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Intel,Core i7プロセッサ&X58チップセットを正式発表。CPUの重要性を訴えるカプコンに今後の話を聞いてみた
「Nehalem」(ネハレムもしくはネヘイレム)という開発コードネームで呼ばれてきたマイクロアーキテクチャ(=基本設計思想)に基づくプロセッサについては,11月3日の解説記事やレビュー記事,テストレポート記事で詳しくお伝えしているが,正式発表に当たり,あらためて基本スペックと価格が表のとおり示されている。
吉田和正氏(インテル 代表取締役社長)。既存のCore 2ファミリーはそのまま販売を続けながら,最上位ラインナップとしてCore i7シリーズを位置づけていくとした |
Core i7のウェハを持つ及川芳雄氏(インテル インテル技術本部 本部長) |
ご存じのように,世間一般のニーズはノートPCへ移っている。日本市場において,ノートPCの市場シェアは今や7割を超えているが,「ノートPCとハイエンドのデスクトップPCでは,得られるユーザー体験(※筆者注:ここではパフォーマンスとほぼ同義)が衝撃的なほどまったく異なる」と吉田氏。外出先ではノートPCを使うとしても,一方で自室に最高のマシンと高解像度のディスプレイを置けば,デスクトップPCに対するユーザーの認識は新たなものになるはずであるとし,ハイエンドのデスクトップPCをあらためて訴求していく姿勢を示していた。
カプコンのMT Framework担当者が語る
ゲームにおけるCPUの重要性
伊集院氏は,
- ジャングルのような自然な地形における,遮蔽や起伏に基づく当たり判定を行う
- NPCのAIが,周囲の地形を自動的に判断して仲間と連携する
- プレイヤーのアクションに対するリアクションの設定を行って,見た目だけでなく,ゲーム性に結びつくリアリティを表現する
- 物理シミュレーションとAIを,同時に,リアルタイムで処理する
- 爆発で吹き飛ばされる人など,物理挙動を考慮に入れたモーションを作成する
- プロシージャルによるデータ生成を行う
ところで,「ジャングル」といった単語が出てきたことからも想像できるとおり,伊集院氏の発言は開発中の「バイオハザード5」を想定して行われていたのだが,上で挙げたような内容を仮にすべて実装すると,PCでしか動作しないものになってしまうのではなかろうか?
その疑問を,発表会の終了後に伊集院氏へぶつけてみたところ,PC版については「開発中である」としか回答できないと前置きしたうえで,「Core i7のようなハイエンドCPUを想定した要素を,コンシューマ版にすべて入れることはできない。あくまで一般論だが,デビル メイ クライ 4のように,PC版だけ特別なゲームモードを追加するようなことはあり得る」という見解を示していた。PC版だけ高度なAIや物理シミュレーションを実装する,という話はありそうだ。
今をもってなお,本当に発売されるかすら明らかになっていないPC版バイオハザード5だが,IntelのCPU新製品発表会で,「コンシューマ版では実装できないようなレベルの要素」が語られたことを踏まえるに,いよいよ期待していいのかもしれない。
最後に,伊集院氏の発言でその名が出てきたデビル メイ クライ 4について。
先のレビュー記事でCore i7のパフォーマンスが(Core 2比で)あまり芳しくなかったが,「マルチプラットフォーム戦略をとっている以上,Core 2のL2キャッシュといったような,特定の“何か”にフォーカスした開発は行っていない」(伊集院氏)。Core 2 Quadへ向けた「二つのデュアルコアCPUダイ間データ転送におけるレイテンシを隠蔽する仕掛け」が影響しているのかもしれないが,いずれにせよ「GPUベンチマークテストとしては問題ないが,負荷が低すぎてGPUボトルネックが発生する可能性もあり,ハイエンドCPUのベンチマークには適さない」(伊集院氏)とのことだった。
この発言は,今後の4Gamerベンチマークレギュレーションで反映する必要がありそうである。
- 関連タイトル:
Core i7(LGA1366,クアッドコア)
- 関連タイトル:
バイオハザード5
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