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小島監督,大塚明夫さん,井上喜久子さん,菊地由美さんが出演した「MGS HD EDTION」と「MGS PW HD EDITION」の発売記念イベントをレポート
「METAL GEAR SOLID HD EDITION」「METAL GEAR SOLID PEACE WALKER HD EDITION」公式サイト
「小島プロダクション(KONAMI)」公式サイト
11月10日に発売された「METAL GEAR SOLID PEACE WALKER HD EDITION」は,2010年4月に発売されたPSP用ソフト「METAL GEAR SOLID PEACE WALKER」を,HDクオリティでリビルドした作品。PS3版はPSP版とのトランスファリング(セーブデータ共有)に対応し,PSP版「MGS PW」のプロダクトコードも同梱されている。
ここでは,小島秀夫監督と,大塚明夫さん,井上喜久子さん,菊地由美さんが出演し,シリーズのこれまでを振り返るトークを繰り広げた,横浜会場のイベントの模様をレポートしよう。
小島監督は以前,ゲームとは大衆演劇のようなもので,そのときそのときの世代に合わせて作られているので,昔のゲームを新しいハードに移植するようなことはすべきではないと考えていたそうだ。
しかし現在,昔の音楽作品や映像作品のリマスター版がリリースされ,世間でも受け入れられていることから,ゲームでも映像や音を綺麗にし,操作感を良くできるのであれば,復活させてもいいのではないかと,考えをあらためるに至ったという。
小島監督自身,実際にHD EDITIONをプレイしてみて,「考えるところがあった」とも話していた。
続いて,声優陣を迎えて行われたトークセッションでは,まず小島監督が,「HD EDITION」をあらためて紹介。「MGS PW HD EDITION」と「MGS HD EDITION」の両方を購入すると,「METAL GEAR SOLID 4 GUNS OF THE PATRIOTS」以外のシリーズ作品すべてを遊べることをアピール(※)し,「ぜひ,2012年までたっぷり遊んでほしい」と述べる。続けて,遊び終わるまで「新作は出ません」と冗談めかして発言して,会場の笑いを誘っていた。
※「METAL GEAR SOLID」については,PlayStation 3版のみゲームアーカイブスのプロダクトコードが同梱される。
なお小島監督は,「MGS2」の雷電について「10年前はあんなにコイツのこと嫌いやったのに,今は結構グッと来るんですよ。命がけでギャグをかましていたりして」とコメントしていた。また,2012年にシリーズ25周年を迎えることに言及し,「何かあるんでしょうね」と,意味深な発言も飛び出ていた。
歴代のMGSシリーズでスネークを演じる大塚明夫さん。「待たせたな」というセリフとともに登場 |
「MGS3」でザ・ボス,「MGS PW」でチコを演じた井上喜久子さん。お約束の「井上喜久子17歳です!」「おいおい」という来場者とのやり取りも披露 |
「MGS PW」でストレンジ・ラブを演じた菊地由美さん。気合を入れて半袖ハーフパンツで来たとのことだが,あまりにも寒かったのか,イベント前半では上着を羽織っていた |
「MGS PW HD EDITION」を遊んでいるという菊地さんは,「大きな画面でストレンジ・ラブを拝めるとは。本当に嬉しいです」と感想を述べる。
大塚さんは,「MGS PW HD EDITION」では右スティックが使えるようになっており,遊びやすくなっているので,ぜひプレイしてほしいと話していた。
小島監督は,「MGS PW」のオンラインプレイで国境や民族を越えた協力プレイを楽しんでいる人達がいることに喜びを表していた。
なお井上さんは,イベント当日が勤労感謝の日であることにちなんでコメントしたものの,「働いている人は,ぜひゲームを楽しんでいただいて,働いていない人は……どうすればいいんでしょう?」と,いかにもなコメントで会場を盛り上げていた。
大塚さんは,やはりPlayStation版「MGS」の印象が強く,「それまで,あんなに膨大なセリフが入っているゲームはなかった」と当時を振り返る。小島監督によれば収録は1996年の年末頃から始まっていたとのことで,大塚さんはその膨大なテキスト量に「気が遠くなった」と話していた。
また大塚さんは,収録の中でも大変なのが無線用の音声の収録だと明かす。通常はストーリーパート用の音声収録から行い,無線用の音声などはそれが終わってからとなるそうだ。ただ,ゲーム内容に変更が加わるたびに追加されるため,何度も追加で収録が行われることになるという。
「MGS2」の音声収録終了時の打ち上げで,そのやり方を知っていた大塚さんは,「これで終わりと思うなよ」とほかの声優陣に警告(?)していたそうだ。
菊地さんも,「普通は一度OKが出たら,もう一生そのまま。でもMGSシリーズは録り直せる可能性がある」と,追加収録については前向きなコメントをしていた。
続いて「MGS」シリーズの名ゼリフを,3名の声優が実演するコーナーが設けられた。
まず井上さんは,「MGS3」でザ・ボスがスネークに向けて言った「ありがとう,ジャック」というセリフを披露。井上さん自身も,台本を読んだときに「すごいシーンを演じるんだ」とワクワクすると同時に畏怖の念を覚えたという。実際に演じるにあたっては,自分の思いすべてをぶつけたとのことである。
小島監督は当時を振り返り,悩んだ末,最後のシーンだけ井上さんに演じ方を変えてもらったのだと話していた。
菊地さんは,「MGS PW」でピースウォーカーが沈んでいくシーンでのストレンジ・ラブの長めのセリフを演じた。ストレンジ・ラブの演技については,同性愛者的な部分や,当初は人間嫌いだが次第に打ち解けてくる部分を演じることが難しかったとコメント。最後のシーンでは,小島監督に何度も「これでいいんですか?」と確認を取ったそうだ。
大塚さんは「MGS2」のラストシーンから,「俺達は伝えなければならない。俺達の愚かで切ない歴史を。それらを伝えるために,デジタルという魔法がある。人間が滅びようと,次の種がこの地球に生まれようと,この星が滅びようと……生命の残り香を後世に伝える必要がある。未来を創ることと過去を語り伝えることは同じなんだ」というセリフを熱演。
大塚さん自身も大好きで影響を受けたセリフとのことで,その理由を「共振する大切な部分がある」と説明していた。また,“小島秀夫やから”というメッセージを伝えなければならないセリフだったと,収録当時を振り返っていた。
小島監督は,これは10年前のセリフだが,“9・11”や“3・11”という大きな出来事を経た今では,かなり違った意味として捉えられるのではないかと話していた。
最後に,登壇した4名がそれぞれ来場者とMGSシリーズのファンに向けて感謝を述べて,ぜひHD EDITIONを楽しんでほしいと述べ,イベントを締めくくった。
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