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Intel,Core i7プロセッサ&X58チップセットを正式発表。CPUの重要性を訴えるカプコンに今後の話を聞いてみた
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印刷2008/11/18 16:45

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Intel,Core i7プロセッサ&X58チップセットを正式発表。CPUの重要性を訴えるカプコンに今後の話を聞いてみた

画像集#002のサムネイル/Intel,Core i7プロセッサ&X58チップセットを正式発表。CPUの重要性を訴えるカプコンに今後の話を聞いてみた
 2008年11月18日,Intelの日本法人であるインテルは,新世代プロセッサ「Core i7」(コア アイセブン)と対応チップセット「Intel X58 Express」を正式に発表した。

 「Nehalem」(ネハレムもしくはネヘイレム)という開発コードネームで呼ばれてきたマイクロアーキテクチャ(=基本設計思想)に基づくプロセッサについては,11月3日の解説記事レビュー記事テストレポート記事で詳しくお伝えしているが,正式発表に当たり,あらためて基本スペックと価格が表のとおり示されている。

(ユーザーが単体で購入できるわけではないのだが)Intel X58 Expressチップセットの1000個受注時単価は5340円とのこと
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吉田和正氏(インテル 代表取締役社長)。既存のCore 2ファミリーはそのまま販売を続けながら,最上位ラインナップとしてCore i7シリーズを位置づけていくとした
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Core i7のウェハを持つ及川芳雄氏(インテル インテル技術本部 本部長)
 都内で開催された発表会では,インテルの吉田和正社長が挨拶。Core i7を「世界最高レベルの性能を持ったマイクロプロセッサ」であると位置付け,「なぜ性能が必要なのかというと,そこにユーザーニーズがあるから」と説明した。インターネット上にあるコンテンツは,より高品質なものとなっているが,それらをより速く処理するニーズは決してなくならないというのが,氏の見解だ。

 ご存じのように,世間一般のニーズはノートPCへ移っている。日本市場において,ノートPCの市場シェアは今や7割を超えているが,「ノートPCとハイエンドのデスクトップPCでは,得られるユーザー体験(※筆者注:ここではパフォーマンスとほぼ同義)が衝撃的なほどまったく異なる」と吉田氏。外出先ではノートPCを使うとしても,一方で自室に最高のマシンと高解像度のディスプレイを置けば,デスクトップPCに対するユーザーの認識は新たなものになるはずであるとし,ハイエンドのデスクトップPCをあらためて訴求していく姿勢を示していた。

インテルの示した,Core i7-965 Extreme Edition/3.20GHzとCore 2 Extreme QX9770/3.20GHzの比較グラフ。メディア編集やゲームにおいて,大きなパフォーマンス向上があるとされた
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発表会で展示されたCore i7のウェハ
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カプコンのMT Framework担当者が語る

ゲームにおけるCPUの重要性


伊集院 勝氏(カプコン プロダクト制作部 技術研究室 室長)
画像集#009のサムネイル/Intel,Core i7プロセッサ&X58チップセットを正式発表。CPUの重要性を訴えるカプコンに今後の話を聞いてみた
 さて,発表会にはゲストとして,カプコンのプロダクト制作部 技術研究室 室長である伊集院 勝氏が招かれていた。氏はカプコンのゲーム開発フレームワークで,「デッドライジング」「ロスト プラネット エクストリーム コンディション」「ロスト プラネット コロニーズ」「デビル メイ クライ 4」といったタイトルに用いられてきた「MT Framework」の開発を率いている人物だ。
 伊集院氏は,

  • ジャングルのような自然な地形における,遮蔽や起伏に基づく当たり判定を行う
  • NPCのAIが,周囲の地形を自動的に判断して仲間と連携する
  • プレイヤーのアクションに対するリアクションの設定を行って,見た目だけでなく,ゲーム性に結びつくリアリティを表現する
  • 物理シミュレーションとAIを,同時に,リアルタイムで処理する
  • 爆発で吹き飛ばされる人など,物理挙動を考慮に入れたモーションを作成する
  • プロシージャルによるデータ生成を行う

伊集院氏の示したスライド。CPUパワーの重要性が訴えられるなか,バイオハザード5のスクリーンショットも見える
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 といったポイントの強化を通じて,ゲームのリアリティや“遊び要素”を向上させるためには,これまでよりもさらに高いCPU性能が必要として,Core i7の登場を歓迎する。

 ところで,「ジャングル」といった単語が出てきたことからも想像できるとおり,伊集院氏の発言は開発中の「バイオハザード5」を想定して行われていたのだが,上で挙げたような内容を仮にすべて実装すると,PCでしか動作しないものになってしまうのではなかろうか?

 その疑問を,発表会の終了後に伊集院氏へぶつけてみたところ,PC版については「開発中である」としか回答できないと前置きしたうえで,「Core i7のようなハイエンドCPUを想定した要素を,コンシューマ版にすべて入れることはできない。あくまで一般論だが,デビル メイ クライ 4のように,PC版だけ特別なゲームモードを追加するようなことはあり得る」という見解を示していた。PC版だけ高度なAIや物理シミュレーションを実装する,という話はありそうだ。
 今をもってなお,本当に発売されるかすら明らかになっていないPC版バイオハザード5だが,IntelのCPU新製品発表会で,「コンシューマ版では実装できないようなレベルの要素」が語られたことを踏まえるに,いよいよ期待していいのかもしれない。

 最後に,伊集院氏の発言でその名が出てきたデビル メイ クライ 4について。
 先のレビュー記事でCore i7のパフォーマンスが(Core 2比で)あまり芳しくなかったが,「マルチプラットフォーム戦略をとっている以上,Core 2のL2キャッシュといったような,特定の“何か”にフォーカスした開発は行っていない」(伊集院氏)。Core 2 Quadへ向けた「二つのデュアルコアCPUダイ間データ転送におけるレイテンシを隠蔽する仕掛け」が影響しているのかもしれないが,いずれにせよ「GPUベンチマークテストとしては問題ないが,負荷が低すぎてGPUボトルネックが発生する可能性もあり,ハイエンドCPUのベンチマークには適さない」(伊集院氏)とのことだった。
 この発言は,今後の4Gamerベンチマークレギュレーションで反映する必要がありそうである。
  • 関連タイトル:

    Core i7(LGA1366,クアッドコア)

  • 関連タイトル:

    バイオハザード5

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