イベント
「サムライ&ドラゴンズ」の「ファンミーティング2013冬」レポート。「閃乱カグラ SHINOVI VERSUS」「SOUL SACRIFICE」とのコラボが発表に
1st/2ndシーズンを踏まえ,ゲームとしてさらなる進化を遂げる3rdシーズン
イベントの冒頭では,「サムライ&ドラゴンズ」のプロデューサーを務めるセガの山田理一郎氏とアートディレクターの福原智学氏,そして宣伝担当のサムドラ森田氏が登壇し,1月28日に終了する2ndシーズンを振り返った。
福原氏は新職業の追加に触れ,とくに短い時間でチャレンジできたデザイン面での達成感が高かったと話す。3rdシーズンでも新職業は追加されていくが,ゲームバランスとの兼ね合いもあるため,職業の数や実装時期などは未定とのことだ。
森田氏は,コラボカードのモデルとなったフィギュアスケートの織田信成選手にに会えたことを一番嬉しかったこととして挙げていた。
「サムライ&ドラゴンズ」アートディレクター 福原智学氏 |
「サムライ&ドラゴンズ」宣伝担当 サムドラ森田氏 |
続いて,3rdシーズンにて実装される,新要素の発表が行われた。山田氏いわく,3rdシーズンは既存の機能をブラッシュアップしたうえで新機能を追加し,よりよいゲームとして提供することを目指すという。発表された新要素は以下のとおりだ。
●新ダンジョン&新ボス
新ダンジョンは「伝説の武器庫」という設定で,その武器庫の所有者である雷属性のボス「タイタン」を討伐するという内容だ。タイタンのほかにも「アイニ」「イグニタウロス」の2体のボスが紹介された。いずれも炎属性を持つが,それぞれ魔法系,打撃系と得意な攻撃が異なるので,攻略法も変えなければならないようである。
さらに山田氏は,これまでのダンジョンとは異なる遊びの追加を検討しているので,今後の発表に期待してほしいと話していた。
●新マッチングシステム
ただし,このマッチングシステムで一緒にプレイした人であっても,ワールドをまたいで「戦友」(フレンド)にはなれないとのことである。
●闘技場がさらに進化
●Webとの連携
ワールドマップや塔の状態といったゲーム内の状況を,Web上から確認できる機能も追加される。山田氏によれば,これは1stシーズン当初から構想していた機能で,ようやく実現できる見込みが立ったという。
●新種族「神話族」
2ndシーズンで実装された「龍族」に対抗し得る種族として,「神話族」が登場する。神話族は,その名のとおり神話に登場するキャラクターがモチーフ。非常に強力なカードである反面,コストが高めだったり,入手しにくかったりといった制約も課されるとのことである。
●アジア地域でのサービス開始
2月1日から,本作のアジア地域におけるのサービスがスタートする。当初は,日本とほかのアジア諸国とでサーバーを分けるが,プレイヤーの要望を踏まえて,今後のシーズンスタート時に,ワールドサーバーに移行できるようなシステムの構築も検討しているという。
PlayStation Vita用3タイトルとのコラボレーションが発表に
さて「サムライ&ドラゴンズ」と言えば,豊富なコラボレーションもウリの1つだが,3rdシーズンでもさまざまなコラボ企画が用意されている。会場では,2013年に発売が予定されているPS Vita用タイトルとのコラボ企画が発表された。
●「閃乱カグラ SHINOVI VERSUS -少女達の証明-」
マーベラスAQLの「閃乱カグラ SHINOVI VERSUS -少女達の証明-」に登場する10名のキャラクターが,魔獣カードとなって登場する。これらのカードは,2月下旬に実施されるログインスタンプキャンペーンにて配布される予定だ。
また山田氏は,このコラボレーションが,「サムライ&ドラゴンズ」に足りないと指摘される“和”のテイストに,厚みをもたらしてくれるのではないかとコメントしていた。
●「ファンタシースターオンライン2」
セガが,2013年2月28日にPS Vita版のサービスを開始する「ファンタシースターオンライン2」(以下,PSO2)とのコラボでは,「ヴォル・ドラゴン」「ラッピー」といったエネミーと,「ハニュエール」「フォニュエール」といったキャラクターなど10枚のコラボカードが登場する。こちらも,ログインスタンプキャンペーンで入手可能だ。
●「SOUL SACRIFICE」
ソニー・コンピュータエンタテインメントの「SOUL SACRIFICE」からは,5体のモンスターをモチーフにしたコラボカードが登場する。これもログインスタンプキャンペーンで入手可能となる。
また山田氏と福原氏は,コラボカードをデザインするにあたり,「SOUL SACRIFICE」のイメージを重視して,格好よく見えるよう配慮したという。
また会場では,以下のセガタイトルとのコラボ企画も発表された。
●「初音ミク -Project DIVA- F」
PlayStation 3用ソフト「初音ミク -Project DIVA- F」から“電子の歌姫”達のコラボカードが登場。コラボカードはすべて新種族「神話族」で,3月下旬からスペシャルパックとして販売される。
●「シャイニング・アーク」
PSP用ソフト「シャイニング・アーク」のキャラクターをモチーフとするコラボカードを,2月末からスペシャルパックとして販売する。
さらに,以下の自社コラボ企画も決定している。
●「セガオールスターパック2」
●「戦国大戦」
●「三国大戦」
●「セガっ娘13 〜夢 叶えし機械(モノ)〜」
最後の「セガっ娘13 〜夢 叶えし機械(モノ)〜」は,イラストレーターのKEIさんが,セガ歴代コンシューマ機を可愛い女の子に擬人化して描いたカードのスペシャルパック。前回のファンミーティングにて発表されていた企画だが,ほかのコラボレーションが優先されたために,3rdシーズンまで持ち越しとなったそうだ。
さらに会場では,セガ歴代アーケード基板12種類を擬人化したコラボ企画も発表に。こちらのイラストは,アニメなどで活躍する複数の作家陣によって描かれる。
そのほか,2月2日18:00から3日18:00にかけて,セガが配信する「ぷよじかんテレビ」に「サムライ&ドラゴンズ」が参加し,チャレンジ企画を行うこともアナウンスされた。この企画では,同タイトルのメインプランナーを務める本橋孝太郎氏が,ゲーム内の全ワールドにて,プレイを進めるという。番組終了時に,すべてのワールドで本橋氏がプレイヤーの配下となっていれば,プレイヤー側の勝利となる。
柴田ヨクサルさんが「サムライ&ドラゴンズ」にハマっていることを告白!
トークセッションでは,「サムライ&ドラゴンズ」のキャラクターデザイン/イラストを手がけた漫画家の柴田ヨクサルさんと,コスプレタロット占い師の渚さんが登壇した。柴田さんはトークの冒頭から「すいません,こんな者がゲストで……」と恐縮したり,自身が同タイトルに起用された経緯について「皆さん,『なぜ?』と思いますよね。おそらく大御所の先生に断られたとか……」と語ったりするなど,かなり自虐的。山田氏らが「そんなことないですよ! スタッフ一同,柴田先生にお願いして本当によかったと言っています!」とフォローする一幕もあった。
柴田ヨクサルさん |
渚さん |
トークの最初のお題は,「キャラクターデザインにあたって」。柴田さんは,自身がデザインを手がけた5種類の下級職について,「5人でバトルロイヤルをやったとして,誰が勝ってもおかしくないように描いた」と説明。その中でも,「機動戦士ガンダム」のカイ・シデンや,「ルパン三世」の次元大介のようなイメージのある忍者が,柴田さんのお気に入りだという。
また魔法使いのイラストで特徴的な胸について指摘されると,柴田さんは「描いてみると分かると思いますが,僕に限らず,どなたでも(体型などのバランスを取って)大きくしてしまうものなんです」と返答。ちなみに貧乳については,「かなりの根性(もしくは,こだわり)がないと描けないと思います」とも話していた。
次のお題は,「『サムライ&ドラゴンズ』の魅力とは?」。ここでは,柴田さんがランキング120位前後,闘技場では1ケタ台に入るほど熱心に同タイトルをプレイしていることを告白した。柴田さんは,「最近,いいことも嫌なことも『サムライ&ドラゴンズ』の中で起きます」と語り,いいこととして「スキルのミラージュシフトが10になったこと」を挙げるなど,そのコアプレイヤーぶりがうかがえた。
一方,渚さんは,生放送イベントに出演したところ,その直後に所属同盟が滅ぼされたというエピソードを披露。非常に悔しく,かつ悲しい思いをしたそうだが,逆に同タイトルの駆け引きや戦闘の面白さに気づいたという。
3番目のお題は,「一番好きな職業は?」。渚さんは,パーティプレイでの回復役が好きだということで,ハイプリーストを挙げた。
柴田さんは,ビジュアル的な側面からブレードエンチャントレスを挙げた。また,ブレードエンチャントレスで,攻撃時に背中を反らすことで力を込める様子がきちんと表現されていることなどを指摘し,「サムライ&ドラゴンズ」のキャラクターのモーションを絶賛。「細かい部分が,まるで海洋堂のフィギュアみたいによくできている」とまとめた。
最後のお題は,「(ゲーム内の)世界を制するものに必要なものとは?」。これには柴田さんも渚さんも,同盟の盟主が人格者であることを挙げた。とくに渚さんは,自身の経験から,同盟員が今どんな状態にあるのか,どこが攻められているのかなどを常に把握している必要があるのではないかと,盟主の要件を語った。
イベントのエンディングでは,山田氏が,人気漫画家の柴田さんをゲストに招くことができるほど「サムライ&ドラゴンズ」も成長したと感想を述べ,今後もプレイヤーの意見を反映して,いいゲームを提供していきたいと展望を語ってイベントを締めくくった。
4人のゲームクリエイターにショートインタビュー
イベント終了後,登壇した山田氏,高木氏,酒井氏,稲船氏の4名に対して,メディア合同インタビューが行われたので,以下にその模様をお伝えしよう。
――イベントの感想を教えてください。
稲船氏:
コラボレーションという形で,今回のように何チームも集まることはあまりないので,すごく新鮮でした。僕がイベントをやるとすごくゆるくなってしまうのですが,今日は真面目ないいイベントでしたね。
高木氏:
今まではタイトル単独のイベントが多かったので,呼んでいただけてうれしいです。「サムライ&ドラゴンズ」は,クローズドβテストに当たって遊んでいましたので,そういう意味でも参加できてうれしかったです。
酒井氏:
僕も同じセガの一員として「サムライ&ドラゴンズ」やPS Vitaを盛り上げていきたいと思っていますので,こうしてコラボイベントができたのはうれしいですね。
山田氏:
PS Vitaのラインアップが揃ってきて,ライバルも増えているのですが,プラットフォーム全体が盛り上がれば,また我々にもフィードバックがあると捉えています。今後も,こうしたコラボレーションやイベントを積極的に行っていきますので,ぜひご注目ください。
――これまで以上にPS Vitaを盛り上げるには,何が必要でしょうか。
稲船氏:
ゲーム開発者としてやるべきことは,やっぱり,いいゲームを作るしかないでしょう。いいゲームを作って,いい宣伝をしてアピールしていくのが一番の近道。それ以外にも,皆さんに届ける方法があるかもしれませんが,いろんな合わせ技が必要になると思います。
高木氏:
プラットフォームが盛り上がる過程では,大作と呼ばれるようなものに加え,僕らが作るような毛色の変わったタイトルが増えることで,ラインアップに厚みが出るんじゃないでしょうか。僕らも大作を作りたい気持ちはありますが,まずは変化球でいこうと考えています。
酒井氏:
PS Vitaならではのソフトが必要です。「サムライ&ドラゴンズ」もPSO2も,PS Vitaならではの楽しさがあるソフトですし,同じようなタイトルが増えることでさらに盛り上がるんじゃないでしょうか。
山田氏:
PS Vitaにはさまざまな機能がたくさんありますが,それをすべて活かしきれているわけじゃないと,僕らも痛感しています。「サムライ&ドラゴンズ」では,アップデートを重ね,PS Vitaのよさや,すごさをアピールすることで,盛り上げていきたいです。
――今回,「サムライ&ドラゴンズ」に参戦するさまざまなコラボレーションが発表されましたが,逆に,皆さんのタイトルでコラボ企画を実施する予定などはありますか。
稲船氏:
コラボレーションは面白いと思っているので,「SOUL SACRIFICE」に,PS Vitaという括りの中で,ほかのタイトルが出てもいいんじゃないでしょうか。無論,企業同士の枠を超える必要があるので,実現には課題が存在しますが,それをクリアするだけの価値はあると思います。
酒井氏:
PSO2では,SCEさんの「トロ」と「クロ」のコラボレーションを実施します。「ファンタシースター」シリーズも積極的にコラボレーションをしていますから,「サムライ&ドラゴンズ」とも,ぜひ何かやりたいですね。
山田氏:
SCEさんの「SOUL SACRIFICE」にセガハードを出せたら“胸熱”ですね(笑)。僕らもアピールの場ができると嬉しいですから,コラボレーションのお誘いがあれば,積極的にアプローチさせていただきます。
――みなさんが制作している4タイトルはすべてマルチプレイができますが,それぞれの魅力を教えてください。
稲船氏:
「SOUL SACRIFICE」では,協力プレイや対戦で「皆で遊ぶ」という以上のマルチプレイを目指しています。仲間なのか敵なのかも分からない,仲間なんだけど敵に回すこともあるというように,いろいろ戦略を考える必要のあるところがポイントです。
高木氏:
「閃乱カグラ SHINOVI VERSUS」の4人対戦は,すごくハードルが低いです。たとえば夜中に疲れて帰ってきたときに,皆でワイワイガヤガヤと,無心で服を破りあってみるとか,そういうゆるいスタイルで遊んでほしいですね。
酒井氏:
今までの携帯機のマルチプレイは,近くにいる人達同士でやるものでした。PSO2では,それを一歩進め,ネットを介して,たとえば電車の中でもプレイできるようにしていきます。オンラインゲームそのもののプレイスタイルを変革するところに挑戦していますので,今までのマルチプレイのその先を見たいという方は,ぜひPSO2を遊んでいただきたいです。
山田氏:
「サムライ&ドラゴンズ」は,マルチプレイが前提のオンラインゲームです。通常,こういったタイプのゲームは,内容を濃くすると,ディープな体験が得られる一方で,プレイが辛くなっていきます。逆にライトなプレイで十分な内容だと,体験としてはあまり思い入れがなくなるかもしれません。
そこで「サムライ&ドラゴンズ」は,濃いプレイヤー向けにシミュレーションパートを用意し,その一方で気軽にマルチプレイを楽しんでもらえるバトルパートを用意しています。
――コンシューマ機で,Free-to-Play(基本無料)のゲームを手掛けることに興味はありますか。
稲船氏:
「サムライ&ドラゴンズ」を見ていると,Free-to-Playでどこまでプレイヤーを引っ張れるのか,どんな新しいことにチャレンジできるだろうかと,妄想が膨らみます。ただFree-to-Playは,最初にゲームを無料で配布する必要がありますから,どうやって初期の予算を確保するかという課題があります。そうした課題をクリアできたら,やれると思います。
高木氏:
当然,Free-to-Playに興味はあります。しかし,単純に入り口を無料にするだけでは嫌なので,システムや遊びに結びつく何かを思いついたら,やってみたいですね。
――酒井さんは,実際にPSO2をFree-to-Playで運営開発していますけれども。
酒井氏:
パッケージにもFree-to-Playにも,それぞれのよさや,できることがあります。とくにFree-to-Playは,ゲームを楽しむ人を増やす手段の一つとして,アリですよね。たとえば,今,コンシューマゲームがソーシャルゲームに押されている原因の一つには,パッケージの価格があります。そこでPSO2では,「コンシューマゲームにも,F2Pでこんなにすごいタイトルがある」ということを示し,コンシューマゲームに皆さんが再び目を向けてくださるよう,注力しています。
――最後にそれぞれのタイトルのPRなどをお願いします。
稲船氏:
「SOUL SACRIFICE」は,僕が独立して初めてコンシューマゲームとして出すタイトルなので,スタッフ一同,相当気合が入っています。SCEとマーベラスAQLとcomceptの3社が一丸となっていますので,そういった部分が皆さんにも伝わるんじゃないかなと。
新しい体験を提供できるゲームになったと思いますし,体験版ではその一部をお見せしています。PS Vitaを牽引して盛り上げていきたいと考えていますので,2013年3月7日の発売を期待してください。
高木氏:
「閃乱カグラ」は,この1〜2年,アニメとコミック,そしてゲーム新作と並行して頑張ってきました。次のPS Vita版でも,喜んでもらえたらいいなと考えています。実はオフィスでは,僕のデスクの近くで「SOUL SACRIFICE」の開発が進んでいるので,いつも「すごいな」と思っているのですが(笑),「閃乱カグラ SHINOVI VERSUS」は,その気持ちをうまくパワーに変換していい感じに仕上げられたと思います。ぜひよろしくお願いします。
酒井氏:
PSO2は1月26日に,PS Vita版のクローズドβテストが順調にまま終わりました。発売に向けて,皆さんから寄せられた要望を整理し,さらにいいものに仕上げていきます。PS Vita版では,コンシューマ機でFree-to-Play,PS Vitaで完全なオンラインゲームという,2つの挑戦をします。僕自身もPS Vita版をプレイしてみて,「これはオンラインゲームという概念を変える」と実感していますので,その“何か”が変わる瞬間を,皆さんと一緒に体験したいと考えています。
山田氏:
「サムライ&ドラゴンズ」は,2月1日に3rdシーズンが始まります。シーズン制のオンラインゲームは,シーズンリセットのタイミングでプレイヤーの離脱を招くこともあるのですが,おかげさまで,2012年9月の2ndシーズンのスタート時には,非常に多くの方が継続して遊んでくださいました。それは,1stシーズンの終わりに,2ndシーズンでいいコンテンツを用意していることを,しっかりお伝えできたからだと捉えています。
そのときと同じように,今日は,3rdシーズンの新要素や,アジア展開の発表をさせていただきました。これから先,もっと遊び方や世界を広げていきたいと考えており,すでに次回以降のシーズンに向けて開発準備も進んでいます。そして,「サムライ&ドラゴンズ」が1周年を迎えたときには,もっと盛り上げていきますので,引き続きご期待ください。
――ありがとうございました。
「サムライ&ドラゴンズ」公式サイト
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