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なんでもかんでも大爆発して大騒ぎなレースゲーム,「SPLIT SECOND −スプリットセカンド−」のレビューを掲載
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印刷2010/10/19 13:33

レビュー

パワープレイをドカンと決めて,ライバルカーを吹き飛ばせ

SPLIT SECOND -スプリットセカンド-

Text by UHAUHA


コースのあちこちが爆発しまくる
ハイテンションなレースゲームが登場


「スプリットセカンド」というテレビ番組のシーズンチャンピオンを目指してデッドヒートを繰り広げる本作「SPLIT SECOND -スプリットセカンド-」。テレビの演出だといえ「やりすぎじゃないの」という爆発は,プレイヤーを一瞬で虜にする
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 「スプリットセカンド」と呼ばれる,架空のリアリティショウで行われるレースは,コース周辺のさまざまなオブジェクトを爆破させてライバル達の走りを邪魔しつつ,シーズンチャンピオンを目指して熱いデッドヒート繰り広げるという,とんでもない番組だ。ダイナミックに変貌するコース,次々に発生する障害物。そんなハイテンションなレースゲームが,9月9日にウォルト・ディズニー・ジャパンより発売されたPlayStation 3向けソフト「SPLIT SECOND -スプリットセカンド-」(以下,SPLIT SECOND)だ。

 普通のレースゲームとは一味も二味も違っており,どちらかと言うと遊園地のアトラクションみたいな雰囲気で,だからディズニーなのか! と思ったが,違うかもしれない。それはともかく,今までのレースゲームの常識を軽々と覆したレースが楽しめるのは間違いない。

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 本作の開発は,四輪バギーのレースゲーム「エクストリーム・レーシング ピュア」PC/PlayStation 3/Xbox 360)で一躍有名になったイギリスのデベロッパ,Black Rock Studioで,アッと驚くド派手な演出が実にうまい。
 エレクトロニック・アーツの「バーンアウト パラダイス」PC/PlayStation 3/Xbox 360)や,スクウェア・エニックスの「ブラーレーサーズ」PlayStation 3/Xbox 360)など,「普通じゃない」タイトルが増えてきたレースゲームジャンル。一方でハイレベルなグラフィックスとリアリティ追求する反面,こうした,ゲームでしかあり得ないようなレースを大真面目に追求する作品も出てきて,ジャンルの裾野が広がりつつあるような気がする。いずれにしろ,レースゲームファンの筆者としては,嬉しい限りだ。

 というわけで,レース中に思わず「おっ! すげ〜」「うわ〜! あせった」「アブねぇ!」などを連発し,夜中にやったら近所迷惑になること間違いなしの本作の魅力をお伝えしていこう。

コース上,あるいはコース周辺にあるさまざまなオブジェクトが吹っ飛ぶから,油断もスキもない。あっと思った次の瞬間,何かがコースを塞いでいるかもしれないのだ
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「SPLIT SECOND -スプリットセカンド-」公式サイト



ドライビングテクは不要?
パワープレイを使いこなせる者が勝者だ


 さて,さきほどから吹っ飛ぶだの障害物が転がるだの,レースゲームっぽくない言葉が出ているが,もうとっくにお気づきのとおり,これが本作のウリである「パワープレイ」だ。これはつまり,いろいろなものを破壊できる起爆スイッチのことで,先行するライバル車の邪魔になるようなタイミングでパワープレイを使い,さまざまなオブジェクトを爆破しながらレースを進めていく。これが,本作のプレイスタイルとなる。


 パワープレイを発動すると,コース脇のトラックが爆発するわ,ビルや高架,橋が崩れ落ちるわ,ジャンボジェットがコース内に突っ込んでくるわ,巨大な建造物が崩れてくるわと,「まあ,ちょっとした爆発だろう」ぐらいに考えていた自分の甘さを思い知らされることが起きる。自分でパワープレイを発動したのに,自分が爆発に巻き込まれてクラッシュしてしまうこともしばしばあるので,最初はたっぷりガッカリできるはずだ。
 もちろん,自分がレースをリードしていた場合,ライバルがパワープレイを使ってくるので,油断は禁物。突然の大爆発にも動じないよう,常に緊張モードでプレイしなければならないのだから恐ろしい。

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どのコースのどこでどんなパワープレイが発生するか分かってさえいれば,ライバルのパワープレイを回避できる可能性が高まる
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ドリフトは速度が落ちるので,アクセルコントロールでライバルのうしろに貼り付くドラフトで,パワーゲージを溜めるのがおいしい

 パワープレイを使うには,レース中にリアを流して走る「ドリフト」,前を走る車の真うしろにくっついて空気抵抗を最小限にすることで速度を上げる「ドラフト」,そして「ジャンプ」などを繰り出すことで「パワーゲージ」を溜める必要がある。
 ゲージが一定量に達することでパワープレイを使えるようになるわけだが,溜まり具合によって,まず「レベル1」が,続いて「レベル2」が使用可能になっていく。レベル2のほうが当然ながら強烈で,コースレイアウトが変化してしまうほどの爆発を引き起こすが,パワーゲージの使用量も大きくなるので,ポイントを考えなければならない。

 パワープレイは,いつでもどこでも自由に発動できるわけではなく,コース上の決められた起爆地点で,しかも先行しているライバルカーに対してのみ使用可能だ。どの地点が起爆地点なのかは,先行するライバルカーの上にパワープレイマークが表示されるので分かる仕掛けになっており,そこで×ボタン(レベル1),○ボタン(レベル2)を押すことで発動する。

 しかし,パワープレイマークが出たからといってただ押せばいいわけではなく,当然,押すタイミングが重要だ。タイミングによってはライバルに爆発を避けられてしまうので,そうならないタイミングでパワープレイを使えるかが勝敗を大きく左右することになる。
 最終ラップのゴール手前でパワープレイを避けられて負けたなんてこともしばしばあるので,どこでパワープレイを使うかの駆け引きには,思わず熱が入る。

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パワーゲージを最大限まで溜めればレベル2のパワープレイが使える。コースレイアウトが変わってしまうほどの大爆発が起きる
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先行するライバルカーの上にパワープレイマークが出たら,起爆可能の合図だ。うまくタイミングをとって発破をかけよう

 勝つためには,それぞれのコースのどこでどういったパワープレイが発生するのか,覚えてしまうのがよさそうだ。
 もっとも,掲載したムービーからも分かるとおり,とにかく爆発の演出が派手なので,順位など関係なしにプレイしても楽しめてしまうからすごい。筆者も飛行機が落ちてくるシーンの迫力が快感で,それだけのために何度もプレイしてしまったほどだ。巨大なオブジェクトが爆音を立てて崩れ落ちてくるのは,それだけでカ・イ・カ・ンなのだ。

 パワープレイをうまく使うためには,コースを覚えることが重要になる。
 テレビ局が用意した大規模セットには,高層ビルが建ち並ぶ大都会をイメージした「ダウンタウンセントラル」,空港滑走路や周辺道路を再現した「空港ターミナル」,断崖絶壁の渓谷やダムが美しい「キャニオン」など,シチュエーションの異なる70種類以上のレースが用意されている。もちろん,どれもパワープレイを使った際の派手な演出が圧巻で,思わず何度もプレイしてしまうほどだ。

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ボリューム満点のゲームモードと
バリエーションに富んだレースイベントが魅力


 ゲームモードとしては,番組の出場者として参加し,シーズンチャンピオンを目指す「シーズン」,アンロックされたコースやレースモードを自由に走る「クイックプレイ」,世界中のプレイヤーと最大8人までのオンライン対戦を楽しめる「オンライン」,そして画面分割によりオフラインで2人同時プレイができる「対戦」が用意されている。

シーズンチャンピオンを獲得するには,レースイベントで上位入賞する必要がある。パワープレイの一発逆転&脱落があるだけに,フィニッシュラインを通過するまで油断できない。いろいろなレースイベントに参加して,勝利を目指そう!
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 ゲームのメインとなるのは,やはりシーズンで,合計12のエピソードが用意されている。それぞれのエピソードは6種類のレースイベントで構成されており,レースイベントに参加して好成績を収めることで「クレジット」と呼ばれるポイントが溜まり,その累計により最終レースの「エリートレース」に参加できるようになる。
 そして,エリートレースで3位以内に入賞できれば,次のエピソードの参加権が獲得できるという流れだ。目標はもちろん,最後のエピソードをクリアした時点で十分なクレジットを持ち,シーズンチャンピオンになることだ。

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各エピソードのレースイベントは,どれから挑戦しても構わない。エリートレースで3位以内に入賞したら,次のエピソードに進める
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レースイベントによっては,使用するマシンがあらかじめ決まっている場合がある。どんなマシンも乗りこなせる腕前も,少し必要だ

 レースイベントは後述するように6種類のルールがあり,どれから挑戦してもかまわない。また,エピソードにもボーナスレースが用意されており,最初はロックされているので,どんなレースなのか分からないが,例えば,同じエピソードのほかのレースイベントで「ライバルを30台大破させる」という条件を満たすことでアンロックされる,といった具合。
 ボーナスレースに挑戦しなくても,ほかのレースイベントで上位入賞し,かつエリートレースも勝てば次のエピソードに進めるが,クレジットを稼ぐという点からは,ボーナスレースも取りこぼさずに進めて行くのがオススメだろう。

 というのも,獲得したクレジットによって各レースモードで使用できるマシンが増えていくからだ。約35種類登場するマシンは,それぞれ異なるスピード,ドリフト,強度,加速性能のパラメータを持ち,挙動特性にも違いがあるのだ。より高性能かつ自分の扱いやすいマシンを手に入れられれば,それだけチャンピオンシップを有利に進められるので,選択肢は多いほうがいいのだ。

 ただし,使用するマシンによってライバルカーの速さも調整されるらしく,初期のマシンを使っても楽勝だったケースも多い。このへんは,レースイベント,コース,マシンのナイスな組み合わせを,クイックプレイで走り込んで見つけてみよう。

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 さて,上述のようにエピソードに登場する6種類のレースイベントは,それぞれルールが異なっている。普通のレースゲームでは見ることのできない,とんでもない内容のものもあるので面白い。とりあえずここで,各レースイベントを簡単に紹介しておこう。

■レース
8台のライバルカーを相手にフィニッシュラインをトップで通過することを目指すモード。ルールそのものは普通なのだが,後続車がブーストを使うことが多く,ライバルにすぐに追いつかれる。フィニッシュライン直前で脱落することも多くてションボリできるが,もちろん,フィニッシュラインこちらが大逆転できれば喜ばしい

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■デトネーター
コースをいかに速く走り抜けるかを競うタイムトライアルで,こちらがパワープレイを使うことはできないが,あちらこちらが勝手に爆発してプレイヤーの邪魔をする。ゲームも後半になるとタイム設定がシビアになるので,気合いを入れて挑戦しよう

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■サバイバル
先行する大型トラックから落とされる可燃物の入ったドラム缶を避けながら,制限時間内にどこまで走れるかを競うモード。大型トラックを追い越すとタイムボーナスが加算される。青色のドラム缶は時限式で,爆発までは接触しても車の動きを乱すだけだが,赤色のドラム缶は触れると車体もろとも大破して一発でアウトなので,絶対に避けるべし

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■エアーストライク
攻撃ヘリから放たれるミサイルを避けつつ,スコア1位を目指すモード。雨のように飛来するミサイルを連続して避けるほど高いスコアが獲得できる。着弾地点がだいたい分かるので簡単そうだが,爆風でバランスを崩し,立て直せないままミサイルと鉢合わせ……なんてことも多い。爆風でバランスを崩しにくい,頑丈なマシンを使おう

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■エアーリベンジ
攻撃ヘリから放たれるミサイルを避けながらパワーゲージを溜めて,放たれるミサイルをパワープレイではじき返して攻撃ヘリを撃墜するという,文字通り「エアーストライク」のリベンジ的なモードだ。はじき返さず,ミサイルを避けているだけでもパワーゲージが溜まるので,レベル2の攻撃をお見舞いしてやろう

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■エリミネーション
制限時間ごとに最後尾が脱落していく,いわゆる生き残りレース。最後尾を走っていて残り時間のカウントダウンが始まるとかなりアセる。そのため,普通しないようなミスをしたりするからよけい頭にくる。とほほ。パワープレイでなんとかなる場合も多いので,最後まであきらめてはいけない

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 どの場合でもいえることだが,勝つためにはレースモードやコースに合わせたマシン選択が重要。筆者も車を乗り替えただけで,それまでがウソのようにパワーゲージが溜まりまくったなんて経験もある。
 もちろん,パワープレイの使いどころはいつの場合も難しく,また面白いところだ。最後の最後で抜いてやろうとパワープレイを温存したものの,いざ使ってみたらすんなり避けられて順位は変わらなかったなんてことはざら。とにかく,最後まで結果の分からないレースが多いので,あきらめは禁物だ。

高性能のマシンだから勝てるとは限らない。ブーストによって差は縮みやすいのでパワープレイを使いやすいマシンを選ぶことをオススメする
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アドレナリン全開でゴールまでぶっ飛ばせるド迫力のデッドヒートを楽しもう


 マルチプレイである「オンライン」では,「レース」「サバイバル」「エリミネーション」の3つのレースモードが選べる。世界中のプレイヤーと手軽にバトルを楽しむには,コースが自動で選択される「パブリックゲーム」が,そして招待プレイヤーのみで楽しむなら「プライベートゲーム」が用意されている。

シングルプレイでさえ,パワープレイを食らうとムカツキ度は最高なのに,人間相手のオンラインでは悔しさもパワーアップ! まあ,勝っても負けても人間相手のレースは熱く,続けて何度もプレイしてしまうはずだ。寝不足に注意しよう<筆者
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 ルールは基本的にシングルプレイと同様で,人間相手にパワープレイを使いまくれるのだ。同レベルのプレイヤーばかりではないので,場合によっては何十秒も引き離されたりすることもあるが,上位レベルのプレイヤー同士がパワープレイの打ち合いで脱落,なんてこともあるので,あきらめてはいけない。
 もちろん,腕前の近いプレイヤー同士で抜きつ抜かれつ,パワープレイを食らったり食らわせたりできれば,めちゃくちゃ面白い。

 ちなみに,本作はシーズンを一通りプレイしないと新しいマシンが手に入らず,そうなるとオンラインに使えるマシンの種類が少なくなる。したがって,シングルプレイを十分にプレイし,マシンを入手してからオンラインプレイに挑むのがオススメだ。

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 筆者は今までさまざまなレースゲームをプレイしてきたが,これほどレース中に驚き続けたゲームはなかった。派手な演出が一つや二つではなく,登場するすべてのコースのあちらこちらに散りばめられており,どのコース,どのレースをプレイしてもアドレナリンが吹き出すような体験ができるのだ。
 気づくと目をギラギラさせてゲームの世界に引き込まれる,そんなレースゲームに出会ったのは久々な気がする。

 どれほどハイテンションなレースシーンが展開するのかは,掲載したスクリーンショットやムービーを見てもらう……よりも,実際にプレイするほうが手っ取り早い。4Gamerの「こちら」に英語PC版だが,体験版を掲載しているので,何よりまずはプレイしてみよう。

コーナー進入の目印になるものは,次の周で吹っ飛んでいることが多い。その代わり,前の周にはなかった巨大オブジェクトが転がっていて大変
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アクセル,ブレーキ(素早く押してドリフト),ステアリング操作のほか,パワープレイの○ボタン,×ボタンしか使わない手軽な操作方法
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ゲーム画面は順位,周回数,パワープレイのパワーゲージがあるだけで,あとはドリフトなどのメッセージ表示のみシンプルかつ必要十分だ
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