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[TGS 2009]小島監督も登場した「METAL GEAR SOLID PEACE WALKER」スペシャルステージをレポート
本作は超大作ステルスアクション「METAL GEAR」シリーズの最新作。PSP版としては初めて小島秀夫氏が監督・脚本・ゲームデザインを手がけているほか,シリーズ初のアドホック通信による最大4人協力プレイに対応しているのが大きな特徴だ。
“国境なき軍隊”による
“軍隊なき国家”での戦争
そして次に角川書店メディア局の局次長,矢野健二氏もステージに登場。矢野氏は「METAL GEAR SOLID」を徹底解剖した解析本「METAL GEAR SOLID naked」を編集した小島監督の“戦友”の一人だ。かれこれ10年ほど付き合いがあるらしく,小島監督曰く「メル友みたいなもの」とのことだ。
続いて9分20秒もの長編トレイラームービーを初公開。スネークが“軍なき国家”コスタリカを守るために“国境なき軍隊”を率いて戦場に身を投じることになった経緯がダイジェストで描かれており,“ザ・ボス”との戦いの回想や謎めいた新キャラクター達も多数登場していた。
まるでそれだけで1本の映画として完成しているかのような素晴らしい出来で,矢野氏など上映後に目を潤ませながら「ヤバイですね。とくにザ・ボスのくだりは本当に泣きそうになりました」とコメントしていた。
その後は,本作でスネークが生きている時代でもある“1974年”をテーマにトーク開始。その年に日本で起こった出来事が年表でモニタに映し出され,ここで小島監督から「ニクソン大統領と田中角栄首相の辞任がゲームに関係しています」という気になる発言が飛び出した。
「METAL GEAR SOLID」シリーズの年表も表示され,それによると本作は「METAL GEAR SOLID 3」から10年後の物語になるとのこと。そして小島監督は,今回自身で監督や脚本を務めたことに関して,「最初はやらないつもりでした。しかし74年のコスタリカで核抑止の話となると若い子が戸惑いまして,それなら僕やりますということでドップリやってしまいました」と語った。
また,矢野氏が「もう20年になりますよね。その間,ずっとキャラクターも世界観も同じでこれだけ続いてる作品はほかに無いと思います。しかも2014年のストーリーがあるのに,最新作で74年のストーリーを作ってしまうなんて,何を考えているんですか(笑)」とコメントしたところ,小島監督は「ソリッド・スネークの話は4でもう終わりですが,ネイキッド・スネークの話はまだまだ続きます。ちょうど冷戦の雪解けが始まった頃で,スネークのように善でも悪でもない人達が色々なものに巻き込まれる過程を今回は描きました」と語っていた。
そしてキャラクター紹介では大塚明夫氏,杉田智和氏,水樹奈々氏,井上喜久子氏のビデオレターを上映。矢野氏は今回のキャスティングについて「一部おっさん要素が強いですが,役者さんの幅が凄いですね」とコメント。それに対し,小島監督は「PSPなので中高生のユーザーが多いじゃないですか。今回,洋画の吹き替えやアニメに出ていらっしゃる方々を集めたのは,METAL GEAR SOLIDを知らない方々へのアピール効果を狙っています」と語っていた。
最後の締めとして,矢野氏が「METAL GEAR SOLIDの面白さは物語の面白さです。物語の持つメッセージ性を皆さんにどう伝えるか考えた結果がCGや演出で,そうった意味では全部の要素が凄く高いレベルで一つになったのがMETAL GEAR SOLIDシリーズだと思います。そして本作は最高峰のものになるのではないでしょうか。皆さんと一緒に楽しみに待ちたいと思います」とコメント。
小島監督は「PSPというハードですが,METAL GEAR SOLIDの続編として非常に気合を入れて真剣に作っています。ファンの方にも絶対に喜んでいただけると思いますし,PSPならではの要素も色々と入れていますので,今までやったことのない若いユーザーの方にも遊んでいただいて,ファンになっていただければと思います」と,ファンへのメッセージを述べ,イベントは幕を閉じた。
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METAL GEAR SOLID PEACE WALKER
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