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「Serious Sam 3: BFE」を紹介する今週の「海外ゲーム四天王」。シブくてカッコよくなったけど,やはり脳みそ筋肉男の大活躍を堪能しよう
クロアチアのデベロッパ,Croteamが制作したFPS「Serious Sam 3: BFE」を紹介するのが,今週の「海外ゲーム四天王」だ。2001年にリリースされたシリーズ第1作「Serious Sam」以来,地球に攻め込んできたエイリアンどもをバッタバッタとなぎ倒してきた主人公,Serious Sam。シリーズの最新作でも,そのシンプルなゲーム性は変わらず,さまざまなタイプのクリーチャーどもを,いろいろな武器でぶっ倒していくことになる。大きくパワーアップしたグラフィックスや,それなりに展開するストーリーなど,ファンにとっては見どころの多い作品になっている。
そんなSerious Sam 3: BFEを,ライターの朝倉哲也氏がドーンと紹介する。ドーンと。
シリーズ最新作でも,やることは同じだから,大丈夫だ
このところ旧作のHD化などリメイクが続いていた「Serious Sam」シリーズだが,ようやくファン待望の完全新作「Serious Sam 3: BFE」がリリースされた。Serious Sam 3: BFEでは,2001年に発売されたシリーズ第1作「Serious Sam: First Encounter」より以前のストーリーが展開する。
開発は,いつものようにクロアチアのゲームデベロッパCroteamが担当しており,使用されるゲームエンジンは,シリーズ第1作に使用され,それ以来ずっと改良が続けられている「Serious Engine」のバージョン3.5。そのため,グラフィックスはシリーズを通して最高のものが実現されている。
「Serious Sam 3: BFE」公式サイト
本作の特徴としてまず挙げられるのは,上でも書いたように第1作以前の物語になっているということで,シリーズをプレイした経験のない人でも,ストーリー展開についていけないといったことはないだろう。
本作では,近未来のエジプトを舞台に,エイリアンの侵攻によって風前の灯となった人類の命運を賭けて,超古代文明のテクノロジーを起動させようと大暴れするSamの姿が描かれる。分かるようでよく分からなかったシリーズの物語が,ようやく全貌が見えるような感じになっており,シリーズを通してプレイしてきたSamファンにとっては嬉しい限りではないだろうか。
登場する敵は,両手に爆弾を抱えて「Ahhhhhhhhh」と叫びながら迫ってくる首なし男のKamikaze,巨大な一つ目をギョロつかせて追いかけてくるGnaar,体当たりでSamを空中高く放り投げる巨大な牛のようなWerebullといったおなじみの連中に加え,戦闘ヘリコプターとエイリアンが融合したようなTechnopolip Helicopter,巨大宇宙戦艦そのものがモンスターというAlchor Class Warshipなど,強力な新顔が用意されている。
地を埋め尽くすように敵が出現することで知られる「Serious Sam」シリーズだが,本作では少し控えめかなといった感じを受ける。それでも,ほかのFPSに比べればかなりの数が登場するので安心してほしい。
二つめの特徴として挙げたいのがグラフィックスだ。「Serious Sam」シリーズのゲーム画面はコミックスを思わせる,コントラストの強い鮮やかな色合いが印象的だが,スクリーンショットからもお分かりのように,本作ではかなりリアル志向になった。近未来のエジプト市街地からゲームがスタートするのだが,まるでCall of Dutyでもプレイしているかのような,落ち着いた色調になっている。
リアルになったのはそれだけではなく,クリーチャーも同様。コミカルな印象の強かったKamikazeは少しグロく,セクシー系クリーチャーとして筆者のお気に入りだったHarpyにいたっては,顔つきがぐっとキツくなり怖くなった。なにより,主人公のSamその人まで,えらくシブくてカッコよくなってしまったのだ。
ゲームの随所に挟み込まれるカットシーンでは相変わらずとぼけたセリフをかましてくれるのだが,それでも落ち着いたヒーローという雰囲気になり,あの脳ミソまで筋肉が詰まっていそうなSamが好きだったというプレイヤーには,賛否両論あるかもしれない。
グラフィックスのアップデートで,ゲームのパッと見が大きく変わった最新作だが,撃ちまくりが楽しいという本シリーズの伝統はきちんと受け継いでいる。また,ほかのプレイヤーと一緒になってキャンペーンシナリオを楽しむCo-opのほか,デスマッチやCTF(キャプチャー・ザ・フラッグ)などのマルチプレイモードが用意されており,どれも非常に面白い。新作の割にはオープンしているサーバーが少なめだが,日本人プレイヤーによるサーバーもあったりするので,手軽にマルチプレイが楽しめるだろう。
ともあれ,「余計なことを考えず出てきた敵を撃つ」というシンプルなゲーム性は健在で,最近のFPSはいろいろ難しいなあと感じている人は,ぜひプレイしてみよう。
■■朝倉哲也(ライター/四天王)■■
アクションゲームからMMORPG,アドベンチャーからストラテジーまで,なんでもプレイする雑色系ライター。年季の入ったPCゲーマーでもあったが,最近はコンシューマ機のゲームもプレイするようになったので,そのオールラウンダーぶりをますます強くしている。
- 関連タイトル:
シリアス サム 3 BFE 日本語版
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