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印刷2010/02/01 11:43

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海外ゲーム四天王 / 第31回:「Dark Void」

海外ゲーム四天王 〜戦うおじさん〜
第31回:今週のジェットパッカー:「Dark Void」
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 人類の夢,それはジェットパック。じゃあ母さん,会社に行ってくるよ。ビューン! なんて。ああ,いいなあ。そんな夢を叶えてくれるのが,今回紹介する「Dark Void」である。どうしたハズミか,別の世界に飛ばされてしまった主人公が,人類の解放を目指して異星人どもと戦うという三人称視点のアクションゲームである本作。NVIDIAのPhysXを搭載したグラフィックスにより,まるで自分が飛行機になったかのような気分を味わえるのである。
 そんなDark Voidを,レースゲームで地べたを走るのはお手の物だが,三次元空間になるとどうかなあ,という不安をのぞかせるライターのUHAUHA氏が紹介する。

全人類の運命は,一人のおじさんの双肩にかかってしまった ジェットパックを操って,上下左右東西南北前後縦横無尽に戦おう

 

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 輸送機のパイロットである主人公のWillは,バミューダトライアングル上空を飛行中に突然,機体のコントロールを失って墜落。そして,どういうわけか謎のエイリアン「Watcher」が支配する,「Void」という別の世界に飛ばされてしまった。
 WillはWatcherに抵抗する人々が組織する,「The Survivor」というレジスタンスグループの一員となり,たまたま使われずに転がっていたジェットパックで空中を飛び回り,エイリアンとの激しい戦いを生き抜き,Voidからの脱出に挑むのであった! じゃーん。

 という奇想天外なストーリーが展開するのが,今週紹介する三人称視点のアクション,「Dark Void」である。主人公のWillは,見た目もパッとしないし,どことなく頼りない感じ。言ってみれば,本連載の(最近忘れられがちな)サブタイトルである“戦うおじさん”にピッタリかもしれないという,妙な親近感を筆者(おじさん)は覚えるわけで,あなたもぜひ「おじさん頑張れ!」という気持ちで読んでいただけると幸いだ。

 

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 本作の開発は,Microsoft Game Studiosで「Crimson Skies: High Road to Revenge」を開発したメンバーが中心となって設立したスタジオ,Airtight Gamesが行っており,コンバット系フライトシムの開発で培った技術が本作にも活かされている。ちなみに,あの名作「Portal」を手がけたKim Swift氏が,Valveを辞めてAirtight Gamesに移っていたりする(本作への関与の程度については不明)ので,新たなプロジェクトも動いているのかもしれない。
 欧米での販売はカプコンの北米法人が行い,PC版のほかにPlayStation 3版とXbox 360版がリリースされているが,今のところ日本語版発売のアナウンスはない。

 

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 さて,ゲームは三つのエピソードに分かれており,合計14のチャプターから構成されている。チャプターごとに地上戦と空中戦,どちらかがメインになるが,基本的に敵を倒しながら設定された課題をクリアしていくことになる。何をすべきか,どこに向かえばいいのかなどは常に画面やレーダーマップに表示されるので,よほど注意力散漫な人以外,まず詰まることはないだろう。戦いの舞台はジャングルだったり,Watcherの施設や艦内,渓谷のような場所だったりとバリエーションに富んでおり,チャプター間にはムービーシーンが挿入され,飽きることなくゲームを進められる。英語が苦手な人でも眺めていれば何が起きているか十分に伝わってくるし,現実問題として,そう凝りまくった物語というわけでもないので,細かい理解はできなくても大丈夫という親切設計だ。

 

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 本作にはライフゲージがなく,ダメージを受けても一定時間を逃げていれば自動回復するという,最近定番のシステムが採用されている。地上戦では遮蔽物に隠れながら攻撃&移動するカバーアクションが基本で,ダメージを受けたら遮蔽物の陰でジッとしていればいいのだ。
 難度は「CASUAL」「NORMAL」,そして「HARDCORE」から選べるが,全般的に比較的ラフにプレイしても死ぬことは少ない。よく考えると,元はただの輸送機パイロットだったのに凄いぜおじさん! おじさんはやるときはやるぜ!

 

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 登場する6種類の武器は,敵を倒すと得られるエナジーを使ってアップグレードが可能。Willは同時に2種類の武器を携行でき,倒した敵の武器も拾って使える。で,これがアップグレードした自分の武器よりも強力だったりして,しかも現れる敵の数が多くて,倒せば弾薬を落とすので弾薬の補充も楽と,敵の武器のほうが使い勝手がずっといいような気がする。また,銃器だけでなく手榴弾の投擲や敵を殴り倒す接近攻撃もできるので,状況に応じて使い分けてほしい。

 

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 いうまでもなく,ジェットパックを自由に使いこなせるかどうかが本作のキモなわけだが,操縦方法は基本的にカジュアルなフライトシムと同じで,ブーストとブレーキでスピードを調整し,ピッチで上下の向き,ロールで傾きをコントロールする。
 キーやスティックを左右に倒しただけではゆっくりとした旋回になり,これにピッチとロールを組み合わせることで素早く方向を変えられるようになる。ちなみに,敵の攻撃を回避するバレルロール(螺旋状に飛行する),瞬時に反転する動作,そしてジェットパックならではの空中で浮遊するホバリングなどはワンキー/ボタンで発動するから楽チンだ。

 

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 ジェットパックは燃料切れなどにはならず,(背負っている限り)いつでも飛べる。地上戦でも,遮蔽物の陰に隠れた敵を上空から攻撃したり(もちろん,ホバリング中は無防備だが),通常のジャンプでは届かない高低差のある場所へ移動したりといった,さまざまなアクションを使って戦うのである。ちなみに,狭い艦内や通路などで不用意にジェットパックを動かしてしまうと,あちこちの壁や地面にビタビタ叩きつけられて悲惨な死に方をするので注意が必要だ。というか,そんな悲しい死に方ばかりしていた気がする。

 

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 ジェットパックを使って敵機(UFO)に飛び移り,いささか作業的で面倒なコマンドを入力して敵機を乗っ取ったり,砲台を使って敵機を撃ち落としたりと,ジェットパック以外のアクションも豊富に用意されているので,攻略法は一つではない。
 アクションについていけずに先に進めないなんてことはまずないと思うので,ビギナーからベテランまでスピーディなアクロバットアクションを楽しめはずだ。お疑いの向きは,まず4Gamerに掲載したPC版デモをプレイしてみよう。

 

コラム:NVIDIA PhysXで物理効果を追加しよう

 本作をプレイするなら,なんといってもPC版がオススメだ。というのも,PC版はNVIDIAの物理演算システム「NVIDIA PhysX」に対応しているため,必要なグラフィックスカードがあれば,ゲーム内にリアリティを与えるさまざまな物理効果が表現されるからだ。今回,PhysX効果を有効にした状態でムービーを撮影したので,ぜひご覧なさい。

 

 ムービー中のどこにPhysXが使われているのかを簡単に解説すると,ホバリング中にジェットパックの噴射口からリアルに流れ出すスモーク,銃弾が当たったり電子系の武器を使ったりした場合に飛び散る火花,使用する武器によって,攻撃を受けた敵が砂のように粉々になって消え去るエフェクトが追加される。

 どちらかといえば,さりげなくリアリティをアップさせる効果ばかりであり,驚くようなエフェクトではないものの,試してみる価値は十分にあるだろう。

 

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■■UHAUHA(ライター)■■
「せっかく高いHD5970(ATI Radeon HD 5970のこと)を買ったのに,編集部からくる仕事は「Zombie Driver」とか「Batman: Arkham Asylum」とか「Dark Void」とかで,DirectX 11対応じゃなかったり,ATIとは関係ないNVIDIA PhysXのゲームばかり。これはきっと編集部のイヤがらせだ。おかげでHD5970より,GTX295(GeForce GTX 295のこと)を挿している時間のほうが長く,なんのために買ったのかさっぱり分からない。このままGF100のグラフィックスカードが出てしまうんじゃないかと気が気でない」と熱く訴えるUHAUHA氏。GeForce 7800を使っている担当編集者は「……ふーん」。
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