テストレポート
つまみ持ちのゲーマーにとって,マウスの“後ろ側”って必要あるの? 「R.A.T. 1」(の先端部分だけ)を使って考えてみる
つまみ持ちは,「マウスを指先のみで保持し,指先以外はマウスに一切触れない」という持ち方だ。指先だけの操作になる都合上,軽量なマウスが使いやすいのだが,基本的に海外製品が多いゲーマー向けマウスの場合,まず小型のものが少ない。サイズが大きくなれば,そのぶん重量も……となり,軽いマウスを探そうにも選択肢が限られることになる。
もちろん,そんな変な形状のゲーマー向けマウスは存在しない。いや,しなかった。Mad Catz Interactiveの「R.A.T. 1」が登場するまでは。
R.A.T. 1は,左右対称形状の光学センサー搭載ワイヤードマウスだ。最大の特徴は,センサーおよびボタン部をモジュール化した「Detachable Sensor Module」(以下,メインモジュール)に,シャシーとパームレストを取り付ける機構を採用していること。ボディ部分が空洞なため,非常に軽量となっている。
本製品で面白いのは,マウスの機能としてはメインモジュールだけで完結しているため,シャシーとパームレストを取っ払っても,マウスとして利用できるところである。つまり,「後ろ側が存在しないマウス」になってしまうというわけだ。
果たして,軽さだけを求めて必要最低限しか搭載しないマウスは,つまみ持ち派の選択肢としてアリなのか。前置きが長くなってしまったが,試してみよう。
小さい! そして軽い!
でもさすがにこれは……あれ,意外とイケる?
まずはメインモジュールの仕様を軽く確認しておこう。搭載ボタンは,左右メインボタンとセンタークリック機能付きスクロールホイール,そしてホイール手前に,前後に倒して入力するスイッチという構成だ。搭載する光学センサーはPixArt Imaging製のエントリーモデルで,製品情報ページを確認する限り,その主なスペックは,最大トラッキング速度80IPS,最大加速度20Gとなっている。
肝心の重量は,ケーブル込みで実測58.5g,ケーブルをどかした参考値で同35.0g前後。軽さをウリにするゲーマー向けマウスでも,一般にはケーブルを含めれば100gを超え,どかしても85g前後になるので,圧倒的に軽いと言えよう。
そんなメインモジュールのゲームでの使用感はどうかというと……なかなかにしっくりくるではないか。とにかく軽いので,指先だけの操作でも,少しの力で素早く動かせるのが利点と言える。
また,筆者は主に「League of Legends」をプレイしたが,右クリックを頻繁に連打する都合上,軽すぎるボディと小さな接地面のせいで,マウスがブレないか不安だった。しかし,マウスの手前側がないことで,手首とマウスの距離が近くなるため,机の上に手首を置いて操作すれば,安定感のある操作が可能だったのだ。
メインモジュールのみでの使用に難点を挙げるとすれば,握れる部分が非常に小さいので,窮屈な持ち方になるということ。筆者の場合,違和感なくつまみ持ちをするには長さが1cmほど足りず,メインボタンを押す指を少し曲げないと保持できなかった。それでも操作自体は問題ないのだが,若干疲れるという印象がある。
評価としては,メインモジュールのみでの使用は,軽さを追い求める人にとってアリだ。
この軽さのマウスを探そうと思ったら,ゲームと関係のないモバイル向けマウスが候補に挙がってきてしまう。その点R.A.T. 1は,エントリーモデルのセンサーを搭載するとはいえ,ゲーマー向けを謳う製品として最低限のスペックを備えているのが安心できる。どう考えても人を選ぶ使い方ではあるが,ゲーマー向けマウスとしては間違いなく最軽量なので,軽さ至上主義のゲーマーは一度お試しあれ。
「R.A.T. 1」製品情報ページ
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