イベント
秋葉原で開催された「初音ミク -Project DIVA- extend」店頭体験会をレポート。プロデューサーインタビューも掲載
●「TGS体験版」収録曲
「積乱雲グラフィティ」(アーティスト:ryo)
「ねこみみスイッチ」(アーティスト:daniwell)
「リンリンシグナル -Append Mix-」(アーティスト:Dios/シグナルP)
「Palette」(アーティスト:ゆよゆっぺ/meola)
体験会は9:30に開始される予定だったが,開場の1時間以上前から200人ものファンが並ぶ事態となり,急遽1時間繰り上げてのスタートになったという。13:00頃には累計500人以上が体験版をプレイしたとのことで,待機列には常に70〜80人ほどが並ぶ盛況ぶりだった。
以下,会場で行われた,同タイトルのプロデューサーを務めるセガの林氏に対する,メディア合同インタビューの模様をお伝えしよう。
──こうした体験会は東京ゲームショウ 2011(TGS 2011)以来ですが,今日の感想を教えてください。
屋外のイベントなので,今日は天気に恵まれてよかったです。これまでは雨が降って寒くなることも多かったので。
また朝から非常にたくさんの方に並んでいただいたと聞いて,非常に感謝しています。今回遊べるのは基本的にTGS体験版と同じ内容なのですが,それでもこうしてわざわざ来ていただけるのですから,ファンの方に支えられているということを実感しています。
──今回,“extend”ということで,前作「初音ミク -Project DIVA- 2nd」からさまざまな点がパワーアップしているかと思いますが,どこに注目してほしいですか?
林氏:
前作2ndの発売から1年以上経ちましたが,その間,ずっとご支持をいただいています。予想以上にたくさんの方に遊んでいただけたので,今回は前作をベースによかったところを伸ばし,こうすればもっとよくなるという部分に手を加え,全体的には遊びやすく,より楽しくというコンセプトで開発を進めました。
今回,とくに力を入れたのは楽曲です。追加楽曲がかなりあるのですが,新規の映像については,いかに高いクオリティで作り込むか,そしてそれぞれに何かしら新しい試みを入れ込もうと考えました。そこは非常に注目してほしい部分です。
──今回,収録される楽曲の中で思い入れのある曲や,ぜひプレイしてほしい曲を教えてください。
林氏:
思い入れがあるというと,先ほど話した新しい試みをした曲ですね。例えば「裏表ラバーズ」ではモーショングラフィックスに取り組みました。今までは基本的に3Dポリゴンのキャラクターが踊るというものでしたが,そこに背景の映像や文字を組み合わせるということをやっています。
もう一つは,このシリーズは作を重ねるごとにキャラが1人から2人に増え,さらに楽器を持たせるという発展をしてきました。そして今回は2ndからの発展として,“2人で演奏する”ということに挑戦しています。やってみたらシステム的に重くて大変だったんですけれども,「孤独の果て」と「那由他の彼方まで」の2曲で,もしリンとレンがギターとベースのユニットを組んだらという形で作らせていただきました。その2曲はそれぞれ異なるアーティストの楽曲なのですが,あたかもリンとレンのユニットが演奏しているような演出になっています。
難度的な部分では,「パラジクロロベンゼン」が難しいですね。これは楽曲を作ったオワタPさんに,ゲーム向けにBPMを速くしていただいたのですが,非常に嫌らしい譜面と相まって難しくなっています。今回は,“どうすれば難しくなるのか”という工夫を譜面に盛り込んで作り込んでいますので,ぜひ楽しんでほしいです。
──2nd収録曲で今回も収録されている楽曲の譜面に変更はありますか?
林氏:
基本的には同じです。同じ楽曲を同じように遊んでいただけます。
──先日,ダウンロード版も発表されましたが,発売日が2011年12月15日と少し遅れるのはなぜですか?
林氏:
PlayStation Vitaの発売日近くに設定することで,ダウンロード版を遊んでいただける機会が増えるのではないかと……これは弊社の営業上の理由なので,開発上でどうこうという話ではないです。もちろんダウンロード版も快適に遊んでいただけますので,環境が整っている方は,ぜひ試してみてください。
──それでは,前作にもあったDLCの展開についてはどうでしょう?
林氏:
今のところ,具体的なことは決まっていません。何か決まったら,随時お知らせします。
──「DIVAルーム」や「エディットモード」の新しい要素を教えてください。
DIVAルームには,イベントをいろいろ用意しました。今までと違う仕草のミクさん達に会えますし,また若干ですがボイスの入ったイベントも用意しています。どんなときに,どんなことを言うのか,楽しみにしてください。
あとはルームテーマやアイテム類はかなり増やしています。これは密かなオススメで,ネタも結構仕込んでいるので,ニヤッとしていただけるんじゃないかと思います。
エディットについては,基本部分は変えていません。これは,従来のシステムに慣れている方が多いというのが理由です。もし変更するのであれば大きく変える必要があるでしょうね。
ただ今回,モーション,背景を大幅に増やしました。PVで使っている背景のほとんどは,エディット用に使えるようにしていますので,かなりのバリエーションを持って遊んでいただけます。またモーションも踊りだけでなく,例えば“嬉しさ”を表現するような,お芝居的というか日常的な動きに近いものを増やしています。エディットを活用してくださる方から「こういうのが欲しかったんだ」と言っていただけるような内容を目指しました。まとめると,同じシステム上でいろいろできるように仕込んでみましたというところです。
──新しいモジュールはどうでしょう?
林氏:
40種類強のモジュールを新たに作りました。今回は,楽曲の映像と合うものにしようというテーマを掲げ,もともとのPVを手がけた絵師さんや,開発チームでマッチするんじゃないかと考える方を可能な限り起用してました。例えば「積乱雲グラフィティ」では、宇木敦哉さんが描いたシャイニーの前髪がちょっと違って可愛い、とか。髪型や服装だけでなく,髪や目の色も細かくデザイナーさんの要望に合わせて調整を入れていますので,少し違う魅力が出せているんじゃないでしょうか。モジュールも,いろんな曲に組み合わせて使っていただけますので,また遊びが広がると思います。
──最後に「初音ミク -Project DIVA- extend」に期待する人に向けて,メッセージをお願いします。
林氏:
前作から少し間が空いてしまったので,申し訳なく思っています。その分,一つ一つの映像やモジュール,あるいはイベントは一生懸命作り込みました。スタッフ全員の汗と涙と情熱を注ぎ込んで作りましたので,これまでのシリーズ同様,可愛がっていただけるとありがたいです。
──ありがとうございました。
「初音ミク -Project DIVA- extend」公式サイト
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初音ミク -Project DIVA- extend
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