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DC EXPO 2011セミナー「Kinectを使ったアプリケーション開発概要」聴講レポート:人体の20部位を検出し音声認識対応のKinectは“遊び”を変える?
「デジタルコンテンツEXPO2011」公式サイト
馬田氏は,Kinectが赤外線センサーと2種類のカメラ,そして4つのマイクによって,Z軸(奥行き)を含めたプレイヤーの位置情報を検出できるモーションコントローラであることを紹介。具体例として,Kinectが人体の20部位を検出してスケルトンを構成できることや,Xbox 360を音声で操作できることなどを挙げた。
そして,1万円台という極めて安価に購入できる点を最大の特徴として挙げ,今後,大きく普及していく可能性があるとアピールした。
なおこのセミナーでは,ウルトラセブンや初音ミクといった“分かりやすい”事例が取り上げられたが,その理由として馬田氏は,「Kinectの存在をより世間に広めたい」という思いを抱いていることを挙げていた。
さらに会場では,馬田氏によって「Visual Studio」を使ったツールの作成も実演された。これは,画面の指定した位置に人体の肩部分のXYZ軸の座標を数値で表示するというもので,プログラムにして30行程度で完成。馬田氏は研究・開発用途であれば,比較的簡単にツール作成が可能であることをアピールした。
「Visual Studio」を使ったKinect対応ツールのプログラム |
全30行程度のプログラムで,馬田氏の肩の座標を表示させることができた |
白井氏曰く,今,コンシューマ機やPCで遊ばれているゲームの大半は,ピアジェの言う“ルールのある遊び”であり,世界観や登場キャラクター同士の関係性を把握する必要があるため,おおむね7歳以降でないと楽しめないとのこと。
したがって,3歳以上を対象とするCEROの全年齢レーティングや「小学生以下のお子さんでも楽しめる」というようなキャッチコピーには,疑問を感じることもあるそうだ。
しかし,Kinectのようなモーションコントローラーを使ったゲームでは,その前段階となる,外界を操作したり身体を動かしたりするだけで楽しい“感覚運動遊び”や,ごっこ遊びや空想などの“象徴的遊び”を実現できる。そのため,今までとは異なる層をターゲットにできる可能性があると,白井氏は示唆する。
白井氏は,これまでにもモーションコントローラーを使った研究を進めてきたが,安価なKinectの登場で,さまざまな分野への応用が,これまで以上に期待できるのではないかと展望を述べ,セミナーを締めくくった。
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