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[COMPUTEX]火花を散らすG-SYNC対FreeSync。アスペクト比21:9製品や安価な4Kにも注目が集まる最新液晶ディスプレイをチェック
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印刷2015/06/05 18:10

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[COMPUTEX]火花を散らすG-SYNC対FreeSync。アスペクト比21:9製品や安価な4Kにも注目が集まる最新液晶ディスプレイをチェック

多くの来場者でごった返すASUSTeK Computerブース。今年のCOMPUTEXでは,最も液晶ディスプレイ製品の展示が充実していた
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 2010〜2012年にかけての「3D立体視」ブームや,近年の「4K解像度」(3840×2160ドット)ブームなど,液晶ディスプレイの世界にもさまざまな流行が起きるものだ。COMPUTEX TAIPEI 2015を俯瞰してみると,2015年における液晶ディスプレイのブームは,GPU主導のディスプレイ同期技術「G-SYNC」や「FreeSync」(=Adaptive-Sync)に対応する製品にあるようだ。

 また,韓国の液晶ディスプレイメーカーが始めた,アスペクト比21:9の湾曲液晶パネルを採用する製品も,徐々に広がりを見せている。とくに,解像度3440×1440ドットの製品は,4Kに近い解像度でありながら,ハイエンドGPUならば,グラフィックスカード1枚でもそこそこのフレームレートでゲームを表示できるということもあってか,マニアックなゲーマーからの関心も高い。GPUメーカーのほうでも,「うちのハイエンドGPUと組み合わせてはいかが?」と訴求している。

 そこで本稿では,COMPUTEX会場やプライベートブースで見た,注目の最新ゲーマー向け液晶ディスプレイをまとめてレポートしよう。なお,BenQのゲーマー向け湾曲液晶ディスプレイ「XR3501」については,別途レポート記事を掲載している。面白い製品なので,そちらも参照してほしい。

[COMPUTEX]BenQ,35インチサイズで垂直144Hz対応の湾曲液晶ディスプレイ「XR3501」を初披露。競合よりも曲がった画面の魅力を体験してきた



高解像度液晶ディスプレイの新潮流

アスペクト比21:9の湾曲型液晶ディスプレイ


 まずは,アスペクト比21:9の湾曲型液晶ディスプレイ新製品からチェックしていこう。アスペクト比21:9ディスプレイ(以下,21:9ディスプレイ)の火付け役は,韓国のLG Electronicsだが,最近では認知度が上がったこともあって,それ以外のメーカーからも製品が出るようになっている。

 ASUSTeK Computer(以下,ASUS)は,ゲーマー向けブランド「R.O.G.」(Republic of Gamers)の21:9湾曲ディスプレイ「PG34Q」と,一般消費者向けの「LX341」という2製品をブースで披露していた。
 ただ,実際に製品化するかどうかはまだ未定とのこと。当然ながら,価格や発売時期も未定だが,COMPUTEXで展示したところ,とても引き合いが強いので「発売する可能性は高い」とASUSの担当者は述べていた。

解像度3440×1440ドットでG-SYNC対応のゲーマー向け21:9ディスプレイであるPG34Q
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こちらは一般消費者向けのLX341。34インチで解像度3440×1440ドットの湾曲液晶採用という点は,PG34Qと同じだ。出力8W+8Wのステレオスピーカーも内蔵する
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 両製品とも,34インチサイズの湾曲型で解像度3440×1440ドットのIPS液晶パネルを採用。応答速度は6ms(GtG)で,コントラストは1000:1,輝度300cd/m2というスペックとなっている。ビデオ入力はDisplayPort 1.2とHDMI 1.4が1系統ずつなど,仕様の多くも同一だ。
 大きな違いは垂直リフレッシュレートで,一般向けのLX341が最大60Hzであるのに対して,ゲーマー向けのPG34Qは,最大75Hzとなっている。また,PG34QはDisplayPort接続時に限り,G-SYNCにも対応するそうだ。
 ちなみに,3440×1440ドットでの60Hz表示には,DisplayPort接続が推奨されている。HDMI 1.4で接続する場合,一部のグラフィックスカードと接続したときに限って60Hz表示が可能であり,それ以外のグラフィックスカードでは,50Hz接続になる可能性が高いと説明員氏は述べていた。購入を検討している人は,注意しておく必要があるだろう。

 Acerブースでは,2種類の21:9ディスプレイが展示されていた。両製品とも,ゲーマー向け製品ブランド「Predator」では初となる液晶ディスプレイである。
 そのうちの1台が,34インチサイズで解像度3440×1440ドットの「Predator X34」だ。前出のASUS製品とほぼ同等のスペックで,湾曲型のIPS液晶パネルを採用している。価格は未定だが,世界市場での発売時期は7月を予定しているという。

Acerブースでは,Predator X34を横に3台並べたサラウンド表示を披露していた
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Predator X34を3台並べたところを上側から見た。湾曲具合がよく分かる
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 ビデオ入力端子は,DisplayPort 1.2とHDMI 1.4を1系統ずつ装備。DisplayPort接続時に限りG-SYNC対応という点も,ASUSのPG34Qと同じだ。
 それではPG34Qとまるっきり同じなのかというと,もちろん違うところもある。Predator X34では,垂直リフレッシュレートが最大100Hzであるというのだ。事実であるなら,PG34Qに対するアドバンテージとなるはずだが,資料によっては,最大75Hzと記載されていることもあり,どちらが正しいのかは分からなかった。展示機材は75Hzまでだが,最終製品では100Hzを目標にしているということなのかもしれない。

ビデオ入力はDisplayPortとHDMIを1系統ずつ。ちなみに,出力7W+7Wのステレオスピーカーも搭載する
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Ambient Light機能はOSDメニューから設定可能
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 表示とはまったく関係ない,おまけ機能なのだが,Predator X34には,ゲームタイトルや部屋の雰囲気に合わせて,液晶ディスプレイ下部のLEDアレイを好きな色で光らせられる「Ambient Light」(環境光)機能が搭載されている。
 発光パターンはいくつか用意されていて,「固定」「明るい部分が左右に移動」「点滅」「ゆっくり点滅」といった数種類から選択可能だ。FPSでジャングルの中を突き進むときには,緑にして没入感を高めたり,SF風の世界感を持つゲームなら,青い光を左右に移動させて。宇宙船のような雰囲気にしたりといったことができる。


 もう1台の21:9ディスプレイは,「Predator Z35」。
 こちらは画面サイズが35インチと,Predator X34より大きいものの,解像度はやや低い2560×1080ドットとなる。液晶パネルはVA型で,応答速度は4ms(GtG)。対応リフレッシュレートは144Hz。スペックを見る限りでは,BenQのXR3501と同じ液晶パネルを採用しているようだ。

Predator Z35は,35インチサイズの2560×1080ドットモデル。パネルサイズが大きくなって筐体内スペースに余裕が出たのか,内蔵スピーカーは出力9W+9Wになっている。
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ビデオ入力端子はDisplayPortとHDMIを1系統ずつ。Ambient Light機能も備えるのだが,LEDの数が少ない
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 ビデオ入力端子はDisplayPort 1.2とHDMI 1.4を1系統ずつ。DisplayPort接続に限りG-SYNCに対応する。
 Predator Z35の価格は未定で,発売時期は2015年第3四半期中を予定しているとのことだ。XR3501のライバルとなれるだろうか。


普及機に入った4K解像度の液晶ディスプレイ

ゲーマー向けを謳う製品も登場


 解像度3840×2160ドットのいわゆる4K液晶ディスプレイを見ると,2014年に登場した製品はいずれも,「4K対応」という高解像度ばかりがアピールされていた印象で,特定の用途を狙って機能やスペックを選択したという製品は,あまり多くなかったように思う。しかし,各社から製品が出そろって価格も落ち着いてきた現在では,ユーザー層を明確に想定してアピールしてくる製品が多くなってきた。そうした特色のある4K液晶ディスプレイを見ていこう。

 まずは,ゲーマー向けを謳うASUSの4K液晶ディスプレイ「PG27AQ」だ。実のところ,発表自体は2015年1月のInternational CES 2015で行われていたのだが,製品の実物がCOMPUTEX会場でついに披露されたので,早速チェックしてみたい。

ASUSのゲーマー向け4K液晶ディスプレイPG27AQは,超極狭額縁デザインを特徴とする。ブースではその特徴を活かし,3台を横に並べてのデモを披露していた
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 PG27AQは,27インチサイズのIPS液晶パネルを採用した4K液晶ディスプレイ製品である。垂直リフレッシュレートは最大60Hzで,G-SYNCにも対応しているとのこと。輝度は300cd/m2で,コントラストは1000:1だ。
 DisplayPort 1.2とHDMI(バージョンは不明)のビデオ入力端子を1系統ずつ備える。価格は未定で,発売時期は夏頃とのことだった。

 Acerも,ゲーマー向けを謳うの4K液晶ディスプレイのXB1シリーズをブースで披露している。展示されていたのは,28インチのTN液晶モデル「XB281HK」だけだったが,27インチのIPS液晶モデル「XB271HK」もラインナップされているとのことだった。なお,製品名には書かれていないものの,本製品もゲーマー向けブランド「Predator」に位置付けられている。

XB281HK。TN型液晶パネルを採用したG-SYNC対応のゲーマー向け4K液晶ディスプレイだ。ちなみに,スタンドは縦回転にも対応する
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ビデオ入力端子は,DisplayPortとHDMIを1系統ずつ用意
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 XB281HKとXB271HKの両製品とも,対応する垂直リフレッシュレートは最大60Hzで,DisplayPort接続時にはG-SYNCに対応するそうだ。

 発売時期は2015年第3四半期を予定しており,価格は未定とのこと。TN液晶モデルのXB281HKは,比較的安価になると見込まれているそうなので,G-SYNC対応4K液晶ディスプレイの普及モデルとして,IPS液晶モデルのXB271HKよりも登場を期待する声が大きいという。たしかに,価格次第では人気を呼びそうで,国内発売も期待したい。

 続いては,ゲーマー向け以外の4K液晶ディスプレイから,特徴的な2製品を紹介したい。

 ASUSの「PA329Q」は,デザイン業務や写真家,映像制作者向けを想定した4K液晶ディスプレイだ。採用する液晶パネルは広色域タイプの32インチIPS液晶パネルで,sRGBとAdobeRGBのカバー率100%というのが特徴だ。そのほかの高色空間規格である「BT.2020」や「DCI-P3」にも対応するとのことだが,カバー率は公開されていない。

写真家やデザイナー向けのPA329Q。対応リフレッシュレートは最大60Hzとのこと。3W+3W出力のステレオスピーカーを内蔵している
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 輝度均一性(ユニフォミティ)にもこだわりがあるそうで,工場出荷前に1台ずつ個別調整を行い,輝度100%基準に対して,輝度誤差分散率は91〜103%以内に調整されてから出荷されるそうだ。もちろん,ユーザーによるカラーキャリブレーションにも対応しており,ハードウェアキャリブレーションツールである「i1 DisplayPro」や「Spyder5」による色調補正が可能とされている。

Spyder5(左写真の左)やi1 DisplayPro(左写真の右)といったハードウェアキャリブレーションツールにも対応。実際にカラーキャリブレーションを行うデモも披露されていた(右写真)
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 ビデオ入力端子としては,DisplayPort 1.2,Mini DisplayPort 1.2,HDMI 2.0を1系統ずつ装備。また,これらとは別にHDMI 1.4も2系統備えている。ちなみに,DisplayPortまたはHDMI 2.0接続時には,Deep Colorによる10bitカラーで4K,60Hzの表示も可能となっている。
 価格や発売時期は未定のことだが,既存製品である「PA328Q」(※発表時のメーカー想定売価は17万500円前後)の後継製品といえる製品なので,価格も似たようなものになると見られている。

 外観にこだわった製品も登場してきた。ASUSの「Designo」は,スペックこそオーソドックスな27インチ4K液晶ディスプレイであるが,特徴的なデザインにこだわりが感じられる製品だ。
 液晶パネルはAH-IPS方式で,輝度は350cd/m2。sRGBカバー率100%を謳ってはいるが,PA329QのようにAdobeRGBなどには対応しておらず,一般消費者向けの製品に位置付けられている。発売時期や価格は未定だ。

狭額縁仕様のベゼルやスタンドが特徴的なDesigno。ビデオ入力はDisplayPortのみという割り切った仕様だ。
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 Designoでユニークなのは,スタンド部に「Qi」(チー)規格の無線給電機能を内蔵しているところ。対応するスマートフォンやデバイスをスタンドの上に置くだけで充電ができるというのは,なかなか便利そうだ。
 このように,「特徴的な機能を搭載した一般向け製品」が登場してくるのを見ると,4K液晶ディスプレイも普及期を迎えたのだなということが実感される。

スタンド部にQi対応の無線給電機能を搭載(左)。コイルを巻いたファンをスタンド部に置くだけで,ファンが勢いよく回って風を送るというデモを披露していた
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2560×1440ドットの液晶ディスプレイもチェック


 最後に,解像度2560×1440ドットのパネルを採用する液晶ディスプレイをまとめて紹介しよう。

 ASUSブースでは,ゲーマー向け液晶ディスプレイの「MG278Q」が,日本未発売の「MG279Q」と並べて出展されていた。
 両製品はともに,解像度2560×1440ドットの27インチ液晶パネルを採用し,垂直リフレッシュレート144Hz,FreeSyncに対応するのが特徴の製品だ。異なっているのは液晶パネルの方式で,MG278Qは応答速度1msのTN液晶パネル,MG279Qは応答速度4msのIPS液晶パネルとなっている。

左写真は,27インチ・2560×1440ドットでFreeSync対応のTN液晶ディスプレイMG278Q。右写真は,ほぼ同スペックのIPS液晶ディスプレイMG279Q。後者は海外で発売済み
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 ビデオ入力端子はDisplayPort 1.2とHDMI 2.0,HDMI 1.4,Dual-Link DVIを1系統ずつ装備。HDMI 1.4とは別にHDMI 2.0が用意されているのは,HDMI経由で高フレームレートでの映像伝送を行うためだ。なお,FreeSyncに対応しているのは,DisplayPortで接続した場合のみとなっている。
 両製品ともスピーカーは非搭載。スタンドは縦回転(ピボット)にも対応しているとのことだった。

 MG278Qの発売時期や価格は未定だが,ASUS担当者によると,IPS液晶モデルのMG279Qと比べて,TN液晶モデルの本機は50〜100ドルほど安価になるだろうとのことだった。Amazon.comでは,MG279Qが719.99ドルで販売されているので,おおよそ620〜670ドル程度といったところか。

 ASUSの「PB328QT」は,ゲーマー向けではなく,映像制作系ユーザーを想定したIPS液晶ディスプレイだ。画面サイズは32インチで,輝度は300cd/m2。sRGBのカバー率100%を謳っているのに加えて,カラーポストプロダクションスタジオとして名高いTechnicolorの色再現認証を受けたことをアピールしているなど,映像制作現場での使用に耐えうる製品であることが謳われていた。

Technicolorの色再現認証を受けたPA328QTは,映像制作者向けの32インチ・2560×1440ドット液晶ディスプレイである
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 ビデオ入力端子はDisplayPort 1.2とHDMI 1.4,Dual-Link DVI,D-Sub 15ピン(アナログRGB)の4系統を装備。10bitのDeep Color表示にも対応する。
 価格や発売時期は未定だが,解像度が低い分だけ,先述のPA329Qよりは安価な製品になりそうだ。

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