椿姫彩菜さんはガチで強かった。「コスチュームパック」や「DREAM BATTLE CPU01」など追加DLCが発表された，「MARVEL VS. CAPCOM 3 MEDIA CROSS EVENT」をレポート

　カプコンは2011年2月15日，東京都内にあるスペースSF汐留にて，プレス向け発表会「MARVEL VS. CAPCOM 3 MEDIA CROSS EVENT」を開催した。
　このイベントでは，2011年2月17日に発売される対戦格闘ゲーム「MARVEL VS. CAPCOM 3 Fate of Two Worlds」（PS3 / Xbox 360）の最新情報や映像の上映，ゲストの椿姫彩菜さんを招いてのトークセッションやエキシビションマッチが行われた。ここでは，その模様をレポートしていこう。


　最初に，カプコンのパブリシティ企画推進室 室長 萩原良輔氏が登壇して挨拶を行った。萩原氏は，本作が「MARVEL VS. CAPCOM 2: New Age of Heroes」以来実に11年振りの続編であることに触れつつ，「MARVEL VS. CAPCOM 2」は自分でも技が出せるから，取引先の人と一緒にプレイできた唯一のゲームだったと，当時を振り返って会場の笑いを誘っていた。

カプコン パブリシティ企画推進室 室長の萩原良輔氏

「MARVEL VS. CAPCOM 3 Fate of Two Worlds」プロデューサーの新妻良太氏

橋本さんは「撮影中は眩しかったり風が強かったりして大変だったんですけど，完成したCMを見て，素敵な夢のある映像になっていると思いました」と，CMの感想を述べていた

　続いては，プロデューサーの新妻良太氏がステージに上がり，タレントの橋本 愛さんが出演している「MARVEL VS. CAPCOM 3」のテレビCM，橋本さんからのビデオレター，そしてCM楽曲でタイアップしているFACTからのビデオレターとコメントを紹介した。
　テレビCMについて新妻氏は，昔のゲームのCMのように，実写とゲーム映像を交えた形になっているのがコンセプトだと話す。また，朝焼けのシーンと夕焼けのシーンを取り入れたかったため，撮影にはまる1日かかったとコメントしていた。



　また，FACTについては，顔出しをしないアーティストにもかかわらず，限界ギリギリまでビデオレターに露出してくれたこと，またメンバー達が「MARVEL VS. CAPCOM 3」で遊んでいる様子が格好良いPVのように仕上がっていることに，感謝の意を示していた。なお，FACTとのタイアップ楽曲は「attack me if you dare」で，メンバーは「ゲームで体感するスピード感や高揚感を，FACTの曲で少しでも煽れたら嬉しいです。機会があれば俺達の音楽にも触れてみてほしい。きっと同じようにブチ上がれるはず」と熱いメッセージを送った。

　次にお披露目されたのは，先ほど「こちら」の記事で紹介した最新プロモーションムービー2本だ。
　1本めは，これまで“エピソード”として合計3本が公開されていたプロモムービーの完結編。実は開発中は5本で完結する計画だったのだが，MARVEL側とのやり取り，制作スタッフのこだわりによるリテイクの嵐などなど，さまざまな事情により「5本作ったら発売日に間に合わない」ということで，やむなく4本に減らしたのだとか。新妻氏によれば絵コンテ段階までは進んでいたそうだが，なんとも残念な話である。
　余談だが，以前「こちら」のイベントレポートでお伝えしたように，フェリシアは肌の露出が多い（というか設定的には何も着ていない）ことから，海外では公式サイトや対戦動画で一切登場していない。そのことを踏まえたうえで今回のムービーを見ると，ムービー制作スタッフの苦心のあとがうかがえて，非常に味わい深く感じられる。


　そして，本作に登場するキャラクター達が総出演するムービーが公開。その最後には，追加ダウンロードコンテンツとして3月1日に配信開始予定の「コスチュームパック」で着替えたリュウ/クリス/ダンテ，キャプテン・アメリカ/アイアンマン/ソーの対戦シーンが含まれていた。


　ムービーの上映後，新妻氏は追加DLCについての発表を行った。ここで紹介されたのは，発表済みのものを含めた以下の3種類だ。

■「コスチュームパック」

2011年3月1日配信予定
価格：500円［PS3］/400マイクロソフトポイント［Xbox 360］（いずれも税込）

■ダウンロードキャラクター「ジル」「シュマゴラス」

近日配信予定
価格：未発表

■「DREAM BATTLE CPU01」

2011年3月1日配信予定
価格：無料

キャプテン・アメリカ

アイアンマン

ソー

リュウ

クリス

ダンテ

ジル

シュマゴラス

PlayStation 3版

Xbox 360版

　コスチュームパックは，リュウ/クリス/ダンテ/キャプテン・アメリカ/アイアンマン/ソーの6人分がセットで，違うコスチュームに変更できるようになるという内容。
　無料配信となる「DREAM BATTLE CPU01」は，CPUキャラクターに“癖”や“強さ”のの特徴付けをすることで，モデルになった人と擬似的に対戦できるというもの。今回の発表では，新妻氏，アシスタントプロデューサーの門脇章人氏，そして「MARVEL VS. CAPCOM 3」のバランス調整担当スタッフの3人がモデルになっているとのことだ。
　なお，強さは★の数で示されているので，まずは門脇氏をモデルにした「kadotty」から倒していくのがいいかもしれない。

　そのほか，「こちら」の記事で紹介済みだが，Mad Catz製アーケードスティックの新製品として，「MARVEL VS. CAPCOM 3 Fate of Two Worlds - Arcade FightStick: Tournament Edition」が発売されることが発表された。
　発売日は2011年2月28日で，価格はPlayStation 3版，Xbox 360版共に1万8900円（税込）となる。カプコンの通販サイト「イーカプコン」や，Mad Catz代理店のMSY直販サイトなどで販売される予定だ。

PlayStation 3版

Xbox 360版

　そのあとは，ゲストの椿姫彩菜さん，アシスタントプロデューサーの門脇章人氏がステージに上がり，トークセッションが行われた。

椿姫彩菜さん

「MARVEL VS. CAPCOM 3」アシスタントプロデューサーの門脇章人氏

　椿姫さんは，「MARVEL VS. CAPCOM 2」のとき，ゲームセンターにメモリーカード（おそらくはドリームキャストのビジュアルメモリ）を持って行ってポイントを貯めていたと，挨拶代わりにコアなエピソードをいきなり披露。また，新しいキャラクターなどの情報が公開されるたびに，一ファンとして期待が高まったと，筋金入りの「マヴカプ」ファンらしいコメントをしていた。
　それを受けて新妻氏は，システムや新キャラなどの話をすっ飛ばして，いきなり対戦のバランスの話をしてくるような椿姫さんと話すには，下調べをして理論武装（？）する必要があると苦笑しながら話していた。

　門脇氏は，「MARVEL VS. CAPCOM 3」では，ゲームのバランスはもちろん，新しいシステムを入れたうえで「よりキャラクターの個性を出すことを目指した」と，開発時のエピソードを語った。新妻氏からは，「全員が強キャラ」と呼んでもらえるように，とんがった部分をつくりつつバランスを調整したとのコメントが出た。
　発表会前にプレイしたという椿姫さんはそれを実感したようで，「どのキャラを使っても個性がハッキリしている」と絶賛した。また，「MARVELキャラとカプコンキャラが助け合うシーンがあって，すごく燃える感じでした」とムービーの感想も述べていた。


　新妻氏はここで，ムービー制作時の苦労話をあらためて披露。ゲームの制作自体はカプコン主導だったが，ムービーについては“見せ方”に直結するものなので，MARVELのチェックがかなり細かく入ったと話す。
　門脇氏は，ムービーでMARVELとカプコンのキャラクターが対をなすようになっていることについて，組み合わせには非常に苦労したが，非常にいいものができたと話す。またムービーについては，たとえばアイアンマンにはロックマンゼロ，ダンテにはソーを組み合わせてはどうか，といった感じで，MARVEL側からも積極的な提案が出たそうだ。

　トークセッションのあとは，来場者が椿姫さんと「MARVEL VS. CAPCOM 3」で対戦するエキシビションマッチが行われた。まずはお手本（？）として，再び登場した萩原氏が椿姫さんに挑戦。椿姫さんのストーム/春麗/トリッシュチームに対し，萩原氏はアーサー/アマテラス/M.O.D.O.K.という，“ビジュアル”重視のチームを編成。しかし，アーケードスティックに「攻撃」「必殺技」といった注意書きを書いてもらっていた萩原氏が椿姫さんに敵うはずもなく，あえなく惨敗。

　その後は，各メディアの腕自慢が対戦に名乗りを上げるものの，椿姫さんの強さは相当なもので，連続して勝利を収めていく。萩原氏曰く“萩原軍団”（ということにいつの間にかなっていた）の最後の刺客が，なんとか勝利を収め，かろうじて全敗はまぬがれた，という惨憺たる結果に終わった。


　そのあとは，カプコン側キャラクターを担当した声優のサイン入り色紙18人分セットと，新妻氏が「この前アメリカに寄ったついでに」持って帰ってきたというクッションをかけて，来場者と門脇氏が対戦。しかし門脇氏の勝利により，メディアはまたも賞品を獲得できないという体たらくに。
　そこで急遽，椿姫さんと門脇氏の対戦が行われ，椿姫さんが勝利したら，来場者にサイン入り色紙をプレゼントするということになった。椿姫さんはこの対戦にも見事勝利し，見事プレゼントをゲット。
　ちなみこのプレゼントを抽選で獲得したのは，なんと4Gamer。思わぬ漁夫の利に，同行した編集者はニヤニヤしっぱなしだった。近々「Weekly 4Gamer」のプレゼントコーナーに提供予定なので，ファンは楽しみに待っていてほしい。


　最後に，椿姫さん，新妻氏，門脇氏，萩原氏が以下のようにスピーチをして，約2時間にわたるイベントの幕が下りた。

「『MARVEL VS. CAPCOM』は本当に飽きの来ないシリーズだと思っていて，それがさらに進化して飽きが来なくなっちゃったので，これはもう時間がなくなるなって思います。今回は技を出すのが楽しいとか，このキャラクターを使えたら楽しいとか，格闘ゲームをしない人でも一緒に楽しめるシンプル操作があるので，友達を巻き込んでゲーマーにしちゃおうかなと思います」（椿姫さん）

「スタッフ一同魂込めて作った作品を，こういう形でお披露目できて感無量です。DLCの作業も平行して進めていきますので，『MARVEL VS. CAPCOM 3』をごひいきにしていただければと思います。よろしくお願いします」（門脇氏）

「『MARVEL VS. CAPCOM 3』が出て，格闘ゲームのブームがまた来てもらえたら，新妻も嬉しいと思います。これから次世代に続く形で，続編を作っていければいいと思います。今日はありがとうございました」（萩原氏）

「MARVELさんとの交渉を含めると，5年，6年かかった長いプロジェクトでしたが，やっと皆さんにお届けできます。先ほど門脇も言いましたが，これからもスタッフ一同が頑張って，皆さんに面白いものを提供できればと思います。カプコンは今後も楽しめるゲームを出していきますので，『MARVEL VS. CAPCOM 3』と併せて，引き続きよろしくお願いします」（新妻氏）

「MARVEL VS. CAPCOM 3 Fate of Two Worlds」公式サイト