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Intel,定例ミーティングでインテルアーキテクチャのビジョンを説明
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印刷2008/09/11 12:12

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Intel,定例ミーティングでインテルアーキテクチャのビジョンを説明

 Intelの日本法人であるインテルは,報道関係者向けの定例ミーティング「IA プレス・ミーティング」を2008年9月10日に都内で開催した。これは,従来の「クライアント・アップデート」の名称が変わったもので,扱われる内容はこれまでと同じだ。今回は2008年8月19〜21日に開催された「Intel Developer Forum 2008 San Francisco」の直後ということで,そこで公開された情報やこれからのインテルの戦略が主な内容だった。


「すべての機器が,いつでもどこでもインターネットに」

をスローガンに製品を投入


吉田和正氏(インテル代表取締役共同社長)
画像集#001のサムネイル/Intel,定例ミーティングでインテルアーキテクチャのビジョンを説明
 最初に壇上に登場したインテルの吉田和正代表取締役共同社長は,インテルの目指すものが「すべての機器が,いつでもどこでもインターネットに」であるとし,そのためのキーワードとして「ダイナミック」「組み込み市場」「ビジュアル化」を挙げた。
 ダイナミックな製品開発を行うことでプロセッサ市場でのリーダーシップを維持しつつ,PCの技術をそのまま利用できる製品を投入することで,インテルアーキテクチャの家電などの組み込み市場への浸透を図り,さらに表現能力の向上を図るビジュアル化によってよりユーザビリティを高め,インターネットへの接続が簡単にできるようにしようという図式である。

 インテルのプロセッサ開発は,アーキテクチャとプロセスを交互に開発する「Tick Tock 開発モデル」というスタイルで行われている。これまでの数年を見てみると,2006年にCoreマイクロアーキテクチャの投入が行われ,2007年は65nmから45nmへのプロセスの微細化が行われた。つまり,今年2008年は新アーキテクチャ投入の年となり,その新アーキテクチャが「Nehalem」(ネハレム,開発コード)ということだ。その後のロードマップも2009年には32nmへのプロセス微細化,そして2010年には次の新アーキテクチャを投入する,というスケジュールでの開発が進行しているという。

 Nehalemはメモリ帯域幅の向上やハイパースレッディングテクノロジーの導入,ターボ・モードなど,さまざまな技術によりパフォーマンス向上を行っている。また,電力効率の向上も図られており,ノートPCなど電力消費に対して要求の大きなプラットフォームでのパフォーマンス向上も図られている。最初に投入される製品はハイエンドデスクトップPC向けの「Core i7」プロセッサになる。その後,2009年には順次メインストリームやモバイルなどのプラットフォームへ投入していくことになる。

 組み込み市場に関しては,4Gamer読者にとっては興味の薄い分野であるが,ざっと言えば,通常のPCと同じインテルアーキテクチャのプロセッサを組み込み市場に投入することで,統一されたアプリケーション開発やシステム設計が可能になり,PCと家電,ネットブックなどがより近いものになっていくということだ。ここではAtomやAtomベースのメディアプロセッサなどを投入していくと語られた。

 ビジュアル化に関しては3Dレンダリング能力や高品位ビデオなど,グラフィックスに関するユーザーの要求が高まっていることが現在の流れだとしている。このなかで,組み込み市場と同様,インテルアーキテクチャをベースにしたプログラムによるグラフィックス処理を可能にすることで,ビジュアルコンピューティングを推進する「Larrabee」を投入し,この流れをサポートしていくと語られた。Larrabeeはこれまでのインテルアーキテクチャにおけるアプリケーション開発ノウハウを活用できることがメリットであることは,ここでも強調されていた。
画像集#004のサムネイル/Intel,定例ミーティングでインテルアーキテクチャのビジョンを説明
インテルの「Tick Tock開発モデル」
画像集#005のサムネイル/Intel,定例ミーティングでインテルアーキテクチャのビジョンを説明
Nehalemのアーキテクチャ
画像集#006のサムネイル/Intel,定例ミーティングでインテルアーキテクチャのビジョンを説明
Larrabeeのアーキテクチャ


Centrino 2の電力効率をアピール

Atomプロセッサとの棲み分けにも言及


土岐英秋氏(インテル技術本部技術部長)
画像集#002のサムネイル/Intel,定例ミーティングでインテルアーキテクチャのビジョンを説明
 吉田氏に続いて壇上に上がった土岐英秋 技術本部技術部長はCentrino 2のデモンストレーションを中心に,モバイルコンピューティングについて説明した。Centrino 2では電力効率やパフォーマンスの向上をはかり,ノートPCにおいてよりパワフルな能力を必要とする処理を可能にしたとした。例としてCeleron,CentrinoおよびCentrino 2搭載の3台のノートPCを並べ,Blu-Rayディスクの再生を行ってCPU使用率や消費電力の計測を行うデモンストレーションを行った。

 また,Centrino 2ではノートPC向けのクアッドコアCPUも提供されており,Blu-Rayディスク再生だけでなく,ゲームなどパフォーマンスを要求されるアプリケーションにも対応できるようになったとCentrino 2のメリットを語った。

江田麻季子氏(インテル マーケティング本部長)
画像集#003のサムネイル/Intel,定例ミーティングでインテルアーキテクチャのビジョンを説明
 最後に壇上に上がった江田麻季子 マーケティング本部長は,Centrino 2とAtomに関するプロモーションについて説明した。ここで目を引いたのは,「Atomは本来のPCのメインストリームには最適化されていない」という発言だった。

 Atomはシンプルでベーシックなインターネット端末や持ち運べる端末,つまりモバイルインターネットデバイス(MID)やネットブック向け,そしてそれをもとに家電や組み込み用途を視野に入れたプロセッサであるということだ。処理能力を必要とするゲームなどは,Atomには荷が重いということだろう。

 とはいうものの,さまざまな機器にインテルアーキテクチャのプロセッサが採用されるようになっていけば,それこそ吉田氏が語ったように「統一されたアーキテクチャの上でアプリケーション開発ノウハウを活用できる」ようになる訳で,さまざまな環境で同じゲームができるようになる未来も来るのではないかと思う。

画像集#009のサムネイル/Intel,定例ミーティングでインテルアーキテクチャのビジョンを説明
デモンストレーションで利用された3台のノートPC
画像集#007のサムネイル/Intel,定例ミーティングでインテルアーキテクチャのビジョンを説明
Blu-Rayディスク再生を行っているときの各消費電力
画像集#008のサムネイル/Intel,定例ミーティングでインテルアーキテクチャのビジョンを説明
Centrino 2とAtomのカテゴリー分け
  • 関連タイトル:

    Core i7(LGA1366,クアッドコア)

  • 関連タイトル:

    Atom

  • 関連タイトル:

    Core

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