プレイレポート
ストーリー仕立てのフライトシムとは?「パイロットストーリー 747クルーザーキャプテン」で一人前の機長を目指そう
さまざまな航空機でのフライトを疑似体験できる“パイロットストーリー”シリーズの第1作としてリリースされた本作を,発売に先がけてプレイする機会を得たので,その内容を紹介しよう。
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パイロットストーリーシリーズのコンセプトは「パイロットになるシミュレータ」
一般的にフライトシムといえば,“航空機を操縦するという行為をPCで擬似的に再現する”タイプのソフトを指す。パイロットストーリーシリーズがそういったフライトシムと大きく異なるのは,“パイロットとして,ストーリー仕立てのミッションを遂行していく”ことに主眼が置かれている点である。
フライトシムは,航路や天候を指定し,プレイするうえでの目標といったものを自分なりに設定することで,より深い楽しみが味わえる,自由度の高いゲームジャンルといえる。航空関連の知識をある程度持ち合わせていることが,プレイの前提になっている面があることも事実だろう。
そんな,自由度や専門性の高いジャンルだけに,どう楽しんだらいいか分からず,遊ぶのを諦めてしまったというビギナーの声をしばしば耳にする。実をいうと私自身,フライトシムを遊び始めたばかりの頃は,観光名所の上空を遊覧飛行する以上の楽しみをどこに見出せばよいか分からなかったものである。
一方,パイロットストーリーシリーズには,ゲームの主人公や,それを取り巻くキャラが登場するほか,ストーリー仕立てのミッションが用意されている。ステージごとに,現在の状況や,クリアすべき目標が明確に定められているので,感情移入しやすいし,高いモチベーションをもってゲームに臨めるはずだ。ゲーム中の人物になり切って行動するという意味では,「RPG的な作品」といっていいだろう(キャラの育成やアイテム収集といった要素はないが)。
つまり,これまでフライトシムにチャレンジしたけど挫折した,あるいは難しそうだから手が出せなかったという人にうってつけのシリーズなのだ。
ちなみに,製品に付属している取扱説明書によると,今後は旅客機だけでなく,戦闘機や宇宙船といった乗り物(?)を取り上げていく予定とのことで,これからの展開も楽しみである。
ストーリーモードのミッションを通じて操縦の基本を習得。非常事態が発生するミッションも
ゲームのメインである「ストーリーモード」の主人公,建嶋友昭は,スカイゲートエアラインズの副操縦士として「747-400」に乗務している。機長への昇格を目指し,教官を務める秋山キャプテンのもと,OJT(実地訓練)を行っている最中だ。
各ミッションの内容は以下のとおりだ。
■STORY 1/テイクオフ!
羽田空港内をタキシングし,福岡空港へ向けて離陸する
■STORY 2/ターンアラウンド
目的地が悪天候だったため,羽田空港に引き返して着陸することに
■STORY 3/霧のエアポート
濃い霧に包まれた羽田空港。ILS(計器着陸装置)を用いて滑走路にアプローチする
■STORY 4/エマージェンシー
離陸時に発生したトラブルに対処する
■STORY 5/ナイトメア
OJT最後の日,建嶋はとある噂を耳にする。美しい夜景を眼下に見つつ,羽田へのナイトランディングに臨む
ストーリーモードには,秋山のほか,チーフパーサーの武内美由紀や,大学の後輩でディスパッチャー(運行管理者)の山下といったキャラが登場して,建嶋との掛け合いを展開する。
また,フライトの最中には航空管制官とのやり取りもあり,それらの会話すべてにボイスが用意されているのも,本作のウリの一つだ。専門用語が入り乱れるやり取りや,フライト中のくだけた会話などを聞いているだけでもいろいろ想像が膨らんで,とても楽しめた。
タキシングやフライトの最中は,通過すべき場所が枠で示される。機体がその中を通過できないとコースアウトとなり,即ゲームオーバーとなるので,慎重に操作しよう。
ジャンボジェットの操縦というのは,きっとものすごく難しいものだと思うが,本作ではぐっとシンプルな操作にまとめられており,キーボードでも十分プレイできる(もちろん,ジョイスティックにも対応している)。そのときに何をすべきか(どのキーを押すべきか)逐次画面に表示されるので,慌てなければ,それほど操作に戸惑うことはないはずだ。
大空に憧れる人が持つ夢をPC上で叶えてくれる,パイロットストーリーシリーズ。これまでのフライトシムとは異なるコンセプトを持った本作で,気軽にパイロット気分を味わってみよう。
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- 関連タイトル:
パイロットストーリー 747クルーザーキャプテン
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