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「Medal of Honor: Warfighter」は戦場のリアリティとゲームの楽しさの両立を追求。EAがイギリスで実施したイベントでのプレゼンテーションをレポート
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印刷2012/04/20 17:00

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「Medal of Honor: Warfighter」は戦場のリアリティとゲームの楽しさの両立を追求。EAがイギリスで実施したイベントでのプレゼンテーションをレポート

 Electronic Artsは現地時間2012年4月18日,主にヨーロッパのメディアを対象としたイベント「EU EA Showcase」を開催し,EAが発売を予定している新作タイトルの情報公開を行った。そのうちの一つである「Medal of Honor: Warfighter」は,日本でも「メダル オブ オナー ウォーファイター」PC/PS3/Xbox 360)として2012年秋に発売されることが発表されたばかりだ。

画像集#002のサムネイル/「Medal of Honor: Warfighter」は戦場のリアリティとゲームの楽しさの両立を追求。EAがイギリスで実施したイベントでのプレゼンテーションをレポート

 PlayStation向けに第一作「Medal of Honor」がリリースされたのは1999年のこと。その後,2002年の「Medal of Honor: Allied Assault」がヒット作となった。2010年には,従来作でこれまで描かれてきた第二次世界大戦から現代へと舞台を移し,さらに第一作と同じタイトルを冠した「Medal of Honor」PC/PlayStation 3/Xbox 360)をリリース。新作のMedal of Honor: Warfighterは,そんな「現代戦Medal of Honor」の続編として投入されるタイトルである。

Senior creative director Rich Ferrely氏
画像集#001のサムネイル/「Medal of Honor: Warfighter」は戦場のリアリティとゲームの楽しさの両立を追求。EAがイギリスで実施したイベントでのプレゼンテーションをレポート
 EA EU Showcaseでは,開発を担当するDanger Closeで本作のSenior creative directorを務める,Rich Ferrely氏によるプレゼンテーションと質疑応答が行われた。プレゼンテーションにはFerrely氏のほか,元アメリカ陸軍特殊部隊の隊員で,現在は本作のアドバイザーを務めるというタイラー・グレイ氏(本名かどうかは分からない)も顔を見せた。
 2012年3月7日に掲載したEAのサンフランシスコイベントにも登場したタイラー氏は,10年以上も特殊部隊に在籍し,アフガニスタンやイラクでの任務経験もあるという人物。現在はケガをきっかけに退役しており,Medal of Honorや本作のアドバイザーを務めるようになったという。特殊部隊に在籍していたというと,我々とはまったく違う世界に生きる人のような印象だが,実は子供の頃からゲームが好きで,「DOOM」や「Halo」,そして「GoldenEye 007」などのFPSをプレイしてきたという。

 それは余談だが,そうした人物や特殊部隊コミュニティの協力を得て制作されただけあって,本作はリアリティの高い作品となっているわけだ。今回はゲームエンジンとして,EA DICEが開発した「Frostbite 2」が使われていることも特徴で,オブジェクトの破壊効果や,グラフィックスの向上などが図られている。Ferrely氏がとくに強調していたのが海面や川の流れなどの「水の表現」で,ゲーム中には海や川を舞台にしたミッションが多く用意されているのだという。

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 前作がアフガニスタンでの特殊作戦を描いたものだったのに対し,本作は,世界中に起きるテロ事件の背景を追って,世界中を舞台に戦うというものになる。ただし,今回はヨーロッパでの情報公開ということで,内容そのものはサンフランシスコで行われたイベントのときとほぼ同じ。デモに使われたシーンも,フィリピンのIsabera Cityを背景に,テロリストにさらわれた人質を救出するため,Tier1隊員とフィリピンの特殊部隊が協力するという内容だ。ただ,セリフをよく聞くと,「ブードゥ」や「マザー」など,前作で登場した隊員が活躍していることが分かった。

 マルチプレイについても従前の発表のとおりで,世界の12か国の特殊部隊から一つを選んで戦うというものになる。面白いのは,精鋭特殊部隊同士の戦いになることで,SASとNavy SEALs,どちらが強いかという,ファンにはちょっと興味深い戦いが再現できることだろう。

 さて,現代戦をテーマにしたFPSとしては,メガヒット作である「Call of Duty」シリーズや,同じEAの「Battlefield 3」などがあるが,本作を特徴づける部分はどこにあるのだろうか?
 これについてFerrely氏はまず,リアリティを挙げた。上記のようにMedal of Honor: Warfighterは,各国の特殊部隊で実際に戦った経験のある約20人がアドバイザーとして参加しており,とりわけタイラー氏はスタジオでも最も忙しい一人。いろいろな部署のスタッフが,例えば「こういうときに実際の特殊部隊ならどうする」とか,「こんな状況ではどういった服装をするのか」といった質問をしにやってくるという。
 アドバイザーの意見に従って,使用される武器類もすべて実際にあるものを使用し,戦術などについてもリアルになるよう努めているそうだ。ちなみに,ストーリーはアドバイザーが書いたもので,描かれる出来事も実際に起きたことがモチーフになっている。さらに,兵士の動きなどのモーションキャプチャも,彼らが演じているとのことだ。

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 もう一つの特徴として,「人間的な兵士」の視点で物語が語られることが挙げられていた。たとえ屈強の特殊部隊員とはいえ,人を超えた大活躍はできないわけだ。ゲームではさらに,兵士達の結婚問題や,経済的な問題なども扱っているという。
 とはいえ,ひたすらリアリティを追ってしまうと,ゲームが難しすぎたり,つまらなくなってしまう可能性もある。このあたりはバランスの問題で,あくまでゲーム性を損ねないレベルでリアルさを求めているとFerrely氏は語った。

 欧米では2012年10月の発売が予定されているMedal of Honor: Warfighter。前作は十分なヒット作にはなったものの,ファンやメディアの評価は必ずしも最高とはいえず,同時期にリリースされた「Call of Duty: Black Ops」に販売本数で水を開けられたのも事実だ。発売に向けて今後,情報公開が続いていくはずの本作だが,果たしてどのような作品に仕上がっていくのか。続報を楽しみに待ちたい。

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