プレイレポート
PC向け人気RPGシリーズの最新作が,マルチプラットフォーム展開へ
ダンジョン シージ 3
スクウェア・エニックスから2011年7月28日に発売される「ダンジョン シージ 3」(PC / PlayStation 3 / Xbox 360)は,中世ヨーロッパを思わせる「エッブ王国」を舞台に,4人のキャラクターから1人を選んで冒険を繰り広げるアクションRPGだ。長い期間,王国の平和と人々を守ってきた騎士団が陰謀によって滅ぼされてから30年。現在は,王国の東を治めるジェイン・カシンダーという人物と,西を治める王家が絶え間なく争いを続けている。さらに,街を一歩離れるとモンスターや盗賊が徘徊するという状況で,人々は騎士団の再興を望んでいた。
ジェイン・カシンダーは,30年後の今でも依然として騎士団の根絶やしに熱意を持っており,彼女の放った追っ手の目を逃れるため,騎士団の子孫達は隠れて暮らしていた。そんなある日,騎士団の子孫達に集結の知らせが届く……というのがゲームのオープニングになる。
「ダンジョン シージ 3」公式サイト
ご存じのように本作は,2002年に発売された「Dungeon Siege」,そして2005年にリリースされた「Dungeon Siege II」に続くシリーズ第3弾だ。従来作を制作したのは,有名なゲームデザイナーであるクリス・テイラー氏が設立したGas Powered Gamesだが,今回のダンジョン シージ 3は,「Neverwinter Nights 2」「Fallout: New Vegas」などで,日本でも知られるObsidian Entertainmentが開発を担当している。これまでも何度か書いてきたように,前2作はPC専用タイトルだったが,本作はマルチプラットフォーム展開が行われ,PlayStation 3版とXbox 360版が制作された。というわけで,RPG好きのPCゲーマーには有名なシリーズではあるものの,コンシューマ機には初登場となるダンジョン シージ 3とは,果たしてどのようなゲームなのか。ここで簡単に紹介してみよう。ちなみに,今回プレイしたのは日本語Xbox 360版で,ローカライズは,英語音声と日本語字幕となっている。撮影は開発版を使用したので,製品版とは微妙に異なっている部分があるかもしれない。その点は,ご了承のほど。
シリーズ従来作の1つの特徴として,マップがシームレスに続いている点が挙げられるが,ダンジョン シージ 3でもその伝統は踏襲されており,いったんゲームが始まると,ローディングはほとんど発生しない。基本的には比較的リニアなマップ構造なのだが,そのため,本当に広い場所で冒険をしているような気持ちになれる。
キャラクターは,2011年5月3日に掲載した記事にもあるように,近接攻撃タイプの「ルーカス・モントバロン」,炎の精に変身できる万能型の「アンジャリ」,銃器による遠距離攻撃タイプの「カタリーナ」,そして魔法使いの「ラインハルト・マンクス」の4人が用意されており,そこから1人を選んでプレイを始めることになる。
キャラクター育成は,基本的に「アビリティ」の習得と強化という形で進めていく。経験値が溜まるとレベルアップし,そのときに得られる「アビリティポイント」を使って新たなアビリティを獲得するわけだ。さらにアビリティは強化することが可能で,同じくレベルアップのときに得られる「アビリティ強化ポイント」を使って,ランク5まで高められる。このへんのことは,2011年5月30日に掲載した記事でも説明したが,実際にやってみるとなかなか悩ましい。自分のプレイスタイルに合ったアビリティを効率よく強化することが攻略のキモになるわけだが,最初のうちはどれを選ぶべきかよく分からず,どれも魅力的に見えるうえ,ポイントの振り直しは利かないので,なかば「えいや!」と勘で決めなければならない。さらに,キャラクターの特技的なものを決める「タレント」という要素もあり,レベルアップのたびに頭をひねることになりそうだ。
もっとも,難度がノーマル以下の場合,少なくともゲーム序盤は育成ミスでゲームに詰まるということは起きないバランス。最初は,割と適当に育成しても大丈夫だろう。たぶん。
戦闘は,基本的に敵をターゲットして剣を振るうなり銃弾を撃つなりするという比較的シンプルなもの。これも難度によるが,近接攻撃型のルーカスの場合,相手がザコキャラ程度ならガチャプレイでもなんとかいける。もっとも,アビリティの選択/発動,剣/武器の持ち替え,攻撃/防御の切り替えといったテクニックを考え始めると,押すべきボタンも多くなり,当然ながらある程度の慣れは必要になってくるだろう。
体力の回復は敵を倒したときなどに出現する緑色の光の玉(オーブ)で,またアビリティの使用で減ったバーは,同じく青いオーブで回復する。また,そのへんにある樽や木箱を壊すと金貨が,さらにマップのあちこちに隠された宝箱からは武器や防具が出現したりするので,お金や武器,防具は普通に冒険しているだけで簡単に貯まっていきそうだ。序盤のとあるクエストをクリアすることで,商人からアイテムを購入できるようになるが,彼の扱う商品も多種多彩。ゲーム全体に,アイテム類はかなり豊富で,コレクター魂を刺激してくれるという印象を受ける。武器や装備の切り替えは,ゲーム中,いつでも可能だ。
……と,偉そうなことを書いているが,アクションがちょっと苦手な筆者は冒険の途中,やられるときはかなりあっさりやられてしまってガックリだ。もっとも,それが良いアクセントになっているのも事実で,じゃあ,次はこっちから攻撃しようとか,この武器を使ってみようという気分になる。上記のように,さまざまなアビリティやアイテムが用意されているため,工夫の余地は大きいのだ。
しばらくスイスイ進んでいくと必ず壁に当たるので,そこで頭を使い,考えた計画が図に当たって困難を打破したときは嬉しい。必ずしも個性の強いタイトルではなく,むしろ正統派。ストーリーや設定もそれほど凝ったものではないが,ついついプレイを続けてしまうという中毒性があるように思う。アクション要素が強いため,繰り返し挑戦することで腕が上がり,レベルが低くても強い敵に勝ててしまったりということも起きる。それぞれのキャラクターの個性も強いので,リプレイアビリティも高そうだ。グラフィックスは圧巻と言うほどではないにせよ十分に美しく,エフェクトも派手。繰り返し遊べるタイトルを探しているなら,選択肢の1つに入れても良さそうだ。なお,発売が迫ったきたら,詳しいレビューを掲載する予定なので,ぜひ楽しみにしていてほしい。
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