インタビュー
待望の海洋コンテンツが今冬実装。「黒い砂漠」年内のロードマップを麥谷プロデューサーに聞いてきた
そのコンテンツの中で,ひときわ目を引いたのが,美しくなった海中のグラフィックスだ。会場でも感嘆の声があがり,「ついに海洋コンテンツが実装されるのか!?」と胸を躍らせたファンも多かったはず。
これについて,本作運営プロデューサーの麥谷(むぎたに)将人氏(以下,麥谷氏)は,「近いうちに正式な場でお伝えしたい」と述べ,このときは詳細が明かされなかった。
というわけで今回,その「正式な場」として,ゲームオンで麥谷氏にアップデートの詳細を聞くことになった。忍者の次の覚醒武器や海洋コンテンツについてはもちろん,5月に秋葉原で開催された「Pmang感謝祭」での発表内容についても聞いてきたインタビューをお届けしよう。
メガサーバー後も好調でオルビアチャンネルを増設。全国キャラバンでは料理のリベンジマッチも!?
4Gamer:
本日はよろしくお願いします。2016年内のロードマップについて聞かせてもらえるとのことですが,その前に,ほかのタイトルでも前例がない,メガサーバー化の実施後の様子を教えてもらえますか。
分かりました。メガサーバー化するにあたって,(サーバー内の)相場がどう変動するのか心配していましたが,1か月もしないうちに落ち着いて胸をなで下ろしたのを覚えています。サーバー統合のようなイメージもあったのですが,ネガティブな印象を持たれず,好評のまま移行できました。むしろ,「狩り場がもうちょっと欲しい」といった要望が届いて,5チャンネル分のサーバーを追加するほどでしたから。
4Gamer:
逆に盛り上がっているわけですか。メガサーバー化でプレイヤーの動向が変わったということはありますか?
麥谷氏:
とあるサーバーで占領戦をメインに戦っていたギルドの方々は,メガサーバー化で別のサーバーにいた強豪ギルドと戦うことになったようで,占領戦から拠点戦に移ったなんてことがあったそうです。そのギルドさんにちょっと申しわけなかったかな,とも思いますが,全体的に見ればPvPが活性化しているようです。
4Gamer:
つまり,メガサーバー化で全体的には活況になっている,という認識でいいんでしょうか。
麥谷氏:
そうですね。思っていたより,すんなり皆さんも馴染んでくれています。
4Gamer:
先日,東京で開催された接続キャラバンでは,会場にいた多くのプレイヤーがサーバーを気にせず交流していたのが印象的でした。個人的にはあの光景が,メガサーバー化した一番大きな恩恵だったのではと思っているのですが。
麥谷氏:
6月から仙台を皮切りにキャラバンで全国を回らせていただいたのですが,僕もそれをひしひしと感じました。過去に,ほかのタイトルでオフラインイベントをやったときでも,やはり同じゲームを遊んでいるけど,サーバーが違うと話しづらいというか……。
4Gamer:
なんというか,サーバーによって文化の違いというか,微妙に壁みたいなものが感じられるんですよね。
麥谷氏:
ええ。でも,メガサーバー化したあとはそういったことなくなり,あそこのギルドの人なんですか? とか,過去に自分がPKした人を相手に「あのときはすいません」みたいな会話もあったようです(笑)。そういうのも,コミュニケーション上,すごくよかったんじゃないかと思います。
4Gamer:
全員が同じゲーム内で出会う,もしくは出会った可能性があるわけですから,会場の雰囲気もほかのタイトルとは異なるように思います。ところで,来年も全国キャラバンを行う予定はあるんですか。
麥谷氏:
来場者はすごく楽しんでくれて,「またやってください」「またここに来てください」というお声をいただいています。ただ,参加できる人数が限られるのがネックで。広い会場で開催するという案もあるのですが,それだと名刺を交換したり,私達からの個人への対応ができなくなったりするかもしれません。
麥谷氏:
実際にプレイヤーさんと触れあえる機会は貴重なので,前向きに検討したいと思います。もし,来年もキャラバンをするのなら……料理する時間をしっかり取ってほしいですね(笑)。素材に申し訳ないです。
※拠点接続キャラバンの東京会場で料理を作るというコーナーがあったのだが……詳細は「こちら」
4Gamer:
リベンジする気マンマンですね(笑)。夏頃には復帰者向けのイベントや,新規プレイヤーを歓迎するイベントなども開かれてましたが,現在もプレイヤーの数は増えているんですか?
麥谷氏:
理由がまだ分析できていないのですが,ここ最近,新規プレイヤーが徐々に増えています。それもあって,9月28日には新規プレイヤーと復帰者向けに,成長しやすい「オルビアサーバー」というチャンネルを2つ追加します(※インタビューの収録は9月26日)。このチャンネルは,獲得できる戦闘経験値+100%になり,58レベルまで恩恵が受けられるので,レベルを上げやすいはずです。これは韓国でも実装されていて,ひっきりなしに人が入ってきて混雑していると聞いています。日本も現状を鑑みて,賑わってくれるようなら増設も考えたいですね。
4Gamer:
既存のプレイヤーにはあまり影響はないようですが,実質的にチャンネル増加になるんですね。
麥谷氏:
新規プレイヤーや復帰プレイヤーが入りやすい環境があれば,ギルドの勧誘による盛り上がりや,58レベルまでの狩り場の分散にもなりますから。
くノ一,ウィッチ,ウィザードの覚醒武器は近日中に実装へ。海洋コンテンツは年内を予定
4Gamer:
さて,それでは9月12日のアップデートで実装された「海」関連についての詳細と,その後に続く海洋コンテンツについて,教えてください。
水中のグラフィックスが綺麗になったと同時に,実は天候の表現やグラフィックスも変わっているんです。この天候の表現の変更は,すでに韓国で入っている海洋アップデートの一端なんです。黒い砂漠のプログラムは輪切りにしづらくて,天候の表現追加と忍者の覚醒武器は切り離せないものでした。
4Gamer:
なるほど。ひとつにパッケージングされているようなものなんですね。
麥谷氏:
はい。韓国では忍者覚醒武器の次に海洋アップデートで,くノ一の覚醒武器はその次なんです。その上,覚醒武器は導入当初から各クラス1個ずつ順番に追加という形になってしまっていて,覚醒武器が入っていないキャラクターを使っているプレイヤーさんからまだですか,という要望も常に受けている状況です。
4Gamer:
とくにPvPを楽しんでいるプレイヤーからすると,覚醒武器のありなしでは,力の差が大きく出てしまいます。
麥谷氏:
そうです。それと,韓国では海洋アップデートで,ガレー船というギルド単位で作る船が実装されました。一方個人で制作できるエフェリア帆船は,海洋アップデート後に数週間経過してから実装された経緯があります。
韓国のアップデートを踏襲して,バラバラに海洋コンテンツを実装するよりも,“全部まとめて一気に海洋コンテンツを実装したい”というのが僕らの考えなんです。ですから日本では,“全キャラクターの覚醒武器をすべて実装したのちに,海洋アップデートを実装したい”と考えました。
4Gamer:
残りの覚醒武器というと,「くノ一」「ウィザード」「ウィッチ」の3クラスですよね。この3クラスの覚醒武器が実装されたあとに,海洋アップデートの実装となるわけですか。これらの覚醒武器は,韓国で実装されているんですか?
麥谷氏:
くノ一とウィッチは実装されていますが,ウィザードはまだですね。このように,それぞれをまとめて,順番に導入することになりますが,ひとつ,ご理解いただきたい点と,謝らなければならないことがあります。
4Gamer:
どのようなことでしょう?
麥谷氏:
忍者覚醒武器と天候表現や水中の表現のように,今後,アップデート時に一部の仕様や,スキルのマイナス修正が先行して実装されることがあるんです。例えば,覚醒武器実装の前段階でスキルにマイナスな要素が入るけど,その効果については後日実装される覚醒で相殺されることがあります。
4Gamer:
なるほど。先ほどおっしゃっていたように,それぞれのアップデートで切り離せない部分が先に入ってしまうわけですね。
麥谷氏:
韓国では仕様変更とその変更に対しての調整が同時に行われるので問題にはならないのですが,日本ではそういったケースが過去に何度かあり,プレイヤーの皆さんに混乱やご迷惑をお掛けしてしまうこともありました。
4Gamer:
確かに……そのことを伝えないままで,マイナス要素が入ると,ちょっとした騒ぎになってしまいます。
麥谷氏:
はい。先日もギルドハウスの落札額の2倍を補填するということがあったんです。本当に申しわけありませんでした。
くノ一の覚醒武器「月輪刀」は10月12日に実装。ウィッチ,ウィザードは精霊を使役して攻撃?
4Gamer:
ちなみに,くノ一,ウィッチ,ウィザードの覚醒武器を先に実装するとのことでしたが,これはいつごろになるのでしょうか。それらが入らないことには,海も……ということになりますし。
そうですね。くノ一の覚醒武器は,10月12日に実装する予定です(関連記事)。僕もまだ触っていないのですが,動画を見た感じでは,忍者と違って覚醒状態でも機動力がありそうです。
くノ一の武器は月輪刀という名前ですが,これをうまく使って戦うスタイルです。くノ一のストーリーはまだ公開していませんが(※10月5日に特設サイトで公開),かなり黒いというかドロッっとした内容になっています。
4Gamer:
ドロッと……期待したいような,したくないような。ウィッチとウィザードの覚醒武器はどのようなものなのでしょうか。
麥谷氏:
ウィザードは炎と水,ウィッチは雷と土の精霊……と言っていいのか,人の形をした精霊みたいなものを呼び出して,自分の周りを攻撃します。ペットのように連れて歩けることもできるみたいです。
4Gamer:
覚醒を使用すると,ウィッチの武器は杖から何に変わるのでしょうか。
麥谷氏:
エネルギーが詰まったような玉で精霊を操るようです。動画だと,現在,ウィッチは移動が遅いですが,覚醒すると機動力が大幅にアップするみたいです。僕も覚醒可能なウィッチを作ってあるので,覚醒が楽しみです。
4Gamer:
ウィザードには何か特徴はないのでしょうか。
麥谷氏:
ウィザードは,クラス自体がおじいちゃんなのはご存じですよね。詳しいことはこの場で言えないのですが,このような画像を開発元からいただいていまして……若くてイケメンの金髪美青年なウィザードです(笑)。
4Gamer:
なぜイケメンに……。気になるウィッチとウィザードの実装は,いつぐらいになりますか。
麥谷氏:
日付はまだ未定ですが,早めに実装したいと思っています。
海洋コンテンツは年内の実装に向けて,イベントなど着々と準備が進行中!
4Gamer:
少し早いかもしれませんが,公開できる範囲で海洋コンテンツについても教えていただけないでしょうか。
多くのプレイヤーさんが気になっているのは,ギルドで制作できるガレー船と,個人で制作できるエフェリア帆船でしょうね。
4Gamer:
船の大きさは,それぞれどれくらいになるのでしょうか。
麥谷氏:
エフェリア周辺や,メディア地方でNPCが定期的に自動運航している大きな船があるじゃないですか。海洋アップデート後に入る帆船は,あれに似たような船です。
4Gamer:
あんなに大きな船が個人で作れるんですか? かなり材料が多いようで大変そうだと思っていたのですが……それも納得です。漁船などの船の装備品は流用できますか?
麥谷氏:
それについては今後アナウンスしますが,新しい船の装備品が同時に実装される予定です。
4Gamer:
ぜひ新しい船は作ってみたいですね……倉庫に漁船の船舶登録証が3つほどあるのですが,これを売って帆船材料の足しにしたほうが良かったりしますか?
麥谷氏:
海洋コンテンツをプレイするなら,漁船でも十分だと思いますよ。ただ,海洋のボスや幽霊船などが出現するようになるので,これらの敵に対抗するには,エフェリア帆船を用意しないと厳しいかもしれません。
4Gamer:
海洋のボスというと,「ArcheAge」に出現する難攻不落の海洋レイドボス「リヴァイアサン」のような存在でしょうか。
麥谷氏:
あそこまで倒せないボスじゃないです(笑)。クザカみたいな位置付けの巨大クジラだと考えてください。
4Gamer:
なるほど。ちなみに,海洋アップデートで拡張される海はどれぐらいまで広がるんですか?
麥谷氏:
海の広さは,現在のエリアの2倍ぐらいですね。
4Gamer:
今の海域の2倍ですか。
麥谷氏:
いえ,地上エリアも含めた現在のエリアの約2倍です。
4Gamer:
え,そんなに? どのあたりが拡張されるのでしょうか。
麥谷氏:
全体的に拡張されますが,エフェリアの北西,海賊島から上のあたりは大きく広がりますね。
4Gamer:
海の向こうにある大陸にも行けるように?
麥谷氏:
貿易はできると聞いています。そのほかの海洋コンテンツとしては,航海術などの生活レベルや知識が入ったり,海底で利益を得られる財宝みたいなものを発見できるようになります。
4Gamer:
Pmang感謝祭で発表された「海底の冒険」ですね。ということは,潜行することになるわけですが,呼吸はどうなるのでしょう。
麥谷氏:
海底から空気が出ているポイントがあって,そこで息継ぎができたりもします。頑張って海底の宝箱とかを探してもらいたいですね。あと,忍者覚醒武器のときに先行実装された天候が関係してきます。というのも海上で暴風雨が発生したり,雷に打たれたキャラクターがダウンしたりとかするんですよ。
4Gamer:
暴風雨に巻き込まれると,操船がしづらくなりそうですね。
麥谷氏:
視界が悪くなったり,波がより高くなったりして,操船が難しくなるかもしれません。この悪天候は海上でのみ効果を発揮するようなので,地上にいるプレイヤーは安心してください。
4Gamer:
聞いていると早く帆船が欲しくなったり,海に出たくなったりするんですが,実装時期はいつぐらいになるのでしょうか。
年内実装を目指しています。実は実装の目処が立ったあたりで,一度,オフラインイベントを開催する予定です。そのイベントで海洋コンテンツをすべて公開し,準備万端で皆さんにお届けしたいと考えています。
4Gamer:
これが年内ということは,覚醒武器も……ですね。ともあれ,期待しています。ところで,覚醒武器のところでも聞きましたが,韓国ではどこまで実装されているのでしょうか。
麥谷氏:
海洋コンテンツに限定すると,幽霊船まで入っていて,日本での実装時もそこまでは入る予定です。それ以外のロードマップについては,以前のPmang感謝祭でお伝えした内容が,韓国でも発表されている長期スパンのものですね。
4Gamer:
Pmang感謝祭では,ダークエルフが発表されましたが,その出身地であろうカーマスリビアを含めて,まだ韓国でも実装されていないわけですか?
麥谷氏:
はい。でも,ダークエルフの開発は順調に進んでいるようですよ。
4Gamer:
同じイベントでは,ジャイアント族の地「ドリガン(仮)」や第9世代の馬なども発表されていましたが,これらは未定なのでしょうか。
麥谷氏:
そうですね。僕も馬主プレイをしていて,第9世代の馬が来る前に,第8世代の馬をたくさん作ろうと頑張ってるんですよ。なかなかできませんけど(笑)。
それもあって第7世代の馬がたくさんいるのですが,現在の相場だと売っても値段と見合わないので,市場に出せずにいます。先日のアップデートで価格がアップしたので,馬市場が活気を取り戻してほしいと思っているのですが……。
4Gamer:
ここは,プロデューサーとして(?)麥谷さんが率先して市場に出してみてはいかがでしょう(笑)。
では,時間もなくなってきたので,最後に読者へのメッセージをお願いします。
麥谷氏:
ウォーリアを皮切りに覚醒アップデートを始めましたが,ようやく終わりが見えてきました。くの一,ウィッチ,ウィザードの覚醒武器にご期待ください。
そして,そのあとにはいよいよ海洋コンテンツが登場します。すでに「黒い砂漠」を遊んでいるプレイヤーさんはもちろん,「黒い砂漠」を知らない人にも魅力的に映る,今年一番のアップデートにしようと準備しているので,今しばらくお待ちください。
4Gamer:
本日はありがとうございました。
「黒い砂漠」公式サイト
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