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キューエンタテインメントの新作MMORPG「Secret Online」 インタビュー:ゲームシステム詳細とその独自要素について
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印刷2007/08/01 17:06

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キューエンタテインメントの新作MMORPG「Secret Online」 インタビュー:ゲームシステム詳細とその独自要素について

 7月30日,キューエンタテイメントは新作MMORPG「Secret Online」のサービスをスタートすると発表した(関連記事)。クローズドβテストは8月29日から開始予定で,テスター募集は8月15日からとなる。
 それに先駆けて,Secret Onlineがどのようなゲームであるのか,プロデューサーのキューエンタテインメント 執行役員 オンラインゲーム事業部 部長 森 健志氏と,同タイトルのディレクターを務めるオンライン事業パブリッシング部 シニアディレクター 君塚靖征氏にその概要を聞いてきた。



■台湾発のアクション要素を持ったMMORPG

4Gamer:
 本日はよろしくお願いします。「Angel Love Online」(以下,ALO)に続いて,新たなタイトルのサービスを開始するとのことですが,どのようなゲームなのでしょうか。

キューエンタテインメント 執行役員 オンラインゲーム事業部 部長 森 健志氏
森 健志氏(以下,森氏):
 「Secret Online」という3DタイプのMMORPGになります。開発は台湾のDash Digital Entertainmentで,原題は「秘密Online」です。PCオンラインゲームとしては本作が初のタイトルになりますが,開発チームは日本のゲーム会社における実績を残しています。

4Gamer:
 台湾ではすでにサービスが開始されているのですか?

森氏:
 いえ,台湾ではクローズドβテストが何回か行われたという段階です。台湾での正式サービス開始が先行するはずだったのですが,日本から要望を送っているうちにゲーム全体のボリュームがどんどん大きくなってしまったんですね。
 台湾では今,日本でのサービスを優先したほうがいいんじゃないかという雰囲気になっているようです。

4Gamer:
 台湾と日本は同じ仕様となるのでしょうか?

森氏:
 そうですね。同じものになるはずです。

4Gamer:
 台湾での反響や実績は,具体的にどんな感じなんでしょう?

森氏:
 参加人数限定のクローズドβテストを行ったという報告しか受けていないので,まだ判断しかねる状態ですね。台湾でのパブリッシングは,ALO同様,Soft Worldが手がけています。Soft Worldは,台湾ではGamaniaと並ぶ大手ですので,ある程度大きなタイトルとして認知されていくとは思っています。

4Gamer:
 台湾での注目度は高いということですね。

森氏:
 そのはずです。ただ,私自身はほかの国での評価をあまり気にしくてもいいんじゃないか,という考えを持っています。それよりも,日本でのサービスをよりよくするために,いろんなことをどんどんやっている感じですね。
 かつて私と君塚が手がけた韓国産のタイトルがあるんですが,これは韓国での評判はサッパリだったんです。でも,日本ではそこそこの実績を出したという経験があります。以前は韓国で人気というのが一つの指標ではあったんですが,実際に自分で手がけてからはほかの国で当たっても日本で当たるとは限らない,逆もまたしかりと考えるようになっています。もちろん,多くの国で当たるのにこしたことはないのですが。

4Gamer:
 日本での登録ユーザー数とかアクティブユーザー数は,どれくらいを想定していますか?

森氏:
 100万人,200万人という登録会員数を得られればもちろん嬉しいのですが,今の市場では難しいということも把握しています。登録数が20万人から30万人で,その中から本作を気に入ってプレイして下さるアクティブプレイヤーが何割かいて,それで長く運営を続けていければいいですね。個人的には,登録者の数字にどれくらい意味があるのか疑問もあるのですが。

4Gamer:
 アイテム課金制ということですが,アイテムの内容や価格帯,想定しているプレイヤー一人あたりの1か月の想定利用額を教えてください。

森氏:
 アイテムはALOと同程度の価格帯を考えています。内容については,ブースト系とアバター系は入ると思います。それ以外は今後,プレイヤーの要望を検討しつつ,決めていくことになると思います。1か月あたりの売り上げについても,ALOと同程度を見込んでいます。

4Gamer:
 アイテムを買わなければゲームができないというものではないんですね。

森氏:
 そうですね。

4Gamer:
 プレイヤー層についても,ALOと同様の層を狙っていくのですか?

森氏:
 年齢的には15〜25歳,PCオンラインゲーム初心者や女性ユーザーといった点でALOと似通っていますが,当社としてはまったく違う層を想定しています。というのも,ALOは実際にログインしたり,掲示板などで評判を確認したりすればお分かりになると思うのですが,現実に“ほかの何かをしながら”プレイできるというシステムになっているんですね。

4Gamer:
 採集や生産もオートでスキルが上がっていきますよね。

森氏:
 ええ,私どもでは“ながらプレイ”と呼んでいるんですが,例えば料理などほかのことをしながらプレイできて,スキルも上がっていくわけですね。そうした理由からか,ALOプレイヤーは,主婦の方も多いんですよ。お子さんが帰ってくるまでの間にプレイしていたりとか。

4Gamer:
 Secret Onlineでは,そうした層とは異なるユーザーを開拓していく,と。

森氏:
 そうですね。2Dと3Dという見た目はもちろん,ゲームパッドに対応するなど操作にもアクション要素を取り入れていますから,まったく異なるプレイヤー層になると考えています。もう少し具体的にいうなら,クリックゲームに飽きているような方々にアピールできるタイトルだと思います。

■ゲームパッド対応もコンシューマゲーム機並みに

4Gamer:
 それではSecret Onlineの大きなポイントとなる,アクション要素についてお聞きします。まず,ゲームパッド対応にした理由は何でしょう?

キューエンタテインメント オンライン事業パブリッシング部 シニアディレクター 君塚靖征氏
君塚靖征氏(以下,君塚氏):
 PCゲームでアクションというと,W/A/S/Dキーで移動,スペースバーでジャンプというのが一般的です。ただ,日本でコンシューマゲーム機に親しんできた人達からすると,ゲームパッドで遊びたいという意見も多いと思います。それを踏まえて,Dashさんでゲームパッド対応のクライアントを制作してもらったんですが,さらに日本らしい動きといいますか,日本のコンシューマゲームに近い操作感を実現できるよう調整しています。

4Gamer:
 日本らしい動き,というのは具体的にどのようなものでしょうか?

君塚氏:
 例えば,プレイステーションでいうところの左スティックで移動,右スティックで視点変更,×ボタンでジャンプ,○ボタンで決定といった,誰でもすぐに慣れることができる,一般的な操作体系ですね。現状のクライアントではまだすべて対応していないのですが,チャット以外はゲームパッドでプレイできるよう,順次開発を進めています。

森氏:
 台湾ではゲームパッドに対する意識が日本と違うようなので,コンフィグレーションもしっかり対応できるよう要望を投げて,あとはジックリと説得ですよね。……君塚がゲームパッドにこだわっちゃっているもので。
 実際にゲームパッド対応のクライアントが上がってきたら「これではゲームパッドのプレイとはいえない」とか言い出して,山のように要望をDashさんに送りつけたんです。それを見て「これ全部やるんですかー」と驚いちゃって。「このへんで妥協してくれませんか」という連絡が来ても,「いや,ちょっと待て」と。正直,そのこだわりぶりを見て,私がひいているくらいですから(笑)。

4Gamer:
 ゲームパッドのデフォルト設定一つでプレイのモチベーションはかなり変わりますしね。人によってはSecret Onlineのために購入するわけですから,重要な部分ではあると思います。

森氏:
 もちろんゲームパッドは必須ではなく,キーボードとマウスでもプレイできます。コンシューマゲームに慣れている,あるいはアクションゲームをゲームパッドで遊びたいという方のための要素ですね。PCゲームでは初心者でも,コンシューマゲームのプレイ経験が長いという方を強く意識しています。

4Gamer:
 少々後ろ向きな質問になってしまいますが,PCゲームユーザーのゲームパッド普及率についてはどう考えていますか? ゲームパッドは数千円するものですし,普及率はまだまだ低いのではないかと思うのですが。

森氏:
 快適なプレイを求めるという意味では,ゲーム内アイテムもゲームパッドも同義の部分があると思います。プレイヤー一人当たりが1か月に使う課金アイテムの購入金額と比較すると,ゲームパッドの価格はそれほど高額なものではないととらえるプレイヤーさんは,少なくはないと思います。ゲームパッドを購入して,より深くプレイしてくれるなら,我々としても非常に嬉しいところです。
 実は当社でも,本作でゲームパッドメーカーさんと協力するという戦略は進めています。それ以外でも,実際にサービスがスタートすれば,コミュニティや掲示板などでユーザーさんがゲームパッドでのプレイのし易さを口コミで広げていってくれるのではないかという予想もあります。
 少し大げさな話をすると,業界全体でもゲームパッドでプレイするとより面白くなるPCゲームってもっとあると思うんですよね。ほかのメーカーさんと協力しながら業界全体を盛り上げていくようにしなければ,と考えています。

4Gamer:
 一口にアクションといっても,MMORPGの場合は移動から戦闘まですべての面にアクション要素が含まれているものから,移動のみ対応というものまでありますが,Secret Onlineではどの程度アクション要素が含まれているのでしょうか。

君塚氏:
 主に移動についてのアクションになります。戦闘は敵をターゲットしてクリックまたはボタンを押すと開始します。あとは後述するコンボスキルを発動するときのボタンを押す順序などもアクションっぽい要素ですね。

4Gamer:
 例えば,モンスターの背後に回り込んでから攻撃するとダメージアップというような要素はありますか?

君塚氏:
 そういう効果を持つスキルの予定はありますが,現状,通常攻撃ではそういったシステムではないですね。

4Gamer:
 アクションの難度についてはどうでしょう? ほかのタイトルでは,途中でいきなり難しくなってしまい,投げ出したくなるようなケースもあったりしますが。

森氏:
 プレイヤー層では,ゲーム初心者や女性も視野に入れていますので,序盤はボタンを押してジャンプできればどこにでも行けるくらいから始めて,アップデートが進むごとに段階的にバランスを調整しながら難度を上げていきます。その調整が最も難しいところですね。難しすぎても簡単すぎても面白くなくなってしまいますから。

■特徴は3D表現とアクション要素を活かした高低差のあるマップ

4Gamer:
 それでは,Secret Onlineの具体的な内容について教えてください。

君塚氏:
 基本的な世界観は,いわゆるファンタジーのものになります。ファンタジーといっても中世風の城があって……というタイプではなく,山があったり谷があったりといった大自然をベースとした世界です。プレイヤーは,その昔に神同士の争いによって生まれた獣人などと戦っていくのですが,それと並行して,かつて封じ込めた魔神もそろそろ復活しそうな気配が漂っています。

4Gamer:
 なるほど。プレイヤーキャラクターには,どういった種族や要素があるのですか?

君塚氏:
 現在は「ホリッシュ」「ハピス」「セティ」の3種族が用意されています。ホリッシュは,分かりやすくいうとエルフのような雰囲気の種族で,近接攻撃と大地系魔法を得意とします。ハピスは,小さな妖精のような外見の種族で,性別による差がありません。こちらは主に魔法や変身スキルを使います。最後のセティは,いわゆる人間ですね。クローズドβテストでは,ホリッシュの男女またはハピスの3種類からキャラクターを選んでプレイすることになります。



4Gamer:
 キャラクターメイキングはどの程度作り込めるのですか?

君塚氏:
 瞳,口,頬,耳,髪型などパーツによって6種類ずつ用意されています。

4Gamer:
 今後,選択可能な種類が増えていく予定はありますか?

森氏:
 そのへんは今,まさに要望を出して実装を待っているところですね。日本向けの瞳や手足などが増える予定です。

4Gamer:
 プレイを始めてからも,パーツを変更できるようにはなりますか?

森氏:
 そのへんはユーザーからの要望次第ですね。果たして「整形屋」みたいなNPCは世界観にマッチするのかとか,運営的な視点だと,ほかのキャラクターになりすますという可能性も無視できないので,判断が難しい部分だと思います。

4Gamer:
 プレイヤーキャラクターのクラスにはどんなものがあるのでしょうか?

君塚氏:
 職業という概念はなく,スキルを自由に組み合わせてユーザーごと,キャラクターごとの特徴を出していくタイプです。またスキルは種族によって覚えられるもの,得意とするものが異なりますし,ショートカットスロットの数も限られますので,ユーザーのプレイスタイルによってかなり特徴が出ると思います。
 さらにレベルアップすると獲得できるポイントを各ステータスに平均的に振り分けるのか,一部に特化させるのかで大きく変化するでしょう。

4Gamer:
 なるほど,スキル重視とはいってもキャラクターの成長はレベルベースというわけですね。キャラクターのスキルで特徴的なものをいくつか教えてもらえますか?

君塚氏:
 物理攻撃の「戦技」,パッシブスキルの「装技」,属性攻撃の「魔法」などは一般的なものと大きく変わりません。先ほどちょっとだけお話しましたが,ハピスだけが使える「変身」があります。これは媒介となるアイテムを消費してモンスターに変身するもので,ステータスも使用スキルもモンスター固有のものになります。大きなモンスターに変身すれば,キャラクターの外見も大きくなるので,面白い要素になるはずですよ。



4Gamer:
 変身できるモンスターは何種類くらいあるのでしょうか?

森氏:
 変身可能なモンスターの5種類ほどの系統があり,それぞれ系統ごとに強さのランクがあります。系統もランクも,今後随時追加していく予定です。

4Gamer:
 なるほど。ほかのスキルで特徴的なものはありますか?

君塚氏:
 スキルを組み合わせて連携させると,コンボが発動します。コンボは基本的にスキル単体よりも強力なものですが,絶対必要というものでもありません。ステータスの振り分けによっては単体スキルを連発した方が効果が高い場合もありますし,コンボを組むかどうかは,まさにプレイスタイルに左右されますね。

4Gamer:
 フィールドはどのような構成となるのでしょうか?

君塚氏:
 クローズドβテストでは,チュートリアルマップに加えて全部で13のマップが実装されます。本作の特徴は,マップに高低差があることですね。通常MMORPGでは山や柵などは単なる壁としてしか機能しない場合が多いのですが,本作はジャンプアクションがありますので,たいていのところには登ることができます。また,チュートリアルマップには練習用に深い穴から連続ジャンプで抜け出すところが用意されているんですが,そこに落ちるときには一人称視点になるので,ジェットコースターに乗ったような表示になりますよ。



4Gamer:
 クローズドβテストといえども,13マップというのは若干少なく,ユーザーが一部地域に集中してしまいかねない気もします。

君塚氏:
 一つのマップの端から端まで歩くと4〜5分かかる広さになっていますので,ある程度の分散が見込めると思います。また,高低差を利用して山に登ったりすると,かなり見晴らしもいいですから,最初はそれだけでも楽しめるでしょう。

森氏:
 少々大げさにいうと,行けない所はない,みたいな感じですかね。大き目の葉っぱの上にも乗れたりするので,遊びの幅がかなり広がると思います。単純な鬼ごっこや障害物レースのようなものも可能でしょうね。

4Gamer:
 なるほど。そうしたフィールドにはどういったモンスターが登場するのでしょうか?

君塚氏:
 蛇や猪,兎など主に動物型のモンスターとなります。レベルが上がると,同じ種類のモンスターでも外見に違いが現れます。例えば熊だと腹部に白い毛で顔が描かれたり,牛が黒いジャケットと釘バットで武装したり,猿がスーツを着たりと,単純な色違いではない工夫がされて見た目にも面白くなっています。



4Gamer:
 クエストの難度や,平均プレイ時間などはどれくらいになるのでしょう?

森氏:
 1日あたり平均2〜3時間プレイしていただくことを想定していますから,クエストの難度もそれに合わせて調整していきます。その一方では,クリアまでに5〜6時間かかるような,手応えのあるクエストもやはり用意したいですよね。

4Gamer:
 これまでのお話からすると,そういった高難度クエストはクリアしないとゲームが先に進まないというものではなさそうですね。

森氏:
 そうですね,難しいものもありつつ,という形式になると思います。

4Gamer:
 ユーザー同士のコミュニティ機能についてはどうでしょう?

君塚氏:
 フレンド登録,ギルドシステムなど基本的なものは実装していく予定です。ギルドに関しては,領地やギルドミッション作成機能,PvPを行える闘技場なども予定していますが,こちらはまだ詳細をお教えできない段階ですね。またキャラクターアクション,すなわちエモートですが,泣いたり笑ったりといった感情は頭上の「表情アイコン」で表示できます。もちろん,おじぎしたり座ったりといった動作も可能です。こうしたエモートが何十種類もありまして,なかなか面白くなっています。実は私個人としては,こんなにいらないんじゃないかと思うほど種類豊富なんですよ(笑)。



4Gamer:
 それだけあるとローカライズも大変そうですね。ところで,例えば一緒にプレイすると何か恩恵が受けられるようなシステムはありますか?


君塚氏:
 パーティ向けとしては,「幸運石システム」が実装されています。最大6人でパーティを組めるのですが,各キャラクターには作成時にランダムでラッキーカラーが与えられ,ゲーム内ではこれに対応した「幸運石」を入手できます。例えばイエローの幸運石は,信仰系統の魔法強化と,聖なる攻撃への防御力が上がります。しかし,これは自分自身ではなく,同じパーティを組んだ相手に効果が出ます。すなわち5人でパーティを組んだ場合,自分以外の4種類の幸運石の効果を得られるわけですね。

4Gamer:
 パーティ内で同じ色の幸運石がかぶった場合,どうなるのでしょう?

君塚氏:
 もちろん同じ色が多いほど効果が高まりますが,あまりにも有利になりすぎてしまうため,若干の補正がかかります。二人いれば一人のときよりも効果が高いけれども,単純に2倍したときよりは低くなるといった感じですね。

4Gamer:
 なるほど。同じ色で固めるべきか,バラけさせるべきか考えどころですね。

君塚氏:
 ええ。また,幸運石はパーティを組んで戦闘しているとレベルアップし効果も高くなっていくのですが,上限に達すると媒介アイテムの使用により「星錬石」になります。さらに星錬石は,ステータスアップや特殊なスキルを使用可能にする「スターダイヤモンド」の材料となります。幸運石は何度でも1から成長させられますので,星錬石はいくつでも作れます。また星錬石は他人にトレードすることもできますので,それを利用してコミュニティを活性化できるでしょう。

4Gamer:
 幸運石の効果は,戦闘に関係するものだけでしょうか?

君塚氏:
 ゲーム内には曜日の概念が存在していて,現実世界の2時間ごとに変わります。曜日はそれぞれラッキーカラーに対応していまして,幸運石が対応している日はモンスターから獲得するアイテムや通貨の量がアップします。また専用アイテムを使うことで,自分のラッキーカラーを変えることも可能です。

■最大の特徴は「キャラクターの拡大縮小」と豊富なアバター

4Gamer:
 アイテム課金制のゲームというと,アバター装備の充実も気になるところです。

君塚氏:
 装備可能箇所が全16か所と多くなっているのですが,中でも「頭部」と「顔」が分かれているので,キャラクターごとの個性を十分に発揮できるのではないかと思います。

4Gamer:
 顔装備といいますと,考え付くのは眼鏡やマスクですが,その他何かあるのでしょうか?

森氏:
 面白いところでは眼帯があります。実は私は眼帯を推してまして,というのは女性キャラに眼帯という組み合わせに対して萌えを感じる人も多いのではないかと想像するからなんですね。そこで何とか眼帯のメーカーさんとタイアップしようという案を出しているのですが,マーケティングスタッフからは「無理無理」といわれてしまっていて(笑)。

4Gamer:
 ああ,有名アニメの女性キャラクターとか,あるいは他社のタイトルですが女海賊キャラクターとかは人気が高いですね。

森氏:
 ええ。眼帯のタイアップは冗談にしても,全部で16か所も装備できる部分があるわけですから,当社の努力いかんによっては,ゲーム内でまったく同じ格好をしているキャラクターがいないという状態にできると思います。「ピアス」のように,本当にチラッと見えるだけのものも含まれていますが,そうした「見えないところのお洒落」も充実していますね。



4Gamer:
 それでは,そのほかのシステムについて教えてください。

君塚氏:
 まずペットと乗り物を予定していますが,オープンβテスト以降の実装なので,まだあまり詳しく説明できません。乗り物は種族ごとに違ったタイプ,例えばホリッシュだったら馬といったような感じですね。

4Gamer:
 なるほど。

君塚氏:
 そのほかには,いわゆる生産システムがありますね。生産レシピを入手し習得すると,回復系アイテムと装備品を作成できるようになります。マップ上には幸運石同様に曜日に呼応した7種類の魔方陣が設置されていて,対応したレシピによる生産が可能となります。装備品については耐久度が設定されていて,使っていくうちに壊れてしまいますので,生産品の需要が減ることもないでしょう。

4Gamer:
 生産職人を目指す人には朗報ですね。

君塚氏:
 また音楽は,同じマップでもNPCがいるエリアとモンスターがいるエリアで,フェードイン/アウトで切り替わります。効果音も3Dにしてモンスターがどの方角から来るか,近いか遠いかも表現できるようになる予定ですが,こちらは調整中ですね。

森氏:
 音楽が切り替わるシステムを使うことで,新しいイベントの見せ方ができるかなあと考えているんですよ。例えば○○町の音楽が流れているところに集合,△△の音楽が流れているところに向かえとか。こんな風に今までのタイトルではできなかったことにも挑戦したいですね。

4Gamer:
 なるほど。マップ全体で同じ音楽が流れていては不可能な指示ですね。


森氏:
 もっと面白いところでは,キャラクターの巨大化/縮小化というのがあります。この機能は,開発との打ち合わせを進めていくうちに,ある時突然教えられたものなのですが,私としては「いや聞いてないよ,それは大きな売りになるよ」と。そのとき,「小さくならないと入れない洞窟を作ったらどうだろう」と提案したんですね。例えば,モンスターから小さくなる魔法を掛けられてしまった。普段なら攻撃もできなくなって嫌な状態なんだけど,そうなることによってのみ入れるダンジョンがあれば,すごく面白くなるんじゃないか。そんなところから始まって,急遽入れることになったので,実装はオープンβテスト以降となりますが,システム自体はすでにクライアントに組み込まれています。

4Gamer:
 巨大化すると一定時間無敵になったりといったこともお考えですか?

森氏:
 何処ぞのゲームみたいに(笑)。もちろん考えていますが,実際にお見せできるのは少し先になってしまいそうですね。

4Gamer:
 キャラクターの巨大化/縮小化は,使い方によってSecret Online最大の売りになりそうですね。それでは最後に,4Gamer読者に何かコメントをいただけますか?

森氏:
 既存のMMORPGを経験した方であれば,Secret Onlineにはアクションの要素が入っていますので,今までとは違うものとしてプレイしていただけると思います。また初めてオンラインゲームに触れる方であれば,それほど難易度を上げることはありませんので,本当に楽しんでいただける内容に作り上げていこうと考えています。

君塚氏:
 プレイ面からすると高いところに上ったり,逆に飛び降りてみたりと,そういった爽快感のあるアクションMMORPGになっています。今までなかった操作感を味わっていただくだけでも,十分にプレイする価値はあると思います。新しいものを求める方は,ぜひ触れてみてください。

4Gamer:
 本日は,ありがとうございました。

 インタビューの合間,実際にゲームパッドを使い,同タイトルのチュートリアルマップをプレイしたのだが,移動や視点変更など確かにコンシューマゲームを意識した操作感となっていた。この時点では,ゲームパッドでほぼすべて操作できるというにはまだまだという感だったが,キューエンタテインメントがもともとコンシューマゲームを手がけていること,そしてディレクターの君塚氏のこだわりという2点から,今後大幅に改善されていくと予想できる。
 また,プロデューサーである森氏の「本国の評価云々よりも,日本でのサービスを充実させることに専念したい」という率直な言葉も,ユーザー(あるいは投資家)が,他国でヒットしたオンラインゲームが必ずしも日本の市場で受け入れられるとは限らないことに気づき始めたここ1年ほどの状況を反映していると思われ,なかなかに興味深かった。何はともあれSecret Onlineは,これからクローズドβテストが行われるタイトルである。今後の動向を見守っていきたい。(ライター:大陸新秩序)

(収録:2007年7月25日)

  • 関連タイトル:

    Secret Online

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