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[TGS 2012]「ブレイブリーデフォルト」,プロデューサー浅野智也氏インタビュー。ジョブデザインのアーティストコラボや,通信を利用して「みんなと遊べる1人用王道RPG」のシステムが明らかに
そしてその一方でシナリオに,「STEINS;GATE」や「ROBOTICS;NOTES」を担当した林 直孝氏を起用したり,ジョブのデザインで様々なアーティストとコラボレーションしたり,さらには多くの体験版をニンテンドーeショップで配信するなど,挑戦的な試みも多く行われている。
今回,TGSの会場にてプロデューサーの浅野智也氏に話を聞くことができた。ゲームの概要については体験版などで各自で確認してもらうとして,ここでは大枠となるストーリー展開や,通信を利用しての遊びの部分について話してもらえたので,チェックしてみてほしい。
「BRAVELY DEFAULT」公式サイト
アニエスを中心に他の仲間のエピソードが絡んでいく王道展開。サブクエストではイデアが中心に
4Gamer:
よろしくお願いします。各要素は体験版で一通り遊べるので,さっそくですが,まずは全体的にどのように展開していくゲームなのかをお聞かせください。
ワールドマップがあって,乗り物がいくつもあって,世界には国がいくつもあって,というRPGです。メインとなるストーリーの展開に合わせて,様々な国や場所でストーリーが進行していきます。そのとき,メインのストーリーとしてクリスタルの解放を目指すアニエスのお話がありつつ,アスタリスク所持者を倒してジョブを手に入れるというサブクエストが各地に散りばめられています。
ゲームを進めていくときに,ワールドマップが下のスクリーンに表示されますが,このときに,メインストーリーにはオレンジのマークがついて,ジョブが手に入るサブクエストはブルーのマークがつくので,そこは一目瞭然です。本編を進めるのか,寄り道をするのかユーザーが自由に選べます。
4Gamer:
サブクエストでも,ただ敵と戦うだけでなく,きちんとしたエピソードが楽しめる感じですか?
ええ,もちろんです。基本的にこのアスタリスク所持者達はエタルニア公国という国に属していて,その国の元帥の娘が,パーティメンバーの1人であるイデアなんです。ですから,サブクエストはそこに絡んだドラマになります。
彼女は,自分の国のやり方がおかしいと感じていて,お父さんはいつまでたっても私のことを認めてくれないと憤っています。そこで,父を見返してやろうと考えていて,それによるドラマがこちらでは描かれることになります。つまり,サブクエストは主にイデアを中心としたお話が展開します。そして,メインのクリスタル解放のお話はアニエスが中心となっています。
4Gamer:
とすると,残る2人は……?
浅野氏:
リングアベルは記憶喪失になっていて,「Dの手帳」というものを持っています。そこには未来のことが書かれていて,その手帳の中に,イデアとかアニエス,ティズといったほかの3人のことが書かれていて,実際に目の前に現れたものだから「君達のことを知っているぞ」と。「え,何で知ってるの!?」「手帳に書いてあった」「よし一緒に旅に出よう」と言った形で,自分の出自を求めて世界各国を旅していくことになります。それが彼のモチベーションですね。
そして,主人公のティズは,自分の村を復興させたいと考えています。今回,すれ違い通信で村人を増やしていくちょっとしたミニゲームが入っているんですが,それが彼を中心としたお話になっています。
4Gamer:
アニエスを中心としたメインストリームがありつつ,ほかの3人のキャラクターのお話がそこに絡んでいくという形になるわけですね。
浅野氏:
そうです。実際,アニエスはクリスタルを解放したいんですが,それに対立するグループにはイデアのエタルニア公国が属していたりするんです。なので,この2人は,若干対立する関係にあったりもするので,それに絡んだ展開もあります。
そうした部分は,アドベンチャーゲームを手がけてきたシナリオの林 直孝さんのキャラクター描写がすごく生きてますね。
4Gamer:
そういえば,シナリオは林さんでしたね。RPGのシナリオとしては異色の雰囲気に仕上がっていたりするんでしょうか。
浅野氏:
そこは,どうでしょうね(笑)。ですが,キャラクターが魅力的に見えるように,重点的に作ったつもりではあります。
4Gamer:
アドベンチャーゲームのように,それぞれのキャラクターのお話がしっかりと描かれていて,その上で最終的にグランドエンディングにたどり着くといった雰囲気になりそうですね。
浅野氏:
そういう流れは意識していたところではあります。RPGとして,そうした流れはそれほど特別ではないですし。
4Gamer:
確かにそうですね。まさに王道RPGとして,むしろそれぞれの思惑があって,けれどそれが一つにまとまっていくというのが普通ですよね。完全新作ということもあり,つい奇抜な方向に気が向いてしまっていました。
浅野氏:
林さんは,RPGのシナリオを書くのは実は今回が初めてだったそうなんですよ。
4Gamer:
それで苦労されていたようなところも?
浅野氏:
ノベルゲームやアドベンチャーゲームでは,画面いっぱいに文字を表示したりして,テキスト表示に制限がないんですけど,RPGでは「一つのセリフは22文字以内でお願いします」みたいなところがあるので,一つ一つの台詞を研ぎ澄ましていく必要があるんですよね。
ジョブデザインでは漫画家やイラストレーターとのコラボレーションも
4Gamer:
システム的な部分も若干聞かせてください。ジョブはかなりの数がありますが,サブクエストで手に入るものはどれくらいあるんでしょうか。
メインストーリーで手に入るジョブは半分もないですね。一応,それだけでもクリアはできるようになってはいますが。
4Gamer:
でも,私だけでなく少なからぬプレイヤーがたぶん全部集めますよ。まだ公開されていないジョブもあるんですよね?
浅野氏:
まだ隠されているジョブが少しだけありますね。
4Gamer:
ファイナルファンタジーからのものだけでなく,本作独自の新しいものもあるんでしょうか。
浅野氏:
FFから持ってきているものがほとんどですが,新しいジョブもありますよ。たとえば,バルキリーなどは新しいジョブですね。スーパースターなんていうのもありますけど,これはドラゴンクエストからですね。補助魔法を非常に得意とするジョブです。
……実は,バルキリーのデザインは「月刊少年ガンガン」で「ソウルイーター」を描いてらっしゃる大久保 篤先生なんですよ。
4Gamer:
そんなコラボレーションが! ほかにもあるんですか?
浅野氏:
ソードマスターは,「戦国BASARA」のキャラクターデザインをされている土林誠さんにお願いしてます。それと,赤魔道士は,「刀語」のイラストを手がけてらっしゃる竹さんだったりしますね。
4Gamer:
……意外な名前が次々出てきて,とても楽しみです。
ところで,着替え用のコスチュームが,各種特典で用意されていますよね。これは,どのジョブになってもこの姿でいられるんでしょうか。
浅野氏:
そうですね。通常は現在のジョブの姿になるんですが,その上に着る服みたいな感じで,これを装備していると,どのジョブの時でもその格好ができるようになります。
4Gamer:
こういうのも,まだ新しいものがありますか?
浅野氏:
それほどたくさんはありませんが,まだいくつか用意していますよ。
3つの通信要素を基軸に,「1人用の王道RPG」を「みんなと一緒に」遊ぶというコンセプト
4Gamer:
しかし今回は,通信を使った要素も結構多いですよね。
そうですね。通信を使った要素は主に三つあります。
一つは,村復興です。最初は主人公1人しかいないんですけど,これだと,一つの要素を復興させる――たとえばアイテム屋を開くとか――のに,実際のプレイ時間で10時間とかかかるんです。もちろん,10時間ほどであれば1日置いておけばいいので,それでも進められるんですが,すれ違いをしているとその人数に応じた人が村に入植してくれて,仲間の数が増えればそれだけ作業を分担できるので,加速度的に仕事をこなしていけるんです。これがすごく面白い。武器屋が出来れば,強い武器が買えるようになるし,アイテム屋については,買えるだけでなくて,定期的にアイテムが届けられるようになったりもします。
4Gamer:
ちゃんとゲーム本編に反映されるのは嬉しいですね。
浅野氏:
ちなみに,今配信されている体験版から最大20人を製品版に引き継げるようになっています。スタート時に20人いれば,かなりのスタートダッシュがかけられると思いますので,オススメです(笑)。
4Gamer:
そうですよね。私もTGS会場のすれ違いで一気に増やすことができたのでラッキーでした。
浅野氏:
そして,通信を使った二つめの要素がアビリンクです。これはアビリティの貸し借りができるというものです。友達が育てているアビリティを,まだ自分が使えない状態でも借りてきて使うことができるというシステムです。たとえば自分がモンクを育てていなくても,友達が育てていれば,それを借りてきてアビリティを使うことができるわけです。
なので,「じゃあキミは魔法使いを集中的に育ててください。僕はナイトを集中的に育てるんで」といった遊び方ができるわけです。
4Gamer:
借りている状態のジョブは自分では育てられないんですよね。そうすると,任せておいたのに「ゴメーン」「コラーッ!」なんてことにも?(笑)
浅野氏:
そうですね(笑)。もともとは,先行して育てている強い人が手助けしてあげるというシステムなんです。なにせジョブの数が本当に多いので,1人で全部コンプリートするのって骨が折れると思うんですよ。そこを上手に手分けできるといいんじゃないかなと。
借りているジョブは,少し性能が低かったり,使うのに多くのMPが必要だったりして,若干制限がかかっているんですよね。見方を変えると,このジョブを育てていくとどんなアビリティが使えるようになるんだろうっていう,お試し的な意味合いもあると言えますね。
4Gamer:
なるほど,こんなアビリティがあるなら,このジョブを自分で育ててみるか,という判断もできるようになるわけですね。
浅野氏:
そして3つめの要素が,フレンド召喚です。バトル中に自分が使ったアビリティとかアクションを一つ配信できるんです。それをすれ違いで交換して,戦闘中に使うことができるという感じです。
しかも,これについてはインターネットを通じても擬似的にすれ違えるようになっています。ほかのプレイヤーのアクションがピンチのときに助けてくれるという感じですね。自分が強力な技とかアクションを起こすときに配信の設定をしておけば,それが配信されるわけです。
4Gamer:
……あ,戦闘中に「配信」というコマンドがあるのはそれなんですね。
浅野氏:
そうです。あとフレンド登録をしておけば,意図的に交換できるんですよ。今から強いボスと戦うからファイガを使えるなら配信登録してと頼めば,登録してもらったものをインターネットを通じてすぐに使えるようになるんです。
4Gamer:
なるほどフレンド登録してある人とはネットを通じて,配信登録されたものをすぐに受け取れるんですね。
そうですね,フレンド召喚の技の更新を選択すれば,すぐに新しいものになります。そのほかにも,ネットフレ招待という機能もあって,こちらでは擬似的にすれ違いを行う機能があって,それで更新することもできます。
フレンド召喚はバトル,アビリンクは成長,村復興はシナリオと,RPGの3大要素にそれぞれ友達と遊ぶ非同期の通信要素を入れた形になっています。
4Gamer:
オンラインゲームではないのに,仲間と遊ぶ要素が充実してるわけですね。
浅野氏:
そうですね。とはいえ, 王道ファンタジーRPGですから,1人でちくちくと遊ぶ、というのが基本になくてはいけません。ですから,「みんなと遊べる1人用RPG」というのがコアコンセプトになってるんです。
4Gamer:
なるほど,1人でやり込みたいというのは分かる気がします。
浅野氏:
それで,そういう人がアビリンクでクラスの英雄になったりするんですよね(笑)。
4Gamer:
そういえば,プロモーション展開でARを活用されていましたけれど,あれって,ゲーム中にもその要素はあるんですか?
浅野氏:
まず一つはオープニングで,去年のゲームショウで使われたものを収録しています。一応,ARマーカーを使わなくても大丈夫なようにはなっていますが,オープニングの部分ですし,パッケージの中に印刷したものがあるので,それを使って見ていただければと思います。
ほかにも少しARを使える箇所があります。ただ少なくとも,外出中でARマーカーがないからこれ以上ゲームが進められない,という事には絶対ならないようにしています。
4Gamer:
なるほど,いろいろお聞きできました。ありがとうございます。
では,楽しみに待っているプレイヤーに向けて,最後に一言お願いします。
浅野氏:
現在,ニンテンドーeショップに体験版がアップされています。この記事を読んでいただけるくらいには興味を持っていて,もし3DSをお持ちなら,かなり遊び込めるものになっていますし,面白いゲームに仕上がっていると思うので,プレイしてみていただければ嬉しいです。
4Gamer:
体験版は,引き継げる要素もありますしお勧めですね。
浅野氏:
そうですね,特典アイテムがもらえたり,本編に村人とかを引き継げたりするので,ぜひ。これだけ遊べる体験版は,ほかにないんじゃないかと思います(笑)。
4Gamer:
本日はありがとうございました。
当たり前すぎて,あまり語られていなかっただけなのかもしれないが,本作ではクリスタルに起こった異変に対して,精霊に導かれたアニエスと仲間達がクリスタルの解放という使命に身を投じていくという,実に王道ファンタジーRPG的な展開を楽しめることが改めて理解できた。
奇抜な展開ではないが,それを高次元のグラフィックスやゲームシステム,そしてシナリオや音楽で楽しませてくれる。これこそ往年のRPGファンが求めるRPGの1つの形と言えるのではないかと思う。
もちろん,それだけにはとどまらないところも本作の魅力だ。オンラインでのプレイを強いるのではなく,すれ違いやフレンド登録によってほかのプレイヤーとの協力プレイをバックアップしてくれるというのは,昨今のゲームらしいアプローチだ。実際に遊び始めると,こういう部分がとても良いポイントとなるに違いない。
もし,知り合いに「何か新しいRPGない?」と聞かれたら迷わず勧めることのできる王道RPG,それがブレイブリーデフォルトだ。そして,1人で王道的RPGを楽しむ一方で,アビリンクやフレンド召喚で友達とも一緒に楽しめるというのが,また嬉しいところだ。友達を誘って,まずはぜひ体験版を楽しんでみよう。
「BRAVELY DEFAULT」公式サイト
(C)2012 SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved. MAIN CHARACTER DESIGN: Akihiko Yoshida.
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