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秋葉原がTERA一色に染まった「FINAL TERA DAY」の様子を,開発会社CEOへのミニインタビューとともに紹介
当日の秋葉原は,街全体を巻き込んでのイベント「TERA WEEK」も実施されており,どこを歩いても紫色をしたTERAの紙袋を手にした人々が行き交う光景が見られた。
4Gamer読者にとっては最大の焦点となった,プレスカンファレンスの“重大発表”に関しては,速報ですでに紹介している。本稿は詳報として,FINAL TERA DAYのイベント全体を振り返っていきたい。
TERAの開発を行っている韓国Bluehole StudioのCEO,キム・ガンソク氏へのインタビューも掲載しているので,お見逃しなく。
【速報】「TERA」のオープンβテストは“8月8日AM 8:00”にスタート! テラカッコ良すぎな初公開プロモーションムービーを4Gamerに掲載
「TERA The Exiled Realm of Arborea」公式サイト
OBTに向けてのさまざまな発表があった
プレス向けカンファレンス
森川氏は,CBTに10万人の応募があり,同時接続者数が15000人を記録した結果にかなり満足しているご様子。来るべきOBTでは,「まずは同時接続者“5万人”を目指したい」と意気込みを語った。
日本ではコンシューマゲームのシェアが大きいものの,森川氏は「TERAなら,その風潮を変えられる」と信じているそうだ。2年前に韓国BlueholeとTERAのサービス提携を結んで以来,これまでの協業を経て,それを確信しているという。そのうえで,TERAのサービスをもって「日本のゲームの歴史を変えたい」と締めくくった。
森川 亮氏 |
キム・ガンソク氏 |
TERAの開発元であるBlueholeからは,CEOを務めるキム・ガンソク氏が来日。4年前にTERAの開発を始めてから,これまでの経緯を振り返った。
BlueholeとNHN Japanは,TERAの開発初期からずっと,こまめにやりとりしてきたとのこと。日本側のニーズも隅々まで熟知しており,その手ごたえには納得しているようだ。実際,日本で実施したCBTは,参加率が韓国版よりも高かったという。
開発時とくに苦労したのは,長時間遊ぶことが多いMMORPGのゲームジャンルに,アクション性をどこまで組み込むかの,さじ加減だったとのこと。アクション性を入れすぎると,それはMMORPGではなくなってしまう。
こうして苦労して出来上がったTERAのフリーターゲティングは,MMORPGとしての体裁を保ちつつ,日本のコンシューマゲーマーにも強くアプローチできる内容になったとのこと。そしてそれは「MMORPGとして初の快挙」だと胸を張る。MMORPGの新しい世代,フラッグシップとなってほしいと熱意のほどを語った。
ゲームの先進国である日本の,しかもデジタル産業の最先端をいく秋葉原で,ここまで大規模なイベントを行えたことに,キム氏は大きな手ごたえを得ている様子。Bluehoneにとって初の海外ローカライズタイトルとなる日本版TERAを,NHN Japanが手厚くサポートしてくれていることに対して感謝の意を述べると共に,これからも共に努力してTERAを育てていきたいと語った。
速報記事でも触れているように,TERAのOBTは8月8日のAM 8:00よりスタートする。OBTまでに若干日数はあるが,そのあいだはキャラメイクをたっぷりと試せる「先行/事前選択サービス」が楽しめる。
TERAはマスに対するアプローチを行っているが,仮に新たに興味を持った人がプレイしてみたいと思っても,実際にはいくつかのハードルがある。こういったハードルを和らげるための,複数の企画がカンファレンスで発表された。
まずは「TERAが遊べるPCを持っていない人」のために,ソフマップ,TSUKUMO,ドスパラの関係者が登場。PCショップとのパートナーシップが密に行われ,さまざまな形でサポートしていることをアピール。
もう一つのハードルはソフトウェア,つまり25GBもの大容量のクライアントを,いかにして入手するかだ。これに対しては,GEOでの無料レンタルや,TERA WEEKでの大々的なパッケージ配布がすでに行われているが,今回それとは別に「クライアントDL応援企画」なるものが発表された。
このユニークな企画は「NonStopTV スベリま7(SEVEN)」といい,クライアントをダウンロードしている時間を楽しく過ごしてもらうために用意される。具体的には,ホリプロコムに所属する7組の芸人が日替わりで,10時間ぶっとおしでUstreamライブ配信を行うというもの。もちろんクライアントをダウンロードしている/いないにかかわらず,誰でも視聴可能だ。
7組の芸人には,それぞれ「朝までサイキック」「ギネス記録に挑戦300連発」「10時間で5kg太る」「ものまねのレパートリーを300増やす」「ダジャレを1000個作る」などのテーマが与えられる。よく分からないものもあるが,勢いだけは十分に感じられた。
カンファレンスの司会を務め,7組の芸人にとっては先輩にあたるスピードワゴンの2人は,「人生の落ちこぼれの生き様を盗み見てほしい」「事故を起こすかもしれないが,それも醍醐味」「どこかで飛び入り参加したい」などといったコメントで会場の笑いを誘った。いったい何が起こるのか,気になる人は以下の日程を要チェックだ。
■放送日程(予定)
8月 9日 Kick☆ 超能力に関する500個のトークもしくは実例
8月10日 スカイラブハリケーン ギネス記録挑戦300連発
8月11日 オレンジサンセット 放送中に5キロ太る
8月12日 アップルパイン ダイエット企画
8月13日 マギー直樹 200個の新ネタをやる
8月14日 高円寺パルサー 新しいネタを300個増やす
8月15日 末高斗夢 ダジャレを1000個作る
※配信URLなどは後日発表
午後はユーザーカンファレンスやLive Showの配信なども
午後には,計3回におよぶユーザー向けイベントが行われた。TERAはマスに向けて積極的にアプローチしており,普段からMMORPGで遊んでいる人以外でも,新たに興味を示してくれる人が増え続けているという。
今回のイベントでは潮田プロデューサーが,そういった人々に向け,あらためてTERAの魅力を紹介した。CBTの反響を伝え聞いてはいたものの,実際にはTERAを未プレイという来場客も多かったので,参考になったことだろう。
午後の部はそういった人々にTERAを気軽に楽しんでもらう場ということで,潮田プロデューサーも午前のカンファレンスと比べて,いくぶんリラックスした様子で臨んでいたようだ。
なお,午前のプレス向けカンファレンスで発表された情報が,ここでもあらためて紹介された。来場客からは,本日公開された新PVに対する反響が,総じて高かったようだ。
ユーザーカンファレンスを終えたあとの閉会セレモニーでは,「Live Show TERA CHANNEL 出張版」の公開収録が行われた。いつものようにUstream配信されたのだが,その内容は「新PV作成時の裏話」「テラミ誕生秘話」「韓国に50日滞在しても韓国語はぜんぜん喋れなかった」などなど,これまでのイベントと比べると思いっきり緩めの内容。2人のかけあいで,会場内は笑いに包まれた。
この2人のコンビはかなり板についてきたように見受けられるのだが,残念なことに「TERA CHANNEL」は8月5日の配信分で最終回となってしまうようだ。
最終回は,これまでの放映を振り返るという内容になりそうなので,当日は忘れずにチェックしよう。
Bluehole Studio CEOキム・ガンソク氏
ショートインタビュー
プレス向けカンファレンスの終了直後,TERAの開発を行っているBluehole StudioのCEOキム・ガンソク氏に,短い時間ではあるが話を聞くことができた。
4Gamer:
お疲れ様でした。
先ほどカンファレンスを終えたばかりですが,感想はいかがですか?
日本のパートナーであるNHN Japanが,TERAを積極的にフォローしてくれていることを強く実感しました。ゲーマーやメディアの方々にも注目されているのを実感して,手ごたえを感じています。
秋葉原のいたるところで,紫色をしたTERAのパッケージを持っている人を見かけたり,多くのPCショップでTERAのクライアントが配られたりしているのを見たときは,嬉しかったですね。
4Gamer:
カンファレンスの場にてキムさんは,TERAのゲーム内容は日本市場をとくに意識して開発しているとおっしゃいました。
具体的に,どういったあたりのシステムについて,それが言えますか?
キム氏:
ローカライズに際して「日本向けに作り直す」というよりは,最初から日本市場を意識して開発しています。日本のニーズを調べ上げ,皆さんの好みに合うようにサポートすることは,開発初期から行っていました。
分かりやすい例では,キャラ選択時の各種族のテンプレートは,日本人の好みをかなり意識しています。ほかにもゲームシステムやコンテンツなど,かなり多くのところに影響を与えており,一言ではいえませんね。
4Gamer:
なるほど。
キム氏:
そのほか,ライトなゲーマーでもTERAを楽しめるようにハードルを低くしています。日本で先日行ったCBTにおいて,皆さんがどこでつまづいているのかを把握しましたので,そういった部分も今後改善されるでしょう。
4Gamer:
日本向けを意識すると,今度は韓国でのニーズから逸れてしまう心配があります。今後,韓国版と日本版でゲームバランスが大きく違ってくる可能性はありますか?
キム氏:
今はまだ,はっきりとは言えませんね。開発者の立場としては,ローンチする国によってゲームバランスが違うと,その数だけクライアントを用意する必要が出てきますが,それは好ましい状態ではありません。
4Gamer:
2009年のG★でBlueholeに取材したときは,TERAはガチガチのパーティプレイ向けを目指しているように見えました。現在,そのスタンスは変化していますか?
そうですね。とくに日本ではソロプレイを好む人が多いので,ソロプレイでもレベル上げができるように調整しています。「パーティに参加できないのでレベルアップが上げられない」といったことはないです。
しかし,パーティプレイを疎かにしているわけではないです。インスタンスやフィールド上の強力なモンスターとの戦闘には,パーティプレイならではの醍醐味がたっぷりありますし,その面白さには自信を持っています。
4Gamer:
日本でのCBTに参加したとき,韓国版で6月に実装されたばかりの大型アップデートが,早くも反映されていることに驚きました。これは日本市場に対する意気込み,と受け止めてよいのでしょうか。
キム氏:
開発者の立場としては,最も完成度が高い状態のゲームを楽しんでもらいたいという思いがあります。たとえ違う国にローカライズされるタイトルでも,その気持ちに変わりはありません。
実際にはローカライズ作業にかかる時間やコストなどの問題が出てきますが,NHN Japanは最大限にサポートしてくれるので,作業しやすくて助かっています。韓国と日本には時差がほとんどないという点でも,作業しやすかったですね。
4Gamer:
TERAは4Gamerでも非常に注目度が高いタイトルです。最後に,日本でTERAに注目している人々に向けて,メッセージをお願いします。
キム氏:
Blueholeの開発チームのメンバーの多くは,子供の頃から日本のゲームや漫画などの文化に触れてきました。我々が開発したタイトルが,リスペクトしている日本でサービスされるのは,夢のような話だと思います。
NHN Japanとのパートナーシップも非常に手ごたえがあり,きっとTERAが成功すると信じています。ぜひ,OBTを楽しんでみてください。
4Gamer:
ありがとうございました。
「正式サービス移行時にOBTのキャラデータをワイプするか?」という質問に対しては,あくまでもβテストであることを前置きしつつも,「しない方向で検討中」とのこと。
「OBTはいつまで行うか」「課金額はいつ発表するか」という質問に対しては,ともに「まだ答えられない」とのことであった。OBTの反響などを見ながら慎重に検討しているようなので,もう少し待つ必要がありそうだ。
とまあ,こんな感じでFINAL TERA DAYは大盛況のうちに閉幕。それにしても,まさか今日のイベントが秋葉原全体を巻き込んでしまうほどのものだったとは。飛ぶ鳥を落とす勢いのハンゲームならではの,一大イベントだったといえるだろう。
【速報】「TERA」のオープンβテストは“8月8日AM 8:00”にスタート! テラカッコ良すぎな初公開プロモーションムービーを4Gamerに掲載
「TERA The Exiled Realm of Arborea」公式サイト
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