プレイレポート
シリーズ初心者が挑戦してみた「真・三國無双6」プレイレポートを掲載。シリーズ作品を未プレイの人にもオススメのアクションゲームだ
今回,「無双」シリーズのプレイ経験があまりない筆者が,発売を前に本作をプレイできる機会を得たので,初心者目線で本作の内容を紹介していきたい。シリーズのファンだけでなく,“「無双」シリーズに興味はあったが,未だにプレイしたことがない”といった人も,ぜひ内容を確認してほしい。
「真・三國無双6」公式サイト
アクションゲーム初心者でも安心のチュートリアル
2000年にシリーズ第1作「真・三國無双」が発売されて以来,「戦国無双」「ガンダム無双」などの多様な派生作品を生み,今や,普段ゲームを遊ばない層にまで,その名がしっかりと浸透した感のある「無双」シリーズ。
これほどの人気シリーズであるが,冒頭にも述べたように,実は筆者はこれまで「無双」シリーズに触れたことがほとんどなかったのだ。
もちろん,その爽快感を売りにしたゲームシステムには魅力を感じるし,以前からプレイしたいとは思っていたのだが,シリーズが発展していくにつれ,“手を出すタイミングを見失った”“今からプレイを始めても,その内容についていけるのだろうか?”という思いが先に立ち,なかなか手を伸ばせずにいたのである。
読者の中にも,「無双」などのゲームに限らず,長く続いているシリーズ作品に対して,似たような思いで二の足を踏んでいる人は少なくないのではないだろうか? だが,どうやら今作「真・三國無双6」は,そうした無双未体験のプレイヤーを意識した作りになっているのだという。筆者にとっては,まさに渡りに船。さっそく,コントローラーを手にプレイを開始してみた。
今作のメインとなるゲームモードは「ストーリーモード」と「クロニクルモード」の2つで,このほかにも,初心者や,「無双」シリーズはご無沙汰のプレイヤーがアクションを練習できる「チュートリアル」,そして三国志の世界観や人物に関するデータを参照できる「事典」が用意されている。そのため,「無双」シリーズはもとより,三国志について予備知識のない人でも安心して楽しめる作りになっている。また,武将のモデルやゲーム内で獲得した壁紙等を鑑賞できる「ギャラリー」があるので,やり込みのコレクション要素もぬかりなくおさえられている。
では初心者らしく,まずは「チュートリアル」からプレイしてみよう。チュートリアルは「基礎」から「総合」までの5つのステップに分かれており,講師役の関羽の指導を受けつつ,実際に関平(関羽の子)を操作しながら順番に操作を練習できる。その内容は,左スティックでの移動方法から,□ボタンと△ボタンを組み合わせた連続攻撃の出し方まで,初歩中の初歩から一つずつ丁寧に教えてくれるというものなので,そもそもアクションゲームに慣れていないという人でも安心だ。なお,チュートリアルでは今作の新アクションである「ヴァリアブル攻撃」や「EX攻撃」の練習もできるので,シリーズに慣れている人も一度はプレイしておくと良いだろう。
シームレスに大きな物語が楽しめる「ストーリーモード」
チュートリアルで一通りの練習をしたところで,メインモードのひとつ「ストーリーモード」に挑戦だ。
ストーリーモードは,従来のシリーズにおける「無双モード」にあたる内容だが,各武将ごとに物語が分かれていることの多かった無双モードに対し,今作のストーリーモードは,勢力単位の大きな物語を追っていく内容となっている。そのため,三国志の世界観が分からず「蜀ってなんて読むの?」というような人でも,歴史を追って一からストーリーが楽しめるはずだ。いや,筆者は読めましたよ。
まずはプレイする勢力の選択だが,お馴染みの“魏”“呉”“蜀”の三勢力に加え,今作では新たな勢力として“晋”が登場している。晋も気になるところだが,今回は劉備の率いる蜀を選び,「天国」〜「修羅」(いわゆるVery Easy〜Very Hard)の5段階に分かれている難易度は「普通」を選択。
始めに長めのローディングが始まった。本作ではいわゆるメディアインストールなどの設定はないのだが,どうやら,こうしたローディング時にゲームディスクからPS3本体のハードディスクへとデータのインストールが行われているようだ。
ローディングが終わると,イベントデモがスタート。賊に襲われる村人を劉備達が救うデモシーンを観ていると,カメラが劉備の背後へと回り込み,そこからシームレスに戦闘が幕を開けた。イベントデモから戦闘パートへとあまりに自然に移行するため,“え,もうゲームが始まってるの?”と,つい慌ててしまったほどだ。
チュートリアルで習った基本アクションに従って劉備を操作し,最初のステージを難なくクリアすると,インターミッションへと突入。“黄巾の乱”によって激動の時代へと向かいつつある中国で,劉備・関羽・張飛の義兄弟が戦渦に飛びこむ――と,基本的な人物や時代設定がナレーションによって紹介される。インターミッション後の“集落”では,人々との会話や武器の作製ができ,関羽に話しかけて「戦闘の開始」を選択すると,集落の門が開き,集落から戦闘へとまたもシームレスに突入していく。
次のステージの目標は,黄巾の乱の首謀者である張角を倒すことだ。ゲーム開始からわずか2ステージ目だが,あっという間に基本の操作法は把握でき,無数の兵や武将をサクサクとなぎ倒しながら進軍していく。アクションについては,やはりさすが「無双」と言うべきか,文句なしの爽快感である。
通常攻撃とチャージ攻撃の連続攻撃や「無双乱舞」などのシリーズお馴染みのアクションはもちろんのこと,新アクションである「ヴァリアブル攻撃」(攻撃しながら武器を切り替えるアクション)や「EX攻撃」(武将の得意武器を装備しているときだけ発動可能な攻撃)についても,すぐに馴染んでプレイできた。
なお,ゲーム開始時点では武器を使い込むと習得できる「印」(武器ごとの特殊能力)が少なく,「武功」(敵武将を倒すと獲得できるポイント)の消費で得られる「特技」の種類も限られていた。そのため今回のプレイでは深くまでは体験できなかったのだが,これら「印」や「武功」によって,ステータスが上昇したり,新たな無双乱舞を習得したりと,遊べば遊ぶほどにアクションの奥深さも増していくのだ。
このように,ゲームシステムは非常に洗練されているのだが,強いて気になった点を挙げるとすれば,「馬呼び」がややぎこちなく感じられたことだ。L2ボタンで「馬呼び」を行うと,少し間をおいて,自分の背後に馬がスッと現れる。
そのため,カメラアングルによっては馬の姿が見えず,一旦カメラを後ろへ回さないと馬が来たことに気付かない……という場面もあった。これは,プレイヤーの慣れの問題かもしれないが,馬がやって来た際にエフェクトを表示するなど,視覚的に分かりやすくなれば言うことなしだろう。
とにかく今回のプレイで非常に驚かされたのは,イベントデモや集落などの場面からシームレスに戦闘へと移行していく点だ。プレイヤーキャラクターが交替する際など,インターミッション前にローディングが入ることもあるが,それ以外はほぼ待ち時間ゼロ。
ローディングが入る場面とそうでない場面とのメリハリが効いているため,「無双」の爽快感が存分に味わえるのだ。また,インターミッション中にオートセーブが行われるのも好印象。これらは細かな仕様だが,ゲームへの没入感を損なわないための工夫として,非常によく出来ている。あまりにテンポ良く遊べるため,良い意味で“やめ時が見つからない”といったところだ。こういった仕様は,ぜひ今後の「無双」シリーズやほかのアクションゲームでも取り入れてほしいと思う。
「クロニクルモード」は自由度が高く,やり込み甲斐も抜群!
続いて,もう一つのメインモード「クロニクルモード」もプレイ。史実に沿って特定の武将を操作しながら攻略していくストーリーモードに対し,こちらのモードは武将やステージを任意に選択可能な,自由度の高い内容となっている。
クロニクルモードのマップはシミュレーションRPGのようなヘックス(六角形)のステージで構成。中国大陸の最北東“幽州”の都城からスタートし,隣り合ったステージを順番にステージしていき,最終的には大陸全土のステージクリアを目指すのだ。
ステージは,クリアすることによって新たな武器やステータスアップ等のボーナスが得られるものや,特定の武将を操作して挑戦する「列伝」など,いくつかの種類に分かれている。
「列伝」の内容は史実における名場面を再現したものや,本来ではあり得ない組み合わせの対決が楽しめるものなどバラエティに富んでおり,クリアすると操作可能な武将が増えたり,「ギャラリー」の項目が追加されるなどの特典がある。ステージ数は非常に多いため,一通りクリアするだけでも相当なやり応えが味わえるはずだ。
そんなクロニクルモードの大きな特徴は,好きな武将を使ってプレイできることと,ステージごとに難易度を選択できる点だろう。今回筆者は,まず「天国」や「易しい」でプレイし,武将が成長したら高難易度で挑戦する,といったプレイスタイルで挑戦していた。
また,プレイを重ねれば重ねるほど武器や印,武功などがどんどん集まっていくため,ストーリーモードで行き詰まったら,クロニクルモードへ“出稼ぎ”に行くのもオススメだ。というのも,ストーリーモードとクロニクルモードで,武器や印などのデータが共有されているからだ。
さらに,クロニクルモードは2Pプレイにも対応しており,PlayStation Networkを介してのオンラインプレイも可能となっている。フレンドがいなくてもオンラインで仲間の募集が行えるため,どうしてもクリアできないステージがある場合など,ほかのプレイヤーの力を借りてみてはいかがだろうか。
止め時が見つからないまま,“もっとプレイしたい”という後ろ髪を引かれつつ,今回のプレイはここまでとなった。時間の都合から,各モードのさわりの部分だけしかプレイできなかったのだが,それでも「真・三國無双6」の面白さは十分に感じ取れたと思う。さらにやり込んで,印や武功が揃い始めれば……と思うと,続きが気になって仕方ない。製品版で,じっくりと楽しみたいところだ。
さて,記事の冒頭で記した“今からプレイを始めても,その内容についていけるのだろうか?”という懸念についてだが,ここまで読んでもらえればおわかりのとおり,それはまったくの杞憂だった。これまでシリーズ作品ということで,手を出すタイミングを見失ってしまっていた人にとっては,まさに今こそが「無双」シリーズを始める最大のチャンスだ。
もちろん,これまでのシリーズをプレイしてきたプレイヤーだからこそ,ヴァリアブル攻撃をはじめ,“今回はこう来たか!”と進化が感じられる部分も多くあるはずだ。「真・三國無双6」は,そうしたシリーズファンはもちろん,初心者も含めて幅広い層が安心して楽しめる作品に仕上がっていると言えるだろう。
「真・三國無双6」公式サイト
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- 真・三國無双6(通常版)(初回封入特典「趙雲”三國無双”コスチュームダウンロードシリアルコード」同梱)特典「特製ボールペン」付き
- ビデオゲーム
- 発売日:2011/03/10
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