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[AGDC 08#05]業界騒然? Googleが「Lively」でゲーム業界に進出!
Google傘下のX-Ray Kidで,「Lively」のプロジェクトマネージャーを務めるKevin Hanna氏(左)。Googleのゲーム業界参入は成功するのだろうか |
Livelyは,現在β版として無料公開されている3D仮想空間で,アバターを使って簡単なジェスチャーを交えたチャットを,最大20人で楽しめる。「Second Life」などとは違って,ブラウザでオンライン上の仲間達と出会えるというのが特徴だ。現在はβテスト中ということもあり,あまり目立った機能がないLivelyだが,ゲーム用APIエクステンションを公開し,Googleガジェットのようにサードパーティから“プラグインゲーム”を募り,Livelyをゲームが遊べるSNSへと発展させるのだろう。
ハナ氏によると,ゲーム用APIを使ってLively向けプラグインを制作するには,Googleの承認を得る必要があるという。誰でもプラグインを制作できるわけではないが,既に先週だけで120の企業や個人に対し,β向けプラグインの開発を許可したとのことだ。
まだ完成度が20%程度といわれるLivelyだが,正式サービス開始後には,自分の部屋に置ける家具だけでなく,本格的なゲームなど,膨大なプラグインプログラムが追加されるようだ。
また,Googleはプラグインプログラムに課金する予定はなく,有料にするかどうかは,サードパーティ次第になるという。なお,お金を取る場合は,プログラムを売るだけでなく「マイクロトランザクション」(いわゆるアイテム課金)方式も行えるようになっているなど,幅広いオプションが用意されるようだ。
Lively専用の通貨などに関しては,「ゲームエコノミーは用意したいが,(サードパーティが)ユーザーから得たお金は一銭たりともキックバックしてもらうつもりはない」(ハナ氏)とコメントしている。Googleとしては,Livelyのゲームなど単体で,儲けるつもりはないようだ。
知名度が高く,集客性が抜群なGoogleだけに,Livelyは短期間のうちに市場を独占してしまう可能性はある。サードパーティとなるゲーム開発者にとってはチャンスだが,これまでSNS市場をリードしてきた企業にとっては大きな脅威となるだろう。今後Livelyがどのように発展していくのか,注目しておいたほうがよさそうだ。
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