「SPIEL’15」の開幕前日となるドイツ時間の2015年10月7日には,プレスカンファレンスとドイツゲーム賞の授賞式が開催されたのだが(
関連記事),その合間にはこれまたプレス関係者を対象とした
新作発表会も行われた。ボードゲームの一大イベントであるSPIELだけに,ここでお披露目されるタイトルは非常に多く,実に
1000を超える新作が勢揃いしていた。
ちなみに新作発表会といっても,堅苦しいステージイベントなどではなく,ロビーや会議室にテーブルが広げられ,そこに大量の新作が並べてあるという,かなりフランクな雰囲気だ。なので,ものによっては「面白そうだけど,説明してくれる担当者がいない」などという場合もある。
というわけで,この新作発表会で気になった作品を,写真を中心に紹介していきたい。ちなみに先の理由から,
「正体不明ながらも見た目が面白そう」といった第一印象で選んだタイトルが多いので,その辺りは前もってご理解をいただきたい。いや見た目って大事です。本当に。
クラシックな文明ゲームである「Advanced Civilization」(Avalon Hill)を再構築し,最大18人同時プレイを可能にした「MEGA CIVILIZATION」(999 Games)。箱を含めた重量が10.44Kgという,文字通りの超ヘビー級ゲーム
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Teuberファミリーによる新作「TUMULT Royal」(KOSMOS)。リソース管理系の陣取りゲームのように見えるが,ここにアクション要素やチキンレース要素などが盛り込まれているのが面白い
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「MAZERacers」(FoxMind)は,見ての通りとしか言いようのない分かりやすさがウリ。マリオメーカー的なゲームといえるかも
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1775〜1815年ごろの,帆船による海戦を扱った「Admiral's Order: Naval Tactics in the Age of Sail」(Strategema Games)が,最新拡張セット「Admiral's Order: Algecirus 1801」と共に展示されていた。木製の帆船コマはすべて手作りらしい
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「Steampunk Rally」(Roxley Games)は,デッキビルド要素を持ったレースゲーム。デッキではなく,プレイヤーの使う船をデザインするのが面白い
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ロボットが実用化された2045年の野球をテーマとした「Baseball Highlight 2045」(Eagle-Gryphon Games)。スポーツニュースのように,試合のハイライト部分のみをプレイするため,プレイ時間が短いのが特徴。選手の名前には見たことがあるような名前も
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ドイツゲーム賞子供部門を受賞した「Spinderella」(Zoch Verlag)の巨大版。受賞記念の特別版とのことだが,大きな蜘蛛のフィギュアは子供達に大ウケのようだった
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会場にはコスプレをしたコンパニオン(?)の姿も
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Euro Crysis,と思いきや「€uro Crisis」(Galgor)。このテーマのゲームをドイツで作るあたり,実に素晴らしい |
「Manhattan TraffIQ」(Mucke Spiele)。どことなく,なんとなく,見たことがある感が良い感じ |
「Pie Face」(Rocket Games)もまた,みたまんまのゲーム。新作発表会では紙吹雪が用いられていたが,ちゃんとパイを乗せることもできる |
今年のKnizia新作群の中でも,とりわけ注目度が高いのがこの「Captain Black」(Ravensburger)。電子デバイスを併用し,船から声が出たりする |
「7 Wonders: Duel」(Repos Production)は,「7 Wonders」の世界観はそのままに,2人用対戦ゲームとしてリファインしたタイトル。わりとガチ系のゲームのようだ |
ボードゲームなのか玩具なのか判断が難しい「Circuit Board」(HEXBUG)。ラジコンでスケボーを操る |
「Race to the North Pole」(Playmore Games Inc.)は,タイトル通り北極点を目指すゲーム。(最近なんだか妙に流行っている)ボード全体が回転するギミックが取り入れられており,これによって手札や場のコマの前後左右が変化する |
「SPLASH!」(Game Factory)はコンパクトにまとまったバランスゲーム。相手に意地悪をすると,その悪意は自分にも返ってくる |
「Bellz!」(Game Factory)は磁石を使ったゲーム。同じ色の鈴を磁石で集めてゲットしていく。他の色の鈴が混ざるとアウト。実際にやってみると,これが相当に難しい |
組み立て式の飛空船が印象深い「Celestia」(Blam!)。チキンレース系のカード&ダイスゲーム |
さすがに今年はStar Warsベースのゲームが多い。こちらの「Star Wars: Imperial Assault」(Fantasy Flight Games)も拡張セットが発売される |
フィギュアの完成度がとても高い「Star Wars: X-Wing」(Fantasy Flight Games) |
ミステリアスな雰囲気が良く出ている,その名も「Mysterium」(Libellud)。これは人気が出そう,という印象 |
ハイセンスなビジュアルが目を惹く「T.I.M.E Stories」(Space Cowboys)。キャラクターをロールプレイして物語を語る協力ゲーム。ミッションが成功するまで,何度でも時間遡行して状況を繰り返すあたり,「惨劇RoopeR」を思わせる |
ドイツゲーム賞3位を獲得した「Colt Express」(Asmodee)の拡張セット「Colt Express: Horse & Stagecoach」(右の小さな箱) |
「Ticket to Ride」(Days of Wonder)の最新作は、イギリスを舞台とした追加マップ「Ticket to Ride Map Collection: Volume 5 - United Kingdom & Pennsylvania」 |
協力ゲームブームの礎となった「Pandemic」(Z-man Games)の新作,「Pandemic Legacy」 |
「NIPPON」(What's Your Games)のマップには、明治天皇の肖像が |
「Shakespear」(Ystari Games)は,役者(のコスチューム)や劇場を管理するゲーム |
「MERUKURYA」(HCM Kinzel)は,「Safe Breaker」として2014年に発表されたタイトルを改題したもの。王様っぷりが堂に入っている |
「Orleans」(dlp games)の拡張セット,「Orleans: Invasion」 |
ドイツ語版の「街コロ」(KOSMOS)も,拡張セットと並べて展示されていた |
Star Warsの勢いは「Ubongo」(KOSMOS)を飲み込むほど。まさに今年は“「StarWars」の年”といって過言ではないだろう |
ワーカープレイスメント系の「SteamTime」(KOSMOS)。様々なリソースの獲得や変換を行いつつ,勝利得点を獲得していく |
「Taste of Poland」(Bomba Games)は,ポーランドの郷土料理をモチーフに,一定種類のカードを集めていくことで得点を得るライトなカードゲーム |
ポーランドの有名な画家であるWitkacyの絵を完成させていくカードゲーム「Witkacy」(Bomba Games)。システムはシンプルだが,Witkasyの絵をうまく使ったカードが印象的 |
玩具で有名なHABAのボードゲームも大量に並んでいる。子供向けのゲームが多い印象だが,ガチゲームもあったりするので侮れない |
オランダのゲームだという「360 Stories」(Taleswapper)は,ルーレットとダイスでお題を決定し,さらにダイスで「何年前の話か」を決めてトークするというパーティゲーム。とくに勝敗などはないとのこと |
タイトルからして面白い「Zombies vs Cheerleaders」(Matagot)。みんな大好きなゾンビと,みんな大好きなチアリーダーが戦うのだから,当然,面白いはず |
Ausgerechnetシリーズ最新作は「Ausgerechnet Fernweh」(HUCH! & Friends)。ロケーションカードの中には札幌や横浜の名前も |
「NEWYORK 1901」(Blue Orange Games)は,いかにもシティビルダー好きの心を捉えそうな雰囲気 |
「魔法使いの秘密」という意味の「Das Geheimnis der Zauberer」(Mattel)は,鏡を使ったギミックが面白いキッズ向けクイズゲーム。外套の下に隠れたマークを,引き抜いた鏡の隙間から覗いてあてるのだが,これがなかなか難しい |
UNO系カードゲームとバランスゲームがミックスした「Tornade Ellie」(HUCH! & Friends)。手番が移るときにボードを90度回転させねばならないのだが,それによってタワーが崩れるとペナルティとなる |
リソース管理系ゲームの「GUM GUM Machine」(HUCH! & Friends)。オプションのボードで各種イベントの条件を変更できるので,プレイの度に違った展開が期待できる |
「KUMO hogosya」(Morning Players)なる和風(?)なタイトルが気になるボードゲームがこちら。スモウ・クランのメンバーが“雲の保護者(Defender of Cloud)”の座を巡って争う。拡張セットでブシやニンジャのクランも構想中だとか |
ドイツゲーム大賞受賞の「The Voyages of Marco Polo」(Hans im Gluck)。とくに新作というわけではないが,ここでも華々しくプッシュされていた |
「Skyliners」(Hans im Gluck)は,見ての通りのシティビルダーだが,どことなく見たことがある感が漂っている |
タイルやVPトラックから,カルカソンヌ臭が漂う「Cornwall」(Schmidt Spiele) |
犯罪捜査系の推理ゲームシリーズ「KRIMI total」の最新作は,船が舞台の「KRIMI total: Die Yacht Der Macht」(JMCreative) |
「カルカソンヌ」(Hans im Gluck)も,めでたくスターウォーズの仲間入り |
冒険企画局の新作「25 Card Game」。神経衰弱系のゲームだが,推理や賭けの要素も含まれている |
冒険企画局,もう1つの新作は「ダイエット&フレンズ」。ほかのプレイヤーに食べ物カードを押しつけることで,自分が相対的に痩せるという,いろいろと身につまされるゲーム。いわゆる飯テロ |
並べられたカードが美しい「Siggil」(Capsicum Games) |
小さな固有デッキを持つ2人のヒーローを操り,対戦相手と戦う「Shuffle Heroes」(Czech Board Game)。2つのデッキを混ぜて1デッキを構築する仕組み |
FPS「Metro 2033」のカードゲーム版も登場。「Metro 2033: Breakthrough」は,ロシアのパブリッシャであるHobby Worldからの出展 |
「Human Interface: NAKAMURA Tower」(Postindustrial Games)は,クラシカルなサイバーパンク世界を舞台にしたタイトル。キャラクターに日本人名が多いあたり「ニューロマンサー」の臭いがする |
ポーランドのパブリッシャであるGRANNAがリリースした,ライトな文明ビルダーカードゲーム「CVlization」。この手のジャンルはどうしてもプレイ時間が長くなりがちだが,本作は9ターンで終了するスピード展開がウリ。いわゆる「幸福度」がVPになるのも面白い |
「Dr.Eureka」(Blue Orange Games)は,試験管の中に入ったボールをカードの指定通りに並べ直すアクションゲーム。子供向けだが,大人もムキになれる良作 |
渡り廊下の窓ぎわまで新作で埋めつくされた会場。この奥の部屋にも,新作がギッシリ並んでいる |
「Die Box」(Spieltrieb)は,7つのミニゲームが詰まった作品。言語依存度が低く,1作を除いてはローカライズが必要ないという |
手番プレイヤーが自身の顔で作った「変顔」を,場に並べたカードから選んで当てるというパーティゲーム「TOP FACE!」(Buzzy Games)。カードの中には人間だけでなく,動物や両生類も混じっているのが素晴らしい |
「Through the Ages: A New Story of Civilization」(Czech Games Edition)は,超ヘビー級ながらも傑作文明ビルダーと名高い「Through the Age」の改訂版。カードまわりやゲームシステムのバランスを改善し,より楽しくなったという。「より楽しく」であって「より短い時間で」ではないところがポイントだ |
ペアを作ってヒントを出し,それによって相棒に適切なカードをピックさせる対戦ゲーム「Codenames」(Czech Games Editon)。複数枚を同時にピックできるので,それに適したヒントを作るのが重要となる。日本語版の発売予定もあるそうなので,続報に期待しよう |
プロット式のエリア支配ゲーム「Clockwork Wars」(Eagle-Gryphon Games)。プロット式というと面倒な印象だが,とても簡単に,かつ素早くプロットできるようになっているという。ルールもシンプルで,マップや技術ツリーはプレイごとにに変化する仕組み |