インタビュー
「DEAD OR ALIVE 5」にアキラとサラがゲスト参戦することになったキッカケとは? コーエーテクモ・SEGA開発陣へのインタビューを掲載
VFとのコラボレーションが実現した経緯とは
4Gamer:
それでは,先ほど話題に上がったVFシリーズとのコラボについて聞かせてください。まず,キッカケは何だったのでしょうか。
そもそも,DEAD OR ALIVEシリーズは最初,SEGAさんからVFのシステム基板をお借りして作ったものなんです。
4Gamer:
MODEL2とNAOMI基板ですよね。
早矢仕氏:
はい。そのことがあって,SEGAさんには世に発表するよりも前にDOA5制作開始のご報告をさせていただいたんですが,そのときに「もし可能でしたら,VFのキャラクターをゲストとしてお呼びしたい」と相談しまして,そのあとは意外にもトントン拍子に話が進んでいまに至ります。
4Gamer:
そのお話を聞いて,SEGAさんとしてはどう思われましたか?
片桐大智氏(以下,片桐氏):
コーエーテクモさんがDOA5の映像を持って,セガにいらしたんです。2体のキャラクターが,たしか工事現場のようなところで戦っている間に,どんどんステージが壊れていく……,なんかエライ映像を見せていただいたところで,先ほどおっしゃていたように「できればこれにVFのキャラクターを」というお話があって。「あ,これに出るんですか?」と寝耳に水状態ですよ(笑)。それはできたら素晴らしいですけど,でもどうやるんだろう? というのが最初の感想でしたね。
羽田隆之氏(以下,羽田氏):
もう,単純に驚きでしたね(笑)。
4Gamer:
では,出すこと自体には悩まなかった?
片桐氏:
開発としてはまったく悩みませんでした。途中の経緯は把握していませんが,キャラクターの人選をいただいて,ではやるとしたらどういったデータをお渡しすればいいかという話になり,すべてのデータをお渡しして,じゃああとは作っていただこうと。それこそトントン拍子でしたね(笑)。
4Gamer:
それはいつごろのお話だったんですか。
片桐氏:
去年の早い段階だったと思うんですけど,それでももう今ここまでこぎ着けているということは,結構タイトなスケジュールだったと思うんですよ。
4Gamer:
なるほど。ちなみに今作の開発がスタートしたのは,いつごろなんでしょうか。
早矢仕氏:
実験自体は2年前ぐらいからですね。実際に映像ができあがったのは1年半くらい前で,SEGAさんに動画をお見せしたのが約1年前です。
4Gamer:
VFのキャラクターに関して言えば,ほぼ1年くらいで実現できたということですか。
早矢仕氏:
そうですね,ちょうどそれぐらいです。
4Gamer:
DOAチームにとって,VFへはどんな思い入れがあるのでしょうか。
新堀氏:
今まで背中を見て作ってきたというのもありますし,もちろんライバルのような見方もしていたんです。それこそ,この技は何フレームでしゃがみ状態になっているのか,みたいに(笑)。
早矢仕氏:
例えばVFに水面のあるステージが登場すると,DOAにも水面ステージが追加されたり,雪のステージでもそれは然りというように,当時を知っている方だったら,我々がVFを遊びながら作っていたことは,なんとなく分かってもらえると思うんです(笑)。とはいえ,開発に関しては,超えたい存在としてライバル視しています。
片桐氏:
なるほど(笑)。
新堀氏:
しかし,いざデータを頂いて中身を覗いてみたとき,とにかく驚きましたね。もちろんすごいことは分かっていたんですけど,思った以上に細かな部分まで考えて設計されているんだなと感心しました。あそこはこうなっているから気持ち良く動かせたんだな! とか(笑)。
片桐氏:
え,それってどのあたりですか。
新堀氏:
最初,DOA5にコンバートしたときに,アキラの揚炮(ようほう)からコンボが入らなかったんですよ。
片桐氏:
ああ,初めてキャラクターを見せていただいたときですね。フレームデータは渡していたんですが,そのときは一部がまだ渡せていないところもありまして。
VF5では,ヒットまたはガードされたとき,その後に動けるようになるまでのフレームが技個別で違うんです。そこのデータをお渡しできていなかったので,一律になってしまっていて,それでコンボが決まらなかったんですよ。
4Gamer:
なるほど。ゲストキャラクターはSEGAの全面監修とありますが,これはVFのフレームやモーションのデータを,そのまますべて渡しているということなんでしょうか。
羽田氏:
ええ,もう全部ですね。キャラクターのモデルもそうですし,技ごとのフレームのデータなどはもちろんのこと,入力のコントロールに近いところも。あとボイスのデータもそのままですし,用意できるものはすべてお渡ししています。
4Gamer:
モデルもまったく一緒なんですか?
羽田氏:
いえ,DOA風のテイストは付けていただいています。例えば,VFのサラは髪の分け目のところに髪の毛の筋が一本出ているんですけども,DOAのモデルでは削除されています。それを一本足すか足さないかで結構協議しました。その結果,TeamNINJAさんのこだわり,こう可愛くありたいとか綺麗でありたいといったものが反映されているんです。
早矢仕氏:
DOAのキャラクターとしても,自然なものとして出したかったんです。
羽田氏:
顔に関してはかなり協議を重ねましたね。VFの場合,キャラクターセレクトでのハイモデルの顔とゲームの顔って結構違うんですけど,今回DOA5ではハイモデルに合わせています。ただ,それだとサラの顔がイメージとかけ離れてしまう部分がありました。ですので見せていただいたモデルから,例えばアゴをもう5mm短くとか,眉の角度はもう少し鋭くとか,本当に細かいところまで何度も指示をいただいて,今ではサラなんだけどサラじゃない,DOA5のサラになったと思います。
4Gamer:
VFのキャラクターから,アキラとサラがゲストに選ばれた理由は,やはりVF1から出ている顔として,ということなのでしょうか?
早矢仕氏:
DOAシリーズは,いつもVFよりナンバリングが下だったんです。今回の5で初めてナンバリングが並んだので,VF1から5まで皆勤しているキャラクターであってほしかったし,それを見た全員がそのタイトルをイメージできるキャラクターに出てほしかったんですよ。
4Gamer:
ほかのキャラクターの意見はなかったのでしょうか,それこそパイだったり。
早矢仕氏:
ありましたよ。うちにはVFが大好きなスタッフが大勢います。それで,こういうコラボレーションを相談しに行くから,おのおの好きなキャラクターを挙げてくれという話をしたら,まあ,見事にバラバラで(笑)。
新堀氏:
私はエル・ブレイズ使いなので,ブレイズが面白いですよー! と(笑)
(一同笑)
4Gamer:
みんな自分が使っているキャラクターを挙げていくわけですね。それは決まらない。
早矢仕氏:
ええ,そうなんです。とはいえ,今回初めてゲストとして出ていただくので,やっぱり順番があります。というわけで,最終的にはプロデューサー権限で決めさせてもらいました。
4Gamer:
では,VFのキャラクターをDOA5のゲームシステムに合わせるにあたって,苦労話などがあれば教えてください。とくにサラはもともと返し技を持っていませんよね。
新堀氏:
ホールドに関して言うと,アキラはもともと返し技を豊富に持つキャラクターですが,おっしゃるとおりサラにはありません。そこで,いままでのVFで使用できた投げ技を入れられないか,というご相談をさせていただいて。ここから先は,SEGAさんに話してもらったほうがいいかもしれないですね。
サラの場合は,うちのデータベースにある昔のモーションの投げ技などをひっくるめてお渡ししました。ただ,VF4と5ではデータの構造が違っていて,しかもそれをうちで作業できる状態ではなかったので,分からなかったら聞いてくださいという形で,そのままお渡ししたんですよ。そしたらすぐに見本を出してもらえて「完璧に再現されています」と言った覚えがあります(笑)。
羽田氏:
今の「VF5 ファイナルショーダウン」にはない,サラのフロントスープレックスやフォーリンエンジェルスローが,ホールドからシフトする投げ技になっているんです。技名もそのまま付けていただきまして。
新堀氏:
それはもう,ぜひ使いたかったからです(笑)。
4Gamer:
ファンにとっても納得の技が追加されている,というわけですね。
新堀氏:
ここでこれがきたら気持ちいい! そう思えるところに入れているので,期待していてください。
4Gamer:
ホールド以外はどうでしょうか。
新堀氏:
技のコマンドですね。VFはパンチ,キック,ガード,一方,DOAはパンチ,キック,ホールドとほぼ同じなんですが,こちらにはタッグモードがあって交代操作が3つ同時押しなんです。
アキラとサラがVFのコマンドのままだと,3つ同時押しの技があるために交代ができなくなってしまうので,該当する技をどのコマンドに落とし込むか,というところで今も苦戦しています。
4Gamer:
いま現在,苦戦中なんですか。
新堀氏:
はい。アキラは結構ハマッてきていると思うんですが,サラはまだ調整の余地あり,という段階ですね。
4Gamer:
ということは,コマンドに関してもVFのものをなるべく踏襲しているんですね。
新堀氏:
VFを遊んでいる人がDOA5に入ってきたとき,その2キャラクターはすんなり動かせる,という状態にしたいんです。それで,「DOAって意外と楽しい」と感じてくれればいいなと。
それともう一つ。DOAって日本語ボイスと吹き替えの英語ボイスが収録されているんですが,VFのキャラクターのボイスは全世界共通なんです。なので,DOA5を日本語ボイスで遊ぶと,サラだけが英語をしゃべる世界になるんですよ。
4Gamer:
ああ,言われてみれば英語ボイスだけですね。
早矢仕氏:
だからと言ってそこで違う声優さんをあててしまうと,それはもうサラじゃなくなってしまいます。だから,これはもうこのままでいこうと。
4Gamer:
コラボレーションのある対戦格闘ゲームでは,ゲストがほかのキャラクターと比べてちょっと弱めに調整されていることがありますよね。それについてはどうでしょうか。
新堀氏:
弱めにしよう,というつもりはまったくありません。もともと今作ではどのキャラクターも個性,例えば投げが強いとか,打撃が強いとか,手数が多いといった強みを生かして戦う設計です。その中で,アキラはこう戦うよねとか,サラはフラミンゴを生かして攻めるよねみたく,アキラというファイター,サラというファイターがDOAの世界に入ってきたらこうなるというイメージのまま,言ってしまえば単純な作り方をしています。
4Gamer:
もしかしたら,世界大会や全国大会でアキラが優勝しちゃう可能性もあると。
新堀氏:
もちろんあります。もうぜひ優勝していただければ(笑)。
4Gamer:
それは楽しみですね。では,VFからゲスト参戦というトピックに対して,ファンからの反応はどうだったのでしょうか。
早矢仕氏:
DOA5としては,あくまでもVFのキャラクターにゲストとして来ていただく,という意識があって,最近はそれが誤解なく伝わってきていると感じます。実際に動いている映像を見ていただけるようになったことも大きいと思うのですが,VFファンの皆様にもDOAファンの皆様にもポジティブに受け取ってもらえています。これはすごく嬉しいですね。
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Akira, Sarah, Pai characters (C)SEGA.
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