日本一ソフトウェアは,PSP用ソフト「
奈落の城 PORTABLE 一柳和、2度目の受難」を
12月17日(木)に発売する。価格は5229円(税込)。
本作は,2008年3月6日にPlayStation 2用として発売された推理アドベンチャー,「奈落の城 一柳和、2度目の受難」のPSP移植版で,今年9月17日に発売された「
雨格子の館 PORTABLE 一柳和、最初の受難」の続編にあたる作品だ(PS2用ソフト「雨格子の館 一柳和、最初の受難」は2007年3月8日に発売)。
主人公は,前作と同じ一柳 和(いちやなぎ なごむ)。彼は,友人の日織(ひおり)に誘われて,ヨーロッパの古城へ行く。
その古城では,日織の友人である城主アルノルトや,使用人,客人達が歓待してくれるのだが,彼らと打ち解けていくと,欧州中世史研究家のヴィンセントから,城にまつわる伝承を聞かされる。
なんでも,「この城には、幽閉された悪魔憑きの少年がいる」だけでなく,「幽閉された少年の母親は、死んだ後も城内をさまよっている」らしい。
そんな気味の悪い話を裏付けるかのように,SPや日織が失踪したり,突然ワインボトルが倒れたり,悪魔召喚の魔法陣が発見されたりと,城内では異変が巻き起こり始める。やがて,失踪したSPは変わり果てた姿に……。
和達は,この古城から脱出するべく,こうした怪事件の解決に乗り出すことになるのである。
一柳 和 (いちやなぎ なごむ) 167cm 58kg 21歳 本編の主人公。大学生。 普段から気が付くと途方に暮れるしかないような状況に陥っている事が多い。 根っからの巻き込まれ体質。 恐がりで、相変わらず気が弱い。 「死んだじいちゃんの座右の銘だったんだ!『幽霊の正体見たり枯れ尾花』って!!」 |
日織 (ひおり) 178cm 90kg 26歳 和をルロイの城に誘った。 飄然としていて、つかみ所がない。人当たりがよく、親切だが、気遣いの仕方が少しずれている時がある。 本業は俳優だが、相変わらず売れていない。 「はいはい、落ち着いて下さいや。相変わらずだなぁ、和さんは…」 |
アルノルト・フォン・ルロイ (通称:アル/アルノ) 179cm 72kg 19歳 呪われたルロイ伯爵家の子孫。 第23代当主。とある公国の貴族。 幼少の頃に父母を亡くし、早くから爵位を継いだが、実質的には、彼の祖母が家を守っていた為、あまり表に出ることがなかった。 その祖母も最近亡くなった。 「困ったものだね“幽霊が多すぎる”と言うやつかい?」 |
ディートリヒ・ケステン (通称:ディーター/ティーロ) 175cm 68kg 27歳 普段は沈着冷静で無表情だがアルのことになると異様に過保護な心配性になる。 天涯孤独でルロイ家の先代(アルの父)に拾われて、育てられた。 その恩もありルロイ家に絶対の忠誠を誓っている。アルの幼少から仕えていた。 「仰せのとおりに、伯爵(グラーフ)」 |
絹也・イザーク・フォン・ルロイ (通称:ザック) 180cm 78kg 24歳 アルノルトとは従兄弟にあたるが血は繋がっていない。(ザックの父は養子) 幽霊や呪いなどは信じていない。 坊ちゃん育ちで、かなり世間知らず。 和名のファーストネームは嫌い。 ザックは英語読み(アイザック)の愛称だが、クレアがそう呼ぶのでなんとなく定着した。 「任せろ、オレは頭いいからな!」 「な、なんでもない!いや、本当だから!」 |
三笠尉之 (みかさやすゆき) 178cm 81kg 36歳 アルノルトの祖母方の親戚。日本人。 アルノルトに対して、好意的でないようにも見えるが生来愛想がないだけである。 アクシデントの際には、冷静な判断力と行動力を見せる。 「幽霊が居るなら、サンタクロースも居るべきだ。どちらかしか居ないというのは不公平だろう」 |
ヴィンセント・ギルモア (通称:ヴィンス) 182cm 80kg 50歳 英国人。欧州中世史研究家で大学教授。 研究調査を通じてルロイ家と付き合いがあり、先々代の頃から出入りしていた。 人脈が広く日本にも研究仲間がいる。 威厳ある風貌で態度も尊大だが、嫌味ではない。 普段は紳士的だがオカルト関連のことになると途端に目が輝き熱く語り始める。 「この館には、因縁だの呪いだの曰くつきだの心躍る伝承が山ほどあるのだよ」 |
クラリッサ・マイアー (通称:クレア) 172cm 57kg 27歳 ヴィンセントの姪であり、アルノルトの主治医兼家庭教師役。 叔父のせいでオカルト系の話には多少詳しいが、幽霊の類はあまり信じていない。 知的な美人でお姉さん気質。 世話焼き。低血圧で朝は呆けている。 「だったら横になってなさい。とにかく休むこと。顔色があり得ない色してるわ」 |
ハユツク 身長・体重・年齢不詳 怪しげな祈祷師。 ルロイの城に怨霊がとりついていると主張している。 髪とヒゲに覆われたその顔からは、表情を読み取ることは難しい。 霊的な発言に戸惑っている和に対して、好意的ともとれる態度をとることもある。 「この館は深怨に満ちておる。深く、暗い恨みじゃ…」 |
ジョージ・シモンズ (通称:ジョージ) 身長・体重不詳 33歳 マッチョでスキンヘッドの黒人。 ルロイ家に雇われているSPで主にアルノルトの身辺警護をしている。 異様に無口でまったく喋らないが妙に表情豊かで愛想は良い。 根は真面目。 普段は無表情なのに和がおどおどと挨拶すると満面の笑みで返礼してくれる。 「・・・・・・・・・・・・」 |
中居千恵子 (なかいちえこ) 160cm 49kg 21歳 壮絶に天然な日本人のメイドさん。 常に予想の斜め上な返事をしてくれる。 ただし、かなり器用で仕事は出来る。 何度伯爵だと教えてもアルノルトを王子と呼ぶ。 「この椅子は、活きがいいんですっ!」 |
コルネーリア・ハッセ (通称:ネリー) 168cm 55kg 18歳 東欧人のメイドさん。 田舎から出てきた感じの純朴な女性。真面目な性格。 日本語はカタコトであまり得意ではない。 「ごはんが、朝のです。食べる、よいと思います」 |
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そんな事件を解決するために必要な行動は,大きく分けて「移動」と「調べる」,そして「話す」の三つである。
移動は,城の見取り図から行き先を選択する「MAP移動」と,3Dマップ上での徒歩という二通りのシステムが用意されている。それぞれ一長一短があるため,使い分けが重要になりそうだ。
移動先の事件現場や,城内の各部屋では,隅々まで調べることにより,事件に大きく関係する証拠品や,情報を入手できる。ちなみに,本作に用意されている「EasyMode」では,重要なポイントにカーソルが近づくと色が変わるため,見落としやすい証拠や情報も,きちんと入手できるだろう。
さらに,ほかのキャラクターと話すことも重要だ。しかし,和と各キャラクターとの親密度によって,得られる情報量は変化してしまう。聞き込みを円滑に進めるためには,事前にきちんとした人間関係を築いておかなければならないのである。なお,EasyModeでは,話題を選択するときの単語の色が,重要度によって変化する。
なお,上記の三つの行動をするたびに,「アクションゲージ」が減少していく。アクションゲージは,和が自由に行動できる「残り時間」を表したもので,このゲージがなくなると捜査はいったん終了し,ストーリーが進展する。つまり,事件の解決に向けた手がかりを得られないまま,ストーリーが進展してしまうこともあるというわけだ。
また,こうした捜査によって得られた情報は,「日織メモ」に登録されていく。これをもとに「アリバイ表」に記入して整理をしていくことで,事件解決への道が開けていくだろう。
このほか,本作では「パートナー分岐」というシステムも用意されている。これは,各キャラクターとの信頼度によって,事件を調査するときのパートナーが変わるというもの。パートナーごとに事件へのアプローチも異なるため,複数の視点から事件の全貌を把握できるのである。
ちなみに,PSPへの移植にともない,新たなイベントCGと新エピソード「ねこ編」「教授編」が追加されている。新エピソードは,本編シナリオをクリアし,2周め以降のプレイ中に条件を満たすことで出現するとのことなので,ぜひ繰り返しプレイに挑戦してみよう。
さらに,予約特典として書き下ろしの番外編「知らない台詞」が収録されたドラマCDが用意されている。こちらは,和(CV:下野 紘さん),日織(CV:遊佐浩二さん),和の姉 雛子(CV:小暮英麻さん)による,ミステリー仕立ての物語とのこと。
本作をPS2でプレイ済みの人も,新要素や予約特典があれば,また新鮮な気持ちで本作の世界に浸れることだろう。