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【PR】三菱電機「MDT231WG」徹底検証。残像感の低減と低遅延を両立させた,これがゲーム用ディスプレイの一発回答だ
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印刷2010/12/13 12:00

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【PR】三菱電機「MDT231WG」徹底検証。残像感の低減と低遅延を両立させた,これがゲーム用ディスプレイの一発回答だ

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MDT231WG
メーカー:三菱電機
問い合わせ先:お買い物相談窓口 03-3424-9298(月〜金曜,9:00〜12:00および13:00〜17:00)
実勢価格:10万4000〜11万8000円程度(※2010年12月13日現在)
※画面ははめ込み合成です
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 「ゲーマー向けの液晶ディスプレイ」と一口にいっても,さまざまな製品が市場には存在している。表示遅延の短さに特化したものや,120Hzの倍速駆動に対応して,滑らかな描画を実現したもの,多くの入力端子を持ち,PCやゲーム機を複数接続できるようになっているものなどなど,実に多彩だ。

 ただ同時に,一芸,もしくはよくても“二芸”程度に特化したものが多く,一部分を切り取れば優れているものの,全体のバランスが取れていた製品というのは,これまで見当たらなかった。とにかく表示遅延が短いとか,特定のゲームジャンルに向いた製品は確かにあったのだが,これらを使用するということはつまり,“それ以外の要素について妥協する”ことになる状況だったといえる。さまざまなジャンルのゲームで使える液晶ディスプレイ製品を買いたいというニーズに,一発回答を示せる製品はなかったのだ。

ディスプレイ解像度は1920×1080ドット。いわゆるフルHD仕様だ
※画面ははめ込み合成です
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 ところが,最近になって,その状況に一石を投じる可能性を持った製品が登場してきた。それが,2010年11月30日に発売された,三菱電機の23インチワイド液晶ディスプレイ「MDT231WG」である。
 同社のマルチメディア向けディスプレイ製品に与えられるブランド「VISEO」(ヴィセオ)の名を冠した新製品として,初めて「ゲーマー向け」と明言されたMDT231WG。IPS方式の液晶パネルとLEDバックライト制御技術を組み合わせることで,動画ブレ(残像感)の少ない表示を実現したほか,超解像エンジン「ギガクリア・エンジンII」の採用によって,低解像度のゲーム画面を自然に拡大できる点など,VISEOブランドの看板に恥じぬ,多機能な製品に仕上がっている。

 しかし,厳密にいえば,MDT231WGの真骨頂はそこにはない。いや,「そこだけではない」というべきだろうか。
 MDT231WGで真に注目すべきは,多機能型ディスプレイ製品にありがちな「遅延が大きく,アクションゲームには不向き」「遅延を短くしようとすると,結局,高画質化機能を無効化しなければならない」という問題に,真正面から取り組んでいることなのだ。多機能さと,遅延の少なさの両立を目指しているというわけなのである。
 では実際のところ,その取り組みは実を結んでいるのか。今回は,MDT231WGを徹底的にテストし,実力を明らかにしてみたいと思う。

三菱電機のWebサイトでMDT231WGをチェックする



「リフティングターン」で縦型表示に対応

PSPの画面も全画面拡大もばっちり


スタンドは高さ調節にももちろん対応
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 テストに先立って,MDT231WGというハードウェアを概観しておこう。
 本体サイズは543(W)×最大447(H)×226(D)mm(※スタンド含む)で,23インチワイドディスプレイとしては一般的な大きさ。質量は約11kgなので,こちらは一般的な製品と比べると多少重いが,画面部を左右それぞれ35°回転させたり,上に20°や下に5°傾けたりしてもどっしり構えたままでいてくれるのはなかなか優秀だ。

最近の安価なディスプレイだと,上下方向の傾けに対応していないものも多いが,MDT231WGはその点ぬかりない
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 そんなMDT231WGにはもう1つ,「リフティングターン」という,いわゆる縦型表示機構がある。上に示した真横からの写真で,ずいぶんと奥行きがあると感じたかもしれないが,実はこれこそが,「リフティングターン」を実現する機構なのだ。

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本体背面から見たカット。スタンドが,画面部と直接つながっているのではなく,間に本体ブロック部があるのがよく分かる
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台座部の上面,本体正面から向かって右上部にスライドスイッチがあり,ここが「リフティングターン」用のロック解除機構となる

 MDT231WGでは,画面部とスタンドの間に,制御系のボタン類と2.1chスピーカーシステムを内蔵した本体ブロック部が存在。画面部を動かしてもスピーカーシステムが常に本体下部へ配置されるよう,縦型表示にあたって,画面部だけが持ち上がって(lifting)向きを変える(turn)ような仕掛けになっている。

「リフティングターン」で縦型表示しているところ。画面部の左側を持ち上げると,途中でいったん止まるので,そこからさらに画面部を持ち上げるようにすると,簡単に縦型表示できる。ちょっとコツはいるが,慣れてしまえば簡単だ。ちなみに,中央の写真でちらりと見えているスリットはサブウーファのもの
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本体ブロック部の下部には,制御系のボタンとスピーカーシステムが取り付けられている。スピーカーユニットが内蔵されているのは,写真でMITSUBISHIロゴの左右部分
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 アーケードからの移植作となる縦スクロールシューティングの場合,縦型表示に対応しているものが少なくない。だが,縦型表示に対応したゲーマー向けディスプレイ自体は珍しくないものの,回転させると,ボタン類やスピーカーの位置も一緒に動いてしまうため,「せっかく縦型表示にしたら,音がディスプレイの左右どちらかしか出なかった」という,間が抜けた事態になってしまいかねないのだ。「リフティングターン」は,縦型表示での常用をしっかり想定した機構,というわけなのである。

ケイブのXbox 360用縦スクロールシューティング「虫姫さまふたり Ver 1.5」。ゲーム側に,ディスプレイの縦型表示に向けた柔軟なグラフィックス設定が用意されているので,「リフティングターン」を使うと,単純に縦型表示させたり,画面を大きく使って表示させたりできる
(C)2006 CAVE CO., LTD. (C)2009 CAVE CO., LTD.
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 入力インタフェースは,映像用がDVI-D×1,HDMI×2,D-Sub 15ピン×1,D5,S/コンポジット。音声用がHDMI×2(※映像と共用),PC用ステレオミニ×2,モノラルRCA×4(ステレオ2系統)となる。こうやって並べると複雑に思えるかもしれないが,映像と音声入力のどれを使うかはそれぞれ付属のリモコンから簡単に選択できるため,実際の利用にあたって,悩むようなケースはほとんどない。

 また,入力ソースの解像度に合わせてアスペクト比を設定できる「AVアスペクト」機能も,MDT231WGは搭載している。選択肢は「自動」「16:9」「4:3」「ポータブル」と用意されており,例えばアスペクト比4:3のゲームを全画面表示したときには,画面の両サイドに縦帯が入った形で,アスペクト比を保持したまま拡大してくれる。

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接続インタフェース群。PCや据え置き型ゲーム機以外の接続が想定されたアナログ入力部は,使わないときはカバーで覆っておける
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VISEOシリーズ伝統の付属リモコン。MDT231WGの仕様に合わせてボタンの用途が一部変更されているが,基本デザインや使い勝手は従来製品同様だ


編集部にある,一般的なテレビ製品にPSPのゲーム画面を表示させたところ。画面中央に小さく表示されてしまう
(C)1995,2010 SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved.
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 「ポータブル」という設定項目が気になった人もいるだろうが,誤解を恐れず断言するなら,これはPSPを接続するためのものである。
 PSPは「720×480ドット解像度の中央部480×272ドットにゲーム画面を表示する」という仕様になっているため,そのままディスプレイデバイスと接続した場合,“画面がちょっと小さくなる”というか,非表示エリアの中央に表示されることになってしまう。だが,MDT231WGの「ポータブル」設定なら,23インチワイドパネル全体に表示できるので,「PSPのタイトルを,自宅では大画面で遊びたい」というニーズを満たせるわけだ。

PSP用のシミュレーションRPG「タクティクスオウガ 運命の輪」を,D5端子経由でMDT231WGへ出力したところ。メニューの「サイズ位置」ー「アスペクト比」で「ポータブル」を選択すると(左),ご覧のとおり,ディスプレイ全体にゲーム画面を表示してプレイできる
(C)1995,2010 SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved.
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 入力系について1つ付記しておくと,音声信号は,前述の2.1chスピーカーシステムから再生できる。3W+3Wのサテライトと5Wのサブウーファという構成は,正直に述べて「音楽をがっつり楽しむ」には力不足だが,ゲームのBGMや効果音,ボイスをカジュアルに楽しむなら十分。むしろ意外に低音の迫力があって驚いたくらいだ。
 ミニピンのヘッドフォン出力に加え,光角形のS/PDIF出力とミニピンのライン出力も用意されているため,ヘッドフォンでゲームサウンドを楽しんだり,デジタルやアナログで外部のサウンドシステムにスルー出力したりといったことも行える。



視認性の高いIPSパネルを採用

超解像処理はかなり使える


 冒頭でも述べたとおり,MDT231WGはIPS方式の液晶パネルを採用している。
 これがどういう意味を持っているのかについては,例を挙げて説明するほうが分かりやすいだろう。安価な液晶ディスプレイでほぼもれなく採用されているTN方式は,視野角が狭いため,正面から相対して画面を見る用途なら問題ないのだが,例えば多人数でプレイするときなどは,座る場所によって,色味に違和感を覚えることがある。とくにTN方式は,縦方向の視野角に弱点を抱えるため,縦型表示にすると,横方向の視野角が極端に悪化してしまう。
 これに対してIPS方式のパネルを採用したMDT231WGでは,上下左右とも178°という広い視野角を実現している。そのため,TN方式のパネルを採用した液晶ディスプレイと比べて,プレイスタイルやプレイ人数を選ばないのが強みとなる。

MDT231WG(左)と,一般的なTN方式のパネルを採用した液晶ディスプレイ(右)とを,正面斜め上から撮影してみたところ。TN方式のパネルだと全体的に色が青白くなってしまっているのに対し,MDT231WGはより垂直に近い角度でも色に破綻がない
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ギガクリア・エンジンIIの設定はOSDメニューから行える
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 「映像がどう見えるか」という観点では,映像エンジン「ギガクリア・エンジンII」の存在も見逃せない。これは簡単にいうと,低解像度の映像を大画面に表示させるとき,全体的にぼやけたり,ブロックノイズが発生したりする現象を解決し,より鮮明に映しだそうという機構だ。
 厳密には,低解像度の映像を拡大表示させるときに解像度感を改善する「超解像技術」や,超解像技術適用時に汚く見えることのある肌色(※日本人の肌の色)に対して適用度合いを下げる「肌色検出」,白飛び&黒つぶれを抑える「エリアコントラスト」といった機能の集合体なのだが,ああだこうだ言うよりも,実際に適用結果を写真で見比べてもらったほうが早いだろう。

 下では手動でやや極端な設定にして違いをはっきりさせてみたが,「どこをどう弄ったらいいか分からない」といった場合は,8種類用意された「DVモード」のプリセットから好みのものを選ぶだけでもOKだ。4Gamer読者的には,元の解像度がそこそこ高いゲーム向けに“効き”を抑えた「ゲーム1」と,解像度の低いゲームに向けた「ゲーム2」,あとはYouTubeやニコニコ動画などビデオストリーミング向けの「ネット」で,だいたいの用途に合わせられるだろう。これらを基にカスタマイズしてみるのも面白い。

「QUAKE LIVE」で,ギガクリア・エンジンIIの有効/無効による違いを見るべく,ディスプレイを撮影したもの。トリミングと縮小以外の加工は一切行っていないが,上段ではDVモードを「ゲーム2」にしつつ,「超解像レベル」と「ブロックN/R」を「100」(最大)に,下段ではDVモードを「スタンダード」にしつつ,2つのサブ設定を「0」に指定した。拡大して比べると,輪郭やコントラストの鮮明さに違いがあると分かるはずだ
QUAKE LIVE(TM)(C)2007-2010, Id Software LLC, a ZeniMax Media company. All Rights Reserved.
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ゲーム画面を見やすく表示する「MP ENGINE III」

残像感の低減効果はかなり大きい


 液晶ディスプレイといえば,残像感がつきものなのは言うまでもないことだろう。かつてPC向けディスプレイの主流だったCRTの場合,「インパルス型」と呼ばれる表示方式になっており,端的にいえば「フレームが切り替わった直後の一瞬,ほんのマイクロ秒だけ電子ビームが表示画素に照射される」ため,実際に光っているのは一瞬で,あとは短時間の残光が残っているだけなのだが,人間の目が持つ元々の残像補間効果と相まって滑らかに見えるわけだ。

 一方の液晶ディスプレイは一般に「ホールド型」を採用しており,フレームが切り替わった直後から次のフレームが表示されるまでの間,同じ映像が表示され続ける。つまり,60Hzの映像であれば,60分の1秒間,ずっと同じ映像が表示され,目に映ったあと,次のフレームが表示されるようになるため,目の残像効果によって,古いフレームと新しいフレームの両方が見えてしまう。これが,液晶ディスプレイで強い残像感を覚える原因だ。そして,三菱電機がMDT231WGで,重点的に対処してきた部分でもある。

 その結果となるのが,業界初採用(※国内で販売されるPC用液晶ディスプレイのスタンドアロンタイプにおいて。2010年11月現在,三菱電機調べ)となるLEDバックライト制御技術を利用した「MP ENGINE III」だ。MP ENGINE IIIでは,対象となるゲームのジャンルごとに,3つの「MPモードレベル」が用意されているのが特徴となる。動作原理を示したムービーともども,以下のとおり紹介してみたい。

■MP MODE レベル3
■LEDバックライトブリンキング


60分の1フレームを単純2度描きする120Hz駆動としたうえで,「2フレームめの後半ごとに一瞬だけバックライトを点灯,それ以外は消灯」という,CRTディスプレイのインパルス型表示方式に近いLEDバックライト動作「LEDバックライトブリンキング」を採用。これにより,人間の網膜に残る残像感を大きく低減させたモードである。スポーツやレース,アクションゲーム向けだ。



■MP MODE レベル2
■LEDバックライトスキャンニング+倍速補間


60fpsのソースをフレーム補間により120fps化したうえで,フレームが画面の上から下へ描画されるのに合わせて「描画中はバックライトを点灯させず,描画し終わったら点灯」といった形で,LEDバックライトの点灯部分を上→下→上→……と切り替えるLEDバックライトスキャンニングを併用する動作モード。120fps化による滑らかな描画と,残像感の低減を両立させる。RPGやADV向けとのことだ。


■MP MODE レベル1
■LEDバックライトスキャンニング


60分の1フレームを単純2度描きする120Hz駆動したうえでLEDバックライトスキャンニングを組み合わせ,残像感を低減するモード。表示遅延を極力抑えつつ,残像感の低減も行っているというのがミソだ。FPSやSTG,“音ゲー”向けと謳われる。



 実際に,Alan Wakeをはじめとするいくつかのゲームタイトルで各MP MODEを試してみよう。上に示したとおり,カメラで撮影すると画面がチカチカしてしまうので,ここはテキストベースのインプレッションになるが,この点はご容赦を。

 まず,レベル3では,LEDバックライトブリンキングの仕様上,バックライトの点いている時間が短くなるため,若干暗くなる。また,CRTに似た,チカチカした感じも若干出てくるが,残像低減効果は確かに大きい。とくに効果を感じるのは画面を横にスクロールさせたときで,リモコンからMP MODEのレベルを3に変えた瞬間,一気に残像感が減るさまは驚くほかない。これは必見だ。

 レベル2でも,残像感の低減は目に見えるレベル,ただこちらではむしろ,倍速補間によるヌルヌル感のほうにより魅力を感じた。倍速補間で実現される,これまでとは一味違った滑らかなゲーム画面は,体感する価値がある。
 最後にレベル1だが,これは当たり前ながら,残像感低減効果はレベル3や2と比べて1段落ちる。FPSやSTG,“音ゲー”をプレイする場合は,一度レベル3で試してみて,表示遅延周りに違和感を覚えたらレベル1に切り替える,くらいがちょうどいいかもしれない。


MDT231WGなら,もうスルーモードは不要!?

「MP MODE有効時に低残像感&低遅延を両立」の衝撃!


コストパフォーマンスを追求した23インチワイド,フルHDパネル採用モデルながら,超解像技術「ギガクリア・エンジン」を搭載したRDT231WMシリーズ。今回はそのなかから,ブラックモデルの「RDT231WM(BK)」を比較対象として用いる
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 さて,ここまでいかにMDT231WGが多機能で,しかも使いでのある機能を豊富に持っているかを説明してきたわけだが,ここでもう一度思い出してほしいのが,MDT231WGが,多機能さと低遅延の両立を目指した製品であるということだ。
 世にある多くの多機能ディスプレイと同様,「遅延にこだわったら,結局のところ高画質化機能も残像感低減機能もオフにしたスルーモードにするほかなかった」という結果では,元も子もない。というわけで今回は,比較対象に「低遅延なら屈指。実質数十ラインだけ」(三菱電機)という23インチワイド液晶ディスプレイ「RDT231WM(BK)」を用意。普段4Gamerでディスプレイレビューを担当しているfumio氏協力の下,PCからの出力をスプリッタで2分配して同時に出力,それを60fpsで撮影することにより,MDT231WGの相対的な表示遅延をチェックすることにした。

 下に4本並べたムービーは上から順に,MDT231WGの設定を,

  1. MP MODE無効+スルーモード有効
  2. MP MODE レベル3
  3. MP MODE レベル2
  4. MP MODE レベル1

としつつ,RDT231WM(BK)と並べ,「LCD Delay Checker」(Version 1.4)を実行したときのものだ。左がMDT231WG,右がRDT231WM(BK)である。






 倍速補間を行っているMP MODE レベル2だけは,さすがに最大2フレーム程度の遅れが生じているが,MP MODE レベル3&1は,最大1フレーム程度,スルーモード時とほとんど変わらない程度の遅れに留まっている。もちろん,とにかく低遅延であることのみを重視する人からすると,1フレーム遅れていることは看過できないかもしれないし,その気持ちは尊重するが,正直,1フレーム程度の遅延なら,よほどこだわりがない限り,気にならない人のほうが多いだろう。
 残像感を圧倒的に低減できるMP MODE レベル3を有効にしても,スルーモードとほとんど変わらない遅延レベルに踏みとどまっているというのは,相当に意義深い結果だといえそうである。

 なお,ここまであえて説明してこなかったが,MDT231WGでは,スルーモードにおいても,ギガクリア・エンジンIIは有効になっている。ギガクリア・エンジンIIの利用による遅延はわずか数十ライン分にしかならないため,有効化されているというわけだが,実際,ギガクリア・エンジンIIが遅延面で負の影響をまずもってもたらしていないことは,上のムービーから十分に感じ取れるだろう。
 ただ,ピクチャー・イン・ピクチャー(PinP)有効時と3次元ノイズリダクション有効時は,目に見えて遅延が大きくなるので,この点は注意しておきたい。


とにかく多機能で低遅延,バランスはNo.1

あれもこれも1台でまかないたい欲張りな人にぴったり


 語ることが多く,長い記事になってしまったが,三菱電機がMDT231WGで謳っているコンセプトには,嘘も誇張もないことが分かってもらえたと思う。PCや,据え置き型ゲーム機,PSPを接続して,横でも縦でも,残像感も遅延も少なくゲームをプレイできる液晶ディスプレイ,それがMDT231WGなのである。

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 MDT231WGの実勢価格は10万4000〜11万8000円程度(※2010年12月13日現在)と,決して安価ではない。「ゲーマー向け」と位置づけられながら,3万円台で手に入るものもあるので,例えば低遅延だけにこだわるなら,そちらを選択したほうがいいかもしれない。
 しかし,よく考えてみてほしいのは,「低遅延なだけ」の液晶ディスプレイで,あなたのゲーム用途すべてをまかなえるのかどうかだ。視野角の広さや残像感,倍速駆動による滑らかな映像表現などなど,あなたが必要としている要素は,低遅延であること以外にもあるのではないだろうか?

 1台ですべて済ませてしまうほうが,スマートなのは言うまでもない。ボーナスシーズンの買い物として,MDT231WGは,自分へのプレゼントとして選ぶのにぴったりの製品だとまとめておきたい。

三菱電機のWebサイトでMDT231WGをチェックする

三菱電機のVISEOスペシャルサイトをチェックする

  • 関連タイトル:

    VISEO

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