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ダウンロード配信の活性化にも配慮された3DSの通信機能。クリエイターの熱い期待も発表された「任天堂カンファレンス2010」レポート(後編)
ニンテンドー3DS 特設サイト
任天堂 公式サイト
【速報】任天堂カンファレンス2010開幕。ニンテンドー3DSは2011年2月26日発売。価格は2万5000円
任天堂の今後の展開と,ニンテンドー3DSの各種機能・タイトルが紹介された「任天堂カンファレンス2010」レポート(前編)
岩田氏は,「ダウンロード販売が普及するためには,買いたいソフトがなくともウィンドウショッピングをするような感覚になれる構造にする必要がある」と述べる。3DSには2GBのSDカードが同梱されており,ダウンロードしたコンテンツはそこに記録される。もちろん必要なら,別売りのより大容量なSDカードを利用することも可能で,これまでに購入したニンテンドーDSiウェアを3DSに“引越し”できる仕様も用意されていることが紹介された。
では3DSで,具体的にどんなコンテンツが配信されるのか。まず3DSの「ヴァーチャルコンソール」は,Wiiと同じく過去のゲームタイトルを3DS上で遊べるようにするもので,ゲームボーイおよびゲームボーイカラー用のタイトルが順次配信される予定だ。さらに,そうしたクラシックタイトルを立体視表示対応にして配信する予定もあるとのこと。立体視表示を取り入れることで,新たな価値が生まれるものもあると岩田氏は述べ,実例としてバンダイナムコゲームスの「ゼビウス」を挙げた。
また,そうした3DS専用のタイトルが今後配信されていくものの,ニンテンドーDSiウェアの新作についても,引き続き配信が行われるとのことだ。
さらに3DSには,「いつの間に通信」という機能が搭載されている。これは周囲にある利用可能なWi-Fiアクセスポイントを見つけ,ゲームデータのアップデートや,新たな無料ソフトのダウンロードまでを自動で行うというもの。そのほか,任天堂からのお知らせなどの伝達手段としても利用される。
しかし,こうした機能が用意されたとしても,アクセスポイントが身近にない場合には意味が薄れてしまう。そこで同社では,すでに全国1000か所以上のゲームショップ店頭などに設置された「DSステーション」を,段階的に「ニンテンドーステーション」に拡張していく計画を予定しているという。また日本マクドナルドとの協業による「マックでDS」でも,3DS用のサービスが展開される。
また別の角度からもアクセスポイントの増強が図られる。任天堂は,2007年からNTT東日本/西日本とともに,WiiおよびニンテンドーDSのネット接続に関する個人向けのサポートを行ってきたが,今回新たに,NTTBPの公衆無線LAN「Wifine」上でも,3DSの通信サービスを展開していく。交通機関やその周辺施設,飲食店など,全国2000か所以上のポイントでも,2011年3月より順次,サービスが利用できるようになる予定だ。
さらに3DSのキャッチフレーズである,「持ち歩く,響き合う,毎日が新しい。」の“毎日が新しい”という部分をより分かりやすく提示するため,“いつの間に通信”の機能を活かした,3D映像の配信が行われると発表された。この配信は,日本テレビおよびフジテレビとの提携により,それぞれテレビ局が制作した3D映像を,毎日無料で配信するもの。岩田氏は「3D映像の“ニワトリとタマゴ”の問題を解き,3D映像を普及させるための一つのきっかけになることを期待している」と,今後の展望を述べた。
ここで会場では,3DS用に発売される予定のゲームタイトルをまとめて紹介する映像の上映が行われた。続いて3DS本体の発売日が2011年2月26日であること,価格が2万5000円(税込)であること,そして本体カラーがアクアブルーとコスモブラックの2色であることが,岩田氏から発表となった。なお,北米,ヨーロッパ,オーストラリアでの発売は2011年3月を予定しているとのことだ。(上映された映像は,特設サイトのこちらで視聴できる。)
待ちに待った発売日と価格の発表の後,岩田氏は3DSが普及するためには,もう一つ大きな課題が残されていると述べ,それは「任天堂のハードで売れるのは,任天堂のソフトばかり」「サードパーティのゲームタイトルが売れていない」という点を指摘する。
実際任天堂は,自社のソフトだけでも自社のハードがプラットフォームとして成立するよう,責任を持って取り組んできたと語りつつも,岩田氏は日本における任天堂ハードのサードパーティ製ソフトの売り上げが相対的に低いことに触れ,とくにWiiでは非常に低くなっていることに言及。しかしニンテンドーDSiは,累計販売本数に関しては,同社のプラットフォームの中で,最もサードパーティ製ソフトが売れているハードでもあり,発売当初から「任天堂のソフトばかりが売れている」と言われ続けた状況については,ハードの普及に伴い改善されたと説明した。
岩田氏は,Wiiに関してもニンテンドーDSのような展開になると期待をしていたが,残念ながら,そういう状況には至らなかったと続ける。そして3DSでは,Wiiのような状況に陥ってしまわないよう,きちんと取り組まなければならない課題であると強調した。
ただWiiのソフト売り上げについても,北米市場においては,必ずしもサードパーティ比率が低いことはなく,販売本数も十分な規模であることを岩田氏は販売データを元に指摘する。世界規模で見れば,ほかのプラットフォームと大きな開きは見られないと述べ,そうした状況を鑑み,岩田氏は「ニンテンドー3DSではスタートダッシュの段階でサードパーティと足並みを揃える必要がある」との言葉と共に,日本の開発者からのビデオメッセージを紹介した。
コーエーテクモゲームスの鯉沼久史氏は,「戦国無双 Chronicle」を新たなシリーズとして作り始めたと語った。鉄砲の弾が飛んでくるシーンを立体視できるようにするなど,とくにイベントムービーの迫力を増強する演出を考えているそうで,さらには無双の爽快感や,主人公と武将の繋がりを強調するようなシステムを考えているという。
またKONAMIの小島秀夫監督は,「メタルギア ソリッド スネークイーター」のカモフラージュに立体視を取り入れることで,物陰に隠れている感じなどを表現できると,同作の見どころを紹介。また通信機能に関しても,さまざまなアイデアが生まれているそうで,期待してほしいとのこと。
レベルファイブの日野晃博氏は,「レイトン教授と奇跡の仮面」について,立体視を使って登場人物がまるでそこにいるかのような表現にチャレンジしたとのこと。また,従来のように文字を読んでナゾを解くだけでなく,絵をよりうまく使った直感的な内容にしていくという。
スクウェア・エニックスの野村哲也氏は,「KINGDOM HEARTS 3D(仮称)」のタイトル名について,3D立体視対応であると同時に,ナンバリングタイトルとして3作目という意味も込めていると語る。「触れ合うこと」をテーマに,主人公のソラとは別の何かを育て,レベルアップしていくような,ちょっと変わった内容のゲームになっているそうだ。今後は3DS用のタイトルを,いくつか用意していくとのこと。
最後に岩田氏は,こうしたゲームメーカーと協力し,今後もゲームの普及と市場の拡大に務めていくと述べ,プレイヤー自身が実際に体験することにより,「ニンテンドー3DSの真の価値がご理解いただけるのではないか」とプレゼンテーションを締めくくった。
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