プレイレポート
リア充爆烈しろー! 年末年始を一緒に過ごしたい「爆烈軍団レネゲード」。今なら,いつもよりお手軽にプレイ可能だ
「爆烈軍団レネゲード」公式サイト
本作の開発は,「Just Cause」や「Just Cause 2」を開発したスウェーデンのAvalanche Studiosが行っており,原題は「Renegade Ops」となる。ちなみにJust Causeシリーズは「ありえねーだろ!」というアクションが連続してたたみ込まれる爽快感優先のゲームであり,日本語版も出ているのでファンも多いはずだ。そんな同社がどのようなダウンロード専用タイトルを作ったのかというと,これが意外にも学園恋愛シミュレーションもので,最後は伝説の木の下で……なんてことはもちろんなく,Just Causeシリーズと同様,アクション満載の作品だった。
セガが本作の発表を行ったのは2011年6月のことだが,発表に関する記事を書いたのは何を隠そう筆者であり,さらに記事中にあるディレクター/プロデューサーへのインタビューはその2週間ほど前の,E3でのこと。つまり,筆者はメディア向けの初公開に偶然立ち会ったことになり,なんとなくレネゲードは他人でないような気がしているのだが,向こうがどう思っているか知らない。
ストーリーは,悪い科学者であるインフェルノがすごい新型爆弾を炸裂させて世界中を脅迫すると,それに対して国連っぽい組織が,これはもうダメなのでインフェルノ氏のご要望にお答えしようという方向に進むものの,ヤワな政治家の態度に業を煮やした熱血漢のブライアント将軍はその地位をかなぐり捨て,部下を集めて「爆烈軍団レネゲード」を結成し,インフェルノ討伐に乗り出すという,無理すればワンセンテンスで説明できるものだ。煎じ詰めれば「悪いヤツをやっつけろ」ということであり,悪役はひたすら悪役っぽく悪いことをし,正義の味方であるブライアント将軍は地位や名誉のためではなく,人々の正義と平和ために戦うのであり,複雑な物語は苦手だという人もぜひ安心してほしい。だいたいインフェルノなんて,名前からして悪すぎだ。
プレイヤーは将軍配下の部下の一人となり,個性的な能力を搭載したビークルを駆り,次々に襲ってくる敵を撃って撃って撃ちまくって倒していくことになる。それにしても,インフェルノを倒すとか大見得切っておきながら,ブライアント将軍は実戦を部下に任せるのであり,筆者はそれが出世のコツと見た。あ,うそうそ。
さて,部下は4人で,名前と使用車両は以下のとおり。
・アルマンド:AFV特殊装甲車(アルマジロプレートアーマー)
・ディズ:アーマードバン(EMPディスチャージャー)
・ロキシー:デザートバギー(ロケットストライク)
・ガンナー:S.A.A.D.タンクバスター(ヘビーマシンガン)
ちなみに,筆者が大好きな「戦車」は爆烈軍団レネゲード側の車両としては出てこないが(インフェルノ軍は使う),これは最近の各国陸軍の傾向でもあり,ソ連崩壊で東西冷戦構造が崩壊し,大規模戦車戦が起こりにくくなったことから,調達費用が安い装輪戦闘車両にシフトしているという国際情勢を反映したものかもしれないし,そんな深い理由はないのかもしれない。8輪の装輪車両であるイタリア陸軍のチェンタウロ戦闘偵察車は,52口径の105mm砲を搭載するという戦車並みの重装備で,アメリカ軍が苦戦したソマリアPKOでも,その戦車並みの砲にモノを言わせて一両の損害も出さなかったという記録を誇っている。装輪車両ってカッコイイ……話が脱輪した。いや,脱線。
個人的なオススメはロキシーで,彼女のデザートバギーは信号弾を撃って空爆を要請できる。時間はかかるがハデハデなグラフィックスで周囲の敵を一網打尽にできるので,自分が相当強くなったような気になれるはずだが気のせいだ。また,ガンナーのS.A.A.D.タンクバスターは,その場で変形してヘビーマシンガンを撃ちまくる。変形中は移動ができないのでちょっとアレだが,威力は群を抜いて強力だ。ディズのアーマードバンは,電磁パルスで敵の動きを止めるだけなので,個人的に苦手だが,ただし後述するアップグレードを行えば,EMPで敵を倒せるようになるらしい。
操作方法はいたって簡単で,プレイしたPlayStation 3版の場合,左のスティックで車両を移動させ,右のスティックで射撃というアンバイだ。あとはボタンでターボやブレーキをかけ,L1で特殊装備を発動するといった感じ(関連記事)で,シビアなタイミングでボタンを押したり,同時押しを要求されたりすることはない。筆者でさえ5分で覚えたので,普通のゲーマーなら1分で操作できるようになるはずだ。簡単でしょ。
ダウンロードタイトルなんだから,ダウンロードしたらさっさと遊びたい。マニュアルをじっくり読みたくなんかない,というプレイヤー誰しもが持つであろう要望によくお応えしている感じだが,読まなきゃいけないマニュアルさえ読まない筆者が言って,どれだけ説得力があるかはよく分からない。
また,例えば「インフェルノに捕らえられた住民を救出せよ」みたいなサブミッションも各ミッションに一つほど用意されており,メインルートからちょっとはずれて,それらのサブミッションに挑んでも構わない。筆者は面倒なのであまりやったことがないが,ときどき,インフェルノに捕らえられてそれっきりにした住民がどうなったのか心配になる。みんな元気だといいなあ。ともあれ,サブミッションに挑むと,いろいろなアイテムが手に入ったりするので,お得だ。
ボタン一つでミニマップが表示できるほか,ミッション,サブミッション,どちらも行くべき方向へ矢印が表示されるので,そっちに進んでいけばだいたいは大丈夫だ。
最初はたいしたことないが,ゲームを進めるにつれて敵が強くなっていくので,そういう場合はアップグレードだ。最初から強い奴を出してくればこっちは勝てないのに,インフェルノはバカな男……なんてね,これはゲームのお約束というやつだ。
アップグレードは,獲得したスコアでレベルを上げ,もらえるポイントを使って行うことになる。筆者はまだまだだが,すべてのアップグレードが行えるだけのポイントはもらえるようなので,防御力から行くか,それとも攻撃力や特殊装備から行くかは,あなたのプレイスタイル次第となる。悩むだけならタダなので,大いに悩んでほしい。
レネゲードは,ちょっと時間が空いたので,なんかやろうかなというときにはもってこいのタイトルだと思う。箱庭風のマップで,ミニカーみたいなビークルを突っ走らせたり,豆粒みたいな敵の兵士があー,とかわー,とか言いながらやられていったりする様子は,見ていてなんだかとても面白い。本作では3段階の難度設定が可能だが,中ぐらいでもけっこうシビアで,自慢じゃないが筆者はしょっちゅう倒されている。
とはいえ,敵の出現場所はおおむね決まっているので,こりゃダメだと思っても,何度かチャレンジしていればなんとかなるバランス。基本,覚えゲーなので,プレイを重ねるたびに自分が強くなったような気がして嬉しいが,しばらく時間が空くと,すっかり忘れて同じところでやられて悔しい。なまじサクサク進むものだから,ちょっとひっかかるとムキになって何度も繰り返してしまうという,人間心理のツボをつついたゲームシステムは,昔,さんざんプレイしたアーケードゲームもそんな感じだったね。
グラフィックスも美しくエフェクトも派手。ヘリコプターで戦う場面など,こちらのミサイルが爆発し,敵の対空砲が火を噴き,そこに敵機が攻撃してきたりすると,画面中爆炎だらけになって,何が起きているのかも分からないほどだ。爆発しすぎ。
1ステージクリアも10〜20分程度と手頃な感じになっているが,思わず熱中したり,モノを集めたいと思ってしまう要素もあって,ダウンロード専用タイトルはかくあるべしという雰囲気だ。
筆者は寝る前に始めて,ドカンドカン爆発させ,ウトウトしてきたらパシッと切って寝ちゃう,という遊び方をしている。おかげであんまり進んでいるような気がしないでもないが,難しいのは困るけど,年末年始になんかゲームがやりたいなという人はぜひ試してみよう。
「爆烈軍団レネゲード」公式サイト
※都合によりスクリーンショットはときどき英語版だったりしますが,ゲームはちゃんと日本語版なので気にしないでください。キーワード
(C)SEGA
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