インタビュー
アーケード版のキャラが“先輩”として登場! “能動的”をキーワードに新展開を見せる「アヴァロンの鍵オンライン」運営スタッフインタビュー
今回4Gamerでは,GPコアエッジの第1ゲーム事業部 部長の坂本 亘氏,本作プロデューサーの間 泰樹氏とディレクターの浅沼拓志氏,そしてアーケード版「アヴァロンの鍵」のチーフデザイナーを務めた田口博之氏に,アップデートの企画意図や,プレイヤーから寄せられている反響などについて聞いてみた。
「アヴァロンの鍵オンライン」公式サイト
短時間で勝敗を明確に。初心者にも分かりやすい「魔導競技会モード」が登場
一連のアップデートで最も大きな目玉となるのは,6月9日に実装された「魔導競技会」モード(関連記事)。これは,4人で対戦して実力を競い合うという内容だ。最低参加プレイヤー数は2人で,4人に満たない場合はNPCで補填される仕組みとなっている。
もともとアヴァロンの鍵には,“フリーイン/フリーアウト”という方式が採られている。勝者はそのまま勝ち抜けとなり,別の参加者を迎えて新たにゲームを開始するという方式だ。
これは,プレイヤー間の実力差を見えづらくすることや,勝敗を気にせず,さまざまな戦術を試しやすくすることを目指して導入されたものだが,ほかのカードゲームの経験者や,アヴァロンの鍵に馴染みのない人からは,戸惑いを覚えるという声も上がったそうだ。
その点,順位という誰の目にも明らかな形で決着を着ける魔導競技会は,「ゲームで対戦するからには,誰が強いかハッキリさせたい」という人にはうれしいモードといえるだろう。
フリーイン/フリーアウト方式はプレイ時間が長くなりがちなので,空き時間があまりないときは,ログインすることをためらってしまうという人もいる。
しかし,魔導競技会には最大30分という制限時間が設けられているため,これまでよりずっと気軽にプレイに臨めるはずだ。
「魔導競技会なら長くても30分で決着が着きますので,社会人の方も,帰宅して寝る前に一勝負するといった楽しみ方ができるんです。空き時間が短くても楽しめるようになりましたので,アヴァロンの鍵オンラインは“真のカジュアルゲーム”になったともいえるでしょう」(間氏)
レーティングの高い相手に勝つほど自分のレーティングが大きく上昇し,逆に,レーティングの低い相手に負けるほど自分のレーティングが大きく減少してしまう。レーティングが同等の相手と戦ってばかりでは,自分のレーティングもなかなか上がっていかないのである。
真剣勝負の結果が反映されたレーティングは,各プレイヤーの実力を示すおおよその指標となるだろう。
「公式アリーナでは,プレイ時間が長いほど経験値が溜まり,学位が上がっていきますが,魔導競技会では,勝負の結果にもとづいてレーティングが変化します。自分の好みやプレイスタイルに合わせて,学位アップを目指すか,レーティング上昇を目指すかを選ぶといいと思います」(間氏)
先日お伝えしたように,魔導競技会モードは,アーケード版の「大会モード」に相当する。
アーケード版で大会モードをプレイするには,参加者を募ったり,ゲームセンターを貸切状態にしたりといった準備や,基盤の設定変更が必要となる。それに対し,オンライン版の魔導競技会なら,先ほど述べたように,自分も含めて最低2人の参加者がいればプレイできるし,もちろん,同じ場所に居合わせる必要はない。
「大会モードは,勝負が続いていく公式アリーナよりメリハリがありますので,当時,とても人気がありました。自分の組んだデッキを披露したい,勝ち方にこだわりたいという,大会モードファンは多いんです。
ただ,ゲームセンターで開催することになるため,やはり参加者を集めるのが大変なんですね。いざ開催が決まっても,場所が遠いので,泣く泣く参加を見送るという人もいました。実は,全国大会の開催を検討したことがあるんですが,ゲームセンターによって条件が異なってしまう恐れがあるため,断念せざるを得ませんでした。それに近いことが,今回こうしてオンライン版で実現できたことをうれしく思っています。
それに,オンラインの大会なら,人前に出るのは恥ずかしいという人も参加しやすいかもしれませんね」(田口氏)
「もちろん,オンラインでの全国大会の開催も予定しています。今は,アーケード版に近い形で遊んでもらい,皆さんの反応を確かめているところです。今後,寄せられた意見や要望を踏まえ,よりよい形を目指していきます」(坂本氏)
「“レア縛り”や“珍獣縛り”といった,使用カードが制限された大会も面白そうですよね。あるいは,運営側で指定したデッキのみで対戦するとか。アヴァロンの鍵は比較的,プレイヤーの戦術次第で対戦結果が左右されるゲームになっているので,ドキドキするような勝負が好きな人に楽しんでほしいと思います」(田口氏)
ストーリーの核となる「先輩NPC」が登場。アーケード版のキャラに扮するためのアバターアイテムも
アヴァロンの鍵オンラインの舞台はアーケード版の数年後で,先輩達は修行に出ているという設定だ。その彼らが学校に戻り,これからNPCとして登場する。アーケード版のプレイアブルキャラと対戦することになるわけだ。
「アーケード版のキャラにはそれぞれファンがいます。そういったファンの皆さんは,今回のアップデートで『ようやく始まったか!』と感じるかもしれません。モデリングもアーケード版より出来がいいので,きっと喜んでもらえると思います」(田口氏)
8人の先輩のうち,「ディアラ」「ダグリス」の二人のキャラが,早くも本日(6月16日)実装される。残り6人も,順次追加されていく予定だ。
また,アーケード版の経験者ならば,先輩を自分のキャラとして操作したいと思うのではないだろうか。そのようなファンのために,今後,先輩NPCのコスチュームやボイス,モーションがアバターアイテムとして提供される。もちろん,ボイスはアーケード版と同じものとなるので,ご安心を。
ところで先輩NPCは,単にアーケード版のファンの郷愁を誘うことを目的に実装されるのではなく,今後,オンライン版のストーリー展開に大きく関わってくるという。
実は,オンライン版に実装済みのカードには,新たなストーリーへの伏線が張られており,先輩NPCの登場によって,それがより明確になっていくのだそうだ。
「新しいストーリーでは先輩の存在が重要となっており,とくにアーケード版のファンならばグッと来るはずです。アイテム展開も含め,これからどんどん盛り上がっていくと思います」(田口氏)
「先輩が登場することで,ようやくストーリーが始まるといえます。これまで登場しなかった理由もあり,それは今後明らかにしていく予定です。また,オンライン版からのプレイヤーに向けて,8人の先輩がすごい存在であることを提示していきます。水面下でいろいろ進めていますので,期待してください」(浅沼氏)
公式SNSの始動&初心者向け施策の実施で,新たなスタートラインに立った「アヴァロンの鍵オンライン」
一連のアップデートには,プレイヤー同士の交流を促すためのコンテンツや,初心者向けコンテンツも含まれている。その一つが,6月2日にスタートした公式SNSだ。これは,プレイヤー同士が交流する場であると同時に,対戦した相手がよく使うカードをチェックしたりといった使い方もできる。
また先日開催したイベント『春の大運動会』でも,チームごとの団結力がSNSの書き込みから伝わってきました」(間氏)
「アヴァロンの鍵のプレイヤーは,アーケード版の時代からイラストを描く方が多いんです。アバターコーディネートのイラストを,公式に採用するなんていう企画も面白いかもしれませんね」(田口氏)
初心者向けコンテンツとなるのが「レンタルデッキ」で,学位が10までのプレイヤーに対し,「ひとりプレイ」で使える数種類の構築済みデッキを貸し出してくれるシステム。異なるデッキに触れることで,初心者に,さまざまな戦術やプレイスタイルで戦えることを実感してもらう狙いがあるわけだ。
同じく初心者向けのコンテンツとして,「クエストモード」が実装されている。これは,いわば“実践的なチュートリアル”。既存のチュートリアルがテキストや画像のみで構成されているのに対し,クエストモードは,複数のクエストをクリアしていくことで,ゲームの基本的な流れが自然に習得できる内容となっている。
「一般にカードゲームを遊ぶには,まず,さまざまなルールを覚える必要がありますが,説明文を一つ一つ読んでいくより,実際に操作してみたほうが習得しやすいはずです。
クエストをクリアすると,ゲーム内ポイントである“Ava-point”が手に入りますので,それを溜めることで,カードと交換できるというメリットもあるんです」(間氏)
なおクエストモードには,次回以降のアップデートで「中級者モード」「上級者モード」が追加される予定だ。こちらはチュートリアルではなく,さまざまなNPCと勝負し,パズルを解く感覚で勝ちを収めることが目的となる。
中には,特定のデッキを組まないと勝てない強敵も登場するとのことなので,腕に覚えがあるという人も期待しよう。
「中級モードや上級者モードでは,自分の持っているカードをフル活用し,勝つための方法を見出す必要があります」(間氏)
「初心者モードと違い,さまざまなテクニックを駆使しないと勝てません。『ここで,こういうテクニックを使うと勝てるんだ』ということが学べる内容になっています」(坂本氏)
そして6月23日には,アーケード版に登場したカード35枚および,新カード5枚の計40枚のカードが追加される。前述のとおり,新カードのフレーバーテキストには今後の展開のヒントが散りばめられているので,ひととおり目をとおしてみよう。
「思い入れのあるアーケード版のカードがなかなか実装されないという意見も寄せられています。心苦しく感じていますが,ゲームバランスを調整しながら段階的に実装しているという状況です。
当然ながら,カードゲームでは,カードが増えるほどオリジナリティの高いデッキが組めるようになります。6月23日のアップデートで全240種類になりますので,より強いデッキで,美しく勝つことを目指してみてください」(間氏)
「当初は,カードを購入するついでにアバターも買うという人が多いんじゃないかと予想していたんです。でも実際には,アバターばかり買っているという人も結構います。カードはほとんど購入していないけれど,アバターは全種類揃えている人もいて,ちょっと意外でした」(坂本氏)
「もちろん,販売するものばかりでなく,イベント参加記念として配布するものなども用意しています。5月の連休でもイベントを行ってアバターをプレゼントしたんですが,休みにも関わらず多くの方に参加していただき,私達としてもたいへんうれしく感じました」(間氏)
GPコアエッジとしても,一連のアップデートを単に新要素を追加するためのものとは捉えておらず,“第2章”の幕を開けるくらいの意気込みで臨んでいるそうだ。
同社は,今後もさまざまな取り組みを進めていくとのことなので,オンライン版がどのように進化していくか注目したいと思う。
最後に,アヴァロンの鍵オンラインに期待している人に向けて,それぞれのスタッフからメッセージを掲載しよう。
「アヴァロンの鍵を実際に遊んでみると,一般的なカードゲームとはちょっと異なる作品であることが分かると思います。ゲームの世界観には,ゆるくて親しみやすい部分がありますので,そういうところから入ってもらうのもいいんじゃないでしょうか。
今回のアップデートで,アヴァロンの鍵自体に馴染みのない人もゲームを始めやすくなっていますので,ぜひ遊んでみてください。女性も気軽に楽しめると思います」(田口氏)
「大きな問題に対処したり,細かい部分に少しずつ手を入れたりしながら,ようやくここまで来れました。でも私がイメージしていたものと比べるとまだまだで,今回のアップデートでようやくスタートラインに立ったばかりという感じです。
7月以降もアップデートを予定しており,これからもプレイヤーの皆さんと一緒に“完成形”を目指していきますし,アヴァロンの鍵というゲームの面白さをより広く伝えていきたいと思っていますので,ぜひ期待してください」(浅沼氏)
「今回は,4週連続でのアップデートという形で行っておりますが,これからも継続的に,システムの改良や新要素の追加を進めていきます。今回と同様,これからも,プレイヤーの皆さんの声をできる限り汲み取っていくつもりです。公式SNSは,プレイヤー同士の情報交換の場であると同時に,プレイヤーと運営の交流の場でもありますので,サポートメールと合わせて利用してください」(間氏)
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