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印刷2012/11/10 17:25

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[G-Star 2012]気が付いたら韓国のモバイルゲーム業界がとんでもないことになっていた。全国民の5人に1人が毎日遊ぶ化け物タイトル「AniPang」とは

画像集#001のサムネイル/[G-Star 2012]気が付いたら韓国のモバイルゲーム業界がとんでもないことになっていた。全国民の5人に1人が毎日遊ぶ化け物タイトル「AniPang」とは
 今年のG-Star 2012会場は,実は“モバイルゲーム一色”といえる状況である。昨年までのG-Starを見る限り,モバイルゲームに関しては「盛り上がりの兆しが次第に見えてきた」くらいの印象であったが,今年はまさに大ブレイク。これまでPCオンラインゲームを主力に据えてきた大手メーカーを含め,大半がモバイル中心のブース展開を行っているのだ。

 毎年G-Starを取材している人間としては,にわかに信じがたい光景なのだが,思い起こせば日本の東京ゲームショウでも,GREEをはじめとするモバイル/ソーシャルゲームメーカーが台頭してきている。韓国は日本よりもスマートフォンの普及ペースが速いことを踏まえると,この状況は理解できなくもない。しかし頭では理解できても,実際目にしてみると,やはり驚きを隠せない。会場内で各メーカーの関係者と話しても,みな同様の感想である。

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 急成長を遂げる韓国モバイルゲーム業界の中で,ひときわ成果をあげているのが,SUNDAYTOZの「AniPang」である。一見なんの変哲もない“落ち物系”のパズルゲームなのだが,実は韓国内だけで毎日1000万人が遊んでいるという化け物タイトルなのだ。

 今回,AniPangを展開しているSUNDAYTOZのCEOを務めるKevin Jungwoong Lee氏にコンタクトを取ることができた。韓国モバイルゲーム事情を交えつつ,AniPangがヒットした要因を紹介してみたい。


SUNDAYTOZ CEOのKevin Jungwoong Lee氏
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 「AniPang」は,AndroidiOSでリリースされている,シンプルなパズルである。タッチ&スライドで同じ絵柄を3つ並べて次々と消していく,いわゆる「ZOOKEEPER」的なカジュアルゲームだ。
 このAniPangは,韓国だけでダウンロード数が2000万件を記録し,1日あたり1000万人がプレイしているという。韓国の人口は現在約5000万人なので,毎日5人に1人がAniPangで遊んでいる計算だ。また,最大同時接続者数は300万人である。過去に韓国ゲーム業界を牽引した「StarCraft」や「Diablo II」が50〜60万人とのことなので,まさしく桁違いの規模だ。

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 話を聞いたときは「そんなバカな」と思ったのだが,たとえばG-Starの会場内で休憩している人や,釜山の地下鉄や居酒屋などで目にする人,タクシー運転手や普段はゲームをまったく遊ばない通訳さんまで,皆がスマートフォンを手にしている。そして彼らの多くがAniPangで遊んでいるのだ。

 一体どうして,ここまで浸透しているのか。Kevin氏によると韓国は現在進行形でスマートフォンが爆発的に普及しており,スマートフォンを手にした誰もがAniPangで遊べる環境を整えたことが大きいと語る。たとえば,韓国で最も普及しているメッセンジャーソフト「Kakao Talk(カカオトーク)」をインストールすると,AniPangがバンドルされていたりするのである。ちなみにAniPangがカバーしている年齢層は,10代から70代(!)だそうだ。

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 SUNDAYTOZは2008年に設立された,比較的若いゲームメーカーである。AniPangのヒットは,偶然が重なった結果のように感じる人がいるかもしれないが,Kevin氏らは会社の設立当初からスマートフォンの普及を見据えたうえで,モバイルゲームに取り組んできたという。もっとも,きっとヒットするとは確信していたものの,まさかここまでの規模になるとは夢にも思わなかったそうだが。

 余談だが,G-Star 2012では任天堂の韓国法人Nintendo of Koreaが,ニンテンドー3DSを中心にブース出展していた。だが来場客の反応を見る限り,“ゲーム専用機”と“スマートフォン用ゲーム”の差は瞭然であるように思えた。今後,世界でスマートフォンがさらに普及していくことで,ゲーム業界は一体どうなってしまうのか,少し恐ろしい気さえする。

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