プレイレポート
魅力的なキャラクターや戦略性に富んだバトルシステムがプレイヤーを刺激する,「シャイニング・アーク」のプレイレポートを掲載
本稿では,ついに発売を迎えた本作の魅力を,ネタバレを極力避けながら紹介していこう。ちなみに,過去のシリーズ作品とはストーリーに直接の関連性はないので,シリーズ未経験者でも十分楽しめる内容になっている。
以前「こちら」の記事で紹介したが,ゲームプレイ&イベントシーンの見どころをピックアップしたムービーが公開されているので,本稿と合わせてチェックしてほしい。
「シャイニング・アーク」公式サイト
主人公のフリード(CV:神谷浩史)は,古代遺跡が点在する絶海の孤島「アルカディア」に住む少年だ。フリードはある日海岸で,パニス(CV:桑島法子)という少女を見つける。パニスの背中には片方だけ黒い翼が生えていたため,村人に奇異の目で見られることもあったが,フリードの働きかけもあり,パニスは次第に村人達に受け入れられていく。
またパニスは,作物を育み,鳥や魚を集める不思議な歌を歌うことができた。島にさまざまな“恵み”をもたらすパニスは「天使」と呼ばれ,村人達に可愛がられるようになった。
フリード達が暮らすアゼル村は,土着のモンスターや海賊などが恒常的に襲来するため,もともと危険が少ないわけではなかった。しかし,パニスが島に流れ着いてからは,パニスを狙う謎の刺客が現れたり,空に「紅い月」が輝き「異形の巨像」(ネフィリム)が出現するようになったりと,さらに不穏な空気が増してくる――というのが,大まかなプロローグである。
ストーリーはプレイしてのお楽しみということで,詳細は割愛するが,ヒロインのパニスを中心とした仲間達との心の交流が描かれ,とても心温まるものとなっている。また,キャラクターの好感度を上げると進行するサブストーリーなど,数々のやり込み要素も用意されている。
魚を釣り,作物を育て,パンを焼き,パニスの歌を聴く!
ゲームは,アルカディア島の中にある「アゼル村」を中心に進んでいく。基本は,島での生活を楽しむシミュレーションゲームといった感覚で,一瞬RPGであることを忘れてしまうほど“ゆるい”雰囲気だ(もちろんいい意味で)。
プレイヤーは村で作物を栽培したり,魚を釣ったり,パンを焼いたりしながら,パニスとともに生活していくことになる。また,さまざまなクエストを受注して冒険に出て,キャラクターを成長させることも可能だ。
なお,村の中には「ソングポイント」があり,1日に1回だけ,パニスに歌を歌ってもらうことができる。作物が良く育つようになったり,魚が釣れやすくなったり,交易の結果が良くなったりと,さまざまな恩恵を受けられるので,活用していこう。
作物の栽培や魚釣りで手に入るアイテムは,「パン」の材料などに使ったり,コミュニティクエストを達成する際に必要になったりするので,普段からこまめに生産を行っておいたほうがいいだろう。
近年の「シャイニング」シリーズでは欠かすことのできない(?)パンは,実にさまざまな局面で使用することになるので,少し詳しく説明しておこう。
また,パニスにパンをあげると彼女の“気分”が変わり,バトル時の行動が変化するようになる。詳しくは後述するが,パニスはバトル中にプレイヤーが直接操作できない特殊なキャラクターで,気分によって,攻撃重視になったり援護が多めになったりというように,バトル中の行動に変化が現れるのだ。
なお,工房でパンを作ると,「シャノンのパン屋」に並ぶパンの種類も増えていき,お金で買えるようになる。何かと使い道が多いので,工房でいろいろなパンを焼いて,パン屋のラインナップも充実させておきたいところだ。
そのほか,村では,交易商人ラナにアイテムを渡すことで,「大陸」のさまざまなアイテムと交換してきてくれるという交易を行うこともできる。レアなアイテムが手に入ることもあるので,積極的に活用していきたいところである。
行動順を制するものはバトルを制す!? 戦略性の高いバトルシステム
ターン制とはいっても,味方フェイズ/敵フェイズがはっきり分かれているわけではなく,基本的には,敵と味方を含めたキャラクター個々の「行動力」の順番にターンが回ってきて,順番が来たキャラクターをリアルタイムで操作することになる。
キャラクターは,「ムーヴゲージ」を消費して,移動/攻撃/ガードといったアクションを行う。ゲージがゼロになると行動終了となり,次のキャラクターにフェイズが移行する,という流れだ。
キャラクターの行動中は,敵もリアルタイムで攻撃してくる。移動はしないので,攻撃範囲の外にいれば安全だが,敵の攻撃範囲内でぼーっとしていると,やられてしまうこともあるので注意が必要だ。
とはいえ,○ボタンを押してコマンド選択画面を開けば,時間が一時停止される親切設計になっているので,アクションゲームが苦手な人でも,それほど身構える必要はないだろう。
敵に攻撃を行う際,ほかのパーティメンバーがその敵を攻撃可能な範囲内にいると,最大4人で一緒に攻撃できるリンクアタックが発生する。
「デュオ」は,移動中に味方キャラクターに近づいて△ボタンを押すと,そのキャラクターが操作中のキャラクターと一緒に行動するというもの。移動可能距離が短いキャラクターを一気に最前線まで連れて行ったり,ダメージを受けて瀕死のキャラクターを安全な場所まで避難させたりというように,かなり応用が利くコマンドだ。
デュオでお伴する側となる非操作キャラクターは,デュオ中はムーヴゲージを消費しないうえ,移動順にも影響しないので,積極的に使っていこう。
キャラクターの特徴を顕著にあらわしていて,発動条件や効果はさまざま。たとえば,フリードなら「リーダー」(味方が近くにいると攻撃と防御がアップする)や「他人優先」(味方が近くに2人以上いると反応がダウンする),パニスなら「天使」(行動開始時フォースゲージが上昇する)や「記憶喪失」(ムーヴゲージが半分以下になると魔力がダウンする)といった感じだ。
プラスに働くものもあれば,マイナスに働くものもあるので,キャラクターごとの個性を把握して,マイナスのパーソナリティが発動しないようにしておきたいところ。
先に述べたとおり,パニスは,パンをあげて気分を変化させることで,行動パターンをある程度決められる。また,コミュニケーションを取って好感度を上げれば,大まかな指示を出せるようになる。
最後まで記事を読んでくれた人なら分かると思うが,「シャイニング・アーク」のバトルシステムは戦略性が高く,やり込みがいのある骨太なものだ。筆者もまだそれほどゲームを進められていないが,バトルが楽しくて,ついつい時間を忘れてのめり込んでしまっている。サブクエストも豊富に用意されているので,寄り道をすれば,かなりの時間楽しめそうだ。
本作は,Tony氏のデザインしたキャラクターが際立って魅力的で,かつ出演している声優陣が豪華なことに目を引かれやすく,それ以外の要素にあまりスポットが当たっていないとも言えるのだが,完成度の高さは折り紙付きで,シナリオの展開にも期待が持てそうだ。本稿を読んで興味を持った人は,ぜひ手に取ってプレイしてみてほしい。
「シャイニング・アーク」公式サイト
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