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[CJ 2008#04]唯晶科技の新作「ファイティングサッカー」は簡単操作で肉弾戦指向
「ファイティングサッカー」は,可愛い3Dキャラクターがフィールドを駆け回るカジュアル型のスポーツ対戦ゲームとなっている。キャラクターを操作してキックやタックルなどのアクションが可能だ。パスやシュートの区別などは自動処理なので,ちょっと慣れてくれば,鋭いパスをそのままボレーシュートで叩き込むといった離れ業も可能になる。なお,ゲームパッドでの操作にも対応している。
キャラクターは現在6種類が用意されており,それぞれ,中国,韓国,日本,アメリカ,フランス,スペインをイメージしたキャラクターだという。日本のキャラクターはくの一風,韓国だとテコンドー,中国はカンフー調という感じだ。
通常のサッカーと違うのは,ボールだけでなくプレイヤーキャラへの攻撃も反則とならないという点だ。細かいルールは省略されており,人数が少ないのでオフサイドもない。
キックやタックルでほかのキャラクターにダメージを与えると,周りに宝石がドロップされる。それを集めると「SHOWTIME」と書かれたバーが伸びていき,バーが一杯になると,キャラクターごとの派手な必殺技が使用できるようになる。また,宝石と同様にドロップしたアイテムや課金アイテムを使っての,特殊な攻撃を行える。必殺技を防ぐためのアイテムなども用意されるようだ。
ゲームは,2対2ないし3対3での対戦が可能になっている。逆にいえば,現状では対人戦しか行うことができない。AIによるプレイヤー制御には対応しておらず,唯一ゴールキーパーだけが,CPUが担当するNPCになっている。面白いのは,この部分でバランス調整を行っていることだ。勝っているチームではだんだんキーパーのミスが多くなるなどのハンデが加わっていく。
多くのオンラインゲームでの対戦の問題点の一つに,強い人はより強くなり,弱い人がより不利になりがちな傾向にあることが挙げられる。ゲームをやり込んだ人にご褒美をあげていると,どうしてもそのような傾向が出てしまうのだ。しかし,このゲームでは,キーパーを使って試合を面白くする方向に調整が働くようになっており,ある程度の実力差があってもそれなりに緊迫した展開が期待できそうだ。将来的には,AI処理のNPCプレイヤーも追加されるようで,プレイヤー一人でチームを率いていくような対戦モードも予定されているという。
プレイの舞台として現在用意されているフィールドは8種類で,野原のようなものから体育館や日本の城などさまざまなものが取り揃えられている。いまのところ,どのフィールドも広さ以外に違いはないが,今後は滑りやすさなどの特徴が追加されていくようだ。
また,ゴールに関係なく相手を倒せば勝ちというモードもある。……と聞くと,ぶっちゃけていって,コンセプトは「ファンタテニス」と非常に近いものがあるように思われる。ファンタテニスが世に出る前から開発されていたものなので,影響を受けたわけではないらしいが,テニス以外の魔法の力で攻撃を行っていたファンタテニスに対し,もともと肉弾戦に近いものがあるサッカーでは,半ば対戦格闘ぽいところまでやってしまっても,そう不自然ではないのかもしれない。まあ,ありえないくらいデフォルメしたルールで可愛いキャラが織り成すカジュアルスポーツゲームというと「スカッとゴルフ パンヤ」あたりもそうではあるのだが,カジュアルスポーツゲームの定番的アレンジではあるのだろう。
特筆すべきはキャラクターの動きがかなりよいことだ。動きは滑らかで小気味よい。キャラの可愛さ加減とあわせ,かなりよい感じに落ち着いている。発表は年内予定とのことだが,今回のChinaJoyへ出展の予定はないそうで,この記事が初公開になるようだ。現時点でも十分プレイアブルになっているので,今後の仕上げでどこまで洗練されていくかが楽しみな作品だ。
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ファイティングサッカーオンライン
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