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[G-Star 2012]気が付いたら韓国のモバイルゲーム業界がとんでもないことになっていた。全国民の5人に1人が毎日遊ぶ化け物タイトル「AniPang」とは
毎年G-Starを取材している人間としては,にわかに信じがたい光景なのだが,思い起こせば日本の東京ゲームショウでも,GREEをはじめとするモバイル/ソーシャルゲームメーカーが台頭してきている。韓国は日本よりもスマートフォンの普及ペースが速いことを踏まえると,この状況は理解できなくもない。しかし頭では理解できても,実際目にしてみると,やはり驚きを隠せない。会場内で各メーカーの関係者と話しても,みな同様の感想である。
急成長を遂げる韓国モバイルゲーム業界の中で,ひときわ成果をあげているのが,SUNDAYTOZの「AniPang」である。一見なんの変哲もない“落ち物系”のパズルゲームなのだが,実は韓国内だけで毎日1000万人が遊んでいるという化け物タイトルなのだ。
今回,AniPangを展開しているSUNDAYTOZのCEOを務めるKevin Jungwoong Lee氏にコンタクトを取ることができた。韓国モバイルゲーム事情を交えつつ,AniPangがヒットした要因を紹介してみたい。
このAniPangは,韓国だけでダウンロード数が2000万件を記録し,1日あたり1000万人がプレイしているという。韓国の人口は現在約5000万人なので,毎日5人に1人がAniPangで遊んでいる計算だ。また,最大同時接続者数は300万人である。過去に韓国ゲーム業界を牽引した「StarCraft」や「Diablo II」が50〜60万人とのことなので,まさしく桁違いの規模だ。
一体どうして,ここまで浸透しているのか。Kevin氏によると韓国は現在進行形でスマートフォンが爆発的に普及しており,スマートフォンを手にした誰もがAniPangで遊べる環境を整えたことが大きいと語る。たとえば,韓国で最も普及しているメッセンジャーソフト「Kakao Talk(カカオトーク)」をインストールすると,AniPangがバンドルされていたりするのである。ちなみにAniPangがカバーしている年齢層は,10代から70代(!)だそうだ。
余談だが,G-Star 2012では任天堂の韓国法人Nintendo of Koreaが,ニンテンドー3DSを中心にブース出展していた。だが来場客の反応を見る限り,“ゲーム専用機”と“スマートフォン用ゲーム”の差は瞭然であるように思えた。今後,世界でスマートフォンがさらに普及していくことで,ゲーム業界は一体どうなってしまうのか,少し恐ろしい気さえする。
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(C) Sundaytoz, INC
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