連載
無料でプレイできる「Microsoft Flight」を紹介する「海外ゲーム四天王」。歴史と伝統を誇るフラシムシリーズの新たな挑戦
Microsoftが公開した「Microsoft Flight」は,誰でも無料で楽しめるフライトシミュレータだ。約30年の歴史と伝統を誇る「Microsoft Flight Simulator」シリーズの最新作として,初のFree-to-Playスタイルが採用された本作は,最近,ちょっと元気がない気がするフライトシミュレータジャンルに,一石を投じるだろうか。
そんな本作を,子供の頃にはパイロットになりたかったというライターの朝倉哲也氏が紹介する。飛びます飛びます。
ハワイ上空をゆっくりのんびり散歩してみよう
2012年2月29日,世界のフラシムファンが楽しみにしていた「Microsoft Flight」がリリースされた。2007年1月に発売された「Microsoft Flight Simulator X」の後継作となる本作は,プレイ料金無料でゲームが楽しめ,気に入った追加コンテンツがあれば,それを購入するというスタイルに大幅変更されたのだ。
今週の「海外ゲーム四天王」では,Windows以前から続く由緒正しい,Microsoftのフライトシミュレータシリーズ最新作Microsoft Flightを紹介しよう。
「Microsoft Flight」公式サイト
操縦できる機体は,コクピット後方にプロペラを備えた近未来的デザインが目を引く,Icon AircraftのIcon A5と,第二次世界大戦から今日に至るまでさまざまなシーンで活躍している複葉機,Boeing PT-17 Stearmanの2機種だ。どちらも小型のプロペラ機なので,ジェット機とは違って「大空を散歩する」といった雰囲気の,ゆったりした飛行が満喫できる。両機種共,コクピットの計器はシンプルで分かりやすく,とくにIcon A5は自動車を思わせるデザインなので取っ付きやすい。
ちなみにチュートリアルでは,空中に設定されたチェックポイントを通過しながら機体の操作を覚えられる。さらに,滑走路から離陸したあと指示された海面に着水するなど,操縦の初歩をキッチリ教えてくれるので,フライトシミュレータが初めてという人はここから始めてみよう。本作の操縦はシンプルで,マウスのみで大丈夫なので,誰でも簡単に離陸から着陸までできるようになるはずだ。ただしチュートリアルの説明などはすべて英語なので,この点でのみ,ハードルが少々高いかもしれない。
もう一つのシングルプレイモードであるFree Flightは,その名のとおり大空を自由に散歩するというものだ。スタート地点や天候,時間帯,季節などを自由に設定できるので,真夏の快晴時や真夜中のフライトなどと条件を変えて,のんびりと飛行を楽しもう。
Multiplayでは,Games for Windows LIVEのアカウントを使って,ほかのプレイヤーと一緒に飛行できる。あまりプレイしている人が多くはなさそうだが,1人でのフライトに飽きたときなど,友人を誘ってチャットをしながら空を飛び回るのは面白そうだ。
追加コンテンツは,オアフ島やカウアイ島周辺をフライトできる「Hawaian Adventure Pack」および,Maule M-7-260CとNorth American P-51 Mustangの2種類の機体が現在,発売されている。リリースの日時は不明だが,アラスカ周辺の150万平方Kmを再現したという追加コンテンツ,「Alaska」の発売もアナウンスされているので,こちらも楽しみだ。
本作はMicrosoft Flight Simulatorシリーズの最新作だが,過去のシリーズ作品と比べると,かなりアーケード色が強くなっている。そのため,シリーズを通してプレイしているようなコアなファンにはヌルくなったように感じられるかもしれないが,最近減っているフラシムファンを拡大しようとする興味深い試みだと思う。飛行できる場所や機体が限定されているとはいえ,完全無料で楽しめるのだから嬉しい話だ。欲を言えば,無料で飛べる範囲をもう少し広げてほしかったところだが,ともあれ,フライトシミュレータに興味があるなら,ぜひダウンロードして試してみよう。
■■朝倉哲也(ライター/四天王)■■
アクションゲームからMMORPG,アドベンチャーからストラテジーまで,なんでもプレイする雑色系ライター。年季の入ったPCゲーマーでもあったが,最近はコンシューマ機のゲームもプレイするようになったので,そのオールラウンダーぶりをますます強くしている。
- 関連タイトル:
Microsoft Flight
- この記事のURL:
キーワード
(C)2011 Microsoft Corporation. All Rights Reserved.