［TGS 2012］「ファンタシースターオンライン2」，TGS最後のステージでは開発陣が質問に回答。そこから見えてくる今後の構想とは

　東京ゲームショウ2012最終日となった2012年9月23日，セガブースにてオンラインRPG「ファンタシースターオンライン2」（以下，PSO2）のステージイベントが行われた。

　TGS 2012におけるPSO2関連ステージの最後を飾る本イベントでは，プロデューサーの酒井智史氏を始め，PC版の開発ディレクター木村裕也氏，PS Vita版のディレクター菅沼 裕氏，「ファンタシースターオンライン2 es」（iOS/Android 以下，PSO2es）のディレクター増山寛章氏と，PSO2関連の開発陣が勢揃いして，前日募集したプレイヤーからの質問に20分間ひたすら答え続けることに。

　本稿では，このステージで出てきた15の質問と，その回答のすべてをお見せしよう。なお，本文では質問を少し要約している。

左から酒井氏，木村氏，菅沼氏，増山氏の4人。なんと木村氏，9月22日まで黒髪だったのに突如金髪で登場した。いわく，究極のキャラクタークリエイトをしてきたらしい

・Q1
　TGS 2012でPS Vita版を試遊した際，タッチパネルからテクニックのチャージができなかったが，製品版ではできるようになるのか。


・A1
　製品版ではできるようになる。


・Q2
　PS Vita版でPC版と同じキーバインド（配置）にできないか。


・A2
　PS Vitaとゲームパッドではボタンの数が異なるため，まったく同じというのは難しい。ただし，タッチでメニューのショートカットをできるようにするなど，操作性を重視してカスタマイズをしていく。


・Q3
　PS Vita版でも，シップ内で同じチームに所属しているプレイヤーと一緒に遊べるか。


・A3
　PS Vita版のサービスインと同時に，PC版とPS Vita版のプレイヤーが一緒に入れるブロックをシップ内に増設する予定なので，そこでならば協力プレイが可能。チーム関連の機能はPS Vita版でも使えるし，もちろんチームチャットはPC版のプレイヤーに届く。



・Q4
　PS Vita版は，PS Vita1台につき1アカウントなのか。


・A4
　アカウントはメモリーカードに紐付いているので，メモリーカードを複数枚持っていれば，切り替えは可能。ただし，セガIDとPlayStationアカウントも複数必要になる。


・Q5
　PS Vita版はPS Storeからダウンロードするのか。


・A5
　PS Storeからダウンロードする。基本プレイ無料で，もちろんダウンロードも無料。ただ，パッケージ版もほしいという要望があれば，それも検討したい。


・Q6
　従来作のように,PS Vita版でオフラインプレイができないか。


・A6
　できない。アドホックモードでのプレイにも対応しない。あくまでも，常時オンラインに接続して遊ぶタイトルに。


・Q7
　スマートフォン版（PSO2es）からのフレンド登録について。


・A7
　スマートフォン版同士のフレンド登録はできるが，PC版とスマートフォン版でフレンドになることはできない。これは，PC版がシップ間をまたぐフレンド機能に対応していないことと，そもそもPC版とスマートフォン版とでサーバーが異なるため。逆にいえば，スマートフォン版では異なるシップのプレイヤーともフレンドになれる。


・Q8
　PS Vita版で全国大会イベントなどを開催する予定はあるか。


・A8
　開催したいとは思っているが，現状は未定。ただ，近く東京でPSO2に関連した何かしらのイベントを行う予定がある。このイベントは，比較的小規模なものにする。


・Q9
　今後，武器やユニットに固有の特殊効果が付く可能性はあるか。


・A9
　性能が良いものばかりが使われていて，装備の差別化ができていない現状は認識している。これは開発側も危惧しており，武器に関しては改善策をすでに準備中で，例えば，カスタマイズという形で何かしらの特殊能力の付いた武器を作成できるようなシステムを構築している。お気に入りの武器をずっと使えるようなものにしたいとのこと。


・Q10
　リリーパ族スーツを出してほしい。


・A10
　開発側もかわいいと思っているので，やりましょう。


・Q11
　マグを育て続けると，女子化するというのは本当なのか。


・A11
　本当ではないが，マグについては今後もさまざまなデバイスを出していく予定がある。例えばロボットや動物をイメージさせるものを検討している。女の子は予定にないが，「こんなマグがほしい」という要望があれば検討したい。


・Q12
　ACスクラッチで終了したアイテムの再販売はあるか。


・A12
　人気のあったものはリバイバルしていく。時間は空いてしまうが，カラーバリエーションを追加するなどしていきたい。


・Q13
　先日発表されたサブクラスによって，プレイヤーはすべてのサブクラスのスキルを使えるとのことだが，パッシブやアクティブを問わずすべて使えるのか。


・A13
　パッシブやアクティブを問わず，スキルツリー内のすべてのスキルを使用できる。ただ，例えば，ウィークバレットはアサルトライフルでしか使えないなど，武器に依存したスキルはその武器を装備しないと発動できない。ちなみに，サブクラスから受け継がれるステータスは20％だが，能力アップ系のパッシブスキルは100％適用される。


・Q14
　全クラス対応武器は増えるのか。


・A14
　サブクラスが実装されるタイミングでドロップを増やし，これまでになかったカテゴリの全クラス対応武器を追加する予定。


・Q15
　マルチパーティーエリアのマッチングシステムを改良する予定はあるか。


・A15
　クエストカウンターからほかのパーティに参加する際に不便を感じているプレイヤーが少なからずいるようで，要望の多い箇所と認識している。例えばパーティプレイをしたいが，ほかのプレイヤーがパートナーキャラクターを連れているためにマルチパーティーエリアの12人枠が埋まってしまっているといった問題は改善予定。例えばブロックごとにクエストカウンターのルールを変更するといった構想がある。

　実際に寄せられた質問は170件以上あったそうだが，今回の制限時間で答えられたのは上記15件。比較的コアな質問が多く，回答から開発陣の構想が垣間見えた濃い20分間だった。また，リリーパ族スーツの実装がその場で決定されるなど，ファンサービスも旺盛なステージとなった。

ステージの後半では，TGS 2012期間中に公開された今後のアップデートに関するムービーがあらためて上映された

　また酒井氏は，サービスインからして2か月と少し，間もなく100万IDに到達するなど，多くのプレイヤーに支持されている現状に感謝を述べた。PS Vita版を試遊したプレイヤーの反応からも手応えを感じているようで，2013年春のサービスイン前にはβテストも行いたいと話していた。
　PSO2esに関しても，連動の新しい形を提供しつつ，スマートフォンで楽しめるゲームがソーシャルゲームだけでないということを，新しいゲームの形を通して見せていきたいと意気込みを語った。

　ファンタシースターシリーズは今年で25年周年。次の30周年に向けて，PSO2をフラッグシップとして歩んでいくという。

「ファンタシースターオンライン2」公式サイト