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シンプルな“大戦略らしさ”が魅力の原点回帰系。「大戦略Win III NET BATTLE」レビュー
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印刷2008/04/03 21:55

レビュー

初心者に最適,生産から始まるターン制大戦略

大戦略Win III NET BATTLE

Text by 田村眞治

»  「現代大戦略200x」シリーズと共通のシンプルなルールで,ユニット生産から始まる昔ながらの大戦略のテイストを実現した「大戦略Win III NET BATTLE」を,大戦略シリーズとの付き合いもいいかげん長い田村眞治氏がレビューする。いや氏がレビューするからといって,萌えキャラなど一人も出てこないので,そこはご注意を。


シンプルで誰にでも楽しめるターン制ストラテジー


画像集#002のサムネイル/シンプルな“大戦略らしさ”が魅力の原点回帰系。「大戦略Win III NET BATTLE」レビュー
 大戦略シリーズは,1985年発売の「現代大戦略」から連綿と続く国産ストラテジーの老舗ブランドだ。20年以上にわたる歴史のなかで,数多くの派生型を生じさせてきた同シリーズにあって,今回紹介する「大戦略Win III NET BATTLE」はあえてシンプルなルールを採用し,初心者からベテランまで楽しめるようにした,原点回帰的なラインナップの最新作に位置付けられる。

 大戦略Win III NET BATTLEが採用するゲーム進行は,大戦略シリーズの原点ともいえる交互ターン制だ。各プレイヤー(陣営)が自分の手番でユニットの移動や戦闘を行い,それが終わると次のプレイヤーの手番が来るという形でゲームが進む。これはPCゲーム以前,つまりボードゲーム時代から使われてきた,古典的なスタイルである。
 もちろん,現実の軍隊が敵味方順番に動くわけはないのだし,リアリティの点で交互ターン制には大きな欠陥がある。それゆえ,それが生じないリアルタイム制のほうが優れているように想像しがちだが,実はそうではない。RTS的な意味でのリアルタイム制では,ユニットに指示を与える手際が勝敗を分ける大きなファクターになる。それはそういうゲーム性であってかまわないのだが,純然たる「思考ゲーム」でないのは事実。これに対してプロット制や交互ターン制であれば,プレイヤーの立てた作戦が“手の速さ”に左右されることなく実現できる。

ターン制ルールの醍醐味は,チェスや将棋のようにじっくり考えつつプレイできること。ゲーム進行に煩わされることなく,ユニットを落ち着いて操作でき,立案した作戦を実現できる
画像集#003のサムネイル/シンプルな“大戦略らしさ”が魅力の原点回帰系。「大戦略Win III NET BATTLE」レビュー
 大戦略Win III NET BATTLEで採用されたターン制ルールの骨格は,1987年発売の「大戦略II」からそれほど大きく変化していない。つまり,このころすでに“気持ちの良いテンポで進むターン制ゲーム”の骨格は完成していたといってよいわけだ。

 そして,地上/海中/低空/高空などといった高度の概念や索敵概念は,ターン制の枠内でなるべくリアルな展開を目指すための付加的要素とまとめられる。そうした要素を盛り込みつつも,操作が煩雑にならないように工夫された大戦略Win III NET BATTLEは,ストラテジーゲームの持つ最もシンプルな魅力を前面に立てることで,初心者にも親しみやすい作品になったといえる。

大戦略WIN IIIに初期配置ユニットはなく,ユニットの生産から始まる。勝利条件をクリアするために使うユニットの選択からできるのが,シリーズの原点とも共通した大きな魅力だ
画像集#004のサムネイル/シンプルな“大戦略らしさ”が魅力の原点回帰系。「大戦略Win III NET BATTLE」レビュー
 同等のルールが採用された作品としては「現代大戦略200x」シリーズがあるが,こちらはシナリオ型になっており,各マップ/シナリオでの初期配置ユニットを,いかにうまく活用して勝利条件を達成するかというゲームだ。それに対して大戦略Win III NET BATTLEでは,後述するようにむしろユニットの生産方針がポイントになる。そのマップで勝つために,どんな兵器が必要かという部分も含めて,プレイヤーは自由に考えられるのだ。同じマップでも航空部隊を中心にするか陸上部隊を中心にするかなど作戦の幅が広く,それだけ楽しみ方の幅も広い。

 またネットワーク対戦機能もあり,インターネットを介してほかのプレイヤーとの対戦も可能だ。ネットワーク対戦では,通常ルールのほかに,操作に時間制限と操作できるユニット数の制限を設けてスピーディに対戦できるようにしたルールも,利用できる。

画像集#005のサムネイル/シンプルな“大戦略らしさ”が魅力の原点回帰系。「大戦略Win III NET BATTLE」レビュー
先日事故を起こしたB-2スピリット。機体全体が翼という珍妙なスタイルが特徴。生産機数が少ないため,全機体が「Spirit of NewYork」といったパーソナルネームを持つ。残念ながらSpirit of St.Louisはないが
画像集#006のサムネイル/シンプルな“大戦略らしさ”が魅力の原点回帰系。「大戦略Win III NET BATTLE」レビュー
戦略爆撃機といえばB-52だ。現在は爆弾投下だけでなく,巡航ミサイルの母機としても利用されている。B-52は初飛行から50年経てなお現役であるため,アメリカ空軍には親子孫3代揃ってB-52クルーという例があるとかないとか
画像集#007のサムネイル/シンプルな“大戦略らしさ”が魅力の原点回帰系。「大戦略Win III NET BATTLE」レビュー
ドイツの傑作戦車レオパルド。本作には最新型のレオパルド2A6もしっかり収録されている。これは主砲の砲身を44口径から55口径に延長したものだ。半面,車両としてのトータルバランスが悪くなり,命中精度の低下といったデメリットも生じているという
画像集#008のサムネイル/シンプルな“大戦略らしさ”が魅力の原点回帰系。「大戦略Win III NET BATTLE」レビュー
自衛隊の最新型潜水艦そうりゅう。スターリングエンジンを搭載し,AIP(Air-Independent Propulsion)能力を付加した,通常動力型では世界最大級の最新鋭艦だ。艦名が潜水艦らしく感じられないが,命名規則上は「海象(海の自然現象)と水中動物の名」で問題なし


戦闘だけでなく,生産こそが大きなポイント


画像集#009のサムネイル/シンプルな“大戦略らしさ”が魅力の原点回帰系。「大戦略Win III NET BATTLE」レビュー
大戦略シリーズ伝統のマップである「アイランドキャンペーン」も,もちろん収録されている。ひょうたん形の島のくびれた部分を素早く確保し,いかに相手領内に侵攻するかがポイントになるマップだ
画像集#010のサムネイル/シンプルな“大戦略らしさ”が魅力の原点回帰系。「大戦略Win III NET BATTLE」レビュー
都市の占領は自陣営の収入を増やす有効な手段だ。より多くの都市や工場を占領することでターン開始時に入ってくる資金が増え,それだけ高価なユニットの生産が可能になる
 大戦略Win III NET BATTLEでは最大で同時に八つの陣営=8人のプレイヤーがプレイに参加できる。各陣営の手番は「フェイズ」に分かれていて,まず,すでに発射されている巡航ミサイルなどが行動するミサイルフェイズ,そして自陣の勢力に応じて収入が発生する収入フェイズ,さらに補給可能な部隊に対し補給を行う補給フェイズと,部隊の補充を行う補充フェイズが実行される。ここまでのフェイズは自動的に処理され,続いてプレイヤーがユニットを操作する行動フェイズが来る。

 行動フェイズではユニットの移動や戦闘,各種施設の占領などを行う。各ユニットは移動後に,敵ユニットへの攻撃や都市の占領などが可能だ。例えば都市を占領すれば収入が増え,基地を占領すれば補給や補充が可能になる。戦闘で他陣営のユニットを撃破することも大切だが,大戦略では都市や基地を占領することで,自軍の勢力を拡大するのが重要だ。より高価なユニット,より多くのユニットが生産可能になり,自陣営が有利になるからである。また,例えば自陣営の首都と敵陣営との中間地点あたりにある空軍基地などは,航空機の運用に欠かせないため,侵攻の足がかりとして重要になる。ここをどう占領し,維持するかが戦況を大きく左右するだろう。

画像集#011のサムネイル/シンプルな“大戦略らしさ”が魅力の原点回帰系。「大戦略Win III NET BATTLE」レビュー
都市などに部隊を収納すると,ヘックスの上に小さな三角のマークが表示される。このマークをクリックすると,そのヘックス内に収納されている部隊の一覧が表示されるようになっている
画像集#012のサムネイル/シンプルな“大戦略らしさ”が魅力の原点回帰系。「大戦略Win III NET BATTLE」レビュー
都市に収容されていると,ターン開始時の補給/補充フェイズで,弾薬の補給や兵器の補充を受けられる。損害を負ったり弾薬が切れたりした部隊は,これらによって前線に復帰できる

画像集#013のサムネイル/シンプルな“大戦略らしさ”が魅力の原点回帰系。「大戦略Win III NET BATTLE」レビュー
戦闘では,ユニットが持つ複数の武装から利用するものを選べる。残弾数や効果などを考えて,適切な武装を選びたい
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戦闘ではこのようにそれぞれのユニットが同時に攻撃を行い,結果が表示される。大戦略シリーズ伝統の描写である
 大戦略Win III NET BATTLEはミリタリーストラテジーなのであるから,もちろん戦闘そのものも重要なファクターである。敵の都市や基地の周囲では普通,敵のユニットが守りを固めている。
 各マップ共通の勝利条件である「自分以外の陣営の首都を占拠する」「敵軍のユニットをすべて撃破する」のいずれであれ,充たすためには,敵陣営の施設を占拠して彼我の形勢を有利に導く必要がある。邪魔な敵ユニットを直接排除する手段が戦闘だ。

 戦闘には,隣接したユニット同士で起こるもののほか,砲やミサイルで離れたヘックスから一方的に攻撃できるケースもある。対空装備を持たない相手を航空ユニットで攻撃すれば,反撃を受けることもなく一方的に叩ける。
 地上部隊に対して絶大な威力を発揮するMBT(主力戦車)も,攻撃ヘリや攻撃機による空からの攻撃には弱いのだ。戦闘では,このような兵科ごとの特性と相性を把握し,効率よく進めるのがポイントである。

画像集#015のサムネイル/シンプルな“大戦略らしさ”が魅力の原点回帰系。「大戦略Win III NET BATTLE」レビュー
収録されている中で最も基本的なマップ。面積が狭い=構成ヘックス数が少ないので,地形を見ながら素早く進撃しないと,敵に“おいしい”施設や地形を取られてしまう
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このマップでは,両陣営の間が橋と細い通路でつながっているだけなので,そこをどう制圧するかがポイント。ただし豊富な港に着目し,上陸作戦を併用するのも手だ
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大戦略シリーズで最も有名な「アイランドキャンペーン」。中央のくびれた部分を素早く確保するのがポイント。もちろん,艦船による揚陸も手であり,さまざまな作戦が考えられる
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6か国対戦用のマップ。各陣営が対称に配置されているので,どの陣営を選んでも同等になるよう設計されている。いかに早く中央の都市部を制圧するかが腕の見せどころ
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北米大陸がほぼ丸ごと再現され,主要な都市のほとんどは赤陣営の支配下にある。同盟を組んだ青(左上)の陣営と,緑(右下)の陣営は,どれだけ赤陣営を切り崩していけるか
画像集#020のサムネイル/シンプルな“大戦略らしさ”が魅力の原点回帰系。「大戦略Win III NET BATTLE」レビュー
こちらはなんと世界地図。日本は6ヘックスだ。抽象性の高いゲームなので,こんなこともできてしまう。このマップでは,海上戦力をどう使って自陣を広げていくかがポイントとなるだろう

 本作では移動と戦闘を1ユニットずつ処理していくため,先に行った戦闘の結果を受けて次のユニットの行動を決められる。例えば都市に立て籠もる敵を排除してから,そこに歩兵を送り込んで迅速に占領したいとき,1回の戦闘で排除しきれなかったら,別のユニットを動かして2回目の攻撃を試みることになる。結果の不確定部分を織り込んで作戦を立てることが重要になるのだ。
 これがもし現実の戦闘だったら,各部隊がどう動いたことになるのか少々疑問は残るが(このゲームに複数ユニットによる一斉攻撃はない),ターン制ストラテジーの基本精神である,シンプルな考え方の組み合わせでより高度な目標を達成するという路線には,沿ったものといえよう。
 こうしてユニットの行動が終わったら,次は生産フェイズになる。首都や近隣の都市,工場や各基地で新規ユニットの生産が可能だ。各ユニットには生産にかかる資金が設定されており,所持金の範囲で生産する。資金が比較的豊富な序盤にどれだけ効率よくユニットを揃え,自軍を展開させるかが戦局を分ける。そして中盤以降は相手の出方に合わせて生産するユニットを決め,相手の攻勢をしのぐなど,プレイの中で生産が占める重みはかなり大きい。

大戦略Win III NET BATTLEの大きなポイントがユニットの生産だ。施設によって生産できるユニットは異なり,首都や陸軍基地では主に地上ユニットが生産可能。地上ユニットはいずれも比較的低コストで生産でき,施設占領に必須の歩兵の各種バリーェションも,ここに含まれている
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空港では航空機,海軍基地では艦船が生産可能。航空機は高価だが移動が速く,他ユニットの輸送や地上部隊の支援にも使える。ただし燃料が切れると墜落するので,運用には空港の確保が不可欠。艦船の活用機会は微妙だが,敵の背後に部隊を揚陸するなど,思わぬ使い方が可能なトリックスターでもある
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さまざま兵器の特徴を掴み,どう使うかが決め手


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生産タイプはアメリカ,ロシア,ドイツ,イギリス,フランス,イタリア,スウェーデン,イスラエル,インド,中国,韓国,日本の12種類
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独自の生産タイプを設定することや,既存の生産タイプに手を入れることも可能。現在計画中のF-X(F-4EJの後継)で,噂に上がっているタイフーンを,日本の生産タイプに組み込んでみたところ
 大戦略Win III NET BATTLEに登場する兵器は12か国450種類と多く,各種歩兵や各国の主力戦車,対空ミサイル車両といった陸上兵器や,戦闘機,攻撃機,爆撃機といった航空兵器,さらには潜水艦やイージス艦など海上兵器まで,多岐にわたる。これらのユニットをどう使うかで,作戦の幅は大きく広がるのだ。

 ユニットにはそれぞれ得手不得手があり,弱点を補い合わせるべく組み合わせて利用するのが良い。例えば都市の占領には歩兵など,占領能力のあるユニットが必須なものの,歩兵は移動が遅い。前線に素早く到着させるためには輸送トラックやAPC(装甲兵員輸送車),輸送ヘリなどに載せる必要があるのだ。また,前線近くの都市を占領するまでは手近で燃料や弾薬の補給ができないため,序盤では補給部隊も重要になる。

 また,航空機は空港や空母などに格納されているときを除いて,たとえ移動しなくても燃料を消費する。燃料がなくなると墜落してしまうため,空港を確保しておかないと運用自体が困難だ。
 マップの地形や都市の配置などを確認し,どんな兵器をどのように使って戦いを進めていくのがよいか。つまり作戦を一からじっくり考えて戦いに臨めるのが,このゲームの魅力と言ってよい。

画像集#027のサムネイル/シンプルな“大戦略らしさ”が魅力の原点回帰系。「大戦略Win III NET BATTLE」レビュー
生産タイプ「日本」の兵器一覧。F-15J改,F-2といった高性能戦闘機やE-767 AWACSなど,ハイコストながら高性能の航空戦力,国産の機甲兵器,そしてイージス艦や潜水艦まである
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生産タイプ「中国」は,全体に生産コストが低め。例の原潜「漢」級も収録されているが,大戦略 WIN III NET BATTLEでは,さすがに時代を反映してか「人民兵」はなくなっている
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スウェーデンでは,自国の情勢に合わせて開発されたSTOL性能の高い戦闘機が利用できる。ただし,そのほかの兵器の能力は意外にオーソドックスで,個性的な割に使い勝手は悪くない


勝利後の部隊はマイ部隊に編入可能。これはEZWeb版「大戦略 ONLINE」に転送したり,以降のプレイでマップに配置したりできる。経験を積んで強化された部隊なので,うまく使えば戦闘が有利に
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 大戦略 WIN III NET BATTLEではさらに,ネットワーク対戦や携帯電話版「大戦略 ONLINE」への部隊転送が可能だ。携帯電話版への部隊転送とは,近日サービス開始予定のEZWeb版「大戦略 ONLINE」に,バーコードを利用して部隊データを送り,それを利用できるというもの。

 一方ネットワーク対戦としては,LAN内のほかのPCとの対戦や,インターネット経由での対戦が可能だ。また,ネットワーク上で同時に対戦するのでなく,自分のターンを自分の好きなときにプレイし,メールをで互いに結果を送り合って進める,いわゆる「Play by mail」での対戦も可能だ。

インターネット対戦では,ロビークライアントソフトを利用してシステムソフト・アルファーのサーバーに接続し,対戦相手を探せるようになっている
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 また,インターネット経由での同時対戦の場合,自分のターンに操作できるユニットを3個までとし,操作時間の制限を30〜90秒にすることで,ゲームをスピーディに進める特別ルールも用意されている。
 最初にも述べたが,近年の大戦略シリーズはいくつかの系統に分かれて作品がリリースされており,3月14日にはこの大戦略Win III NET BATTLEと比べて,さまざまなファクターが盛り込まれた「大戦略パーフェクト」シリーズの最新作,「大戦略パーフェクト3.0」も発売されている。

 そちらはそちらで古くからのファンにはたまらない作品なわけだが,あえてシンプルなルールを採用した大戦略Win III NET BATTLEは,ストラテジーゲーム全般に対する入門用として,誰にでも勧められる作品に仕上がっているといえよう。本作を足がかりにして,ストラテジーゲームの魅力をあらためて見いだす人が増えることを祈りたい。

各マップは敵首都占領か全部隊撃破で勝利となる。ゲームが終了すると,最終的な各陣営の状況と,部隊数/収入状況/戦闘での被害や撃破数などがグラフで示され,総合的な評価がつく
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