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「ドラゴンエイジ:インクイジション」のメディア向け体験会をレポート。クリエイティブディレクターへのインタビューも合わせてお届け
これは同日18:00から実施された,本作の予約購入者を対象にしたイベント「スカイホールド 審問会の秘密会議」(関連記事)に先駆けて行われたものだ。体験会では,本作の序盤がプレイできたほか,「ドラゴンエイジ」シリーズでクリエイティブディレクターを務めるBioWareのマイク・レイドロウ氏に話を聞くことができたので,その模様をお届けしよう。
「ドラゴンエイジ:インクイジション」公式サイト
シリーズの伝統でもあるキャラクター同士の好感度は,本作でも大きな魅力に
ゲームの舞台となるセダス大陸は,突如大空に発生した巨大な亀裂によって混乱し,人々は亀裂から現れるモンスターに悩まされている。しかし,そんな状況下でもなお,魔道士達とテンプル騎士団の抗争が続けられているという状況だ。
そんな中でプレイヤーは,教会から全権委任された「審問官(インクイジター)」となり,各地で起きる惨禍を解決すべく,セダスの地に住む英雄達を率いて旅をすることになるのだ。
今回の体験会では,亀裂を生み出した元凶として囚われていたプレイヤーが,審問官になるまでの道筋がプレイできた。用意されていた試遊台はPS4版で,まずキャラクターを作るところから始めることに。
本作におけるキャラクタークリエイトは,BioWareがこだわって作った部分の1つであり,目や鼻,口といった顔の各パーツはもちろん,肌色やボイスなども細かくいじることが可能だ。ここで作るキャラクターは,ゲーム内で一番長く操作するキャラクターであり,かつカットシーンにもたくさん登場するので,じっくりと時間をかけて作成したいところ。
キャラクターを作り終えたら,いよいよ本編の始まりだ。先ほども説明したとおり,プレイヤーは初めから審問官としての任務に付いているわけではなく,セダス大陸を混沌に陥れた元凶として,前作にも登場した女騎士カサンドラ率いる部隊に囚われているという,どちらかといえば真逆の状況だ。
もちろんこれは誤解なのだが,カサンドラとの会話中に出てくる選択肢次第で,その状況はさらに悪化してしまう。本作では,登場キャラクターごとに好感度が用意されているので,プレイヤーの感情に関わる選択肢が出た場合は十分に注意したい。
筆者は選択肢を間違えたせいか,カサンドラからの警戒心がいっそう高まってしまったのだが,同じくその場にいた修道女レリアナに,「あなたの右手にある印が,亀裂を封じるための鍵になるかもしれない」と助け舟を出してもらったため,身の潔白を証明するべく,カサンドラと共に亀裂を封印しにいくことに。
ちなみに印というのは,主人公に右手に刻まれた謎の傷跡のことであり,亀裂と常に共鳴しあっている。結局はこの印のせいで,亀裂となんらかの関わりがあることに言い逃れができなくなったわけだ。
亀裂に向かう途中で,魔道士のソラスとローグのテスラスがパーティに加わり,カサンドラと合わせて,4人のフルパーティとなる。本来の目的は,大空にある巨大な亀裂の封印なのだが,この亀裂の影響を受けてか,小さな亀裂もあちこちで発生しており,そこではモンスター達がうごめいていた。
小さな亀裂も解決できずに巨大な亀裂が封印できるか! ということで,道中で発見した亀裂を片っ端から封印していくことに。
戦闘では,“タクティカルモード”をいかにうまく使いこなせるかがポイントになってくる。このモードに入ると,ゲーム内の時間が停止し,各キャラクターに事細かく指示を出すことが可能だ。本作では,特定のボタンを押している間だけ時間を進めることができるので,前作「Dragon Age II」を踏襲したアクション性もさることながら,「Dragon Age:Origins」にあった戦略性がしっかりと受け継がれている印象を受けた。
モンスターを次々と生み出す亀裂は,レリアナの読みどおり主人公にのみ封印することができた。さらに最初の亀裂を封じたところで「この力を使えばみんなを守れる(キリッ)」的な発言をしたおかげか,カサンドラからの印象もだいぶ良くなったようだ。こういった好感度の変化は,見ているだけでもすごく面白い。
印の力で亀裂が封印できるのが確かめられたところで,本命の巨大な亀裂に挑むことに。さっそく封印しようとしたところ,中から巨大なデーモンが出現し,そのままボス戦に突入した。
ボス戦では,戦士クラスであるカサンドラの動かし方がポイントとなる。彼女は,チャレンジというスキルを使うことで,仲間に向けられたヘイト(敵対心)を自分に向かせることが可能だ。今回のように強敵と対峙したときは,これをうまく駆使して,後衛に攻撃が行かないよう立ち回る必要がでてくる。
ボスのターゲットがカサンドラに向いている間は,後衛が攻撃に集中できるので,こうしてうまくパーティ内のヘイト値を管理しながら戦うことが,攻略のポイントとなりそうだ。感覚としてはMMORPGにおけるパーティプレイを1人でやっているような感じだろうか。
見事デーモンを倒し,その功績が認められ審問官となったところで体験デモは終了となった。体験会の終了後,短い時間ではあるがレイドロウ氏に話を聞くことができたので,その模様もお伝えしよう。
日本のゲームにたくさん影響されたからこそ,ドラゴンエイジでお返しがしたい
BioWareのスタジオツアーでは,ありがとうございました。本日もよろしくお願いします。
レイドロウ氏:
こちらこそ,またお会いできて嬉しいです。
4Gamer:
発売日の延期(関連記事)もありましたが,ついに今月発売ですね。
レイドロウ氏:
はい,内心すごくほっとしてます。
4Gamer:
結局のところ延期の理由はなんだったのでしょうか?
レイドロウ氏:
実は当初予定していた発売日を直前にして,小さなバグが大量に見つかったのです。
4Gamer:
それは焦りますね。
レイドロウ氏:
当時は発売を延ばすか,このまま予定通り発売してからパッチを当てるかのどちらかで悩んでいました。ただ,楽しみにしているファンのためにも,完璧な状態で送り出したいという思いが勝り,その結果発売を延期することになったのです。
4Gamer:
北米での発売日まで残り2週間を切っていますが,バグ修正の進捗状況はどうですか?
レイドロウ氏:
発見されたバグはすべて修正済みで完璧な状態となっていますので,安心してプレイしてください。
4Gamer:
それはよかったです。開発チーム内での手応えはいかがでしょうか。
レイドロウ氏:
かなりの時間をかけて作ってきた作品なので,ゲームの隅々まで楽しんでもらえると確信しています。
4Gamer:
どんな作品に仕上がっているのか,個人的にも楽しみにしてます。
8月のスタジオツアーでは,「ペルソナ4」に影響を受けたとおっしゃっていましたが,日本のゲームは結構プレイされるのですか?
レイドロウ氏:
はい,日本のゲームはたくさんプレイしましたし,その中でたくさん影響を受けました。
4Gamer:
ではレイドロウさんのイチオシを教えてください。
レイドロウ氏:
一番は「ペルソナ4」ですね。我々BioWareが「Baldur's Gate」の時からそうしてきた様に,「ペルソナ4」は仲間とのコミュニケーションがうまく表現されていて,プレイヤーをゲームの世界にぐいっと引っ張り込んでくれるんです。あとは「ファイアーエムブレム」シリーズも好きですし,「レイトン教授」も面白かったです。
4Gamer:
ジャンルを問わずいろいろプレイされているんですね。ドラゴンエイジの話に戻りますが,本作には「Mass Effect」にあったような,モラルシステムはありますか?
レイドロウ氏:
プレイヤーの行動を善悪で判断するようなシステムはありませんが,キャラクター同士の人間関係には似たものがあります。例えば,特定のキャラクターに対して,嫌がる態度や言動を繰り返すと,そのキャラクターがパーティから離れてしまうこともありえます。
4Gamer:
メンバーが減るというのはかなり厳しいですね。ちなみにプレイヤーの種族によって周りの反応が変わったりしますか? 例えば本作からプレイアブルになるクナリ族は,ゲーム内では嫌われていますよね。
レイドロウ氏:
それはありますね。確かにクナリ族はあまり好意的な目を向けられる種族ではないので,会話の内容やNPCの反応は少し冷たいところがあったりします。もちろん,ほかの種族でも同様に変化します。
4Gamer:
周りの反応が変わるとなるとストーリーにも影響しそうですね。
レイドロウ氏:
はい。プレイしている種族によってストーリーが変わることもありますし,アンロックできるコンテンツも異なってきますよ。
4Gamer:
アンロックできないコンテンツがあった場合,それをプレイヤーが知ることはできるのでしょうか。
レイドロウ氏:
ストーリーに影響を及ぼすような大きいコンテツの場合は,事前に警告を出すことがあります。ただ,ゲームの世界を隅々まで探索して発見できるようなものには,サプライズ的な意味合いも含めて,プレイヤーに知らせることはありません。
4Gamer:
なるほど。ちなみにストーリーのボリュームは時間にしてどれくらいあるのでしょうか。
レイドロウ氏:
最低でも40時間はかかります。ただこれは,ほとんどのサイドクエストを無視した場合で,実際にはサイドクエストもしっかりとこなさなければ,レベルが足りずストーリーが進められない状況が生まれます。そういったことも踏まえれば,1回のストーリーを終わらせるのに60時間以上は必要ですね。
4Gamer:
8月下旬にCo-opモードの搭載が発表された時は,「フレンドと一緒にダンジョンを攻略する」ということだけ公表されていましたが,実際はどんなゲームプレイになるのでしょうか。
レイドロウ氏:
Co-opモードでは,いくつかのテーマに分かれたダンジョンが用意されていて,プレイヤーはそこでミッションに挑むことになります。ダンジョンの最後にはボス戦が待ち受けているので,仲間との協力なしではクリアは難しいですね。
4Gamer:
ちなみにダンジョンはどれくらい用意されていますか?
レイドロウ氏:
数自体は多くありませんが,ダンジョンの構造はプレイするたびに変わるので,飽きずに楽しんでもらえると思います。
4Gamer:
それは面白そうですね。では最後に,本作の発売を楽しみに待っている日本のファンに向けてメッセージをお願いします。
レイドロウ氏:
日本のゲームにたくさん影響を受けてきた私としては,そのお返しがしたいと思っています。今回我々が手掛けた作品が,日本の多くのゲームファンに影響を与えることができれば嬉しいです。ぜひ遊んでみてください。
4Gamer:
本日はありがとうございました。
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