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IDF 2010 Beijing基調講演レポート。Intel,AVX&マルチスレッドへの最適化を訴える
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印刷2010/04/14 22:12

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IDF 2010 Beijing基調講演レポート。Intel,AVX&マルチスレッドへの最適化を訴える

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IDF 2010 Beijingの会場となった国家会議中心(Beijing China National Convention Center)
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David(Dadi) Perlmutter氏(Executive Vice President and General Manager, Intel Architecture Group, Intel)
 2010年4月13日の記事で速報をお伝えしたように,中国・北京市で「Intel Developer Forum 2010 Beijing」(以下,IDF 2010 Beijing)が開幕した。
 そのオープニングを飾る基調講演に登壇したのは,同社でIntel Architecture Groupを統括するDadi Perlmutter(ダディ・パルムッター)上級副社長だ。

 「当初,『特定のアプリケーションソフトを走らせるための箱』だったPCは,インターネットの普及で,ライフスタイルを変えるまでになった」と,話を切り出したPerlmutter氏。インターネットに接続されるデバイスも,これまでの一般的なPC製品だけでなく,テレビやスマートフォン,タブレット端末,デジタル掲示板など,その裾野を拡大し続けており,2015年には100億台以上の機器がインターネットに接続できるようになるという予測を披露した。デバイスの数だけ見れば,世界の総人口である約68億人(2009年7月現在,アメリカ合衆国統計局推計)を超えるインターネット接続デバイスが普及することになるわけだ。

中低所得層が多い国々では,ブロードバンドが10%普及すると,1.38%の経済成長を促すとされる(左)。そういった経済的な側面からも,2015年には,ネットワーク接続機能を持ったコンピューティングデバイスが100億台以上にまで増えると予測されるのだという(右)
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現在15億人いるネットワークユーザー数は,2015年までに,さらに10億人増えると見られる
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 一方,これらの機器を利用してインターネットに接続できるユーザーの『数は,2015年までに,現在の15億人から,10億人増えて25億人になると見込まれているが,「それでもまだ,全人口の半数に満たない」(Perlmutter氏)。スマートフォンや組み込みデバイスから,PC,データセンターまで,幅広いジャンルに最適なCPUを提供できるIntelが,コンピューティングデバイスの連続体を形成し,より多くのユーザーにインターネット接続環境を提供していくとアピールした。

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ノートPCのセグメント別成長予測。薄型軽量タイプのモデルがシェアを伸ばす一方で,16インチ以上の液晶パネルを搭載した,ゲーマー向けノートPCの市場も拡大すると見られている。もっともこの市場は日本だと,“テレビの代わり”のPCで多く占められていたりもするのだが
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 コンシューマ向けCPU市場に関しては,「深刻な経済不況に見舞われた2009年でも,一般ユーザー向けのPC出荷量は増加した」と,今後も堅調に推移していくと予測。ただし,デスクトップPC市場では省スペースデスクトップPCやオールインワンPCの比率が拡大し,ノートPC市場では薄型軽量ノート市場が成長し,かつ,ゲーマー向けノートPCなどの新しいセグメントが立ち上がると見ているそうだ。
 なお,ゲームに関しては,「Trinigy Engine」と名付けられたエンジンのデモが紹介されたので,紹介しておきたい。下に示したのがそのデモだが,Havok.comによる物理シミュレーションも組み合わされ,マルチスレッド処理へ相当最適化されている模様。これを6コア12スレッドCPU「Core i7-980X Extreme Edition/3.33GHz」で実行し,その“余裕”が示されている。




Sandy Bridgeのウェハを公開しつつ

AVXやマルチスレッドへの最適化を訴えるIntel


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Intelが2011年第1四半期に市場投入を計画しているSandy Bridge世代では,CPUダイにグラフィックス機能を統合し,AVXの追加など命令セットの拡張も施される
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Sandy Bridgeアーキテクチャの特徴。1クロックあたりの処理性能が向上するほか,CPU内部のデータ転送幅が広がり,レイテンシも低減される
 また,これは13日の記事でお伝えしたとおりだが,Perlmutter氏は,2011年第1四半期の市場投入が計画されている次世代マイクロアーキテクチャ「Sandy Bridge」(サンディブリッジ,開発コードネーム)のシリコンウェハを公開している。
 Sandy Bridgeでは,動作クロックあたりの命令処理性能が向上するだけでなく,CPU内部のバスインタフェースなども見直され,データバス帯域幅が拡大。同時にレイテンシも抑えられ,性能向上につながるという。また,CPUコアだけでなく,統合されるグラフィックス機能も大容量のキャッシュを使えるようになって3D性能が向上する,より洗練された「Intel Turbo Boost Technlogy」とパワーマネジメント機能がサポートされるといった内容も明らかになっている。

 Sandy Bridgeで拡張されるAVX(Advanced Vector eXtentions)の実装例としては,Dayang社のWei Deng氏(Vice President & Chief Technology Office, Dayang Technology Development)がビデオフィルタリング処理のデモを披露。中国の110mハードル選手である劉翔氏のビデオを使い,ユニフォームの中国国旗部分を認識し,ぼかし処理を入れるというデモを,AVX実装環境と非実装環境で比較し,「AVXを実装することで,複雑な処理において,処理性能を大幅に引き上げられる」とアピールした。

Sandy Bridge世代のAVXを使うことで,ビデオフィルタリング処理の高速化が可能となるとして披露されたデモ。まず,劉翔選手のウィニングランを撮った6秒間のビデオで,ユニフォームの中国国旗を認識する処理をさせた場合,AVXを実装した状況では14秒で済むのに対し,AVXなしでは35秒もかかった
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 Perlmutter氏は,「Sandy Bridgeの開発は順調に進んでおり,第4四半期には量産開始になる」という見通しを示し,さらに,Sandy Bridgeアーキテクチャに基づくモバイルCPU搭載のノートPCも公開してみせた。「これまでのノートPCでは処理が難しかった医療用の解析ソフトでも,Sandy Bridge世代では十分なパフォーマンスが得られる」と語った氏は,より多くのデベロッパに,Sandy Bridge世代に向けたソフトウェアソリューションを開発してほしいと訴えている。

Renee J.James(Senior Vice President and General Manager, Software and Services Group, Intel)
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 なお,13日には,ソフトウェアやサービス事業を統括するRenee J.James(レネ・ジェームズ)上級副社長の基調講演も行われた。
 James氏の基調講演における話題の中心は,2月にスペイン・バルセロナで開催された「Mobile World Congress 2010」においてIntelとNokiaが共同発表したLinuxベースのオープンプラットフォーム「MeeGo」。ただ,ゲーム関連でも,Intelのパラレル処理最適化ツール「Intel Parallel Studio」を使って,中国のネットワーク市場で大きな影響力を持つTencentのオンラインRPG「QQ仙侠伝」を,マルチコアCPUに向けて最適化するデモが披露された点はお伝えしておきたい。
 デモの内容は,「Core i5ベースのノートPCで,統合型グラフィックス機能のみを用いる環境において,さまざま視覚効果を加えながらも,フレームレートを向上させられる」というもの。マルチコア&マルチスレッドへの最適化を進めれば,グラフィックス機能が強力でないノートPCでも,よりリッチな画面でゲームをプレイできるようになると,デベロッパに最適化を訴えていた。

  • 関連タイトル:

    Core i7・i5・i3-2000番台(Sandy Bridge)

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