イベント
合計3万2300人が来場した,地区大会フィナーレを飾る「モンスターハンターフェスタ’09」札幌大会レポートその2
8月23日の東京大会を皮切りに,大阪/名古屋/福岡で開催された「モンスターハンターフェスタ’09」だが,今回の札幌大会で地区大会も最後となる。残すは10月25日に東京のラフォーレミュージアム六本木で開催される“狩王決定戦”決勝大会だ(※事前応募制で締め切り済み)。
なお札幌大会の来場者数は公称で3300人。東京大会と大阪大会は9000人,名古屋大会は7000人,福岡大会は4000人と,5開催で累計3万2300人がフェスタを訪れたことになる。これだけの人数を動員できる,「モンスターハンター」シリーズの底力には驚かされるばかりである。
「モンスターハンターフェスタ’09」特設サイト
「モンスターハンターフェスタ」関連記事一覧
ステージは福岡大会同様の進行で,「開発者チャレンジクエスト」「帰ってきた!教えて藤岡先生」「『モンスターハンター3(トライ)』チャレンジクエスト」「『モンスターハンター3(トライ)』狩王決定戦」などが行われた。
■メインステージ
10:20〜 オープニング&開発者チャレンジクエスト
11:30〜 帰ってきた!教えて藤岡先生 モンスター生態講座&イラストコンテスト作品講評
13:00〜 モンハン部スペシャルステージ(モンハン部紹介,モンハン音楽部紹介,MHP 2nd G 大会表彰式)
14:00〜 「モンスターハンター3(トライ)」チャレンジクエスト&「モンスターハンター3(トライ)」狩王決定戦地区大会決勝進出者発表&モンハン模試答え合わせ
15:30〜 「モンスターハンター3(トライ)」狩王決定戦地区大会決勝戦
16:30〜 お楽しみ抽選会
開発者チャレンジクエストでは“ベリオロス”に挑戦
5大会での通算勝ち越しはなるか?
クエストにチャレンジするのは,「3(トライ)」プロデューサーの辻本良三氏,「3(トライ)」ディレクターの藤岡 要氏,「3(トライ)」メインプランナーの木下研人氏,「モンスターハンターポータブル 2nd G」ディレクターの一瀬泰範氏の4人である。
辻本氏が着ていた“モンスターハンター×「クローズ」「WORST」狩猟戦線ライダースジャケット”は,「こちら」の記事にあるように11月発売予定となっている |
一瀬氏が大阪大会以降紹介してきた「モンフェスせんべい’09」は,チャチャとアイルーの絵が入った中身が初めて取り出された。取り出してみたらおせんべいが割れていた,なんてことは決してありませんでしたとも |
今回は地区大会最後のチャレンジクエストということで,辻本氏もライダーズジャケットを脱いで本気を出すほどの意気込み。
そして木下氏から,「北の大地北海道ですよ。北海道には山奥のほうにこのモンスターがいるんじゃないかなーって僕は思っています。……バギィです。ウソです」と,勝ちにこだわった本気とも思えるギャグ(?)をはさみつつ,凍土の騎士“氷河竜”ベリオロスに挑戦すると発表された。
ここまでの戦績は2勝2敗の五分となっているだけに,有終の美を飾れるかが気になるところだ。……藤岡氏は「開発者が五分っていうのはどうなんでしょう。大丈夫なんでしょうか」とコメントしていたが。なお開発者チャレンジクエストの制限時間は15分で,制限時間内にクリアできない場合はそこで打ち切りとなるフェスタルールで行われる。
木下氏は,“小悪魔的な感じが可愛くて大好き”だというギギネブラ装備のガンナー。武器は,火炎弾の装填数が多い火竜のボウガンを選んでいた。
藤岡氏はアグナコトル素材の防具をチョイス。アグナコトル装備は氷耐性に強くはないものの,「ガード性能+2」「ガード強化」がつくスキル重視の選択だ。武器は火属性のランス「スパイラルヒート」とのこと。
辻本氏の装備がスクリーンに映し出されると,ほかのメンバーがざわつく。というのも,腕と腰に防具を着けてはいるものの,頭と胴はどう見ても防具なしである。木下氏に「良三さん,今日ベリオロス……」,小嶋氏に「なんか川に漁に行きそうな格好になってますけど」とツッコまれるも,辻本氏は「はい,こんな感じで行こうと思います!」と見事なまでの受け流し。そして武器については,「スラッシュアックスを使ってみようかと思います」とコメント。すかさず一瀬氏から「ここで初めて挑戦しようかなみたいな……会社で練習してくださいよ!」とツッコミが入る。
クエスト前の食事は辻本氏がメニューをチョイスしたのだが,選んだ効果は「酸素」と「火耐性」の二つ,発動スキルはネコの運搬系と,ほかのメンバーから「ベリオロスってモンスターを見たことないんじゃないですか」と言われる始末。
そんなこんなでクエストがスタートし,“リーダー”の木下氏から今回の作戦が説明された。木下氏は,睡眠弾でベリオロスを眠らせたら大タル爆弾を仕掛け,両翼にあるトゲを一気に破壊するとコメント。というのも,トゲを破壊すると攻撃後に隙ができて攻略しやすくなるためだという。
そして気になる辻本氏は,スラッシュアックスをあまり使ったことがなさそうなのが心配だったのだが,連続攻撃から属性開放突きまでの見事なコンボをいきなり披露してくれた……ベースキャンプで。
一方,ほかのメンバーは視界が悪い中,当初の作戦どおりベリオロスを眠らせるものの,爆弾を仕掛けている間にバギィに邪魔されてベリオロスが起きてしまう。
最初の作戦が失敗してから無口になっていた木下氏だが,気を取り直して毒弾→麻痺弾を撃ち,麻痺状態のベリオロスに辻本氏を含む4人が集中攻撃して,見事部位破壊に成功。ちなみに,このクエストのサブターゲットは「ベリオロスを落とし穴にかける」というもの。ベリオロスは素早いうえに動きが直線的でないので罠にはめるのは難しいのだが,見事落とし穴にかけてサブターゲットを達成。落とし穴にかかったベリオロスを皆で集中攻撃し,もう一つの翼のトゲの破壊にも成功した。
その後は,藤岡氏が見事に尻尾切断に成功するなど順調な展開。一気にたたみかけたいところだが,なぜかあちこちでマタタビ爆弾が炸裂する。さすが凍土,一瞬たりとも気を抜けないフィールドである(フェスタ的に)。
メンバー達は逃げたベリオロスを追いかけるが,移動中のエリアには,序盤に辻本氏が置いたままになった大タル爆弾がぽつり。ここで木下氏は,辻本氏がエリアに入ってきた瞬間に爆弾を狙撃して吹っ飛ばすと,会場から笑いとともに拍手が巻き起こる。
ベリオロスもかなり弱ったものの,残り時間も3分とぎりぎりになってきたところで,辻本氏が調合したあと使っていなかった“とっておき”のけむり玉を連発。またもやベリオロスの姿すら見えない吹雪状態になってしまったが,その直後に「メインターゲットを達成しました」の表示が出て見事クエストをクリア。フィニッシュを決めたのが誰なのかも分からなかった(おそらくは藤岡氏か木下氏)が,5大会通算で勝ち越しを決め,最後にサブターゲット(?)の辻本氏の撃退にも成功という,おそらくは5大会中一番の盛り上がりを見せたステージとなった。
「帰ってきた!教えて藤岡先生」のテーマは
凍土に生息する「ベリオロス」「ギギネブラ」と「撃龍船」
・ベリオロス
永久凍土の世界に君臨する騎士とも言われる“氷河竜”ベリオロス(関連記事)。その巨大な2対の牙は,ナイフの刃のようになっている。
寒い地方に生息しているベリオロスは,獲物を捕獲するとまずエネルギー源/ビタミン源としての効率がいい脂肪や内臓を食べるのだが,そのときに脂肪や内蔵を切り分けやすいよう,牙がナイフのように発達したそうだ。また,寒い地方に生息する生物は体毛が長いので,そういった獲物にもしっかり食らいつけるという役割もあるとのこと。また獲物を狩るさいには,急所に牙で切りつけて失血死を狙うこともあるそうだ。
次に両翼のトゲだが,こちらはスパイクのような役割を果たす部位となる。足場が悪い凍土のような場所でも,トゲがあるおかげでしっかりと地面をつかみ,巨躯にもかかわらず素早い動きができるそうだ。そのため,トゲを破壊されるとふんばりが利かなくなり体勢を崩しやすくなってしまうわけだ。
・ギギネブラ
ギギネブラ(関連記事)の特徴的な攻撃方法である毒は,体の光っている3か所の部位(頭/腹/尻尾)にある毒腺から分泌される。なお,毒腺の部位が暗闇で光るのは,ほかの生物に毒を持っていることをアピールするための,いわゆる警戒色に当たるものとのこと。
ギギネブラは捕らえた獲物を毒で腐蝕させるのだが,そのまますぐに食べるわけではない。凍土はその気候から“自然の冷凍庫”状態になっているので,巣に運び込んだ獲物を冷凍保存しておくとのこと。ギギネブラの歯はやすり状に生えているので,冷凍保存した獲物を歯で削りながら,飲み込むように食べるそうだ。
また,ギギネブラはどちらが頭でどちらが尻尾なのか分からないような外見をしているが,これは擬態のようなもので,頭を守るために分かりづらく進化したもののようだ。ちなみに,頭より尻尾のほうが,発光する部位が暗めとのこと。
ギギネブラは怒ったときに体が黒くなる。これは,興奮すると全身に張り巡らされている毒腺の管に大量の毒が流れ,それが体表に表れて黒ずんで見えるそうだ。これは警戒色の名残りとも言われている模様。
また,ギギネブラは雌雄同体の生物で,単体で生殖が可能とのこと。尻尾から生む卵は多数の卵が集まった卵塊で,泡状になっているそうだ。
その卵から生まれるギィギはギギネブラの幼体だ。ハンターに張り付くと血を吸って徐々に大きくなる。ギギネブラの毒は血液から生成されるのだが,幼体であるギィギは毒を生成するほどの血液が体内にない。そのため,ほかの生物から血を吸い,その血から毒を生成するという。ハンターに吸い付いていたギィギは,ある程度大きくなると離れて毒を吐くが,その毒はハンターの血から生成していたというわけだ。
・撃龍船
砂上を走る撃龍船は,ロックラック周辺の大砂漠に出現する,“峯山龍”と呼ばれる巨大な古龍「ジエン・モーラン」(関連記事)を狩るときに使用される。
撃龍船は,ジエン・モーランのような巨大な敵に立ち向かえる強度と,質量の高い“砂の波”を乗り越えて進めるよう,フレームには強靭なモンスターの骨が使われ,甲板などの木材も強くしなやかな素材が使われている。
撃龍船には古龍迎撃設備として,撃龍槍/バリスタ/大砲/大銅鑼が装備されている。ジエン・モーランが出現すると撃龍船を中心に船隊を組んで立ち向かうことになる。ジエン・モーランを発見したときに大銅鑼を鳴らしてほかの船隊に知らせるほか,ジエン・モーランは聴覚が敏感なので,聴覚を麻痺させるために大銅鑼が使われるとのことだ。とくに,ジエン・モーランが船に乗りかかってくるようなときに使うと効果的らしい。
なお,ジエン・モーランに体当たりされて船外に投げ出されたハンターは,命綱があるためリタイアになることはないのだが,再び撃龍船に乗り込むまで狩猟には参加できなくなる。
撃龍船が拠点を守る壁として使われるときに,モンスターに攻撃できるよう,船首にある撃龍槍は,左右180度に展開が可能な仕組みになっている。
・Q&Aコーナー
Q:ベリオロスの牙は,何に使われているんですか?
A:先ほども言いましたが,噛み付いたり切り分けたりするときにナイフのように使います。
Q:ドスバギィやベリオロスは,どうして暗い場所でも見ることができるんですか?
A:暗闇に行くと瞳孔を開いて,光を集めてしっかり暗闇でも見えるようになっています。暗視カメラのような見え方になるんだと思います。ベリオロスはとくに目が発達していて,暗闇ではたくさん集めた光が反射して目が光っているように見えます。
Q:ベリオロスの牙はどこまで伸びるんでしょうか?
A:どこまで伸びるんでしょうね。放っておいたらどんどん伸びるんじゃないかとは思いますが,いざというときしっかり使えるように,伸びてきたら削ったり研いだりしていると思います。
Q:ベリオロスはどのように繁殖しているのですか?
A:普段は雄と雌,それぞれが縄張りを持って別々に暮らしています。繁殖期になると,雄が雌の縄張りに入っていき,雌が雄を気に入ったら受け入れて,つがいとなって繁殖します。逆に,気に入られなかったら出て行けと追い出されてしまいます。立派な牙を持っていたら受け入れられやすいとか,牙の大きさも影響しているといわれています。凍土は環境が厳しいので,子を宿した雌は,外ではなく洞窟などの安全な場所に身を潜めて2,3頭の子供を生むようです。
最後に藤岡先生は以下のようにコメントし,5大会にわたって続いた「教えて藤岡先生」を締めくくった。
「モンスターのデザインとか行動とか,いろいろなものを考えているときには,絶対設定を持つようにしています。説明はされていなくても,それらの設定はゲームの中に生かされているので,あまりゲームで語られていないことを知ってもらうと,世界観はぐっと広がるかなと。そういう設定を思い描きながらまたゲームを見てもらえると,一段と楽しくなるんじゃないかなと思います。皆さん楽しんでください」
最後にステージで行われた「お楽しみ抽選会」のあと,辻本氏からの挨拶で,5大会のフィナーレとなる札幌大会のステージは締めくくられた。
最後にオマケを。4Gamerではモンスターハンターフェスタ’09踏破記念として,辻本氏,藤岡氏,小嶋氏,一瀬氏,木下氏にサインを入れてもらった「モンスターハンター×『クローズ』『WORST』狩猟戦線Tシャツ」(ホワイト/Lサイズ),各会場限定で販売されていた「モンスターハンターご当地チャームセット」全5種,来場者にプレゼントされた各会場限定の「ご当地うちわ」全5種をまとめて1名様にプレゼント。本日更新の「今週のプレゼントコーナー」で応募できるので,どしどし応募してほしい。
- 関連タイトル:
モンスターハンター3(トライ)
- 関連タイトル:
モンスターハンターG
- 関連タイトル:
モンスターハンターポータブル 2nd G
- 関連タイトル:
モンスターハンターポータブル 2nd
- 関連タイトル:
モンスターハンターポータブル PSP the Best
- この記事のURL:
キーワード
(c) CAPCOM CO., LTD. 2009 ALL RIGHTS RESERVED.
(c)CAPCOM CO., LTD. 2004, 2009 ALL RIGHTS RESERVED.
(C)CAPCOM CO., LTD. 2007, 2008 ALL RIGHTS RESERVED.
(C)CAPCOM CO., LTD. 2007 ALLRIGHTS RESERVED.
(C)CAPCOM CO.,LTD.2006 ALL RIGHTS RESERVED.