連載「PCゲームを持ち出そう！」。第61回はアクションパズル「レミングス」のPSP版を紹介

　PCゲームと関連のあるNintendo DS/PlayStation Portable用タイトルを紹介していく連載「PCゲームを持ち出そう！」。61回めとなる今回紹介するのは，ソニー・コンピュータエンタテインメントから2006年3月9日に発売された，アクションパズル「レミングス」のプレイステーション・ポータブル版（以下，レミングスPSP）だ。

　レミングスPSPは，Amiga用に1991年に発売された「Lemmings」を，PSP向けにアレンジした作品。Lemmingsは発売以来，WindowsやMacintoshを含むさまざまなプラットフォーム用にリリースされた人気シリーズであり，かくいう私も初代Lemmingsや，その追加データである「Oh! No More Lemmings」を，寝食を忘れてプレイしたものだ。懐かしすぎる……。

パズルファンを虜にしたアイツらがPSPへ！

グラフィックスやサウンドがグレードアップ

　タイトルになっているレミングとはネズミの仲間で，数年おきに集団自殺する習性を持つと言い伝えられてきた。実はこれは誤りであることが判明しているそうなのだが，Lemmingsは，そんな「海に向かって大行進し，自らその命を絶つ」という，レミングに対する誤った認識をモチーフにしたパズルゲームなのである。

　ゲームがスタートすると，画面上部の入口からレミング達が落ちてきて，一つの方向に向かってただひたすら進んでいく。大きな障害物や壁にぶつかると反転し，逆方向へと進み始める。
　このように，ゲームに登場するレミングは基本的に，一つの方向に進むことしかできず，例えば目の前が崖になっていた場合も，迷わずにそこから飛び降り，命を落としてしまう。

　プレイヤーは，そんなレミングに対して「のぼる」「パラソル」「かいだん」「ヨコほり」といったさまざまなアビリティ（能力）を与えられる。個々のレミングにアビリティを与えてトラップをクリアし，できるだけ多く彼らをゴールに導いてやることが，ゲームの目的となっている。
　ただし，ステージごとに利用できるアビリティとその回数が制限されているため，クリアするには，どこでどのアビリティを使うかがミソとなる。レミング達は常に歩を進めているので，時にはシビアな操作も要求されるのだ。



　レミングスPSPには，初代Lemmingsの120ステージと，オリジナルの36ステージ，合わせて156ものステージが用意されている。
　……と数だけ聞くと，シリーズ作品を遊んだことのない人はなんだか大変そうに感じるかもしれないが，序盤には，ルールや操作方法をつかむためのチュートリアル的なステージが用意されているので，ご安心を。
　もちろん，ステージをクリアするにつれ，難度はどんどん高くなっていく。中には，使えるアビリティがほとんどなく，到底クリアできそうにないステージもある。しかしそんなステージでも，発想をちょっと変えるだけでクリアへの道筋が見えてくることがあるのだ。
　重要なのは，何回も繰り返しトライすること。攻略法を見出し，最後までミスせずに操作しきったときの達成感こそ，本作の醍醐味といえるだろう。

レミングスPSPの見どころはココ！

　上で述べたように，本作のもとになっている初代Lemmingsは1991年発売のタイトルだが，レミングスPSPではグラフィックスが刷新されており，古臭さはまったく感じられなかった。
　いや，それは見た目だけの問題ではなく，15年以上前にリリースされた初代Lemmingsのゲームとしての完成度が，ずば抜けて高かったということだろう。

　それにしても，前へ前へとけなげに進んでいくレミング達の姿を見ていると，この子達を助けてやりたい！　という使命感に駆られるから不思議だ（私だけ？）。
　グラフィックスは実に緻密に描き込まれており，ほのぼのとした雰囲気は女性ゲーマーの心を捉えるのではないだろうか。また，その見た目とは裏腹に，パズルはかなりの手ごたえなので，頭の体操にも最適。最近PSPを購入し，2006年に発売されたレミングスPSPのことを知らないという人にもオススメしたいタイトルだ。

レミングス

対応機種：プレイステーション・ポータブル
メーカー：ソニー・コンピュータエンタテインメント
発売日：2006年3月9日
価格：3990円（税込）
公式サイト：http://www.jp.playstation.com/scej/title/lemmings/