュー
本日はよろしくお願いいたします。まず,中国でのオンラインゲーム事情についてお伺いしたいのですが。
Kevin氏:
順調に成長を続けています。2004年以降,毎年20%以上の高い水準で成長が続いています。IDGの調査では,最近は30%くらいの伸びになっているということです。
4Gamer:
だいたい3年で2倍ですか。凄い勢いですね。
Kevin氏:
2008年の予測では,約13億ドル(約1356億円)の市場になるといわれています。そのうちの60%以上を中国の国産タイトルで占めています。この比率は今後も年々上昇していくでしょう。
4Gamer:
そのうち御社の占める割合はどの程度ですか?
Kevin氏:
だいたい67%くらいです。
4Gamer:
それも凄い数字ですね。次に,中国産ゲームの海外輸出の動向について教えてください。
Kevin氏:
韓国に比べると,中国産のオンラインゲームの輸出額はまだまだ低いのですが,この差は今後どんどん縮まっていく予定です。台湾で開発されている大型タイトルの多くは,実は中国大陸内で開発されています。
4Gamer:
御社は中国国内以外では,日本などにも作品を提供していますが,どれくらいの国に提供しているのでしょうか?
現在17か国です。日本,韓国,マレーシア,タイ,ベトナム,フィリピン,ロシア,インドネシア……など,いろいろな国ですね。海外での収入は全体の25%程度とさほど多くありません。今年はアメリカやヨーロッパにも支社を作って広げていきたいと思っています。
4Gamer:
なかなか凄いですね。ところで,日本でもサービスが予定されている新作「誅仙」について聞かせてください。
Kevin氏:
このゲームは,国産オンラインゲームとしては現在一番ではないかと思います。
4Gamer:
それは,会員数から見てですか? 売り上げから見てですか? それとももっと漠然とした印象ですか?
Kevin氏:
すべてにおいてですね。プレイヤー数は,同時接続者数で50万人に達しています。売り上げも中国で一番です。
4Gamer:
なるほど。では,誅仙の人気のポイントはどのあたりにあるとお考えでしょうか?
Kevin氏:
第一に,このゲームは中国で人気のあるインターネット小説をもとにしており,ストーリーがとても優れています。中国初のインターネット小説をもとにしたゲームですね。第二に,操作が簡単で,誰でも上達しやすい遊びやすさがあります。
4Gamer:
日本では(ケータイ小説はあっても),インターネットで小説を読む文化がほとんどありません。中国ではインターネット小説を読む人が多いんですか?
そうですね。とても人気があります。それに多くの作家は,インターネットで自分の小説を公開したがっています。
4Gamer:
そういう小説を読むのは無料なのですか?
Kevin氏:
たいていは無料ですよ。長編の場合,たまに有料なものもあります。
4Gamer:
日本では,そういったものが流行っていないわけですが,日本で展開する場合にはどのようにしたいと考えていらっしゃいますか?
Kevin氏:
中国と日本の文化はよく似ていると思っています。例えば三国志は,どちらの国でも,とても人気がありますよね。確かに,インターネットの使い方では日中で差がありますが,インターネット以外のメディアを使って宣伝することもできるわけですから,心配はないと思います。
4Gamer:
なるほど。御社は日本でのサービスに,これまでシーアンドシーメディアとコンビを組んでいましたが,一緒にやってきていかがでしたか?
かなりよかったと思います。日本ではテレビゲームの市場が大きく,オンラインゲームの市場はまだ完全には立ち上がっていません。中国と日本では必要な戦略が異なりますので,非常に助かっています。当社の開発力は大きく,現在もいろいろなタイトルが開発されていますが,それらを日本で展開する場合には,シーアンドシーメディアに優先権があります。
4Gamer:
分かりました。では,最後に日本に向けて,何かメッセージをお願いします。
Kevin氏:
日本の会社にゲームを提供することは,文化的な交流であると思っています。商売上の取引だけではなく,一緒にオンラインゲームを開発しているわけです。日本の技術と中国の技術が融合すれば,さらに大きな市場を開発することも可能でしょう。今後もそのような交流ができることを期待しています。
4Gamer:
本日はありがとうございました。
第6回を迎えたChinaJoyで,完美時空は4回めの参加となる。初回でPerfect Worldを発表後,夢世界-武林外伝-など,着実にタイトル数を増やしている。いまや押しも押されもせぬ大手であろう。誅仙は,もともとのインターネット小説の人気に,洗練されたグラフィックスもあいまって人気ゲームになっているようだ。そういった素地のない日本での展開には不安もつきまとうが,Kevin氏は中国と同じやり方にこだわることはないと,割り切った考え方のようだ。
ただ,日本に向けてカルチャライズを加えるといっても,原作者の意思を無視するわけにもいかないだろうから,Perfect Worldのときのような大きな設定変更は難しいのではないか。シーアンドシーメディアの手腕が問われることになりそうだ。
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