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ダークヒーローな雷電かっこよすぎ。新たな歴史を“斬り”拓いた「メタルギア ライジング リベンジェンス」のプレイレポート
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印刷2013/01/29 14:32

プレイレポート

ダークヒーローな雷電かっこよすぎ。新たな歴史を“斬り”拓いた「メタルギア ライジング リベンジェンス」のプレイレポート

 KONAMIは2013年2月21日,PlayStation 3用ソフト「メタルギア ライジング リベンジェンス」を発売する。本作は「METAL GEAR SOLID」シリーズに登場する“雷電”を主人公に,「METAL GEAR SOLID 4 GUNS OF THE PATRIOTS」から約4年後の世界で巻き起こる新たな戦いを描いたアクションゲームだ。

 こちらの記事でもお伝えしたとおり,KONAMIは本作の発売に先駆けて,1月11〜12日にメディア向け体験会「メタルギア ライジング リベンジェンス BOOTCAMP」を栃木県・那須町のコナミクリエイティブセンターにて実施。筆者もこれに同行し,1泊2日で本作を遊び倒してきた。本稿では実際にプレイした感想を交えつつ,その魅力をお伝えしていこう。

画像集#001のサムネイル/ダークヒーローな雷電かっこよすぎ。新たな歴史を“斬り”拓いた「メタルギア ライジング リベンジェンス」のプレイレポート


ついに目覚める“ジャック・ザ・リッパー”


 METAL GEAR SOLID 4 GUNS OF THE PATRIOTSから約4年後。“愛国者達”の解体により,アメリカから流出したサイボーグ技術が戦場に普及した世界を舞台とする本作。雷電は,所属している民間軍事警備会社(PMSCs)「マヴェリック・セキュリティ・コンサルティング」の任務中,多数のサイボーグに襲撃され,警護対象の首相を殺されてしまう。そして,雷電自身も敵のサイボーグの前に敗北し,左目と左腕を失ってしまうというところから物語は始まる。

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 などという前置きはさておき,いきなり結論から入ってしまうと,はっきり言って本作はすこぶる面白い。筆者はBOOTCAMP中,昼食の時間になっても部屋に残ってプレイし続けるくらいドハマリしてしまった。そして,後にメニューがカツカレーだったと聞いてひどく後悔した。
 ……まぁ,そんなことはどうでもいい。では具体的にどういった部分が,筆者をそこまで夢中にさせたのか。まず,シナリオ面において“メタルギアらしさ”を保ちつつ,「雷電」というニューヒーローの活躍を見事に描き切っているという点が非常に好印象だ。

 正直,これまで雷電は「スネーク」という偉大な英雄の影に隠れて存在感を発揮しきれていないイメージがあり,筆者にとってはイマイチ感情移入できないキャラクターだった。ぶっちゃけ,刺身で言うなら“つま”みたいな存在として見ていた。ごめん。
 しかし,本作ではそんな彼が戦いに赴く理由や信念,そして苦悩とその解放が克明に描かれており,とてつもなくクールでワイルドな,新たな一面を見せてくれる。「雷電って本当はこんなキャラだったのか!」という新鮮な驚きをプレイヤーに与えてくれるのだ。本作における雷電の“キャラ立ち”はハンパではなく,その存在感はまさしく主人公,まさしく大トロなのだ。

本作の雷電はダークヒーロー的な魅力を感じさせる
画像集#014のサムネイル/ダークヒーローな雷電かっこよすぎ。新たな歴史を“斬り”拓いた「メタルギア ライジング リベンジェンス」のプレイレポート

 ちなみに,筆者は前述のようにカツカレーも食わず本作をプレイした結果,うまいことBOOTCAMPの期間中にゲームをクリアしている。なので,今現在はクリア直後特有のテンション,つまりストーリーのアレコレについて語り尽くしたい気分なのだが,うっかりネタバレをしようものなら,KONAMIから戦闘サイボーグを差し向けされてバラバラにされること間違いなしなのでそれはできない。発売されるまでお預けである。雷電に対して「この子ったら立派になっちゃって……!」と,感情移入を通り越して親心に似たものすら芽生え始めている筆者にとって,非常に辛い状況だ。
 大げさなようだが,それだけ本作の雷電が魅力溢れるキャラクターになっているということなので,4Gamerに掲載されているこちらのムービーなどをチェックしつつ,ストーリーに想像を膨らませてほしい。

画像集#009のサムネイル/ダークヒーローな雷電かっこよすぎ。新たな歴史を“斬り”拓いた「メタルギア ライジング リベンジェンス」のプレイレポート


“斬る”ことを突き詰めた壮快な戦闘システム


画像集#010のサムネイル/ダークヒーローな雷電かっこよすぎ。新たな歴史を“斬り”拓いた「メタルギア ライジング リベンジェンス」のプレイレポート
 小島プロダクションとプラチナゲームズのコラボレーションにより,「メタルギア」でありながら従来作とはまったく雰囲気の異なるアクションゲームとして生まれ変わった本作。戦闘システムが非常に特徴的で,メインウェポンの「高周波ブレード」を使って,稲妻のような連続斬撃で敵を倒していくという,壮快感の高いものになっている。

 実際にプレイしていて強く感じたのが,アクションゲームとしてのテンポが,とにかく重視されているということ。ポイントとなるのは,ダッシュし続けることで障害物を自動的に乗り越えたり,飛んでくる銃弾を切り払いながら突き進んだりできる「ニンジャラン」,敵の攻撃をタイミング良く弾くことで反撃の足掛かりとする「シノギ」の存在だ。どちらも,スピーディーかつダイナミックなゲーム体験を演出するのに一役も二役も買っている,非常に完成度の高いシステムなのである。
 とくにシノギは,本作を難度NORMAL以上でプレイする場合,使いこなせなければほぼクリア不可能と言えるほど重要な要素だ。なぜなら本作にはガードシステムが存在せず,攻撃を食らい続けることはすなわち死を意味する。防御という選択肢が無い以上,生き残るにはただ反撃あるのみ。「攻撃こそ最大の防御」という言葉を体現したこのシノギというシステムは,実にスリリングでブシドー的ロマンに満ち溢れているのだ。

敵の攻撃に合わせてベストなタイミングでシノギを成功させれば,敵に大きなスキが生じる。チャンスを逃さず一撃必殺を狙っていこう
画像集#011のサムネイル/ダークヒーローな雷電かっこよすぎ。新たな歴史を“斬り”拓いた「メタルギア ライジング リベンジェンス」のプレイレポート

 そして,本作を数あるアクションゲームの中でも特別な存在たらしめている最大の要因……それは,“自由切断”の存在だ。周囲の動きがスローになる「斬撃モード」に入ることで,どんな角度からでも狙った太刀筋のとおりに敵のサイボーグや兵器をバラバラに切り刻めるのである。
 これまで斬撃をテーマにした作品は数あれど,ここまで真に“斬る”ことを突き詰めた物は無かった。自由切断は間違いなく多くのゲーマーにとって未体験ゾーンであり,興味を惹いてやまない革新的システムと言える。

斬っても斬ってもまだ斬れる。これが本当のオーバーキルである
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 しかも,斬ることがただ気持ちいいだけでなく,敵サイボーグの足や腕を狙って切断することで無力化したり,特定の箇所を斬ることで敵の燃料電池を“斬奪”して自らの体力とエネルギーを全回復できたりと,ゲーム的にしっかりと意味を持たせているという点も素晴らしい。特に斬奪は,成功時に挿入されるダイナミックな演出も相まって壮快で,極めれば極めるほど病み付きになる危険な魅力がある。……うまく斬奪できるようになってくると,敵のサイボーグが回復アイテムに見えてくるからね,マジで。

敵の斬り方によって斬奪時の演出は変わる。エネルギーを吸収する時の表情はまるで吸血鬼だ
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バリエーション豊かなカスタマイズ
武器の変更やスキルの取得で雷電を強化


 本作では敵を倒したりストーリーを進めたりすることで「BP」を獲得できる。これはいわゆる経験値やお金のようなもので,雷電の見た目のカスタマイズや,武器の購入,能力の強化,スキルの取得などに利用可能だ。

画像集#015のサムネイル/ダークヒーローな雷電かっこよすぎ。新たな歴史を“斬り”拓いた「メタルギア ライジング リベンジェンス」のプレイレポート
 メインウェポンには,基本装備の高周波ブレードだけでなく,スタンブレード,マチェーテ,さらには高周波木刀(なんだこれ……)といった武器も用意されており,バリエーション豊かだ。
 そのほかにも,フィールド上では様々なサブウェポンを入手・使用することが可能。「ロケットランチャー」「グレネード」といった飛び道具から,「ダンボール」や「ドラム缶」といったシリーズお馴染みのアイテムまで登場する。この辺のニヤリとしてしまう小ネタは,「ああ,やっぱりメタルギアなんだな」という印象である。

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新たな歴史を“斬り”拓く一作
繰り返しプレイして遊び尽くしたい面白さ


 以上,本稿では主観的な感想を述べさせてもらったが,同じようにBOOTCAMPに参加したライターの小倉氏はもう少しカッチリとしたプレイレポートを掲載しているので,是非そちらも併せて参照していただきたい(他力本願)。とにかく筆者としては,本作がすこぶる面白かったというテンションさえ伝われば満足だ。

 ただ一点,ボリュームに関しては若干物足りなく感じる人はいるかもしれない。アクションゲームがあまりうまくない筆者でも,KONAMIの施設に引きこもって,急ぎ足でひたすらプレイすればストーリーはクリアできたので,得意なプレイヤーならばもっと短時間で終わってしまうだろう。
 しかし,多彩な難度の存在や,ストーリーとは別に遊べる「VRミッション」,シリーズおなじみの無線会話,アイテム収集など,1回のプレイでは遊びきれないやり込み要素はかなり用意されている。当然ながら,短いプレイ時間の中では筆者はそこまで手を出せなかったので,本稿を読んでいる皆さんは1周で終わらせず,ぜひとも長く楽しんでほしいところだ。
 メタルギアシリーズの新たな歴史を“斬り”拓いたメタルギア ライジング リベンジェンス。シリーズファンも,そうでない人も,一度プレイを始めればこの革新的ゲーム体験の虜になるだろう。

 そうそう,最後に,メタルギアファン的に嬉しい要素をひとつ挙げておくと,あの「サニー」が成長した姿で登場する。どのようなシチュエーション,役割で登場するのかは自分の目で確かめてほしいが,めちゃシコ(※とても可愛いの意)なので,紳士の皆さんは期待して良かろうなのである。

画像集#026のサムネイル/ダークヒーローな雷電かっこよすぎ。新たな歴史を“斬り”拓いた「メタルギア ライジング リベンジェンス」のプレイレポート

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