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NDS「二ノ国 漆黒の魔導士」,PS3「二ノ国 白き聖灰の女王」に加え,ROIDでは「二ノ国 ホットロイトストーリーズ」も。レベルファイブの「二ノ国 制作発表会」レポートを掲載
[速報]レベルファイブの新作RPG「二ノ国」(NDS)が2010年12月9日に発売決定。ニンテンドーDSに加えてPlayStation 3でも2011年に発売予定
本作は,アニメーション制作をスタジオジブリ,音楽を作曲家の久石 譲さんが担当するという,豪華なコラボレーションを実現しており,ゲーム業界のみに留まらずさまざまな方面から注目を集めている。
さらに,製品には全352ページにわたる実際の本,魔法指南書「マジックマスター」が同梱される。マジックマスターにはゲーム中に使われる“呪文”やさまざまなヒントが書かれており,本を見ながらプレイすると,より有利に進められるというガイドブック的な側面も持っている。
速報でお伝えした内容をあらためてまとめると,ニンテンドーDS版の正式タイトルは「二ノ国 漆黒の魔導士」と決定し,発売日は2010年12月9日。価格は,マジックマスターが同梱されて税込で6800円となる。
そして,この発表会で初めて対応機種が明らかにされた据え置き機版については,タイトルが「二ノ国 白き聖灰の女王」となり,対応ハードはPlayStation 3,2011年の発売予定とされている。
なお,価格や「マジックマスター」同梱対応については未定とのこと。
「二ノ国 漆黒の魔導士」(NDS) |
「二ノ国 白き聖灰の女王」(PS3) |
レベルファイブ最初のパブリッシャータイトルである「レイトン教授」シリーズは,国内外累計出荷本数が939万本を突破しており,海外でも好評であることから「今後もさらに売り上げを伸ばしていくのではないかと」述べた。
続く「イナズマイレブン」シリーズも,国内累計出荷本数が160万本を記録し,さらに2010年7月1日発売予定の「イナズマイレブン3 世界への挑戦!! スパーク」「イナズマイレブン3 世界への挑戦!! ボンバー」については,受注本数がすでに92万本を超えていると述べた。
そして日野氏は「二ノ国」を,「レイトン教授」や「イナズマイレブン」に続く,3本目の“ビッグフランチャイズ”にしたいと話す。
また,「レイトン教授」シリーズは女性向け,「イナズマイレブン」シリーズは低年齢層向けのタイトルであるが,「二ノ国」は,レベルファイブ作品としては初めて,子供から大人まで楽しめる全年齢向けであると話す。年齢の分けへだてなく,いろいろな人に遊んでもらいたいと述べていた。
続いて日野氏は,ゲームに同梱されるマジックマスターを披露。
マジックマスターは,352ページすべての文字にルビ(ふりがな)が振られており,小さな子供でも読めるように配慮されている。
日野氏はマジックマスターについて,「本とゲームが融合した新しいゲームスタイルを楽しんでほしい」とコメントしていた。
ちなみに,発表会終了後には,筆者もマジックマスターの実物(※この発表会用に特別に用意されたバージョン)を触ることができたのだが,かなり高級感があり,“ファンタジー”を感じさせるアート感漂う装丁だった。
取材に同行した紙フェチの編集者が,「これはいいものだ。これは欲しい。本だけでも欲しい……」と一人でつぶやいていて,ちょっとアブない感じだったのだが,ともあれ,細部までかなりこだわっているのは,間違いないところだろう。
続いて,最新のプロモーションムービーが上映され,先に書いたように,「二ノ国 漆黒の魔導士」のタイトル,発売日,価格の詳細が明らかにされた。なお,このムービーについては,公式サイトですでに公開されているので,興味のある人は,ぜひアクセスしてほしい。
NDS「二ノ国 漆黒の魔導士」公式サイト
プロモーションムービーの上映後は,日野氏からゲームシステムについての新情報が発表された。
まずは“イマージェン”について。イマージェンとは,命ある生き物の心が実体化した“心の戦士”である。ゲーム中は,主人公・オリバーの心強い味方となって冒険の手助けをしてくれるキャラクターだ。
イマージェンは300種類以上存在し,さまざまな“出会い”を通じて,仲間にできるそうだ。さらには,仲間にしたイマージェンは,“育成カゴ”に入れてエサをあげたり可愛がることで,能力を上げていけるという,育成要素も存在する。
日野氏はイマージェンに育成要素があることで100時間,200時間と遊べるものになっており,「自分好みのチームを作ってゲームを楽しんでほしい」とコメントしていた。
デモプレイでは,本村氏がゲームをプレイし,丸屋氏がマジックマスターを見ながらサポートするという形。
本村氏によれば,ゲーム画面にはつねに次の行き先のヒントが出ており,プレイヤーが先に進めなくなるといった状況はほとんどないとのこと。ただ,プレイする際はマジックマスターが必須になるとのことだ。
丸屋氏と日野氏は,マジックマスターは冒険のサポートをするだけのものではなく,冒険の舞台“ゴロネール王国”の地図や,気候,特産品などに始まり,ゲーム中に登場する人種同士の確執といった,いわゆる資料的な内容も盛り込まれていると話していた。
筆者はデモプレイを見ていて,親と子,恋人同士といった形で「二ノ国」を楽しめそうだな,と感じた。勝手な憶測ではあるが,もしかしたらマジックマスターには,ゲームをあまり遊ばない人とも一緒に楽しめる“仕掛け”としての意味もあるのかもしれない。
※(6月28日19:20頃)メーカーの修正依頼に基づき,本文を一部修正しました。
その際,ミルコからイマージェンを受け取る場面もあった。本村氏によれば,イマージェンに名前を付けることで仲間になるそうだ。ちなみに本村氏は,「RPGで僕がいつも使っている名前です」と話して,そのイマージェンには,日野氏の名前のアナグラムっぽい「のっひ〜」という名前を付けていた。
そのほか,カギのかかっている扉を開錠する呪文や,動物と話をする呪文は,すべてマジックマスターに載っていた。このことからも「マジックマスター」とゲーム本編が,かなり密接に連動しているであろうことが推測できる。
ちなみに日野氏によると,呪文をタッチペンで描く作業を一度行えば,ゲームに登録されるため,毎回呪文を描く必要は,「呪文を忘れない限り」ないとのこと。
本村氏も「呪文を忘れなければ」と念を押していたので,ゲーム内では,そのあたりがカギになる可能性が高そうだ。
本作の戦闘では,戦闘中にキャラクターのポジショニングを自由に変更できる。対峙する敵モンスターによっては,この配置が重要になってくることもあるのだ。
イマージェンは戦闘中いつでも入れ替え可能となっており,また得意な属性/苦手な属性がある模様。敵モンスターにも同様の属性の概念があるので,イマージェンの入れ替えも,重要な戦略の一つになりそうだ。
なおデモプレイは,このエピソードにおけるボスキャラと対峙したところで終了となった。
そしてプロモーションムービーが上映され,2011年発売予定のPlayStation 3向けタイトル「二ノ国 白き聖灰の女王」が発表された。なお,プロモーションムービーは公式サイトですでに公開されているので,ぜひアクセスして確認してほしい。
PS3「二ノ国 白き聖灰の女王」公式サイト
今回公開されたムービーやスクリーンショットを見れば分かるが,3DCGで描かれたキャラクター達が,生き生きと動く姿は,まさにジブリアニメそのもの。年甲斐もなくなんだかワクワクしてきてしまった。
また,戦闘システムについては,DS版とはまったく異なるものになりそうである。
日野氏によると,本作はDS版と同軸の物語でありながら,それぞれのコンテンツはすべて一から別々に制作されており,データ,仕様,ストーリー展開など,すべて異なっているそうだ。
また,二つのタイトルを遊んで初めて明かされる謎もあるらしい。
そして日野氏は,「二ノ国」のプロローグストーリーともいえる「二ノ国 ホットロイトストーリーズ」が,モバイル向けゲームポータルサイト「ROID」で配信予定だと発表した。配信時期は今のところ2010年予定で,「二ノ国 漆黒の魔導士」に合わせた形で配信されるとのことだ。
これからもレベルファイブは,常に驚きと新しいムーブメントを起こし続ける会社として成長し,躍進を遂げていきたいと思います。これからもレベルファイブを,そして『二ノ国』をよろしくお願いします。本日はありがとうございました。」と述べ,発表会を締めくくった。
筆者も少しプレイさせてもらったのだが,戦闘のテンポはかなり良く,タッチペンで画面をタッチした際のレスポンスは快適。小気味よく戦闘を進められた。
また戦闘のカギを握るであろう“イマージェン”の入れ替えも簡単に行えるので,さまざまな敵の攻撃にも柔軟に対応できそうな感じだ。
ちなみに,呪文を描くときは,タッチペンで画面内をなぞるのだが,少し形が崩れても,書き順が正しければきちんと認識してくれる感じで,あまりストレスを感じることはなかった。
そして,ゲームに同梱されるマジックマスターは,かなり本格的な作りとなっており,ゲームとの連動だけではなく,純粋に読み物としても楽しめそう。単体でも販売してほしいかも。
というわけで,「二ノ国 漆黒の魔導士」の発売日が明らかにされただけでなく,「二ノ国 白き聖灰の女王」というPlayStation 3での展開も発表された,レベルファイブらしい,サプライズが盛り込まれた発表会であった。今後は,これら三つの「二ノ国」の展開に注目していきたい。
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二ノ国 漆黒の魔導士
- 関連タイトル:
二ノ国 白き聖灰の女王
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二ノ国 ホットロイトストーリーズ
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