「Civilization V」のリードデザイナー Jon Shafer氏がStardock Entertainmentに移籍。まずは「Elemental: War of Magic」の改良に着手

Sid Meier's Civilization V

　20代の若さで「Sid Meier's Civilization V」のリードデザイナーに抜擢され，伝統あるこのシリーズにおいてゲームシステムの大改革を行ったことで知られる開発者 Jon Shafer氏が，「Galactic Civilizations II」などで知られるストラテジーゲームメーカー Stardock Entertainmentに入社していたことが明らかになった。

　2005年にFiraxis Gamesに入社したShafer氏は，Civilizationシリーズの拡張パックの開発に関わる傍ら，ボードゲームなど自分の得意分野の知識を活かし，“完璧なゲームデザイン”と評された「Sid Meier's Civilization IV」の続編のデザインを，ぜひ自分に手がけさせてほしいと訴え出た人物だ。

Jon Shafer氏

　訴えが通じ，Shafer氏は次作のリードデザイナーに抜擢された。その結果完成した「Sid Meier's Civilization V」は，“ヘックスの導入”や“スタック禁止”といった新機軸が盛り込まれたゲームデザインとなっていた。これらの変更点については，否定的な印象を持ったファンもいるようだが，本作に対する評価は概ね高く，metacriticでは90点のスコアをマークしている。いずれにせよ，プレッシャーに耐えながらシリーズに新風を吹き込んだ彼の開発力は高く評価されるべきだろう。

Elemental: War of Magic

　Stardock Entertainmentと言えば，「Sin of a Solar Empire」や「Elemental: War of Magic」など，シブめのストラテジーゲームを手がけるメーカーだ。自社開発のコンテンツ配信サービス「Impulse」の運営を行っていることでも知られている。2010年8月にリリースした「Elemental: War of Magic」は，リリースの時点ではゲームとして不完全な部分がまだ残っており，少なからぬファンを失望させてしまったが，同社はその後もゲーム内容の改善に努めるなど作品を放棄してはいない。入社したばかりのShafer氏の仕事は，まずはこの作品のアップデートやMODサポートになるようだ。

　アメリカのゲーム情報サイト Big Downloadによると，Shafer氏のFiraxis Games退職は，円満な話し合いのもとで行われたようで，“前作を超えられなかった責任をとるため”などというネガティブなものではないとのことだ。
　なお今回，Stardock Entertainmentには，Shafer氏とともに，映画「トゥームレイダー」や「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」などの脚本に関わったことで知られるファンタジー小説家 Dave Stern氏も入社したことが明らかになっている。世界観やストーリーに関しては，これまでStardockの短所とされていた部分だが，今後はStern氏の手腕によって改善されていくかもしれない。

Stardock Entertainment 公式サイト

「シドマイヤーズ シヴィライゼーションV 日本語版」公式サイト