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日本人UFCファイターがゲームで激突! 「UFC Undisputed 2010」岡見勇信 vs. 秋山成勲 公開スパーリングをレポート
八角形の金網の中で,打撃,投げ,関節技を使った“なんでもあり”のルールで行われる過激なスポーツ,総合格闘技(MMA)。その世界最高峰の舞台といわれるイベント「UFC」(Ultimate Fighting Championship)で実際に活躍している2人が,ゲームで対戦するというイベントは,いかなる結末となったのか。
対戦後の合同インタビューも含めて,詳しくお届けしていこう。
「UFC Undisputed 2010」公式サイト
今回は,その室内に大型の液晶モニターが設置され,そこに映し出されたUFC Undisputed 2010を見ながら,イベントは進行していった。
※以下,ご本人を〇〇選手,ゲームのキャラクターを○○と敬称略で記述
公開スパーリングは,岡見と秋山のドリームマッチをゲームを使って行うという趣旨。まずはユークスの開発スタッフ2名がコントローラーを握り,試合開始のホーンが鳴らされた。
それを見ながら,普段は一緒に練習をする間柄である2選手は,「前作(のエディットモードで作られたキャラクターモデル)はあんまり似てなかったからね(笑)」(秋山選手※関連記事),「僕も似てなかったんですよ(笑)。でも,今回はサウスポーまで再現されていますね」(岡見選手)と,和気あいあいとしながら試合展開を見守った。
1ラウンドの立ち上がりは,スタンドの攻防。「今回は僕のサウスポー構えも再現されていますね」と,岡見選手がゲームの再現度に再び言及している間に,秋山が徐々に打撃で押し始める。ラウンド中盤には,岡見の蹴り足をキャッチした秋山が逆の足を刈ってテイクダウンに成功。その後も,得意の投げからグラウンドの展開に持ち込み,金網に押し込んでの打撃で流血させるなど,秋山優勢のままラウンドは終了した。
インターバル中に感想を聞かれた2人は「レフェリーとかカットマンまでがそっくりですね」(岡見選手),「本物の試合を見ているような気になりますね。いやーリアルだわ」(秋山選手)と,前作以上に再現度の増した映像に引き込まれている様子であった。
2ラウンドは,前ラウンドとは逆に岡見が攻める。スウェーやダッキングで秋山の打撃をかわすと,投げを放つ秋山の体制を崩してマウントを奪取。パウンド攻撃ののちに一度は立ち上がられるが,先日のムニョス戦を思わせるシングルレッグのタックルを執拗に狙い,再度のテイクダウンに成功。
スタンドに持ち込みたい秋山に対し,クロスアームバーやリア・ネイキッドチョークを立て続けに仕掛けるなど,息を呑む展開が続いたが,仕留め切れずラウンドアップとなった。
開始直後こそ慎重に距離を取った両者だが,一度距離が縮まると打撃が立て続けに飛び交う乱打戦に。その攻防の中,秋山が放った右パンチの引き際に,岡見の左ハイキックがズバリ直撃。テンプルへの強烈な一撃は,さすがの秋山も耐えきれず,3ラウンド58秒に岡見選手がTKOを勝ち取った。
岡見選手と秋山選手への質疑応答
秋山選手:
自分の場合,自分専用のは投げ技が組み込まれていると聞いたので,そういうのを出してもらえたら嬉しいです。
岡見選手:
ゲームでは(判定ではなく),ちゃんとフィニッシュしてもらえるように(苦笑)。実際に自分が戦っているような感覚が味わえると思うので,そういうのを意識して遊んでもらえたら,もっと楽しいのかなと。
――ご自身以外の選手を使うとしたら,どんなカードを組んでみたいでしょうか。それと,秋山選手は最近テレビ番組での解説をされていますが,その観点から見てこの勝負はいかがでしたか。
秋山選手:
キャッチウェイト(階級に縛られない)での試合も組めるとのことなんで,現実では絶対にありえない試合が組めますから,そういうのを見てみたいですね。ゲームには英語の実況しか入っていないので,自分の声が解説として入ったら嬉しいと思いますね(ニヤリ)。
岡見選手:
やっぱり自分のことをアンデウソン(シウバ)に挑戦させてみたり,いろいろな夢のカードを組んでみたいですね。キャッチウェイトができるなら,アンデウソン対ライトヘビー級の選手とか,面白いカードがいっぱい組めると思うので,そういうのがいいんじゃないでしょうか。
――選手の視点から見て「こういう部分が似ている!」という部分はありましたか?
秋山選手:
各選手の特徴をとらえた動き,タックルやガードポジションからのパス,あるいは逃げ方といった細かい部分までが忠実に再現されているな,と思いました。だから,プロでやっている連中にも,いいイメージトレーニングになりそうですね。
岡見選手:
スポンサーのロゴや選手のTシャツ,レフェリーからラウンドガールまでホンモノそのままなので,まるごとUFCが入っているんだな,と。本場の雰囲気を堪能できると思います。
――お二人は,イメージトレーニングのため,本作を遊んでみようと思いましたか?
秋山選手:
ええ。次の試合の対戦相手も決まっているので,遊びも兼ねつつ,本気半分でやりたいと思っています。
岡見選手:
そうですね。そういう使い方も面白いと思います。次戦はたぶん,アンデウソンじゃないので(苦笑),リアルに「この選手が来そうだな」という相手と対戦して,イメージトレーニングしたいと思います。
秋山選手:
先程も話したように,解説の吹き替えで自分の声が入ったらいいなというのが第一。それと,日本武道館であったり,横浜アリーナ,さいたまスーパーアリーナといった会場が入れば,日本のファンの人には喜ばしいんじゃないかと思いました。
岡見選手:
(現状での完成度が)ほとんどカンペキなんで……日焼けしたバージョンとか?(笑) 金髪とかタトゥーの入ったバージョンとかがあったら面白いかな。
――では,ゲームだけでしかできないような技を,自分のキャラクターに一つだけ入れてもらえるとしたら,どんな技がいいですか?
秋山選手:
そうだなぁ……まぁ,GSP(ジュルジュ・サンピエール選手の)タックルぐらいじゃないですか?
岡見選手:
UFCだと,パワーボムやリフト系の技で決まることが多いので,そういうのが入ると面白いんじゃないですか。
――ところで,今日の対戦に備えて,お二人はどれくらい練習されたんでしょうか?
秋山選手:
自分は今,ゲームをほとんどやっていないので,道場に来てからちょこちょこいじらせてもらった程度です。でも,岡見くんはどうも(前作を)持っているらしく……。そりゃ俺よりも強いっすよね(笑)。
岡見選手:
前作でたくさん遊ばせてもらっていたので,勝ててラッキーだと思ってます(笑)。ホントに面白いゲームなので,けっこうハマります。
――ゲームで岡見選手にKOされた率直な感想を聞かせてください。
秋山選手:
岡見君とはよく練習はさせてもらうので,あんな風になることはあまりないんですが……。ハイキックの打ち方とかは,岡見君の感じと凄く似ていたのでイメージが沸くなと思いました。
もし僕が岡見君と試合することになったら,僕も頑張ってゲームでイメージトレーニングしたいと思います(笑)。
――以前と比べて日本の総合格闘技シーンは下火になっていると思いますが,今後どのようにすれば日本のファンが拡大していくと思いますか?
秋山選手:
難しいことはたくさんあります。現実に,格闘技バブルははじけたと,自分は認識しています。
自分個人の考えとしては,トップで頑張っている選手のファイトマネーの額が上がれば,選手みんながその夢に向かって頑張ると思うんですよね。イコールみんなが見る,イコール人気が出る。分かりやすくいうなら,そういうところじゃないかと。UFCでも,トップの選手は億クラスでもらっているので,そういうところにみんなが憧れや頑張りを持てれば。
今の日本にはそういう選手がいないので,それが出れば,ちょっとは変わるんじゃないかと,率直に思います。
岡見選手:
僕は格闘技っていうのは日本の文化だと思っていて,みんな格闘技が好きだと思うんです。
今はアメリカで凄くブームになっていますけど,日本もこれから秋山さんが言うようにギャラが上がったりとか,選手が戦いだけに集中できる環境が整えられていけば,まだまだ全然イケると思います。なので,そういった環境を整えるのが重要なのかなと。
――このクラウド秋山道場は,どういった年齢層の方々が通っているんですか?
秋山選手:
下は中学生から上は60歳を超えた方までが通われています。イメージはいかめしいかもしれないですが,女性の方も来てくれています。
それに,プロの練習時間は分けているので,痩せたい人,きれいになりたい人に向けて作った道場という感じですね。それに,取材に来てくださった皆さんは分かったと思いますけど,臭くないでしょ?(笑)
ジム=臭いというイメージと違うのが,女性が来てくれるポイントかなと。
――お二人とも,日本でのプロ活動を経て海外に戦場を移しましたが,そこでの環境の違いや大変さをお聞かせください。
秋山選手:
自分の場合,昔から海外で試合をしていたことがあるんですが,会場の雰囲気はやっぱり違うんですよね。
それに,海外の人は(ファイターを)凄くリスペクトしてくれるので,そういった分かりやすさが好きで,そこは日本とは違うかなと。
岡見選手:
確かに日本とは環境が違っていて,お客さんの盛り上がり方にしても文化の違いを感じます。
――では国内と海外の試合,どちらが好きですか?
岡見選手:
どちらが好きということよりも,選手としては,やっぱり終始静かなよりも,盛り上がりどころでは騒いでもらって,つまらないときはブーイングしてもらって……という分かりやすいほうが,選手としてもにもイベント的にも一番面白いんじゃないかと思います。
秋山選手:
自分は,正直どっちも好きなんですけども……まあ,どこへ行ってもアウェー感があるので,どこでも一緒かなと。
PS3版には,限定ファイターなど日本だけの豪華特典が収録!
なお,本作ではPS3版のみに,下記の限定特典が収録される。いずれも格闘技ファン垂涎の特典となっているので,お見逃しなく。
(1)PlayStation 3限定ファイター
追加レジェンドファイター
・ホイス・グレイシー
・ジェンス・パルヴァー
・ダン・スバーン
(2)PlayStation 3限定ファイト
・カーロス・コンディット vs. マルティン・カンプマン
・マット・ヒューズ vs. ホイス・グレイシー
・フォレスト・グリフィン vs. キース・ジャーディン
・ネイト・マーコート vs. デミアン・マイア
・マルティン・カンプマン vs. ドリュー・マックフィールズ
(3)PlayStation 3限定ムービー
・チャック・リデル vs. ヴァンダレイ・シウバ
・ジョルジュ・サンピエール vs. BJ・ペン
・チャック・リデル vs. ヴァンダレイ・シウバ
・リョート・マチダ vs. ラシャド・エヴァンス
・ブロック・レスナー vs. フランク・ミア
・フォレスト・グリフィン vs. ステファン・ボナー
「UFC Undisputed 2010」公式サイト
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