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仲間との連携が戦争の勝敗を分ける――「クリスタル◆コンクエスト」クローズドβテストのプレイレポートを掲載
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印刷2012/10/06 00:00

プレイレポート

仲間との連携が戦争の勝敗を分ける――「クリスタル◆コンクエスト」クローズドβテストのプレイレポートを掲載

 スクウェア・エニックスは2012年9月14日〜9月18日に,ブラウザゲーム「クリスタル◆コンクエスト」のクローズドβテストを実施した。本作は,「ブラウザゲーム最高峰のクオリティ」を目指して制作された,Flash Player上(CBTでは,要Ver11.4)で動作するチーム対戦型横スクロールアクションゲームだ。

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 今年4月にプレミアムαテスト,7月にシークレットβテストが実施され,ブラウザゲームとは思えない美しいグラフィックスに驚いたプレイヤーも多いと思うが,その一方で,キャラクターの操作やゲーム動作の不安定さなど,克服しなければならない課題も少なからずあった。

 今回行われたクローズドβテストでは,そうした2度のテストでのフィードバックをもとに,クラス間バランスの調整や操作感の改善,負荷対策など,さまざまな要素のアップデートが行われている。今回,このクローズドβテストで戦いに身を投じてみたので,そのプレイフィールを交えつつ,どのようにプレイするゲームなのか,またどんなところが面白い作品なのか,一見しただけでは分かりづらいポイントを解説していこうと思う。
 なお4Gamerでは,7月に行われたシークレットβテストのプレイレポートも掲載しているが,このときのテストはごく短期間で,またキャラクターも最初から高レベルだったりと特殊な仕様になっていた(関連記事)。そこで,より正式サービスに近い形で行われた今回のクローズドβテストをプレイして,本作を改めて紹介しようと思った次第だ。

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「クリスタル◆コンクエスト」公式サイト



ゲームの流れとメインとなる戦争のルール


 クリスタルコンクエストは,「イストリア王国」「ル・シェイン王国」「ギラード王国」といった,三つの国家の戦争をフィーチャーした多人数対戦ゲームで,同じ国に所属する仲間と協力して相手国に勝利することが目的だ。戦場はいわゆる三すくみではなく,二国間のみでのマッチングで行われる。

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 ゲームの流れは,

1.ロビーでクラスチェンジやショップでの買い物,合成などを行う
2.ロビーから“出撃”して戦場へ
3.戦場でバトル
4.バトルの結果により経験値やお金を入手(敗北しても,ある程度入手できる)
5.ロビーへ戻る


といった感じになる。このようにプレイヤーは,キャラクターの装備を整えたり,ほかのプレイヤーとコミュニケーションを取ったりするロビーと,実際にバトルを行う戦場とを行き来しながらゲームを進行していく。そして,戦闘のメインとなるのは「対人戦」である。

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 一般的なMMORPGをプレイしていると,「対人戦はちょっと」と思う人もいるかもしれないが,本作では勝敗には関わるものの,敵に倒されても個人が失うものなどはないので,気後れせず積極的に戦争に参加してほしい。

 キャラクターの操作自体はシンプルで,基本的には移動先/攻撃対象をクリックするだけ。オンラインゲームをプレイしているプレイヤーなら,とくに問題なく遊べるだろう。しかし戦争ともなれば,集団での戦いが展開され,しかも召喚獣や建築物といったさまざまな要素が絡み合うので,ただ目の前の敵を攻撃していればいいわけではない。
 アクション性の高いタイトルだけに,最初は思うように戦場でいい動きができなかったり,相手を倒せなかったりすると思うが,繰り返し戦場に出てコツを掴めば,少しずつ上達していくはずだ。

 戦争の基本ルールは,マッチングされた2か国のプレイヤーが戦い,画面の上部に表示されている相手の「本拠地耐久力」を0にした国が勝利するというもの。なおマッチングは自動で,最低限の人数が揃った段階で戦場が生成されるようだ。その後,開始後の一定時間内にロビーで出撃したプレイヤーが,戦場に突入してくる仕組みになっている。

マッチングしたと思ったら,味方が1人のまま開戦へ。一瞬不安になるものの,最終的には6人での戦いになった。ちなみに,すでに生成された戦場に出撃する場合,ほぼ待ち時間なしで参戦できる
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 各国のスタート地点には「本拠地」があり,これを直接攻撃すると本拠地耐久力を減少させることができる。しかし,相手のプレイヤーを撃破することで敵本拠地の耐久力も減らすことができ,多くの場合,これが勝敗を左右する。最小の6人対6人では,20人分ほどの相手を倒せば勝利できるので,本拠地を直接攻撃することなく勝負が決することも。なお,時間切れの場合は,より多くの陣地を確保していた側が勝利となる(※陣地に関しては後述する)

 つまり自軍の被害を最小限にして,いかに相手のプレイヤーを多く倒していくかが重要になるのだが,いくらレベルを上げて,優秀な装備品を集めたとしても,敵の集団にソロで特攻していては勝つことはできないのが戦争だ。
 味方と連携して戦う集団 VS. 集団という構図がクリスタルコンクエストの特徴であり,面白い部分でもある。味方とうまく連携が取れれば,キャラクターレベルが低くても十分に活躍できるだろう。


戦争へ出撃する前にロビーで装備やスキルの確認をしておこう


 バトル以外の要素のほとんどはロビーで行うことになる。
 戦争に出撃する前に必ずやっておきたいのが,装備品とスキルの確認だ。ショップで新しいアイテムを入手したり,合成で強化したりしても装備しないと効果は発揮されない。とくにスキルは数ある中から主要な4つのスキルと,切り札的な意味で使用するワイルド枠に5つ装備できるので装備を忘れないこと。

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 主要スキルは,それぞれクールタイムが設けられているが戦争中に何度でも使うことができる。レベルが一定以上になると新しいスキルを習得できるが,いくつスキルを覚えても実際に戦場に持ち込めるのはたったの4種類。スキルのチョイスはかなり重要だ。

 ワイルドスキルに設定した5つのスキルは,それぞれ1回の戦いで1度しか使えないうえ,プレイヤーはどのスキルを使うかを自由に選択できない。セットされたスキルは,戦場に入るたびにランダムで使用順が決まり,1枚ずつ順番に使っていくことになるのだ。
 そんな使い勝手の悪さの代わりに,ワイルドスキルは絶大な威力を発揮する。この強力な武器をいつどんなタイミングで使うのか。使いたいときに,そのワイルドスキルが使える状態にあるのか(ワイルドカード枠にもクールタイムがあるため,次のカードをすぐには使用できない)。温存しておきたいが使わないともったいない……と悩ましい。いっそのこと,確実に使いたいスキル1枚だけをセットするのというも戦術の一つになるだろう。

装備を決めたら“決定”を押すのをお忘れなく。思わずロビーに“戻”ろうとしてしまうこともあったので,“戻る”ではなく“キャンセル”という表記でも良かった気がする
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 ショップは,ほしいアイテムを購入する一般的なお店ではなく,ランダムでアイテムが入手できる,いわゆる“ガチャ”タイプになっている。武器,防具,スキルといったカテゴリーは選択できるが,実際に出てくるアイテムは,メインで遊んでいるクラスが使えるものとは限らない。幸い,コミュニティ機能のメールを使うことでアイテムの受け渡しが可能なので,仲間と交換しながら装備やスキルを整えたり,合成の素材として使うといいだろう。

購入というよりも,泉にお金(リーフ)を投げ入れて授かるというイメージだろうか
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泉の女神様(?)。どうか,いいアイテムを! と祈りたくなる。ちなみに演出はオフにできる
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 合成というのは,一般的なMMORPGでもお馴染みのアイテムを強化する要素で,本作では武具を強化していくだけでなく,スキルも強化できるのが特徴だ。武具はレベルにあった装備を次々と変えていくスタイルなので後回しにしても問題ないが,主要となるスキルは,早い段階から合成して強化しておきたい。なお,合成に使う素材は,ショップで入手したアイテムやスキルということになるが,レアリティが一定以上でないと素材として使えない。また,合成の成功率を上げるために,補助素材の投入も必要になるだろう。強力な武具やスキルを合成するには,それなりに手間とお金が必要になりそうだ。

何かとお金がかかりそうな合成。成功率や合成後に付加される可能性のある効果などが,前もって分かるのはありがたい
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 このほか,時間を指定して「探索」を行ったり,「クエスト」を達成して報償を得るといった要素も搭載されている。探索は最初に探索場所と時間を決定すれば,指定時間後にアイテムやお金などを入手できるかもしれないという機能。戦争中やログアウト時も実行されているので,ちょっとした運試しといった感じで設定しておけばいい。探索時にどんなことが起こったのか,その報告もなかなか面白い。

探索時に何が起こり,何を発見したのか。探索履歴でログが確認できる。探索で得た報酬は,メールで送られてくるので受け取りを忘れずに
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2時間探索を行ったときの探索ログ全文も載せておこう(クリックで画像全体を表示)。ほかにどんなシチュエーションがあるのだろうか
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 コミュニティ機能に関しては,一般的なパーティ,ギルドといったコミュニティがあり,当然チャットもできる。ギルドやパーティ単位で行動すれば,より緻密な連携がとれるだろう。また,同じスクウェア・エニックスのブラウザゲーム「MONSTER×DRAGON」と同様に,ゲーム外部のコミュニティ機能を使って仲間と情報の共有/交流を行うことが可能となっている。


クラスによって戦争での役割は異なる。特徴を知りクラスに合った立ち回りをしよう


 戦争の準備ができたら,いよいよ本番! といきたいところだが,その前に自分のクラスの特徴を把握しておきたいところ。前衛職が後ろをうろうろしていたり,後衛職が敵に突撃していては,いつまで経っても勝利が遠のくばかりだ。
 プレイヤーが最初に選択できるクラスは,ウォリアースカウトプリーストソーサラーの4種類。基本となるこの4クラスは,最初からロビーで自由にクラスチェンジできる。とはいえ,初期の装備とスキルはキャラクター作成時に選んだクラス分しかないので注意しよう。

装備はクラスごとに記憶されており,クラスチェンジで自動的に装備がセットされる
画像集#021のサムネイル/仲間との連携が戦争の勝敗を分ける――「クリスタル◆コンクエスト」クローズドβテストのプレイレポートを掲載


○ウォリアー
 高い攻撃力と防御力を持った前衛クラスで,戦線の維持にはなくてはならない存在。

 初期スキルは攻撃系のソニックブレードとタックル,そして一定時間移動速度を上昇させるショートダッシュ。とくに重要なのがショートダッシュで,瀕死の敵を追いかけたり,ピンチの状況から脱出するために使ったりと,幾度となく活用することになる。まだ,レベル10で習得できる「逆襲」というスキルは,HPの残量に反比例した一撃を与えるスキルだ。これをワイルドスキルとして使用した場合,HPの残量によっては物理防御に優れたナイトすら一撃で葬れることも。

 ウォリアーの役割は,最前線での敵のけん制ならびに,敵を倒す――いわゆるキル取りだ。ショートダッシュの性能から,敵の後衛が集まっているところまで突っ込んで陣形を崩してから帰還することもできる。ただ,スキルのクールタイム管理などが難しいので,慣れないうちは味方と一緒に前へ出て,近くの敵を叩く程度でいいかもしれない。とにかく前で戦ってさえいれば,スカウトやソーサラーが後ろから援護してくれるはずだ。

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○スカウト
 姿を隠したり建築物を乗っ取ったりと,特殊な行動が行えるスカウト。直接的な戦闘には向いておらず,どちらかというと遊撃部隊として暗躍するのが理想か。したがって,少人数の小さな戦場よりも大人数の大きな戦場でこそ輝くクラスといえる。

 スカウトは短剣など近距離用武器を装備するか,弓などの遠距離武器を装備するかで戦い方が変わってくる。広い戦場なら「隠れる」や「潜伏」といったスキルで相手の背後に近づいてから短剣で一撃を加えるのもいいが,狭い戦場では素直に遠距離武器で後方支援を行ったほうがいいかもしれない。
 スキルについては,レベル6で習得できる「猫だまし」が,範囲内の敵をスタンさせられるので強力だ。集団戦はもちろん,敵陣深くから逃げるときの時間稼ぎにも使える。

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○プリースト
 強化/回復魔法を操る後方支援のスペシャリスト。攻撃系のスキルを習得できないので個人レベルの戦いには不向きだが,集団戦においては重宝される存在といえる。
 HPを回復する「ケアル」,一定時間味方の物理ダメージを軽減させる「プロテス」と,支援に適した初期スキルを習得している。レベル7で範囲回復魔法「ケアルガ」を覚える。ケアルガと言えば,強力な回復魔法として知られているが,本作では,覚えたばかりの段階での回復量はそれほど多くなく,またアクション性の高いゲームだけに範囲内に複数の味方が入ることが少ないので,MPの消費量も考えると,「ケアル」とHPを除々に回復する「リジェネ」を併用したほうが高い効果を期待できる。とはいえ,回復はどの場面でも重要な要素になるので,可能な限り合成で強化していきたいところだ。

 基本的な立ち回りは,前線の後方に位置し,「プロテス」などの強化魔法を交えつつ味方のHPを回復させていくのが仕事となる。プリーストだけで前線を支えることはできないので,味方が下がったら一緒についていき,近寄るだけでプレイヤーキャラクターのHP/MPが回復していく「回復施設」と合わせて,HP回復の手助けをしていこう。なお「プロテス」のワイルド効果は,一定時間,範囲内の味方の被物理ダメージを80%減少させるという強烈なもの。入手もしやすいスキルなので,ぜひワイルド枠に入れておこう。

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○ソーサラー
 後方から敵前線に向けて強力な魔法攻撃を加えていくアタッカー。とくに範囲攻撃に優れているが,自衛能力は皆無で,ウォリアーに追いかけられると,ほぼ生きては帰れない。とくに装備やスキルが揃うまでは,苦労が多いだろう。

 初期魔法は単体向けのものだが,レベル3で「ファイガ」,レベル5で「ブリザガ」,レベル7で「サンダガ」と範囲魔法を覚えていくため,割と初期段階から活躍できる。単体魔法でコツコツ敵を狙うのもありだが,やはりソーサラーに求められるのは集団向けの火力だ。範囲魔法を連打して敵の前線にダメージを与えよう。

 ソーサラーを操作するうえで大切なのは,「ビューモード」を活用することだ。ビューモードは,画面をスクロールさせて,プレイヤーキャラクターがいるルーム内を確認できるというもの。攻撃魔法の多くは画面外まで射程があるので,その射程の利を得るためにも画面外の様子を確認することが重要になる。
 なお,後衛という立ち位置から,HPは減らずにMPだけが枯渇することも多い。そのため,スキルの中にHPをMPに変換できる「コンバージョン」を入れておこう。回復施設を利用しながらコンバージョンを使用すると,HPの回復量のほうが多いので,MPの回復時間を短縮できる。

画像集#012のサムネイル/仲間との連携が戦争の勝敗を分ける――「クリスタル◆コンクエスト」クローズドβテストのプレイレポートを掲載


 このほか,基本の4クラス以外にも,ナイトスナイパートリックスターといった上位クラスが存在している。上位といっても総合的な能力は基本クラスと同じで,習得できるスキルに特徴がある。
 ナイトは守備的なスキルが豊富で,前線を維持することに特化したクラス。スナイパーは射撃武器を使ったスキルの射程距離が驚異的で,後方にいるプリーストやソーサラーを狙撃するのに適している。トリックスターは状態異常に特化した魔法職で,一定時間,範囲内にいる敵のスキルおよびアイテム使用を封じる「フォーグ」など,強力なスキルを習得できる。しかし,自身の攻撃力は低く一緒に戦う仲間がいてこそ活躍できるクラスだ。


 筆者はクローズドβテスト中に,基本の4クラスを全部触ってみたが,少人数用の戦場では,ウォリアーの強さが際立っていたように思う。参加人数が少ないということは,タイマン勝負になることも多く,そういったシチュエーションでは機動力と攻撃を兼備するウォリアーが有利に戦っていけるのだ。

自軍の建造物が攻撃されていたので,単独で防衛に向かったものの,敵のウォリアー達から返り討ちにあうの図。単独行動や突出するのは危険だが相手にとってはおいしく見えるので,うまく味方の密集ポイントに引き込めればチャンスも作れるのだが。また,後衛を狙って敵陣深くに突撃することの多いウォリアーは,引き際の見極めも重要だ
画像集#023のサムネイル/仲間との連携が戦争の勝敗を分ける――「クリスタル◆コンクエスト」クローズドβテストのプレイレポートを掲載

 一方,ソーサラーは攻撃力では高いポテンシャルがあるものの,強力な範囲魔法は詠唱時間が長く,前衛が頑張ってくれないと能力を発揮できない。出陣時のマッチングで,味方にウォリアーやナイトといった前衛が少ない戦場になってしまうと,かなり厳しい戦いになってしまうだろう。
 前衛がいないと役に立たないという点ではプリーストも同様。防御系スキルを駆使すれば前線に立つこともできるが,攻撃スキルがないためあまり脅威にはならない。
 戦場の人数が多くなったり,もっとレベルが上がり,スキルの合成が進んだりすると,ある程度は変わるかもしれないが,どちらも前衛があってのクラスだ。

基本的に,後衛クラス=柔らかいというイメージどおり,ソーサラーは接近戦に弱い。必然的に優先して狙われやすいため,いかに距離を保つかが重要だ。ビューモードで前方を警戒し,遠距離から魔法をヒットさせよう。ちなみに画像では,筆者のキャラクターが右隅で魔法を唱えている。
画像集#022のサムネイル/仲間との連携が戦争の勝敗を分ける――「クリスタル◆コンクエスト」クローズドβテストのプレイレポートを掲載

 スカウトは戦闘能力こそ低いものの,戦場全体で考えると建築物の乗っ取りや,意表をついての敵本拠地への特攻など,戦場で取れる行動の幅は多い。とくに,前線を一気に突破して敵の回復施設を乗っ取ってしまえば,リスポーンポイントも,より敵の本拠地に近づき有利になる。
 ただ,自由に動いて戦場をかき回すことができる半面,前線から外れることで,味方の主力は数的不利な状況になることも。その結果,前線が押されて戦争に負けてしまうこともある。
 回復施設や召喚獣を呼ぶために必要な「召喚施設」の乗っ取りなどは,戦況を大きく動かすのだが,単独で動いていると,その貢献が味方に伝わりづらいかもしれない。


召喚獣と建造物の特徴を理解して,戦場を駆け抜けよう


 続いて戦場を紹介しよう。
 戦場は,“ルーム”と呼ばれるいくつかのエリアで構成されており,それらがゲートを通じてつながっている。最小マップのルーム数は,わずか3つ。大きなマップなるとルーム数も増え,それをつなぐルートも複雑になるのだが,戦場の両端にそれぞれの国の本拠地が設置されるのは同じだ。

6つのルームがつながれたマップ。中央の2つのルームをどのように使うかがポイントか。うまくすれば,敵の背後をとれそう?
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 こうした戦場では,そのときの状況を把握することが勝利への鍵になるのだが,本作ではビューモードと「ミニマップ」を使って,状況の確認ができる。ビューモードは,ソーサラーの特徴で紹介したとおり,自分がいるルーム内の状況を,画面をスクロールさせて確認できるもの。一方のミニマップは,味方や敵の位置がドットで表示されるものだが,敵の位置は味方や施設の周辺だけが表示される(※索敵できる視野を広げるアイテム/スキルも存在する)
 大きなマップになると,複数のルートで移動できるため,敵に裏を取られたり,挟まれたりしないように,スカウトなどがルームの状況を確認するのが重要になってくるはずだ。

 また,先の状況が分からずにルームを移動すると,画面が切り替わったときに,多数の敵に囲まれていたなんてこともある。ルームを移動すると一定時間エリアチェンジができなくなるので,そのままピンチに陥ってしまうわけだ。ミニマップの情報から安全だと確認できるとき以外は,極力味方と足並みを揃えて進軍したほうがいい。

画面右上のものがミニマップ。6つのルームでも,このように複数ルートが存在するパターンもある。青い点が自軍,赤い点が敵軍だ。ルーム上,暗くなっている部分は味方/建造物の視界が届いていない場所で,そこでは敵の動きが分からない
画像集#025のサムネイル/仲間との連携が戦争の勝敗を分ける――「クリスタル◆コンクエスト」クローズドβテストのプレイレポートを掲載

 クローズドβテストでは,これを利用して,ルームの出入口付近で相手が出てくるのを待つという作戦が見られた。
 最小のマップの場合,敵が進入してくる場所が1か所だけで分かりやすく,出てきたところを狙い撃つ戦術は,非常に有効だ。それは間違いないのだが,膠着状態に陥りやすい面もある。
 負けている側にとっては,相手が待ちに入ってしまうと突撃する以外に手段がないのだが,「敵の配置が分からない」「味方のエリアチェンジのタイミングが完全に同時ではない」「ゲートを抜けたあと,出現ポイントが固まっているので狙われやすい」など,待っている側が圧倒的に有利な状況になるため,結局攻めあぐねてしまう。また,エリアチェンジ時のラグも絡んだりと,このあたりのバランスは,調整が必要かもしれないと感じた。

 ともあれ,なんとかそんな状況を打開しようとするなら,召喚獣を活用するのが最善手だろうか。

 召喚獣は,対人に効果を発揮する「ディアボロス」,オールマイティな力を持ち召喚獣にも大ダメージを与えられる「オーディン」,建築物に対して絶大な攻撃力を誇る「タイタン」の3種類が存在する。召喚するために必要なのは,戦場内のクリスタルを占領していると少しずつ溜まっていく“シャード”と,ときおり戦場内に出現する召喚獣の卵で,どちらも自国内のプレイヤーが共通で利用できる。

対プレイヤーには「ディアボロス」,対召喚獣には「オーディン」,対建造物には「タイタン」という構図を覚えておこう
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 ここで膠着した戦況を打破できる召喚獣と言えば,対人に強いディアボロスになるだろう。数人の歩兵を相手に立ち回れるだけのパワーがあり,敵国に対召喚獣となるオーディンが召喚されていない場合,ディアボロスの姿を見せるだけでも前線を押し上げる効果がある。もちろん,敵国は即座にオーディンを召喚してくるはずだが,相手の待ち状態さえ崩せれば,召喚獣を含めた集団戦に持ち込めるだろう。

 ただし,召喚獣の卵にしろ,シャードにしろ,召喚するための資源は有限だ。1回の戦争で召喚獣を出撃させられるのは数回程度なので,どの召喚獣をいつ出すかの状況判断は重要。加えて,誰でも召喚できるので,シャードが溜まるとすぐに何かを召喚したくなる。チャットで一声掛けるなど,味方との作戦の連携は必須になってくるだろう。

 召喚獣と並んで,戦場で重要となる建造物の説明もしておこう。
 最重要な建造物は,当然だが各国のスタート地点にある本拠地だ。敵国のプレイヤーに攻撃されると本拠地耐久力が減ってしまうので,近寄る敵はすぐに排除したい。また,本拠地の近くにいるプレイヤーと召喚獣は,HPとMPが除々に回復していく効果がある。

 回復施設も本拠地と同様にプレイヤーと召喚獣のHPとMPを除々に回復させる効果があるが,自軍が占領したものでないと回復しないので注意が必要だ。本拠地よりも前線にあることから,傷を癒すため何度も立ち寄ることになるだろう。また,最後に接した回復施設は,リスポーン場所としても機能する。
 ほかに召喚獣を呼び出す「召喚施設」,一定範囲内にいる敵プレイヤーを自動で攻撃する「アロータワー」,シャードを貯める「クリスタル」といった建築物があり,直接攻撃して破壊したり,スキルを使って“乗っ取る”ことができる。

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 なお,各ルーム内の自軍所有の建造物が敵軍より多い場合,そのルームを自軍の制圧下に置ける。制圧下のルームはミニマップ上で青く表示され,攻撃力や回復施設の回復量が増えるなど自軍に有利な状況になるのだ。


ブラウザゲームとしては最高峰。やや難のある操作系は今後のアップデートに期待


 アクション性の高い集団対集団の対戦ゲームを,ブラウザゲームとして手軽に遊べ,相手が同じプレイヤーなので,何度プレイしても飽きることなく楽しめる。しかもグラフィックスは美しい。そうした基本コンセプトがいかんなく発揮される本作が,ブラウザゲームとして最高峰の出来であることは間違いない。

 一方で,まだ操作系に難があるのも事実で,キャラクターが思いどおり動かせないことも多々あった。とくにマウスでの操作は,移動が地面を左クリック,敵を攻撃するのも左クリック,味方をフォローするのも左クリックなので,少しクリック場所をミスしただけで,思いもよらない方向に移動したりする。慣れてくるとすぐに動きを修正できるが,プレイを始めたばかりの頃は,移動の違和感でストレスを感じることもあるかもしれない。
 なお,クローズドβテストからは,キーボードによるショートカットが追加されているので,これをうまく利用すれば,スムーズな操作ができるようになっていた。より緻密にアクションを楽むために,いろいろな操作方法を試してほしい。

本作のチュートリアル的な存在のクエスト。これを一つ一つクリアしていけば,自然とお金も増えるので最初の目標にするといいだろう
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 ほかにも,本作ではルームを行き来してながら戦うことになるが,この画面切り替え時のキャラクターの表示速度が遅く(PCの性能によるかもしれないが),状況を把握できないまま戦闘不能になることがよくあったのも,気になる点だ。戦場の紹介でも述べているが,こうしたPC環境が影響するシステムを利用した戦術が主流となるのは,対人戦をメインとしたゲームでは,できれば避けてほしいと感じる。
 こうした画面切り替え時のラグが,多かれ少なかれ発生するのは仕方がないとして,例えばルーム切り替え後の数秒間,ダメージが入らないなどの措置がほしいところ。合わせて,ダメージ無効時間を利用した斥候を避けるため,ゲート移動後の戻れない時間を長くするなどの対処も必要になるだろうか。

 このように,本作にはまだ荒さを感じる部分もあるが,味方と協力して戦略を練り,相手に勝つという多人数対人戦の根本は魅力的だ。緊張感のある戦争の中で,見事に作戦が決まったときの気持ち良さはやみつきになりそうで,まさに脳汁が出まくる感覚が味わえる。
 また,瀕死で逃げる振りをして,寄ってきた敵に「逆襲」で大ダメージ……なんてこともできたりと,単に死ぬまで殴りあうのではなく,戦術によって相手を倒すことができるのも,クリスタル◆コンクエストの面白いところだろう。システム面がシンプルであるからこそ,プレイヤーのさまざまなアイデアが活かされるのだ。

 なお,次の展開(おそらくオープンβテストになるだろう)に関してだが,公式サイトに掲載された本作ディレクター佐藤 制氏コメントによれば,これまでのような2〜3か月といった期間が開くことはなさそうだ。テスト終了後にはアンケートも行われていたので,プレイヤーからのフィードバックを得て調整された,新たな戦場に期待しよう。

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「クリスタル◆コンクエスト」公式サイト

  • 関連タイトル:

    クリスタル◆コンクエスト

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